訂正有価証券報告書-第95期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析等)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、国内では、堅調な企業収益や雇用情勢等を背景に、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年度後半から、米中貿易摩擦の影響による輸出の減速や、消費増税による個人消費の落ち込みの影響があったことに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、先行き不透明な状況になってまいりました。当社グループが事業展開している東南アジアにおいても、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、総じて厳しい状況で推移いたしました。
建設市場におきましては、国内では、公共投資が底堅く推移していることに加え、民間設備投資も高い水準の企業収益や成長分野への対応等を背景に緩やかな増加基調となる等、全般的には堅調に推移いたしました。一方、当社グループが事業展開している海外では、東南アジアにおける日系企業の設備投資は力強さに欠けた状態が続いており、受注獲得競争は一層厳しさを増した状況で推移いたしました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当連結会計年度の業績への影響は軽微でありましたが、国内外ともに経済活動の抑制・縮小が生じており、足元の景気は急激に減速し、極めて厳しい状況になっております。 このような環境のもと、当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、更なる質の追求と社会・市場環境の変化に対応するため、「個人力の向上」と「総合力の発揮」を柱とする重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。 この結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
受 注 高 1,672億77百万円(前連結会計年度比 4.4%増) 売 上 高 1,729億10百万円(前連結会計年度比10.1%増) 営 業 利 益 135億81百万円(前連結会計年度比24.0%増) 経 常 利 益 142億 1百万円(前連結会計年度比22.8%増) 親会社株主に帰属する当期純利益 97億72百万円(前連結会計年度比84.7%増)
受注高につきましては、国内においては、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事等の情報通信工事を中心に増加し、堅調な市場環境を背景に高水準の工事量を確保したことに加え、海外においても、グループ一体となった取り組み成果により一定水準の工事量を確保したことにより、前連結会計年度より増加となりました。売上高につきましても、手持案件の進捗が進んだことに加え、短工期案件の受注も堅調に推移したこと等により、前連結会計年度より増加となりました。
利益面では、売上高の増加に加え、採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より大幅な増加となりました。売上高経常利益率につきましては、これまでのグループ一体となった取り組み成果により、過去最高の8.2%となりました。
受注高は167,277百万円(前連結会計年度比4.4%増)、売上高は、172,910百万円(同10.1%増)となりました。事業の種類別では、設備工事業の受注高は158,391百万円(同4.4%増)、売上高は164,024百万円(同10.5%増)となり、機器販売を中心とするその他事業の受注高及び売上高は8,886百万円(同4.3%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加に加え採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、22,761百万円(同18.2%増)、売上総利益率は13.2%となりました。販売費及び一般管理費は9,179百万円(同10.6%増)となり、営業利益は13,581百万円(同24.0%増)、営業利益率は7.9%となりました。
営業外収益は720百万円(同1.7%増)、営業外費用が99百万円(同0.4%増)となった結果、営業外収支は620百万円の黒字となり、経常利益は14,201百万円(同22.8%増)と前連結会計年度と比べ増益となり、経常利益率は8.2%となりました。
特別利益では固定資産売却益721百万円、投資有価証券売却益57百万円を計上し、合計で779百万円となり、特別損失では、投資有価証券評価損68百万円等の計上により、合計で114百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は14,866百万円(同80.5%増)となりました。ここから、法人税等3,836百万円、法人税等調整額899百万円、非支配株主に帰属する当期純利益357百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は9,772百万円(同84.7%増)となりました。
なお、設備工事業における種類別の受注高、売上高の概況は、次のとおりであります。
電力工事部門は、再生可能エネルギー関連工事が増加したこと等により、受注高は22,050百万円(同10.5%増)、売上高は22,012百万円(同11.0%増)となりました。
一般電気工事部門は、都市圏を中心に堅調な市場環境が続く中、働き方改革への取り組みにおいて施工力とのバランスを加味した営業活動に取り組んできた結果、受注高は95,267百万円(同3.0%減)となりました。一方、当期竣工の大型案件が多かったこと等もあり、売上高は103,582百万円(同6.7%増)となりました。
情報通信工事部門は、ICT環境整備に向けた投資意欲の高まり等を背景に堅調に推移し、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事が増加したこと等により、受注高は29,419百万円(同37.2%増)、売上高は26,377百万円(同27.6%増)となりました。
