訂正有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
(1) 経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、世界経済の成長鈍化により輸出は減少傾向で推移したが、個人消費や公共投資に牽引され、昨年10月に消費税率の引上げが実施されたにも拘らず、第3四半期まではプラス成長を持続し、雇用や所得環境の緩やかな改善も続いていた。しかしながら年度末にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が急減速し、足許の経済活動は徐々に再開されているが、V字回復は期待できない状況である。
国内建設市場においては、公共投資は堅調に推移しているが、世界経済への先行き不透明感等から民間設備投資が減速しているうえ、新型コロナウイルスの影響により、企業の設備投資計画の見直し等が懸念される、難しい受注環境となった。
このような状況のなか、当社グループは、第78期よりスタートした中期経営計画「中計80」の主要施策を推進し、国内リノベーション事業や海外での受注拡大、国内・海外拠点間の営業連携強化、ICTの推進による生産性向上や営業力の強化に努めるとともに、政府と業界が一体となって推進する「働き方改革」にも取組んできた。
その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなった。なお、文中の数値は内部取引等消去後の数値である。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3億14百万円減少し、1,168億38百万円(前年同期比0.3%減)となった。当連結会計年度の売上高の内容として、前連結会計年度に比べ、建設事業は4億18百万円減少し、1,155億51百万円(前年同期比0.4%減)となり、不動産事業他は1億3百万円増加し、12億86百万円(前年同期比8.8%増)となった。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ16億97百万円減少し、37億79百万円(前年同期比31.0%減)となった。当社グループの主力事業である建設事業においては、建設事業(日本)の営業利益は、13億50百万円減少し30億28百万円(前年同期比30.8%減)となり、建設事業(東南アジア)の営業利益は、4億10百万円減少し82百万円(前年同期比83.2%減)となり、建設事業合計の営業利益は、17億60百万円減少し31億11百万円(前年同期比36.1%減)となった。不動産事業においては、不動産事業(日本)の営業利益は、63百万円増加し6億21百万円(前年同期比11.3%増)となり、不動産事業(東南アジア)の営業利益は、0百万円減少し13百万円(前年同期比6.0%減)となり、不動産事業合計の営業利益は、62百万円増加し6億35百万円(前年同期比10.9%増)となった。その他の事業の営業利益は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、33百万円(前年同期比3.3%増)となった。経常利益は、前連結会計年度に比べ18億84百万円減少し、40億70百万円(前年同期比31.7%減)となった。また、法人税等合計12億10百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12億8百万円減少し、27億81百万円(前年同期比30.3%減)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「中計80」の初年度であるが、建設事業売上高については、前連結会計年度に比べ、国内建設事業は減少しており、厳しい状況にあるが、海外建設事業は増加しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があった海外連結子会社もあったが、概ね順調に推移してきた。しかしながら、連結営業利益については、前連結会計年度に比べ、減少している。これは国内建設事業、海外建設事業ともに減少したことなどによるものであるが、今後も引き続き、中期経営計画「中計80」の主要施策を確実に遂行し、目標の達成を目指す。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
建設事業
日本
当社グループの建設事業の日本における受注高は、702億88百万円(前年同期比27.3%減)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ75億92百万円減少し、775億4百万円(前年同期比8.9%減)となり、売上高の減少及び一部工事の利益率低下などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ13億54百万円減少し、30億27百万円(前年同期比30.9%減)となった。
東南アジア
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、453億45百万円(前年同期比60.2%増)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ71億54百万円増加し、380億47百万円(前年同期比23.2%増)となり、売上高は増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う一部連結子会社閉鎖による工事進捗率の低下や一部工事の利益率低下などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ4億10百万円減少し、82百万円(前年同期比83.2%減)となった。
不動産事業
日本
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、前連結会計年度に比べ1億2百万円増加し、11億51百万円(前年同期比9.8%増)となり、売上高の増加により、営業利益は、前連結会計年度に比べ67百万円増加し、6億22百万円(前年同期比12.1%増)となった。
東南アジア
不動産事業の東南アジアにおける売上高は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、26百万円(前年同期比4.2%減)となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ0百万円減少し、13百万円(前年同期比6.0%減)となった。
その他の事業
