四半期報告書-第96期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/06 13:48
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により国内外ともに経済活動が一定期間停滞したこともあり、景気は依然として厳しい状況で推移いたしました。国内においては、緊急事態宣言が解除され、社会経済活動レベルが徐々に引き上げられつつあり、また当社グループが事業展開している東南アジア地域においても、政府による規制が段階的に緩和されるなど、経済活動再開の動きが広がりつつあり、持ち直しへの動きが期待されるものの、経済状況は非常に不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、従業員並びに関係する皆様の安全を最優先とし、行政の方針・指導に従い新型コロナウイルス感染症拡大の防止に努めた上で、「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づく経営の基本方針に沿って、電気の安定供給等の社会インフラ維持に努めるなど、社会の要請に応えるべく事業活動を展開するとともに、2020年度よりスタートした中期経営計画「VISION24」(2020~2024年度:5ヵ年計画)に基づき、「新たな成長戦略と総合力で持続的発展を!」をテーマに掲げ、「総合設備企業グループ」として、各部門の施工力、技術力の底上げに向けて資源を投入し、より一層の成長・拡大を図るため、グループ一体となって取り組んでおります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、以下のとおりとなりました。
受 注 高 782億31百万円(前年同期比 7.0%減)
売 上 高 707億59百万円(前年同期比 7.6%減)
営 業 利 益 53億34百万円(前年同期比16.6%減)
経 常 利 益 56億60百万円(前年同期比15.9%減)
親会社株主に帰属する四半期純利益 37億21百万円(前年同期比16.1%減)
受注高につきましては、海外を中心に新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の設備投資が減少していることや、受注獲得に向けた営業活動への制約を受けたこと等もあり、前年同期より減少となりました。売上高につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、短工期案件が減少したことや、一部工事での進捗遅れがあったこと等もあり、前年同期より減少となりました。利益面では、工事採算の改善、経費削減にグループ一体となって取り組んでまいりましたが、売上高の減少により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益とも前年同期を下回る結果となりました。
セグメント別では、設備工事業の受注高は74,100百万円(前年同期比7.0%減)、売上高は66,628百万円(同7.7%減)、セグメント利益は5,228百万円(同15.0%減)となり、機器販売を中心とするその他のセグメントでは、受注高及び売上高は4,130百万円(同7.2%減)、セグメント利益は105百万円(同57.4%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、保有株式の株価上昇による投資有価証券の増加等がある一方で、主に工事代金回収の進展により受取手形・完成工事未収入金等が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ7,994百万円減少の130,333百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の負債の部は、主に工事代金の支払等により支払手形・工事未払金等が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ12,042百万円減少の50,288百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の純資産の部は、主に利益剰余金が増加したことや、保有株式の株価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ4,048百万円増加の80,045百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の3,504百万円の収入に対し、当第2四半期連結累計期間は、8,443百万円の収入となりました。これは仕入債務の減少や法人税等の支払等による支出がある一方で、税金等調整前四半期純利益の計上に加え、売上債権の減少等があったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の1,683百万円の支出に対し、当第2四半期連結累計期間は947百万円の支出となりました。これは、主に設備投資に伴う固定資産の取得による支出等があったことによるものであります。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間の1,384百万円の支出に対し、当第2四半期連結累計期間は1,509百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払いによる支出であります。
この結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末30,036百万円と比べ6,047百万円増加の36,083百万円となりました。
(3) 経営方針、経営環境等
① 会社の経営の基本方針
当社グループは「住友事業精神」と「住友電設グループ企業理念」に基づき、顧客をはじめ株主、社会等のステークホルダーの信頼に応えるべく、事業の発展に取り組んでおります。また、経営の効率化・迅速化を図るとともに、すべてのステークホルダーの利益にかなうことが重要であるとの認識のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、以下の基本的な考え方に沿って、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組むこととしております。