プラント・空調工事部門は、受注高は11,653百万円(同3.4%減)、売上高は12,051百万円(同9.9%増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、株価の下落により投資有価証券が減少した一方で、売上高の増加に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加したこと等から前連結会計年度末より8,171百万円増加の138,328百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、工事量の増加に伴い支払手形・工事未払金等や未成工事受入金が増加したこと等により、前連結会計年度末より3,618百万円増加の62,330百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より4,553百万円増加の75,997百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同様の52.7%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の4,905百万円の収入に対して、当連結会計年度は9,386百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上に、売上債権・仕入債務の増減、法人税等の支払額等を加減した結果であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の6,460百万円の収入に対して、当連結会計年度は1,275百万円の支出となりました。これは設備投資に伴う有形固定資産の取得や事業譲受による支出等の結果であります。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の2,107百万円の支出に対して、当連結会計年度は2,626百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払いによる支出の結果であります。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の24,757百万円に対して、5,278百万円増加し、30,036百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入により調達しております。当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」において持続的な成長を目指すため、「質」にこだわる経営を推進し、健全かつ強固な財務体質を構築してきました。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済は先行きの不透明感が高まっておりますが、当社は十分な流動性資金を確保しており、事業運営への影響はありません。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、「質の高いエンジニアリング企業へ更なる飛躍を!」をテーマに、更なる質を追求するための「個人力の向上」と、社会・市場環境の変化に対応するための「総合力の発揮」を柱とする各重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。当社グループは、「売上高」、「経常利益」及び「経常利益率」を重要な指標として位置付けており、2019年度の最終目標として、「売上高:1,650億円」、「経常利益:125億円」、「経常利益率:7.5%以上」をそれぞれ掲げておりました。重点施策を着実に推進してきた結果、最終業績目標として掲げておりました、売上高: 1,650億円、経常利益(率): 125億円(7.5%以上)を上回る売上高: 1,729億円、経常利益(率): 142億円(8.2%)を達成することができました。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
(2) 受注実績
(3) 売上実績
(4) 受注残高
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3) 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第94期の請負金額1,500百万円以上の主なもの
第95期の請負金額1,400百万円以上の主なもの
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(4) 手持工事高(2020年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額1,700百万円以上の主なもの
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照のこと。
(重要な会計方針及び見積り)
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠し、作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社の重要な会計方針のうち、特に見積り、判断の度合いが高いものは以下の項目であります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
収益の認識
当社の収益の計上は、工事進行基準及び工事完成基準を採用しておりますが、業界の慣行から追加工事を含め、正式な契約書の締結が遅れる場合があり、この場合には、当社は期末日時点において合理的に売上高を見積り、収益計上をしております。従って、当社の見積りと実績が異なった場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
また、当社は一部の工事において工事進行基準による収益計上を行っており、工事原価総額の見積りにあたっては、工事契約を遂行するための作業内容を特定・網羅し、かつ個々に適切な原価を算定した上で、着工後の工期変更、人件費・労務費の増減、使用部材の価格変動や仕様変更がある場合、適時に工事原価の見直しを行っております。
しかしながら、施工途中において設計変更や追加工事、工期延長等により想定以上の追加原価が発生し、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させる恐れがあり、このような想定以上の追加原価の発生を期末日時点で認識できておらず、工事原価総額の見積りに反映できていない場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
なお、当社は、今回発生した新型コロナウイルス感染症による影響について、進行中工事の状況確認等の情報収集を実施した結果、当連結会計年度末の会計上の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。一方で、感染症終息時期の見通しが立たない中、当社の事業環境は非常に不透明な状況にあり、翌期の損益に影響を及ぼす可能性について引き続き注視していく必要があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、国内では、堅調な企業収益や雇用情勢等を背景に、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年度後半から、米中貿易摩擦の影響による輸出の減速や、消費増税による個人消費の落ち込みの影響があったことに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、先行き不透明な状況になってまいりました。当社グループが事業展開している東南アジアにおいても、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、総じて厳しい状況で推移いたしました。