その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ3百万円増加し、1億9百万円(前年同期比2.9%増)となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、33百万円(前年同期比3.3%増)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
① 受注実績
② 売上実績
(注) 1 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っていない。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
3 上記①及び②は、セグメント間取引の相殺消去後の金額である。
4 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は、次のとおりである。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
① 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでいる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
③ 完成工事高
(注) 1 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第77期請負金額10億円以上の主なもの
第78期請負金額10億円以上の主なもの
④ 次期繰越工事高(令和2年3月31日)
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億33百万円減少し、812億17百万円となった。資産の内容として、流動資産は、前連結会計年度末に比べ30億49百万円減少し、609億59百万円となった。これは、「受取手形・完成工事未収入金等」が45億76百万円及び「未収消費税等」が22億2百万円それぞれ増加したが、「現金預金」が97億93百万円減少したことなどによるものである。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億83百万円減少し、202億57百万円となった。
セグメントごとの資産は、次のとおりである。
建設事業
日本
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ56億71百万円増加し、311億40百万円となった。これは、「未収入金」が12億99百万円減少したが、「現金預金」が26億円及び「受取手形・完成工事未収入金等」が41億43百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
東南アジア
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億26百万円増加し、234億28百万円となった。これは、「受取手形・完成工事未収入金等」が4億33百万円及び「未成工事支出金」が14億13百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
不動産事業
日本
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ29百万円増加し、125億15百万円となった。
東南アジア
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、10億36百万円となった。これは、為替変動の影響などによるものである。
その他の事業
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、3億52百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ41億1百万円減少し、459億95百万円となった。負債の内容として、流動負債は、前連結会計年度末に比べ44億41百万円減少し、434億18百万円となった。これは、「未成工事受入金」が9億28百万円増加したが、「支払手形・工事未払金等」が8億44百万円、「1年内償還予定の社債」が10億円、「未払法人税等」が10億円及び「その他」に含まれる「未払消費税等」が18億71百万円それぞれ減少したことなどによるものである。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億40百万円増加し、25億77百万円となった。これは、「長期借入金」が3億10百万円減少したが、「社債」が5億円増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億68百万円増加し、352億21百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益27億81百万円の計上や為替の変動による為替換算調整勘定の影響などによるものである。
また、自己資本比率については、前連結会計年度末の39.1%から42.0%となった。
当社グループの連結自己資本については、当連結会計年度よりスタートした中期経営計画「中計80」の施策などにより、自己資本は強化されている。今後も中期経営計画「中計80」に掲げる基本方針のもと、着実に主要施策を遂行し、持続的成長を図るとともに財務体質の更なる強化を目指す。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益38億53百万円を計上し、未成工事受入金の増加などがあったが、売上債権及び未成工事支出金の増加、未払又は未収消費税等の増減、法人税等の支払いなどにより、67億97百万円のマイナス(前年同期は28億64百万円のプラス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などがあったが、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出などにより、5億55百万円のマイナス(前年同期は25億44百万円のプラス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などがあったが、長期借入金の返済による支出及び社債の償還による支出などにより、18億21百万円のマイナス(前年同期は9億31百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ99億88百万円減少し、216億12百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金、借入金及び社債によっている。なお、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおり、重要な資本的支出の予定がある。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載している。
