有価証券報告書-第20期(2022/04/01-2023/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直しの動きが見られました。一方で、急速な円安の進行やウクライナ情勢等により資源価格や原材料価格が上昇し、また海外景気の下振れも懸念されるなど、不透明な状況にありました。
先行きにつきましては、各種政策の効果や新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、景気は持ち直していくことが期待されますが、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響については、十分注意する必要があります。
国内建設市場におきましては、引き続き建設投資は底堅く推移するものと見込まれていますが、建設資材の価格高騰や労務需給の逼迫等の影響が懸念され、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えています。
このような状況の下、当社グループにおきましては、当期を初年度とする「中期経営計画2022-2024」のテーマを「新たな成長へ~サステナブル社会の実現に向けて~」と設定しており、その基本方針である「収益力の向上」「成長分野への挑戦」「人材(=人財)基盤の強化」に取組んでまいりました。
しかしながら、当期に現在施工中の国内大型建築工事において多額の工事損失を追加計上しました。これに加え、一部の国内建築工事において建設資材の価格高騰等の影響を受け、工事採算が大きく低下したこと及び繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額に計上したことなどにより、当期の業績は大幅に悪化しました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は、前期比で553億円増加し、4,586億円となりました。損益につきましては、営業損失188億円(前期は営業損失75億円)、経常損失185億円(前期は経常損失83億円)、親会社株主に帰属する当期純損失257億円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失70億円)となりました。
(連結業績) (単位:億円)
②セグメント業績
土木部門・建築部門それぞれのセグメント業績は以下のとおりです。なお、部門ごとのデータは、内部売上高、又は振替高を含めて記載しています。
(土木部門) (単位:億円)
土木部門では、業界屈指の設計・施工実績を有するプレストレストコンクリート(PC)橋梁分野の他、トンネル、シールド、エネルギー関連施設等の幅広い分野で社会基盤の整備に取り組んでいます。高速道路大規模更新事業においては、競争力の向上によりストック市場での業界トップクラスの地位の確立に取り組んでいます。
当連結会計年度における売上高は、手持ち工事の進捗及び前期に株式取得した連結子会社の増加などにより2,219億円(前期比15.5%増加)となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、工事採算の改善により290億円(前期比18.0%増加)となりました。
(建築部門) (単位:億円)
建築部門では、安定した利益の創出に向けて競争優位性の高い分野を軸とした事業展開を図っています。また、三井・住友両グループをはじめとした顧客との信頼関係の一層の強化により事業基盤の強化に取り組んでいます。
当連結会計年度における売上高は、手持ち工事の進捗などにより2,377億円(前期比12.6%増加)となりました。セグメント損失は、国内大型建築工事における採算が大幅に悪化したことなどにより201億円(前期はセグメント損失65億円)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因としては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の当社施工の横浜市所在マンションに係る訴訟の結果次第では、今後連結業績に影響を与える可能性があります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していません。また、連結子会社においては受注生産形態をとっていない事業もあることから、報告セグメントごとに受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
よって、受注及び販売の実績については、可能な限り「(1) 経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しています。
なお、参考のため提出会社個別の建設事業の実績は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
② 受注工事高
③ 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比です。
④ 完成工事高
(注)1 海外工事の地域別割合は、次のとおりです。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
当事業年度
3 前事業年度及び当事業年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別はありません。
⑤ 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
(3) 財政状態の状況
(資産)
現金預金は前連結会計年度末比で58億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等は前連結会計年度末比で181億円増加、その他流動資産は前連結会計年度末比で83億円増加しました。
投資その他の資産は、繰延税金資産の取崩し等により、前連結会計年度末比で68億円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比で161億円増加し、4,102億円となりました。
(負債)
短期借入金、長期借入金及び社債を合計した有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末比で195億円の増加となりました。
未成工事受入金は前連結会計年度末比で66億円増加、工事損失引当金は前連結会計年度末比で189億円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比で446億円増加し、3,390億円となりました。
(純資産)
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上257億円及び、剰余金の配当31億円の結果、前連結会計年度末比で281億円の減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比で286億円減少し、711億円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の23.2%比7.7ポイント低下の15.5%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失183億円の計上及び、売上債権の増加172億円、工事損失引当金の増加189億円等により、161億円の資金の減少(前期は100億円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形並びに無形固定資産の取得による支出及び、定期預金の減少等により35億円の資金の減少(前期は130億円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、剰余金の配当、長期借入金の返済等による資金の減少があったものの、社債の発行やシンジケートローン契約の借入実行により142億円の資金の増加(前期は21億円の資金の減少)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は608億円(前期末比43億円の資金の減少)となりました。