建設市場におきましては、国内では、公共投資が底堅く推移していることに加え、民間設備投資も高い水準の企業収益や成長分野への対応等を背景に緩やかな増加基調となる等、全般的には堅調に推移いたしました。一方、当社グループが事業展開している海外では、東南アジアにおける日系企業の設備投資は力強さに欠けた状態が続いており、受注獲得競争は一層厳しさを増した状況で推移いたしました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当連結会計年度の業績への影響は軽微でありましたが、国内外ともに経済活動の抑制・縮小が生じており、足元の景気は急激に減速し、極めて厳しい状況になっております。 このような環境のもと、当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、更なる質の追求と社会・市場環境の変化に対応するため、「個人力の向上」と「総合力の発揮」を柱とする重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。 この結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
受 注 高 1,672億77百万円(前連結会計年度比 4.4%増) 売 上 高 1,729億10百万円(前連結会計年度比10.1%増) 営 業 利 益 135億81百万円(前連結会計年度比24.0%増) 経 常 利 益 142億 1百万円(前連結会計年度比22.8%増) 親会社株主に帰属する当期純利益 97億72百万円(前連結会計年度比84.7%増)
受注高につきましては、国内においては、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事等の情報通信工事を中心に増加し、堅調な市場環境を背景に高水準の工事量を確保したことに加え、海外においても、グループ一体となった取り組み成果により一定水準の工事量を確保したことにより、前連結会計年度より増加となりました。売上高につきましても、手持案件の進捗が進んだことに加え、短工期案件の受注も堅調に推移したこと等により、前連結会計年度より増加となりました。
利益面では、売上高の増加に加え、採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より大幅な増加となりました。売上高経常利益率につきましては、これまでのグループ一体となった取り組み成果により、過去最高の8.2%となりました。
受注高は167,277百万円(前連結会計年度比4.4%増)、売上高は、172,910百万円(同10.1%増)となりました。事業の種類別では、設備工事業の受注高は158,391百万円(同4.4%増)、売上高は164,024百万円(同10.5%増)となり、機器販売を中心とするその他事業の受注高及び売上高は8,886百万円(同4.3%増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加に加え採算の改善にグループを挙げて取り組んだ結果、22,761百万円(同18.2%増)、売上総利益率は13.2%となりました。販売費及び一般管理費は9,179百万円(同10.6%増)となり、営業利益は13,581百万円(同24.0%増)、営業利益率は7.9%となりました。
営業外収益は720百万円(同1.7%増)、営業外費用が99百万円(同0.4%増)となった結果、営業外収支は620百万円の黒字となり、経常利益は14,201百万円(同22.8%増)と前連結会計年度と比べ増益となり、経常利益率は8.2%となりました。
特別利益では固定資産売却益721百万円、投資有価証券売却益57百万円を計上し、合計で779百万円となり、特別損失では、投資有価証券評価損68百万円等の計上により、合計で114百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は14,866百万円(同80.5%増)となりました。ここから、法人税等3,836百万円、法人税等調整額899百万円、非支配株主に帰属する当期純利益357百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は9,772百万円(同84.7%増)となりました。
なお、設備工事業における種類別の受注高、売上高の概況は、次のとおりであります。
電力工事部門は、再生可能エネルギー関連工事が増加したこと等により、受注高は22,050百万円(同10.5%増)、売上高は22,012百万円(同11.0%増)となりました。
一般電気工事部門は、都市圏を中心に堅調な市場環境が続く中、働き方改革への取り組みにおいて施工力とのバランスを加味した営業活動に取り組んできた結果、受注高は95,267百万円(同3.0%減)となりました。一方、当期竣工の大型案件が多かったこと等もあり、売上高は103,582百万円(同6.7%増)となりました。
情報通信工事部門は、ICT環境整備に向けた投資意欲の高まり等を背景に堅調に推移し、携帯電話基地局設置工事やネットワーク関連工事が増加したこと等により、受注高は29,419百万円(同37.2%増)、売上高は26,377百万円(同27.6%増)となりました。
プラント・空調工事部門は、受注高は11,653百万円(同3.4%減)、売上高は12,051百万円(同9.9%増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、株価の下落により投資有価証券が減少した一方で、売上高の増加に伴い受取手形・完成工事未収入金等が増加したこと等から前連結会計年度末より8,171百万円増加の138,328百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、工事量の増加に伴い支払手形・工事未払金等や未成工事受入金が増加したこと等により、前連結会計年度末より3,618百万円増加の62,330百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より4,553百万円増加の75,997百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同様の52.7%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の4,905百万円の収入に対して、当連結会計年度は9,386百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上に、売上債権・仕入債務の増減、法人税等の支払額等を加減した結果であります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の6,460百万円の収入に対して、当連結会計年度は1,275百万円の支出となりました。