(5) 中期経営計画「中計80」(令和2年3月期~令和4年3月期)の概要
[中計80基本方針]
グループ総合力を発揮して、持続的成長戦略を推進すると共に、意識改革と技術革新により、生産性向上と働き方改革を実現させ、未来に向けた企業価値の向上を図る。
①国内全店におけるリノベーション事業の拡大とICТ活用推進
②海外建設事業の営業力とコスト競争力の強化
③国内・海外拠点間の情報連携による受注増強
④国内外に於ける不動産賃貸事業の拡大
⑤生産性向上と働き方改革の実現
⑥財務体質の更なる強化と安定した株主還元
[経営目標(令和4年3月期 最終年度 数値目標)]
①建設事業売上高合計 1,300億円
②連結営業利益 55億円
③連結自己資本 380億円
④株主配当 17円以上
[基本方針と主要施策]
(国内建設事業)
「量より質」の大方針を維持しつつ、成長戦略を推進。
全店でのリノベーション工事と官庁工事への対応を強化し、国内建設事業の売上高を維持向上させると共に、ICТ技術の活用を推進して生産性向上を図り、働き方改革を実現する。
①リノベーション工事の受注拡大
②生産性の向上による施工能力の増強
③安全と品質水準の更なる向上
④現場力の更なる強化と魅力ある作業所環境の形成
(海外建設事業)
堅固な450億円体制を再構築し、次のステージで600億円体制を目指す為に、ローカル社員と共に、営業活動の強化とコスト競争力の向上により受注を増強し、工事利益の改善により収益力を強化する。
①営業体制と営業活動の強化による受注増強
②積算精度の向上や工法検討等によるコスト競争力強化
③VE・CDや調達方法の見直し等、拠点の創意結集による工事利益改善
④業績考課等によるローカル社員のモチベーション向上
(不動産事業)
手許資金を有効活用し、収益不動産物件への新規投資により、不動産事業のセグメント利益を中長期的に10億円以上に引き上げ、当社グループのストック収益を増強する。
①中古物件にリノベーションやコンバージョンを施し、収益利回り向上
②建設事業の顧客との連携強化による物件取得やテナント誘致
③運営会社(オペレーター)との協働による多用途化(ビジネスホテル等)
④成長性のある東南アジアでの不動産事業強化
(人材面)
①新卒採用と中途採用の拡大による社員数の増強
②定年再雇用方針の見直し(雇用延長の弾力化と処遇改善)
③「働き方改革」に対応した労務環境の改善
・年間5日以上の有給休暇取得
・残業上限規制への対応
・作業所における週休二日(閉所)
・更なる女性活躍推進
(6) 経営成績等に重要な影響を与える要因
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による経済活動等への影響については、予測することができない状況が今後も続くものと思われる。当連結会計年度において、国内建設事業については、感染症による影響は限定的であるが、東南アジアの一部の連結子会社においては、作業所及び事務所の閉鎖等を行っている。今後、世界的な感染拡大が長期化する場合には、国内建設事業、海外建設事業ともに、受注高及び売上高が減少する可能性があり、また、施工中の工事現場内で感染症が発生した場合には、長期の工事中断や資機材の搬入の遅れなどにより、経営成績等に影響を与える可能性がある。
不動産事業については、国内・海外ともに、今後のテレワークの普及状況等により、賃貸市場の需給動向が経営成績等に影響を与える可能性がある。
なお、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の終息時期の予想をすることは困難であるが、海外連結子会社において、中断している工事については、上半期までに順次再開すると見込んでいる。
(1) 経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、世界経済の成長鈍化により輸出は減少傾向で推移したが、個人消費や公共投資に牽引され、昨年10月に消費税率の引上げが実施されたにも拘らず、第3四半期まではプラス成長を持続し、雇用や所得環境の緩やかな改善も続いていた。しかしながら年度末にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が急減速し、足許の経済活動は徐々に再開されているが、V字回復は期待できない状況である。
国内建設市場においては、公共投資は堅調に推移しているが、世界経済への先行き不透明感等から民間設備投資が減速しているうえ、新型コロナウイルスの影響により、企業の設備投資計画の見直し等が懸念される、難しい受注環境となった。
このような状況のなか、当社グループは、第78期よりスタートした中期経営計画「中計80」の主要施策を推進し、国内リノベーション事業や海外での受注拡大、国内・海外拠点間の営業連携強化、ICTの推進による生産性向上や営業力の強化に努めるとともに、政府と業界が一体となって推進する「働き方改革」にも取組んできた。
その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなった。なお、文中の数値は内部取引等消去後の数値である。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3億14百万円減少し、1,168億38百万円(前年同期比0.3%減)となった。当連結会計年度の売上高の内容として、前連結会計年度に比べ、建設事業は4億18百万円減少し、1,155億51百万円(前年同期比0.4%減)となり、不動産事業他は1億3百万円増加し、12億86百万円(前年同期比8.8%増)となった。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ16億97百万円減少し、37億79百万円(前年同期比31.0%減)となった。当社グループの主力事業である建設事業においては、建設事業(日本)の営業利益は、13億50百万円減少し30億28百万円(前年同期比30.8%減)となり、建設事業(東南アジア)の営業利益は、4億10百万円減少し82百万円(前年同期比83.2%減)となり、建設事業合計の営業利益は、17億60百万円減少し31億11百万円(前年同期比36.1%減)となった。不動産事業においては、不動産事業(日本)の営業利益は、63百万円増加し6億21百万円(前年同期比11.3%増)となり、不動産事業(東南アジア)の営業利益は、0百万円減少し13百万円(前年同期比6.0%減)となり、不動産事業合計の営業利益は、62百万円増加し6億35百万円(前年同期比10.9%増)となった。その他の事業の営業利益は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、33百万円(前年同期比3.3%増)となった。