当社グループの運転資金の調達につきましては、資金需要の増加に対して、主要な取引金融機関と組成した複数のシンジケートローン及び社債の発行により長期安定的な資金を確保しています。
短期の運転資金につきましては、上記の資金をベースに、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本として資金運営を行っており、より安定的な資金運営を確保すべく、当連結会計年度においては、主要な取引金融機関との間で2020年5月に締結したシンジケーション方式によるコミットメントライン契約(300億円)を同条件にて契約更新し、資金調達を行いました。
また、コミットメントライン契約につきましては、上記の運転資金枠のほかに、2016年3月に締結した借入限度額200億円、2020年6月に締結した借入限度額200億円について、それぞれ同条件にて契約を更新しました。なお、当連結会計年度末において、これらコミットメントライン3契約による借入残高はありません。
また、2022年6月にサステナビリティボンドとして第2回無担保社債(5年債)50億円を新たに発行し、調達手段の多様化を図り、環境・社会の持続可能性への貢献に寄与しています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われています。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
②退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。将来、取引先の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
④完成工事補償引当金
完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
⑤工事損失引当金
受注時における戦略的低採算案件や工事契約における未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る工事等については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
⑥偶発損失引当金
連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載した内容と同一です。
⑦株式報酬引当金
当社連結子会社において、株式交付規程に基づく役員等への株式の給付等に備えて当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
⑧工事契約等における収益認識
連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載した内容と同一です。
⑨固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
「第2 事業の状況」における本文中の億円単位の表示は単位未満四捨五入とし、それ以外の金額の表示は表示単位未満切捨てにより表示しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直しの動きが見られました。一方で、急速な円安の進行やウクライナ情勢等により資源価格や原材料価格が上昇し、また海外景気の下振れも懸念されるなど、不透明な状況にありました。
先行きにつきましては、各種政策の効果や新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで、景気は持ち直していくことが期待されますが、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響については、十分注意する必要があります。
国内建設市場におきましては、引き続き建設投資は底堅く推移するものと見込まれていますが、建設資材の価格高騰や労務需給の逼迫等の影響が懸念され、引き続き厳しい経営環境が続くものと考えています。
このような状況の下、当社グループにおきましては、当期を初年度とする「中期経営計画2022-2024」のテーマを「新たな成長へ~サステナブル社会の実現に向けて~」と設定しており、その基本方針である「収益力の向上」「成長分野への挑戦」「人材(=人財)基盤の強化」に取組んでまいりました。
しかしながら、当期に現在施工中の国内大型建築工事において多額の工事損失を追加計上しました。これに加え、一部の国内建築工事において建設資材の価格高騰等の影響を受け、工事採算が大きく低下したこと及び繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額に計上したことなどにより、当期の業績は大幅に悪化しました。
当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は、前期比で553億円増加し、4,586億円となりました。損益につきましては、営業損失188億円(前期は営業損失75億円)、経常損失185億円(前期は経常損失83億円)、親会社株主に帰属する当期純損失257億円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失70億円)となりました。
(連結業績) (単位:億円)
| 2021年度実績 | 2022年度実績 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 4,033 | 4,586 | 553 | 13.7 |
| 営業損失(△) | △75 | △188 | △113 | - |
| 経常損失(△) | △83 | △185 | △101 | - |
| 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | △70 | △257 | △187 | - |
②セグメント業績
土木部門・建築部門それぞれのセグメント業績は以下のとおりです。なお、部門ごとのデータは、内部売上高、又は振替高を含めて記載しています。
(土木部門) (単位:億円)
| 2021年度実績 | 2022年度実績 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 1,921 | 2,219 | 298 | 15.5 |
| セグメント利益 | 246 | 290 | 44 | 18.0 |
土木部門では、業界屈指の設計・施工実績を有するプレストレストコンクリート(PC)橋梁分野の他、トンネル、シールド、エネルギー関連施設等の幅広い分野で社会基盤の整備に取り組んでいます。高速道路大規模更新事業においては、競争力の向上によりストック市場での業界トップクラスの地位の確立に取り組んでいます。
当連結会計年度における売上高は、手持ち工事の進捗及び前期に株式取得した連結子会社の増加などにより2,219億円(前期比15.5%増加)となりました。セグメント利益は、売上高の増加に加え、工事採算の改善により290億円(前期比18.0%増加)となりました。
(建築部門) (単位:億円)
| 2021年度実績 | 2022年度実績 | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 2,111 | 2,377 | 266 | 12.6 |