これは設備投資に伴う有形固定資産の取得や事業譲受による支出等の結果であります。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の2,107百万円の支出に対して、当連結会計年度は2,626百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払いによる支出の結果であります。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の24,757百万円に対して、5,278百万円増加し、30,036百万円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な運転資金であり、必要資金については自己資金の充当及び金融機関からの借入により調達しております。当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」において持続的な成長を目指すため、「質」にこだわる経営を推進し、健全かつ強固な財務体質を構築してきました。新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済は先行きの不透明感が高まっておりますが、当社は十分な流動性資金を確保しており、事業運営への影響はありません。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年度よりスタートした中期経営計画「Vision19」(2016~2019年度:4ヵ年計画)に基づき、「質の高いエンジニアリング企業へ更なる飛躍を!」をテーマに、更なる質を追求するための「個人力の向上」と、社会・市場環境の変化に対応するための「総合力の発揮」を柱とする各重点施策にグループ一体となって取り組んでまいりました。当社グループは、「売上高」、「経常利益」及び「経常利益率」を重要な指標として位置付けており、2019年度の最終目標として、「売上高:1,650億円」、「経常利益:125億円」、「経常利益率:7.5%以上」をそれぞれ掲げておりました。重点施策を着実に推進してきた結果、最終業績目標として掲げておりました、売上高: 1,650億円、経常利益(率): 125億円(7.5%以上)を上回る売上高: 1,729億円、経常利益(率): 142億円(8.2%)を達成することができました。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
(2) 受注実績
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
設備工事業 | 151,706 | 158,391 |
電力工事 | 19,952 | 22,050 |
一般電気工事 | 98,249 | 95,267 |
情報通信工事 | 21,447 | 29,419 |
プラント・空調工事 | 12,057 | 11,653 |
その他事業 | 8,518 | 8,886 |
合計 | 160,225 | 167,277 |
(3) 売上実績
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
設備工事業 | 148,497 | 164,024 |
電力工事 | 19,828 | 22,012 |
一般電気工事 | 97,034 | 103,582 |
情報通信工事 | 20,672 | 26,377 |
プラント・空調工事 | 10,961 | 12,051 |
その他事業 | 8,518 | 8,886 |
合計 | 157,016 | 172,910 |
(4) 受注残高
セグメントの名称 | 前連結会計年度末 (百万円) | 当連結会計年度末 (百万円) |
設備工事業 | 94,877 | 89,244 |
電力工事 | 17,955 | 17,994 |
一般電気工事 | 63,091 | 54,777 |
情報通信工事 | 7,783 | 10,825 |
プラント・空調工事 | 6,046 | 5,648 |
その他事業 | ― | ― |
合計 | 94,877 | 89,244 |
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
期別 | 工事種別 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 | 当期施工高 (百万円) | ||
手持工事高 (百万円) | 手持工事高 のうち 施工高 (%) | 手持工事高 のうち 施工高 (百万円) | |||||||
第94期 (自 2018年 4月 1日 至 2019年 3月31日) | 電力工事 | 17,832 | 19,986 | 37,819 | 19,787 | 18,032 | 2 | 299 | 19,733 |
一般電気工事 | 49,590 | 67,549 | 117,140 | 66,106 | 51,034 | 2 | 928 | 65,826 | |
情報通信工事 | 7,008 | 21,177 | 28,186 | 20,377 | 7,809 | 13 | 1,054 | 20,267 | |
プラント・ 空調工事 | 622 | 692 | 1,315 | 1,106 | 208 | 1 | 2 | 1,108 | |
その他 | ― | 452 | 452 | 452 | ― | ― | ― | 452 | |
計 | 75,055 | 109,859 | 184,914 | 107,829 | 77,085 | 3 | 2,284 | 107,389 | |
第95期 (自 2019年 4月 1日 至 2020年 3月31日) | 電力工事 | 18,032 | 22,014 | 40,047 | 22,040 | 18,007 | 3 | 589 | 22,329 |
一般電気工事 | 51,034 | 63,913 | 114,947 | 72,846 | 42,101 | 3 | 1,061 | 72,979 | |
情報通信工事 | 7,809 | 29,088 | 36,897 | 26,072 | 10,825 | 9 | 969 | 25,987 | |
プラント・ 空調工事 | 208 | 9,396 | 9,605 | 3,954 | 5,650 | 2 | 105 | 4,056 | |
その他 | ― | 469 | 469 | 469 | ― | ― | ― | 469 | |
計 | 77,085 | 124,882 | 201,967 | 125,382 | 76,584 | 4 | 2,725 | 125,823 |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別 | 工事種別 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
第94期 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | 電力工事 | 56.7 | 43.3 | 100.0 |