経常利益は、前連結会計年度に比べ18億84百万円減少し、40億70百万円(前年同期比31.7%減)となった。また、法人税等合計12億10百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12億8百万円減少し、27億81百万円(前年同期比30.3%減)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「中計80」の初年度であるが、建設事業売上高については、前連結会計年度に比べ、国内建設事業は減少しており、厳しい状況にあるが、海外建設事業は増加しており、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があった海外連結子会社もあったが、概ね順調に推移してきた。しかしながら、連結営業利益については、前連結会計年度に比べ、減少している。これは国内建設事業、海外建設事業ともに減少したことなどによるものであるが、今後も引き続き、中期経営計画「中計80」の主要施策を確実に遂行し、目標の達成を目指す。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
建設事業
日本
当社グループの建設事業の日本における受注高は、702億88百万円(前年同期比27.3%減)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ75億92百万円減少し、775億4百万円(前年同期比8.9%減)となり、売上高の減少及び一部工事の利益率低下などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ13億54百万円減少し、30億27百万円(前年同期比30.9%減)となった。
東南アジア
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、453億45百万円(前年同期比60.2%増)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ71億54百万円増加し、380億47百万円(前年同期比23.2%増)となり、売上高は増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う一部連結子会社閉鎖による工事進捗率の低下や一部工事の利益率低下などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ4億10百万円減少し、82百万円(前年同期比83.2%減)となった。
不動産事業
日本
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、前連結会計年度に比べ1億2百万円増加し、11億51百万円(前年同期比9.8%増)となり、売上高の増加により、営業利益は、前連結会計年度に比べ67百万円増加し、6億22百万円(前年同期比12.1%増)となった。
東南アジア
不動産事業の東南アジアにおける売上高は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、26百万円(前年同期比4.2%減)となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ0百万円減少し、13百万円(前年同期比6.0%減)となった。
その他の事業
その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ3百万円増加し、1億9百万円(前年同期比2.9%増)となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、33百万円(前年同期比3.3%増)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
① 受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) (百万円) | ||
| 建設事業 | 日本 | 96,708 | 70,288 | (27.3%減) |
| 東南アジア | 28,313 | 45,345 | (60.2%増) | |
| 合計 | 125,022 | 115,633 | ( 7.5%減) | |
② 売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) (百万円) | ||
| 建設事業 | 日本 | 85,077 | 77,504 | ( 8.9%減) |
| 東南アジア | 30,893 | 38,047 | (23.2%増) | |
| 計 | 115,970 | 115,551 | ( 0.4%減) | |
| 不動産事業 | 日本 | 1,048 | 1,150 | ( 9.7%増) |
| 東南アジア | 28 | 26 | ( 4.2%減) | |
| 計 | 1,076 | 1,177 | ( 9.4%増) | |
| その他の事業 | 105 | 109 | ( 2.9%増) | |
| 合計 | 117,152 | 116,838 | ( 0.3%減) | |
(注) 1 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っていない。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
3 上記①及び②は、セグメント間取引の相殺消去後の金額である。
4 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は、次のとおりである。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
① 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
| 期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 第77期 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 建築 | 69,300 | 95,987 | 165,287 | 84,138 | 81,148 |
| 土木 | 416 | 741 | 1,158 | 957 | 200 | |
| 計 | 69,717 | 96,728 | 166,445 | 85,096 | 81,348 | |
| 第78期 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 建築 | 81,148 | 69,832 | 150,981 | 77,285 | 73,696 |
