有価証券報告書-第66期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 10:03
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151項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調で推移することが期待されました。一方で、物価動向や米国の通商政策を背景とした海外経済の不確実性が景気を下押しする要因となり、先行き不透明な状況が続きました。
食品業界におきましては、物価高騰の影響により消費者の節約志向が高い水準で推移しており、厳しい経営環境となりました。
このような環境の中、当グループにおきましては、「2025-2027中期経営計画」の初年度として、コアビジネスである、昆布、豆の深耕に加え、ヨーグルトを第三の成長の柱とすべく新商品を開発し育成に注力しました。
販売面では、昆布製品、ヨーグルト製品が前年実績を上回ったものの、惣菜製品、デザート製品、豆製品が前年実績を下回り、売上高は555億34百万円(前期比2.7%減)となりました。
利益面では、費用対効果の高い広告宣伝投資への絞り込みと、経費コントロールの強化により収益性の改善を図った結果、営業利益は14億66百万円(前期比29.7%増)、経常利益は19億円(前期比22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社フーズパレット(以下、「フーズパレット」といいます。)の株式譲渡による関係会社株式評価損の損金算入に伴い法人税等が減少し、14億28百万円(前期比50.1%増)となりました。
(製品分類別の売上高の状況)
惣菜製品は、前年実績を下回りました。中華惣菜は、8月のフーズパレットの株式譲渡に伴う売上高の減少により前年実績を下回りました。日配惣菜は、新規取引先の開拓が進みましたが、既存の取引先における内製化の影響を受け、前年実績を下回りました。包装惣菜は、主力の「おばんざい小鉢」が堅調に推移し前年実績を上回ったものの、「朝のたべるスープ」や袋タイプの「おかず畑」が低調に推移したことから前年実績を下回りました。
昆布製品は、前年実績を上回りました。主力であるカップ佃煮「ふじっ子煮」は、価格改定の影響により一時的に販売が落ち込んだものの、6月以降は回復傾向となり、9月から10月に実施したTVCMの効果も相まって、前年実績を上回りました。塩こんぶは、消費者の節約志向の中で、お得感のある大容量タイプが販売を大きく伸ばしたことや、業務用商品が2月からコンビニや飲食店でメニュー採用されたことで、前年実績を大きく上回りました。
豆製品は、食卓の登場頻度を高めることを狙ったTVCMを5月から6月にかけて放映したほか、12月の年末商戦では新商品「おまめさん 新味かため炊き丹波黒黒豆」を投入し需要喚起に努めましたが、市場縮小の影響を受け前年実績を下回りました。水煮・蒸し豆は、価格で判断されやすい市場環境の影響を受け、前年実績を下回りました。
ヨーグルト製品は、前年実績を上回りました。主力の「カスピ海ヨーグルト プレーン」及び「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」が好調に推移し、前年実績を上回りました。また、9月に新発売した「カスピ海ヨーグルト リッチモ プレーン」は、発売以降、既存のヨーグルト製品と比べて若い世代を中心とした支持を獲得し、売上高の増加に寄与しました。
デザート製品は、前年実績を下回りました。「フルーツセラピー」は、これまで販売数を伸ばすことを重視してきましたが、今年度においては付加価値販売の戦略に方針転換して取り組みました。
(財政状態の分析)
当グループは、事業ポートフォリオの再構築を推進する中で、タイ国への進出を決め、持株会社としてFUJICCO FOODS ASIA CO., LTD.を設立し、現地で海藻類や業務用惣菜を製造・販売するFB Food Service (2017) Co., Ltd.の株式を取得しました。なお、両社は連結子会社となりますが、当連結会計年度においては、貸借対照表のみ連結しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6億59百万円増加し、800億89百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ17億83百万円増加し、363億26百万円となりました。これは主に、ポートフォリオの再編に伴う現金及び預金の出入りや、長期預金の満期が1年以内になったことによる現金及び預金への振替及び棚卸資産の増加等があったことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ11億24百万円減少し、437億62百万円となりました。これは主に、保有する投資有価証券の時価評価が増加した一方で、固定資産の減価償却の進行、フーズパレットの株式譲渡に伴う固定資産の減少、並びに長期預金の流動区分への振替等によるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ50百万円減少し、87億48百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ3億80百万円減少し、16億53百万円となりました。これは主に、退職給付信託の設定に伴う退職給付に係る負債の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ10億89百万円増加し、696億86百万円となりました。これは主に、利益剰余金の配当があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益及びその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.4%から86.