| セグメント損失(△) | △65 | △201 | △136 | - |
建築部門では、安定した利益の創出に向けて競争優位性の高い分野を軸とした事業展開を図っています。また、三井・住友両グループをはじめとした顧客との信頼関係の一層の強化により事業基盤の強化に取り組んでいます。
当連結会計年度における売上高は、手持ち工事の進捗などにより2,377億円(前期比12.6%増加)となりました。セグメント損失は、国内大型建築工事における採算が大幅に悪化したことなどにより201億円(前期はセグメント損失65億円)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
主な要因としては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の当社施工の横浜市所在マンションに係る訴訟の結果次第では、今後連結業績に影響を与える可能性があります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載していません。また、連結子会社においては受注生産形態をとっていない事業もあることから、報告セグメントごとに受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
よって、受注及び販売の実績については、可能な限り「(1) 経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しています。
なお、参考のため提出会社個別の建設事業の実績は次のとおりです。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 土木工事 | 332,055 | 116,255 | 448,310 | 127,965 | 320,345 |
| 建築工事 | 369,333 | 193,314 | 562,648 | 175,999 | 386,648 | |
| 計 | 701,389 | 309,569 | 1,010,958 | 303,964 | 706,994 | |
| 当事業年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 土木工事 | 320,345 | 174,151 | 494,497 | 147,964 | 346,533 |
| 建築工事 | 386,648 | 150,691 | 537,340 | 189,334 | 348,006 | |
| 計 | 706,994 | 324,843 | 1,031,837 | 337,298 | 694,539 |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
② 受注工事高
| 期別 | 区分 | 国内 | 海外 | 計 (B) (百万円) | ||
| 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | (A) (百万円) | (A)/(B) (%) | |||
| 前事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 土木工事 | 88,615 | 21,842 | 5,797 | 5.0 | 116,255 |
| 建築工事 | 25,901 | 164,551 | 2,861 | 1.5 | 193,314 | |
| 計 | 114,516 | 186,394 | 8,658 | 2.8 | 309,569 | |
| 当事業年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 土木工事 | 75,339 | 19,900 | 78,911 | 45.3 | 174,151 |
| 建築工事 | 4,877 | 134,142 | 11,671 | 7.7 | 150,691 | |
| 計 | 80,216 | 154,043 | 90,583 | 27.9 | 324,843 | |
③ 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 土木工事 | 29.4 | 70.6 | 100 |
| 建築工事 | 46.7 | 53.3 | 100 | |
| 当事業年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 土木工事 | 26.7 | 73.3 | 100 |
| 建築工事 | 34.2 | 65.8 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比です。
④ 完成工事高
| 期別 | 区分 | 国内 | 海外 | 計 (B) (百万円) | ||
| 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | (A) (百万円) | (A)/(B) (%) | |||
| 前事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 土木工事 | 69,724 | 21,268 | 36,972 | 28.9 | 127,965 |
| 建築工事 | 15,062 | 152,956 | 7,980 | 4.5 | 175,999 | |
| 計 | 84,786 | 174,224 | 44,953 | 14.8 | 303,964 | |
| 当事業年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 土木工事 | 80,641 | 23,391 | 43,930 | 29.7 | 147,964 |
| 建築工事 | 14,673 | 167,595 | 7,064 | 3.7 | 189,334 | |
| 計 | 95,315 | 190,987 | 50,995 | 15.1 | 337,298 | |
(注)1 海外工事の地域別割合は、次のとおりです。
| 地域 | 前事業年度 (%) | 当事業年度 (%) | |
| アジア | 90.8 | 89.3 | |
| その他 | 9.2 | 10.7 | |
| 計 | 100 | 100 |
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度
| 区分 | 発 注 者 | 工 事 名 称 |
| 土木工事 | スリランカ民主社会主義共和国 高等教育高速道路省 道路開発庁 | ケラニ河新橋建設事業 パッケージ2 |
| 宮城県 | (仮)鎮守大橋上部工工事 (中央) | |
| 中国電力株式会社 | 三隅発電所2号機ばい煙処理装置基礎他工事 | |
| 建築工事 | 三井不動産レジデンシャル株式会社 | (仮称)千葉県鴨川市浜荻計画 |
| 三菱地所株式会社 | 大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業D棟新築工事 | |
| 東京建物株式会社 | (仮称)Brillia有明Ⅳ計画 |
当事業年度
| 区分 | 発 注 者 | 工 事 名 称 |
| 土木工事 | 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | 北陸新幹線、深山トンネル他 |
| 中日本高速道路株式会社 | 新東名高速道路 湯船高架橋工事 | |
| 日本製紙ユニテック株式会社 | 鈴川エネルギーセンター株式会社 バイオマス専焼化事業のうち木質ペレットサイロ土建工事(1期工事) | |
| 建築工事 | 横浜戸塚施設開発特定目的会社 | (仮称)DPL横浜戸塚 新築工事 |