| 土木 | 200 | 456 | 656 | 218 | 437 | |
| 計 | 81,348 | 70,288 | 151,637 | 77,504 | 74,133 |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでいる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 第77期 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 建築工事 | 42.9 | 57.1 | 100 |
| 土木工事 | 25.5 | 74.5 | 100 | |
| 第78期 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 建築工事 | 37.0 | 63.0 | 100 |
| 土木工事 | 1.0 | 99.0 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比である。
③ 完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 第77期 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 建築工事 | 9,031 | 75,107 | 84,138 |
| 土木工事 | 742 | 214 | 957 | |
| 計 | 9,774 | 75,322 | 85,096 | |
| 第78期 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 建築工事 | 11,781 | 65,504 | 77,285 |
| 土木工事 | 137 | 81 | 218 | |
| 計 | 11,918 | 65,585 | 77,504 |
(注) 1 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第77期請負金額10億円以上の主なもの
| 発注者 | 工事名称 |
| 東京都千代田区 | 区立九段小学校・幼稚園改築工事 |
| 独立行政法人国立印刷局 | 小田原工場製版棟新築工事(建築) |
| 学校法人日本工業大学 | 日本工業大学 講義棟・食堂等・クラブ棟他新築工事 |
| エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 阪急不動産株式会社 | 茨木市中津町共同住宅新築工事 |
| 株式会社児湯食鳥 | 株式会社児湯食鳥 八代事業部 新工場建設計画 |
第78期請負金額10億円以上の主なもの
| 発注者 | 工事名称 |
| 東京都品川区 | (仮称)品川区立障害児者総合支援施設新築工事 |
| 兵庫県川西市 | 川西市消防本部及び川西市南消防署整備工事 |
| 公益財団法人JKA | (仮称)日本競輪選手養成所屋内型250mトラック建設計画 |
| 株式会社ヒラノテクシード | (仮称)ヒラノテクシード 京都プロダクトリサーチセンター新築工事 |
| 学校法人順天堂 | (仮称)第3教育棟新築工事 |
④ 次期繰越工事高(令和2年3月31日)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 建築工事 | 8,423 | 65,272 | 73,696 |
| 土木工事 | 437 | ― | 437 |
| 計 | 8,861 | 65,272 | 74,133 |
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
| 発注者 | 工事名称 | 完成予定 |
| 独立行政法人国立病院機構神奈川病院 | 独立行政法人国立病院機構神奈川病院 一般病棟等建替整備工事(建築) | 令和3年2月 |
| 東京都中野区 | 中野東中学校等複合施設新築工事 | 令和3年9月 |
| 株式会社サクラクレパス | (仮称)サクラクレパス大阪工場新本部棟他新築工事 | 令和2年10月 |
| エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 | 京都東寺駅前開発プロジェクト新築工事 | 令和3年1月 |
| 関電不動産開発株式会社 | 神奈川厚木物流倉庫建設工事 | 令和3年5月 |
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億33百万円減少し、812億17百万円となった。資産の内容として、流動資産は、前連結会計年度末に比べ30億49百万円減少し、609億59百万円となった。これは、「受取手形・完成工事未収入金等」が45億76百万円及び「未収消費税等」が22億2百万円それぞれ増加したが、「現金預金」が97億93百万円減少したことなどによるものである。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億83百万円減少し、202億57百万円となった。
セグメントごとの資産は、次のとおりである。
建設事業
日本
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ56億71百万円増加し、311億40百万円となった。これは、「未収入金」が12億99百万円減少したが、「現金預金」が26億円及び「受取手形・完成工事未収入金等」が41億43百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
東南アジア
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億26百万円増加し、234億28百万円となった。これは、「受取手形・完成工事未収入金等」が4億33百万円及び「未成工事支出金」が14億13百万円それぞれ増加したことなどによるものである。
不動産事業
日本
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ29百万円増加し、125億15百万円となった。
東南アジア
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ62百万円減少し、10億36百万円となった。これは、為替変動の影響などによるものである。
その他の事業
