有価証券報告書-第63期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦を背景とした輸出の減速や、消費税率の引き上げの影響等による個人消費の落ち込みが生じた他、年明け頃から生じた新型コロナウイルス問題により、個人行動の自粛等に伴う経済活動の縮減が起こる等、先行きが不透明な状況となっております。また、世界経済は、保守主義的な貿易政策の広がりに伴い国際的な流通が鈍化する中で、新型コロナウイルス問題が全世界的に波及し、不確実性の高い状況が続いております。
食品業界におきましては、人口減少傾向により、国内市場の拡大が困難となる中で、差別化によるマーケットシェアの確保、海外市場の開拓、新たな付加価値の創出や継続的な安全性確保等への対応が求められています。
このような状況下、当社グループは、顧客ニーズや用途多様性に着目した販促を行う他、ごま原料相場の高騰に伴う原料価格に見合った販売価格の是正に注力しました。
ごま油におきましては、業務用を前期2月より、輸出用を当期10月より値上げの実施をしております。また、家庭用は、当期7月より値引き見合いの販売促進費の絞り込みを行っております。その影響等により、家庭用及び業務用の販売数量は、前期に比べ減少しております。但し、輸出用においては、値上げの影響はあったものの、北米地域への販売好調等により、販売数量は前期に比べ増加しております。以上により、ごま油全体の販売数量は前期比96.0%、販売金額は前期比97.3%となりました。
食品ごまにおきましては、業務用の販売数量が値上げの影響等により落ち込む中で、家庭用食品ごまが好調に推移した結果、食品ごま全体の販売数量は前期比98.1%、販売金額は前期比100.4%となりました。
一方、コスト面におきましては、売上原価は、原料代が大幅に増加した他、当期2月に完成しました袖ケ浦工場の減価償却費の発生等により前期比107.4%となりました。また、販売費及び一般管理費は、家庭用の販売促進費の絞り込み等により前期比90.1%となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高33,781百万円(前期比598百万円減)、経常利益は3,462百万円(前期比969百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,552百万円(前期比396百万円減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ごま油事業
ごま油事業におきましては、家庭用は、交通広告やSNSを利用した広告施策やより強い風味が特徴である純正ごま油濃口200gの浸透施策等を行いましたが、当期7月より開始した値引き見合いの販売促進費の絞り込みの影響が大きく、販売数量及び販売金額は前期に比べ減少しております。
業務用は、前期2月から取り組む値上げの影響等により、一部の加工ユーザーや外食産業向けで使用量の減少や他社への切り替えが生じる等、販売数量は前期に比べ減少しております。また、値上げにより業務用全体の販売単価は上昇しておりますが、販売数量の減少の影響が大きく、販売金額も前期に比べ減少しております。
また、輸出用は、当期10月より値上げを実施しておりますが、一升缶製品を中心に北米向けの販売が好調であったことや販促キャンペーンの実施等により、販売数量及び販売金額は前期に比べ増加しております。
一方、コスト面では、原料代が大幅に増加した他、袖ケ浦工場の減価償却の開始等により、売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は家庭用の販売促進費の絞り込み等により、前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は24,826百万円(前期比667百万円減)、セグメント利益は2,621百万円(前期比842百万円減)となりました。
②食品ごま事業
食品ごま事業におきましては、食品ごまは、業務用の値上げ等に伴う販売数量の落ち込みにより、食品ごま全体の販売数量は前期に比べ減少したものの、家庭用の販売好調や業務用の販売価格上昇等が寄与し、食品ごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。ねりごまは、家庭用及び値上げを行った業務用のいずれも販売数量が前期に比べ減少したものの、業務用の販売価格上昇等により、ねりごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。
一方、コスト面では、原料価格の上昇等により売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は販売費の使用減等により、前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は8,867百万円(前期比44百万円増)、セグメント利益は587百万円(前期比120百万円減)となりました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは収益力の指標である売上高経常利益率を重視しており、同指標10%以上を経営上の目標としております。また、2020年5月に策定しました中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度の売上高経常利益率は10.2%、ROEは9.4%となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ22百万円減少し、20,555百万円となりました。
これは原材料及び貯蔵品等のたな卸資産が2,124百万円増加するなどの増加要因があったものの、現金及び預金が1,651百万円、受取手形及び売掛金が925百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,140百万円増加し、17,800百万円となりました。
これは袖ケ浦工場建設工事の完成等により、機械装置及び運搬具が3,797百万円、建物及び構築物が3,367百万円、土地が163百万円増加し、建設仮勘定が5,436百万円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ339百万円増加し、8,272百万円となりました。
これは袖ケ浦工場建設工事費の支払などにより未払金が1,452百万円減少、未払法人税等が486百万円減少するなど減少要因があったものの、短期借入金が2,000百万円増加、賞与引当金が210百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ249百万円増加し、2,042百万円となりました。