一般電気工事 | 46.8 | 53.2 | 100.0 | |
情報通信工事 | 84.8 | 15.2 | 100.0 | |
プラント・空調工事 | 67.0 | 33.0 | 100.0 | |
第95期 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 電力工事 | 76.6 | 23.4 | 100.0 |
一般電気工事 | 50.6 | 49.4 | 100.0 | |
情報通信工事 | 85.9 | 14.1 | 100.0 | |
プラント・空調工事 | 99.5 | 0.5 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3) 完成工事高
期別 | 工事種別 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
第94期 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | 電力工事 | 35 | 19,751 | 19,787 |
一般電気工事 | 4,044 | 62,061 | 66,106 | |
情報通信工事 | 965 | 19,411 | 20,377 | |
プラント・空調工事 | ― | 1,106 | 1,106 | |
その他 | ― | 452 | 452 | |
計 | 5,046 | 102,783 | 107,829 | |
第95期 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 電力工事 | 42 | 21,997 | 22,040 |
一般電気工事 | 4,091 | 68,754 | 72,846 | |
情報通信工事 | 783 | 25,289 | 26,072 | |
プラント・空調工事 | 2 | 3,951 | 3,954 | |
その他 | ― | 469 | 469 | |
計 | 4,919 | 120,463 | 125,382 |
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第94期の請負金額1,500百万円以上の主なもの
発注者 | 工事名称 |
三井金属エンジニアリング㈱ | 神岡鉱業・水力発電更新工事 |
㈱竹中工務店 | 国立循環器病研究センター電気設備工事 |
鹿島建設㈱ | 東京都済生会中央病院新主棟電気設備工事 |
清水建設㈱ | 瀬戸内ソーラー系統連系管路工事 |
大成建設㈱ | 札幌創世1.1.1区北1西1地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築電気設備工事 |
第95期の請負金額1,400百万円以上の主なもの
発注者 | 工事名称 |
大成建設㈱ | 東京国際空港第2ターミナル国際線施設建設工事電気設備工事 |
㈱大林組 | (仮称)神田錦町二丁目計画新築電気設備工事 |
㈱大林組 | 立飛みどり地区プロジェクトA-2地区新築電気設備工事 |
関電工・住友・サンテック・旭日・八千代建設共同企業体 | 東京国際展示場(28)増築電気設備工事 |
三井金属エンジニアリング㈱ | 神岡鉱業・水力発電更新工事 |
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(4) 手持工事高(2020年3月31日現在)
工事種別 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
電力工事 | ― | 18,007 | 18,007 |
一般電気工事 | 6,569 | 35,532 | 42,101 |
情報通信工事 | 224 | 10,601 | 10,825 |
プラント・空調工事 | ― | 5,650 | 5,650 |
計 | 6,793 | 69,791 | 76,584 |
(注) 手持工事のうち請負金額1,700百万円以上の主なもの
発注者 | 工事名称 | 完成予定 |
鹿島建設㈱ | ウィンドファームつがる建設 特高ルート管路土木工事 | 2020年 5月 |
西松建設㈱ | (仮称)DPL流山2新築工事 | 2021年10月 |
関西電力送配電㈱ | 大黒部幹線№289~298改良工事ならびにこれに伴う除却工事 | 2020年12月 |
㈱大林組 | 大阪国際空港ターミナルビル改修工事 | 2020年 8月 |
㈱ミライト・テクノロジーズ | 仙台ハイランドメガソーラー第1発電所建設工事 | 2020年 5月 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照のこと。
(重要な会計方針及び見積り)
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠し、作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、期末日における資産・負債の報告金額及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社の重要な会計方針のうち、特に見積り、判断の度合いが高いものは以下の項目であります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
収益の認識
当社の収益の計上は、工事進行基準及び工事完成基準を採用しておりますが、業界の慣行から追加工事を含め、正式な契約書の締結が遅れる場合があり、この場合には、当社は期末日時点において合理的に売上高を見積り、収益計上をしております。従って、当社の見積りと実績が異なった場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
また、当社は一部の工事において工事進行基準による収益計上を行っており、工事原価総額の見積りにあたっては、工事契約を遂行するための作業内容を特定・網羅し、かつ個々に適切な原価を算定した上で、着工後の工期変更、人件費・労務費の増減、使用部材の価格変動や仕様変更がある場合、適時に工事原価の見直しを行っております。
しかしながら、施工途中において設計変更や追加工事、工期延長等により想定以上の追加原価が発生し、これを請負代金に反映することが困難な場合には、工事採算を低下させる恐れがあり、このような想定以上の追加原価の発生を期末日時点で認識できておらず、工事原価総額の見積りに反映できていない場合、翌期の損益に影響を与える可能性があります。
なお、当社は、今回発生した新型コロナウイルス感染症による影響について、進行中工事の状況確認等の情報収集を実施した結果、当連結会計年度末の会計上の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。一方で、感染症終息時期の見通しが立たない中、当社の事業環境は非常に不透明な状況にあり、翌期の損益に影響を及ぼす可能性について引き続き注視していく必要があります。