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ24億43百万円減少し、92億49百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17億2百万円、減価償却費35億12百万円の計上がある一方で、棚卸資産の増加24億17百万円、退職給付に係る負債の減少5億30百万円、法人税等の支払5億34百万円等があり、16億50百万円の収入(前連結会計年度は44億85百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得27億7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得8億69百万円等により、38億11百万円の支出(前連結会計年度は28億19百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入10億円がある一方で、配当金の支払13億13百万円等があり、2億83百万円の支出(前連結会計年度は13億13百万円の支出)となりました。
なお、上記の長期借入れによる収入は、株式譲渡したフーズパレットによるものであり、当連結会計年度の連結財務諸表には、長期借入金は残存しておりません。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
分類金額(百万円)前期比(%)
惣菜製品17,68892.5
昆布製品16,288100.3
豆製品10,11595.9
ヨーグルト製品7,003105.5
デザート製品2,15880.0
その他製品1,84382.9
合計55,09895.9

(注)上記金額は、販売価格により表示しております。
b.受注実績
当グループは、市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
分類金額(百万円)前期比(%)
惣菜製品17,65592.6
昆布製品16,348102.7
豆製品10,14696.8
ヨーグルト製品7,081104.8
デザート製品2,16679.8
その他製品2,13599.9
合計55,53497.3

(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱日本アクセス8,23114.47,89114.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におきましては、コア事業である昆布製品、豆製品及びヨーグルト製品の強化に取り組みました。
当グループの2025年度末(2026年3月31日)の財政状態につきまして、以下のとおり分析しております。
総資産は、前連結会計年度末に比べ6億59百万円増加し、800億89百万円となりました。これは主に、有形固定資産の減損処理や減価償却が進んだことによる減少があった一方で、ポートフォリオの再編に伴う現金及び預金の出入りや棚卸資産の増加等による流動資産が増加したことによるものと分析しております。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億30百万円減少し、104億2百万円となりました。これは主に、退職給付信託の設定に伴う退職給付に係る負債の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ10億89百万円増加し、696億86百万円となりました。これは主に、利益剰余金の配当があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益及びその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
当グループの経営成績につきまして、2025年度の達成状況は以下のとおり分析しております。
指標2025年度
(期初計画)
2025年度
(修正計画)
2025年度
(実績)
2025年度
(期初計画差)
2025年度
(修正計画差)
売上高58,500百万円56,600百万円55,534百万円△2,965百万円 (94.9%)△1,065百万円 (98.1%)
営業利益1,650百万円1,650百万円1,466百万円△183百万円 (88.9%)△183百万円 (88.9%)
経常利益1,900百万円1,900百万円1,900百万円0百万円 (100.0%)0百万円 (100.0%)
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,350百万円1,350百万円1,428百万円78百万円 (105.8%)78百万円 (105.8%)

当グループは、2025年度におきまして経営効率の向上を目的とした事業ポートフォリオの再編を実施し、中華惣菜を販売する子会社であったフーズパレットの全株式を譲渡しております。これに伴い、同社が連結対象から外れることによる影響を踏まえ、2025年10月に業績予想の修正を行っております。
販売面では、昆布製品は計画を上回ったものの、その他の製品群は計画に届かず、売上高は修正計画に対して10億65百万円の減少(前期比1.9%減)となりました。
利益面では、広告宣伝費をはじめとする各種コストの削減を進めたものの、全体での売上高の未達が影響し、営業利益は修正計画に対して1億83百万円の減少(計画比11.1%減)となりました。経常利益は概ね修正計画どおりに推移し、親会社株主に帰属する当期純利益は修正計画に対して78百万円の増加(計画比5.8%増)となりました。
当グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、原材料や物流費等の高騰、人口減少による市場縮小や労働力不足等があります。原材料や物流費等の高騰は、収束の見込みが立っておらず、厳しい経営の舵取りを強いられていますが、製品の付加価値向上と生産性改善の取り組みを推進し、企業活動を継続してまいります。人口減少につきましては、新たな需要を創造し、世代を超えて当グループの製品をご愛顧いただけるように取り組んでまいります。2026年度は、コア事業である昆布製品、豆製品及びヨーグルト製品の強化に加え、国内市場の縮小を見据え、海外における事業基盤の整備も進めてまいります。労働力不足につきましては、DXによる業務効率化を図るとともに、AI・ロボットを活用した生産技術を実現し、抜本的な生産性向上に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローとして16億50百万円の収入(前連結会計年度は44億85百万円の収入)があり、本業で稼いできた現金及び預金を手元資金として、ヨーグルトの強化のため、「カスピ海ヨーグルト リッチモ プレーン」の生産設備に係る投資や、将来の生産性向上を見据えて関東工場に隣接する工場用地の購入を行いました。投資活動によるキャッシュ・フローは、このような投資がある一方で、投資有価証券の売却等による収入があり、38億11百万円の支出(前連結会計年度は28億19百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローとして、2億83百万円の支出(前連結会計年度は13億13百万円の支出)がありました。
当グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
当グループは、従来から製品売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、自己資金と高い水準の自己資本比率をもって直近の設備投資等には自己資金を充当してまいりました。
2025年4月より「2025-2027中期経営計画」がスタートし、2026年度からは、基本方針に「従業者の力を結集させ、昆布と豆のお客様満足度を高めるとともに、第三の柱としてヨーグルトの成長を加速させる」を掲げ直し、4つの基本戦略の実行に邁進しております。今後の投資計画については、基本戦略「コアビジネスの事業強化と領域拡大」・「圧倒的な競争優位性の確保」・「効率経営の追求」・「経営基盤の強化」に基づき進める方針でありますが、これらの投資資金については直接金融又は間接金融の多様な手段の中から当社にとって有利な手段を選択し、資金調達を検討してまいります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」の最大化を基本としつつ、必要に応じて財務活動による資金調達を活用し、資本効率を意識した資金活用を進めてまいります。また、投資計画の妥当性を勘案し、資金の使用時期及び金額については慎重に判断してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって必要となる会計上の見積りは、合理的な基準に基づき行っております。当グループでは、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
a.未払販売奨励金に係る見積り
販売奨励金については、支払率が期中を通じて概ね一定のもの、一定期間の販売実績に応じて支払率が変動するもの等、いくつかの形態が存在し、販売から一定期間後に支払額が確定する点に特徴があります。特に取引の都度支払額を交渉する形態については発生の都度、取引条件が異なるため、発生時期や条件が多種多様です。このため、3月分の販売奨励金については、2月までの実際請求額に基づく販売奨励金比率を基礎として3月に発生した増減理由等を加味して見積計上しており、実際の確定額は見積りと異なる可能性があります。
b.事業用資産の減損に係る見積り
当グループは、事業用資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各工場を基礎としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについては回収可能価額を見積り、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、減損損失として計上しております。
回収可能価額は、使用価値又は正味売却価額により測定し、いずれか大きい方の金額としております。使用価値は営業活動から生じる将来キャッシュ・フローをもとに見積っております。土地の正味売却価額は、路線価又は固定資産税評価額に一定の調整を行う方法等により見積っております。ただし、投資期間を通じた長期的な見積りとなるため、社会環境や事業環境等の変化により回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
c.その他有価証券の減損に係る見積り
当グループは、取引関係の維持・強化のために取引先の株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性の高い上場株式と、市場価格のない非上場株式が含まれております。上場株式は、期末日における時価が帳簿価額の50%以上下落した場合、または、2年間連続して30%以上下落した場合には減損処理を行っております。非上場株式については、非上場会社の決算書を基に株式の評価額を見積り、今後の回復可能性を判断して減損処理を行っております。
d.繰延税金資産に係る見積り
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直し、将来において繰延税金資産の全部又は一部が回収できるだけの十分な課税所得を獲得できない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。
将来の課税所得は、事業計画やその時点で入手可能な経済的要因等をもとに仮定しております。ただし、一時差異が解消されるまでの長期的な見積りとなるため、事業環境等に変化が見られた場合には、見積りが実際の結果と異なる可能性があります。
e.退職給付債務に係る見積り
退職給付債務は、数理計算上の仮定に基づいて算出しております。この仮定には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率、退職率等が含まれております。当グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、将来の不確実性を伴う仮定となるため、景気変動による予想昇給率の変化等、仮定自体の変更により退職給付債務の計上額に影響を与える可能性があります。

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