これは退職給付に係る負債が124百万円、資産除去債務が120百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ589百万円増加し、10,315百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,528百万円増加し、28,039百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,552百万円の計上と配当金の支払い1,105百万円の加減算により利益剰余金が1,446百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ10,875百万円増加し、22,729百万円となりました。これは袖ケ浦工場建設の完成等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ231百万円減少し、7,105百万円となりました。これは同セグメントにおける現金及び預金の減少等によるものであります。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1.7%減少し、33,781百万円となりました。
主な内訳はごま油24,826百万円、食品ごま8,867百万円、その他87百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ7.4%増加し、20,715百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ2,027百万円減少し13,066百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ5.2ポイント減少し、38.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ1,077百万円減少し9,810百万円となりました。
主な内訳は、販売促進費3,688百万円、運送費及び保管料1,583百万円、給料及び手当1,015百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ950百万円減少し3,255百万円となり、売上高営業利益率は2.6ポイント減少し、9.6%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益222百万円から営業外費用16百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、206百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ969百万円減少し3,462百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント減少し、10.2%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、固定資産売却益を7百万円計上したものの、固定資産除売却損を8百万円計上したことにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ96百万円増加し、1百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ873百万円減少し、3,461百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が908百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ396百万円減少し2,552百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し7.6%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は277円47銭、ROE(自己資本当期純利益率)は9.4%、総資産経常利益率は9.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,651百万円減少し、3,989百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,682百万円の収入(前期比759百万円収入減)となりました。これはたな卸資産の増加額2,124百万円や法人税等の支払額1,481百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,461百万円や減価償却費1,123百万円、売上債権の減少額925百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,227百万円の支出(前期比2,201百万円支出減)となりました。これは袖ケ浦工場投資等に伴う有形固定資産の取得による支出が4,214百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、893百万円の収入(前期比2,274百万円収入増)となりました。これは配当金の支払い1,104百万円などの減少要因があったものの、短期借入金の増加額2,000百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新の他、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行1行と当座貸越契約及び取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は5,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は5,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けております。期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針し、単体の当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。ただし、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。
(4)新型コロナウイルス問題の影響
当社グループは、当連結会計年度における新型コロナウイルス問題が業績に与えた影響について、問題の発生が当連結会計年度の終盤にあったこと等から、軽微であったと認識しております。また、終息時期は不透明ではありますが、当社グループは、家庭用・業務用に偏らない展開をしており、短期的には外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びるとの観測もあることから、翌連結会計年度においても影響は軽微であると考えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦を背景とした輸出の減速や、消費税率の引き上げの影響等による個人消費の落ち込みが生じた他、年明け頃から生じた新型コロナウイルス問題により、個人行動の自粛等に伴う経済活動の縮減が起こる等、先行きが不透明な状況となっております。また、世界経済は、保守主義的な貿易政策の広がりに伴い国際的な流通が鈍化する中で、新型コロナウイルス問題が全世界的に波及し、不確実性の高い状況が続いております。