| 三井不動産レジデンシャル株式会社 | (仮称)千代田区四番町4計画 | |
| 熊本県 益城町 | 令和2年度 新庁工第2号 益城町新庁舎建設工事(建築) |
3 前事業年度及び当事業年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別はありません。
⑤ 次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
| 区分 | 国内 | 海外 | 計 (B) (百万円) | |||
| 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | (A) (百万円) | (A)/(B) (%) | |||
| 土木工事 | 170,143 | 71,866 | 104,523 | 30.2 | 346,533 | |
| 建築工事 | 43,013 | 287,783 | 17,209 | 4.9 | 348,006 | |
| 計 | 213,156 | 359,649 | 121,732 | 17.5 | 694,539 | |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりです。
| 区分 | 発 注 者 | 工 事 名 称 |
| 土木工事 | ジャカルタ高速鉄道株式会社 | ジャカルタ高速鉄道建設工事(第2期)CP203工区 |
| 西日本高速道路株式会社 | 中国自動車道(特定更新等)三尾橋(下り線)他5橋床版取替工事 | |
| 国土交通省 | すさみ串本道路 田並トンネル工事 | |
| 建築工事 | 埼玉県 川口市 | 戸塚環境センター施設設備工事 |
| 住友金属鉱山株式会社 | 新居浜電池工場建設土建工事 | |
| 日本国外務省 | 在スリランカ日本国大使館増改築工事 |
(3) 財政状態の状況
(資産)
現金預金は前連結会計年度末比で58億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等は前連結会計年度末比で181億円増加、その他流動資産は前連結会計年度末比で83億円増加しました。
投資その他の資産は、繰延税金資産の取崩し等により、前連結会計年度末比で68億円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比で161億円増加し、4,102億円となりました。
(負債)
短期借入金、長期借入金及び社債を合計した有利子負債残高につきましては、前連結会計年度末比で195億円の増加となりました。
未成工事受入金は前連結会計年度末比で66億円増加、工事損失引当金は前連結会計年度末比で189億円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比で446億円増加し、3,390億円となりました。
(純資産)
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上257億円及び、剰余金の配当31億円の結果、前連結会計年度末比で281億円の減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比で286億円減少し、711億円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の23.2%比7.7ポイント低下の15.5%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失183億円の計上及び、売上債権の増加172億円、工事損失引当金の増加189億円等により、161億円の資金の減少(前期は100億円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形並びに無形固定資産の取得による支出及び、定期預金の減少等により35億円の資金の減少(前期は130億円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、剰余金の配当、長期借入金の返済等による資金の減少があったものの、社債の発行やシンジケートローン契約の借入実行により142億円の資金の増加(前期は21億円の資金の減少)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は608億円(前期末比43億円の資金の減少)となりました。
当社グループの運転資金の調達につきましては、資金需要の増加に対して、主要な取引金融機関と組成した複数のシンジケートローン及び社債の発行により長期安定的な資金を確保しています。
短期の運転資金につきましては、上記の資金をベースに、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本として資金運営を行っており、より安定的な資金運営を確保すべく、当連結会計年度においては、主要な取引金融機関との間で2020年5月に締結したシンジケーション方式によるコミットメントライン契約(300億円)を同条件にて契約更新し、資金調達を行いました。
また、コミットメントライン契約につきましては、上記の運転資金枠のほかに、2016年3月に締結した借入限度額200億円、2020年6月に締結した借入限度額200億円について、それぞれ同条件にて契約を更新しました。なお、当連結会計年度末において、これらコミットメントライン3契約による借入残高はありません。
また、2022年6月にサステナビリティボンドとして第2回無担保社債(5年債)50億円を新たに発行し、調達手段の多様化を図り、環境・社会の持続可能性への貢献に寄与しています。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われています。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
①繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
②退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。将来、取引先の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
④完成工事補償引当金
完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
⑤工事損失引当金
受注時における戦略的低採算案件や工事契約における未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積ることが出来る工事等については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
⑥偶発損失引当金
連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載した内容と同一です。
⑦株式報酬引当金
当社連結子会社において、株式交付規程に基づく役員等への株式の給付等に備えて当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
⑧工事契約等における収益認識
連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載した内容と同一です。
⑨固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
「第2 事業の状況」における本文中の億円単位の表示は単位未満四捨五入とし、それ以外の金額の表示は表示単位未満切捨てにより表示しています。