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ45百万円減少し、3億52百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ41億1百万円減少し、459億95百万円となった。負債の内容として、流動負債は、前連結会計年度末に比べ44億41百万円減少し、434億18百万円となった。これは、「未成工事受入金」が9億28百万円増加したが、「支払手形・工事未払金等」が8億44百万円、「1年内償還予定の社債」が10億円、「未払法人税等」が10億円及び「その他」に含まれる「未払消費税等」が18億71百万円それぞれ減少したことなどによるものである。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億40百万円増加し、25億77百万円となった。これは、「長期借入金」が3億10百万円減少したが、「社債」が5億円増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億68百万円増加し、352億21百万円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益27億81百万円の計上や為替の変動による為替換算調整勘定の影響などによるものである。
また、自己資本比率については、前連結会計年度末の39.1%から42.0%となった。
当社グループの連結自己資本については、当連結会計年度よりスタートした中期経営計画「中計80」の施策などにより、自己資本は強化されている。今後も中期経営計画「中計80」に掲げる基本方針のもと、着実に主要施策を遂行し、持続的成長を図るとともに財務体質の更なる強化を目指す。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益38億53百万円を計上し、未成工事受入金の増加などがあったが、売上債権及び未成工事支出金の増加、未払又は未収消費税等の増減、法人税等の支払いなどにより、67億97百万円のマイナス(前年同期は28億64百万円のプラス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などがあったが、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出などにより、5億55百万円のマイナス(前年同期は25億44百万円のプラス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などがあったが、長期借入金の返済による支出及び社債の償還による支出などにより、18億21百万円のマイナス(前年同期は9億31百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ99億88百万円減少し、216億12百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金、借入金及び社債によっている。なお、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおり、重要な資本的支出の予定がある。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載している。
(5) 中期経営計画「中計80」(令和2年3月期~令和4年3月期)の概要
[中計80基本方針]
グループ総合力を発揮して、持続的成長戦略を推進すると共に、意識改革と技術革新により、生産性向上と働き方改革を実現させ、未来に向けた企業価値の向上を図る。
①国内全店におけるリノベーション事業の拡大とICТ活用推進
②海外建設事業の営業力とコスト競争力の強化
③国内・海外拠点間の情報連携による受注増強
④国内外に於ける不動産賃貸事業の拡大
⑤生産性向上と働き方改革の実現
⑥財務体質の更なる強化と安定した株主還元
[経営目標(令和4年3月期 最終年度 数値目標)]
①建設事業売上高合計 1,300億円
②連結営業利益 55億円
③連結自己資本 380億円
④株主配当 17円以上
[基本方針と主要施策]
(国内建設事業)
「量より質」の大方針を維持しつつ、成長戦略を推進。
全店でのリノベーション工事と官庁工事への対応を強化し、国内建設事業の売上高を維持向上させると共に、ICТ技術の活用を推進して生産性向上を図り、働き方改革を実現する。
①リノベーション工事の受注拡大
②生産性の向上による施工能力の増強
③安全と品質水準の更なる向上
④現場力の更なる強化と魅力ある作業所環境の形成
(海外建設事業)
堅固な450億円体制を再構築し、次のステージで600億円体制を目指す為に、ローカル社員と共に、営業活動の強化とコスト競争力の向上により受注を増強し、工事利益の改善により収益力を強化する。
①営業体制と営業活動の強化による受注増強
②積算精度の向上や工法検討等によるコスト競争力強化
③VE・CDや調達方法の見直し等、拠点の創意結集による工事利益改善
④業績考課等によるローカル社員のモチベーション向上
(不動産事業)
手許資金を有効活用し、収益不動産物件への新規投資により、不動産事業のセグメント利益を中長期的に10億円以上に引き上げ、当社グループのストック収益を増強する。
①中古物件にリノベーションやコンバージョンを施し、収益利回り向上
②建設事業の顧客との連携強化による物件取得やテナント誘致
③運営会社(オペレーター)との協働による多用途化(ビジネスホテル等)
④成長性のある東南アジアでの不動産事業強化
(人材面)
①新卒採用と中途採用の拡大による社員数の増強
②定年再雇用方針の見直し(雇用延長の弾力化と処遇改善)
③「働き方改革」に対応した労務環境の改善
・年間5日以上の有給休暇取得
・残業上限規制への対応
・作業所における週休二日(閉所)
・更なる女性活躍推進
(6) 経営成績等に重要な影響を与える要因
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による経済活動等への影響については、予測することができない状況が今後も続くものと思われる。当連結会計年度において、国内建設事業については、感染症による影響は限定的であるが、東南アジアの一部の連結子会社においては、作業所及び事務所の閉鎖等を行っている。今後、世界的な感染拡大が長期化する場合には、国内建設事業、海外建設事業ともに、受注高及び売上高が減少する可能性があり、また、施工中の工事現場内で感染症が発生した場合には、長期の工事中断や資機材の搬入の遅れなどにより、経営成績等に影響を与える可能性がある。
不動産事業については、国内・海外ともに、今後のテレワークの普及状況等により、賃貸市場の需給動向が経営成績等に影響を与える可能性がある。
なお、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の終息時期の予想をすることは困難であるが、海外連結子会社において、中断している工事については、上半期までに順次再開すると見込んでいる。