食品業界におきましては、人口減少傾向により、国内市場の拡大が困難となる中で、差別化によるマーケットシェアの確保、海外市場の開拓、新たな付加価値の創出や継続的な安全性確保等への対応が求められています。
このような状況下、当社グループは、顧客ニーズや用途多様性に着目した販促を行う他、ごま原料相場の高騰に伴う原料価格に見合った販売価格の是正に注力しました。
ごま油におきましては、業務用を前期2月より、輸出用を当期10月より値上げの実施をしております。また、家庭用は、当期7月より値引き見合いの販売促進費の絞り込みを行っております。その影響等により、家庭用及び業務用の販売数量は、前期に比べ減少しております。但し、輸出用においては、値上げの影響はあったものの、北米地域への販売好調等により、販売数量は前期に比べ増加しております。以上により、ごま油全体の販売数量は前期比96.0%、販売金額は前期比97.3%となりました。
食品ごまにおきましては、業務用の販売数量が値上げの影響等により落ち込む中で、家庭用食品ごまが好調に推移した結果、食品ごま全体の販売数量は前期比98.1%、販売金額は前期比100.4%となりました。
一方、コスト面におきましては、売上原価は、原料代が大幅に増加した他、当期2月に完成しました袖ケ浦工場の減価償却費の発生等により前期比107.4%となりました。また、販売費及び一般管理費は、家庭用の販売促進費の絞り込み等により前期比90.1%となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高33,781百万円(前期比598百万円減)、経常利益は3,462百万円(前期比969百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,552百万円(前期比396百万円減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ごま油事業
ごま油事業におきましては、家庭用は、交通広告やSNSを利用した広告施策やより強い風味が特徴である純正ごま油濃口200gの浸透施策等を行いましたが、当期7月より開始した値引き見合いの販売促進費の絞り込みの影響が大きく、販売数量及び販売金額は前期に比べ減少しております。
業務用は、前期2月から取り組む値上げの影響等により、一部の加工ユーザーや外食産業向けで使用量の減少や他社への切り替えが生じる等、販売数量は前期に比べ減少しております。また、値上げにより業務用全体の販売単価は上昇しておりますが、販売数量の減少の影響が大きく、販売金額も前期に比べ減少しております。
また、輸出用は、当期10月より値上げを実施しておりますが、一升缶製品を中心に北米向けの販売が好調であったことや販促キャンペーンの実施等により、販売数量及び販売金額は前期に比べ増加しております。
一方、コスト面では、原料代が大幅に増加した他、袖ケ浦工場の減価償却の開始等により、売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は家庭用の販売促進費の絞り込み等により、前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は24,826百万円(前期比667百万円減)、セグメント利益は2,621百万円(前期比842百万円減)となりました。
②食品ごま事業
食品ごま事業におきましては、食品ごまは、業務用の値上げ等に伴う販売数量の落ち込みにより、食品ごま全体の販売数量は前期に比べ減少したものの、家庭用の販売好調や業務用の販売価格上昇等が寄与し、食品ごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。ねりごまは、家庭用及び値上げを行った業務用のいずれも販売数量が前期に比べ減少したものの、業務用の販売価格上昇等により、ねりごま全体の販売金額は前期に比べ増加しました。
一方、コスト面では、原料価格の上昇等により売上原価は前期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は販売費の使用減等により、前期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は8,867百万円(前期比44百万円増)、セグメント利益は587百万円(前期比120百万円減)となりました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは収益力の指標である売上高経常利益率を重視しており、同指標10%以上を経営上の目標としております。また、2020年5月に策定しました中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度の売上高経常利益率は10.2%、ROEは9.4%となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
ごま油(トン) | 50,958 | 97.9 |
内訳 | ||
(ごま油(トン)) | (28,117) | 96.8 |
(脱脂ごま(トン)) | (22,840) | 99.3 |
食品ごま(トン) | 14,100 | 96.3 |
合計(トン) | 65,059 | 97.6 |
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
その他(百万円) | 48 | 135.0 |
合計(百万円) | 48 | 135.0 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) |
ごま油(百万円) | 24,826 | 97.3 |
食品ごま(百万円) | 8,867 | 100.4 |
報告セグメント計(百万円) | 33,694 | 98.1 |
その他(百万円) | 87 | 139.7 |
合計(百万円) | 33,781 | 98.2 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
三井物産㈱ | 12,373 | 36.0 | 11,630 | 34.4 |
三菱商事㈱ | 4,542 | 13.2 | 4,057 | 12.0 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ22百万円減少し、20,555百万円となりました。
これは原材料及び貯蔵品等のたな卸資産が2,124百万円増加するなどの増加要因があったものの、現金及び預金が1,651百万円、受取手形及び売掛金が925百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,140百万円増加し、17,800百万円となりました。
これは袖ケ浦工場建設工事の完成等により、機械装置及び運搬具が3,797百万円、建物及び構築物が3,367百万円、土地が163百万円増加し、建設仮勘定が5,436百万円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ339百万円増加し、8,272百万円となりました。