(a) 株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行う。
(b) 株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
(c) 会社情報を適切に開示し、透明性を確保する。
(d) 取締役会の経営に関する基本方針等の決定機能及び監督機能を重視し、それらの機能の実効性が確保される体制の整備及び取締役会の運営に注力する。業務執行については、権限及び責任を明確化し、事業環境の変化に応じた機動的な業務執行体制を確立することを目的として、執行役員制並びに事業本部制を導入している。また、経営健全性確保の観点から、監査役監査の強化を図ることとし、独立社外監査役と常勤の監査役が内部監査部門や会計監査人と連携して適法かつ適正な経営が行われるよう監視する体制としている。
(e) 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、合理的な範囲で、株主との建設的な対話を行う。
「住友事業精神」
住友家初代・住友政友が後生に遺した商いの心得『文殊院旨意書』を基盤とし、その要諦は1882年に制定された住友家法の中で初めて条文化され、1891年に家法の中の「営業ノ要旨」として2箇条に取り纏められたものであります。[住友合資会社社則(1928年制定)より抜粋]
第一条 我が住友の営業は、信用を重んじ確実を旨とし、以てその鞏固隆盛を期すべし
第二条 我が住友の営業は、時勢の変遷、理財の得失を計り、弛張興廃することあるべしと雖も、苟も浮利に趨り、軽進すべからず
第一条は
住友の事業は、何よりも信用・信頼を大切にすることを基本にすべきであると謳っております。
第二条は
社会の変化に迅速・的確に対応し利潤を追求すべきであり、既存の事業に安住することなく常に事業の興廃を図るという積極進取の精神が重要と説いております。その一方で、「浮利」、即ち、一時的な目先の利益や道義にもとる不当な利益を追い、軽率、粗略に行動することを厳に戒めております。
「住友電設グループ企業理念」
住友電設グループは、社会的使命と責任を認識し、
・豊かな社会を支える快適な環境作りを事業目的とし、社会の繁栄に寄与します。
・信用と技術を重視し、顧客満足度の高いエンジニアリングサービスを提供します。
・高い企業倫理に則り、コンプライアンスに基づいた公正で透明性のある経営を推進します。
・創造力豊かな社員を育て、活力と潤いのある企業を目指します。
事業の推進にあたっては、コンプライアンスを経営の基礎に据え、法令の遵守を経営の最重要課題と位置づけております。
コンプライアンスに違反した利益の追求は企業として決して許されるものではなく、利益とコンプライアンスが対立するような場合には、必ずコンプライアンスを優先して事業活動を推進しております。
② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略並びに経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
今後の当社グループを取り巻く事業環境は、将来に向けては大都市圏を中心とした再開発事業が継続し、再生可能エネルギー関連投資も一定水準で推移することに加え、情報通信分野においてもIoT化、5Gサービスの進展等を含めたICT環境の整備はより一層推進されること、さらには大阪・関西万博関連投資等も期待されます。しかしながら足元では、世界的な新型コロナウイルス感染症終息時期の見通しが立たず、感染症流行の再拡大が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況にあり、製造業を中心とした設備投資計画の延期や縮小・凍結による工事量の減少、また、進行中工事の中断、建設資材の調達納入遅延の発生等も懸念されるなど、今後の社会情勢、市場動向を注視していく必要があります。
このような環境のもと、当社グループは、2020年度から2024年度までの5ヵ年における中期経営計画「VISION24」を新たに策定いたしました。「VISION24」では、「総合設備企業グループ」として、各部門の施工力、技術力の底上げに向けて資源を投入し、売上高の拡大を図るとともに、各部門が連携した総合力で、客先へのトータルサービスを拡大してまいります。
1.テーマ
新たな成長戦略と総合力で持続的発展を!
2.数値目標(2024年度 連結)
・受 注 高:2,000億円
・売 上 高:2,000億円
・経常利益(率):150億円(7.5%)
・成長投資:200億円(5年間)
・ROE(自己資本当期純利益率):10%をターゲット
・自己資本比率:50%水準を維持
・配当性向:40%をターゲット(2024年度)
3.重点施策
■安全・品質・コンプライアンス
・安全・品質の確保
・コンプライアンスの徹底
■人材の確保・育成と働き方改革
・研修施設、教育プログラムの拡充
・人材の確保
・生産性向上への効率化追求
・総労働時間の削減
・ダイバーシティへの取組み強化
■顧客満足度向上の追求
・提案営業力の強化
・施工力の確保・強化
・期待領域への注力
・新技術、新工法への対応
■未来を見据えた企業価値の向上
・ESG、SDGsへの取組み
・財務体質の維持と株主還元の充実
・健康経営の推進
・福利厚生の充実、職場環境整備による従業員満足度の向上
当社グループは、変化の激しい事業環境において、「VISION24」に掲げた重点施策を推進し、人と技術の成長を通して、真に社会から求められる総合エンジニアリング企業を目指すため、「質」にこだわる事業活動により、これまで構築してきました事業基盤をベースに、より一層の成長・拡大を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに発生した課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は165百万円であります。