これは袖ケ浦工場建設工事費の支払などにより未払金が1,452百万円減少、未払法人税等が486百万円減少するなど減少要因があったものの、短期借入金が2,000百万円増加、賞与引当金が210百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ249百万円増加し、2,042百万円となりました。
これは退職給付に係る負債が124百万円、資産除去債務が120百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ589百万円増加し、10,315百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1,528百万円増加し、28,039百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,552百万円の計上と配当金の支払い1,105百万円の加減算により利益剰余金が1,446百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ10,875百万円増加し、22,729百万円となりました。これは袖ケ浦工場建設の完成等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ231百万円減少し、7,105百万円となりました。これは同セグメントにおける現金及び預金の減少等によるものであります。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1.7%減少し、33,781百万円となりました。
主な内訳はごま油24,826百万円、食品ごま8,867百万円、その他87百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ7.4%増加し、20,715百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ2,027百万円減少し13,066百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ5.2ポイント減少し、38.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ1,077百万円減少し9,810百万円となりました。
主な内訳は、販売促進費3,688百万円、運送費及び保管料1,583百万円、給料及び手当1,015百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ950百万円減少し3,255百万円となり、売上高営業利益率は2.6ポイント減少し、9.6%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益222百万円から営業外費用16百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、206百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ969百万円減少し3,462百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント減少し、10.2%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、固定資産売却益を7百万円計上したものの、固定資産除売却損を8百万円計上したことにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ96百万円増加し、1百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ873百万円減少し、3,461百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が908百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ396百万円減少し2,552百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ1.0ポイント減少し7.6%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は277円47銭、ROE(自己資本当期純利益率)は9.4%、総資産経常利益率は9.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,651百万円減少し、3,989百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,682百万円の収入(前期比759百万円収入減)となりました。これはたな卸資産の増加額2,124百万円や法人税等の支払額1,481百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,461百万円や減価償却費1,123百万円、売上債権の減少額925百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,227百万円の支出(前期比2,201百万円支出減)となりました。これは袖ケ浦工場投資等に伴う有形固定資産の取得による支出が4,214百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、893百万円の収入(前期比2,274百万円収入増)となりました。これは配当金の支払い1,104百万円などの減少要因があったものの、短期借入金の増加額2,000百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新の他、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行1行と当座貸越契約及び取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は5,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は5,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主への利益還元を経営の重点政策の一つと位置付けております。期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針し、単体の当期純利益の40%を目処として業績に連動させた配当を採用しております。ただし、業績に関わらず1株当たり20円以上の配当を継続して行えるよう努力してまいります。
(4)新型コロナウイルス問題の影響
当社グループは、当連結会計年度における新型コロナウイルス問題が業績に与えた影響について、問題の発生が当連結会計年度の終盤にあったこと等から、軽微であったと認識しております。また、終息時期は不透明ではありますが、当社グループは、家庭用・業務用に偏らない展開をしており、短期的には外食産業が落ち込む代わりに内食が伸びるとの観測もあることから、翌連結会計年度においても影響は軽微であると考えております。