有価証券報告書-第111期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」)におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が続いているものの、米中の通商問題の長期化や英国のEU離脱問題など、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のなか、当社グループは、2017年から5カ年を計画期間とする中期経営計画「カタクラ2021」において、「成長事業への転換」を基本戦略とし、その実現に向けグループ全体で取り組んでまいりました。不採算事業については、安定した収益基盤の確立と成長事業への転換のため収益改善に取り組むとともに、2020年度での黒字化が見込めない事業については事業規模の大幅な縮小または撤退を決定・実行してまいりました。
事業環境の悪化等により安定した収益基盤の確立に至っていない繊維事業の実用衣料、医薬品事業、機械関連事業の3事業について、実用衣料では不採算となっている販売先との取引解消や採算性改善の難しい商品カテゴリーからの撤退を進め、当社衣料品事業部門の大幅縮小と一部事業の連結子会社への譲渡を決定いたしました。医薬品事業では、ジェネリック製品のラインナップ拡充や効率的な研究開発体制の移行による安定収益基盤の強化に努め、機械関連事業の消防自動車事業では、採算性を重視した営業体制の構築や生産性向上に取り組むなど、構造改革を断行してまいりました。なお、機械関連事業の農業用機械事業、その他事業の介護福祉機器事業およびアグリビジネスについては、厳しい事業環境の中、安定した収益構造への転換が困難であると判断し撤退することといたしました。
継続的に成長している不動産事業については、社有地開発や既存商業施設の再構築・鮮度維持・魅力度向上等に経営資源を振り向け、更なる成長を図ってまいりました。
この結果、当期の売上高は、機械関連事業において消防自動車事業で増収となったものの、繊維事業において前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより減収、その他で前期にホームセンター事業から撤退した影響により減収となったため、440億43百万円(前期比0.6%減)となりました。
営業利益は、医薬品事業、機械関連事業及び不動産事業の増収により25億69百万円(同67.8%増)となり、経常利益は34億30百万円(同39.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、17億32百万円(同35.0%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<売上高の内訳>
イ. 繊維事業
繊維事業は、前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したため減収となりました。
この結果、繊維事業の売上高は78億39百万円(前期比5.1%減)、営業損益は物流費や労務費等を削減したものの1億23百万円の損失(前期は1億14百万円の損失)となりました。
ロ. 医薬品事業
医薬品事業は、前期に発売した不整脈治療剤「アミオダロン静注」が好調に推移しました。また、経皮吸収型・β1遮断剤「ビソノテープ」についても、適応追加及び製剤改良の結果、順調に販売を伸ばしました。
この結果、医薬品事業の売上高は141億91百万円(前期比1.5%増)、営業利益は利益率の高い品目が伸長し5億52百万円(同235.2%増)となりました。
ハ. 機械関連事業
機械関連事業は、消防自動車事業で、ODA向け車両及び電力会社向け車両の受注増により増収となりました。
この結果、機械関連事業の売上高は94億81百万円(前期比4.7%増)、営業損益は消防自動車事業で外注費や原材料費の削減により採算性の改善が進み2億34百万円の損失(前期は4億56百万円の損失)となりました。
ニ. 不動産事業
不動産事業は、一部オフィスビルやショッピングセンターにおけるテナントからの賃料収入増、前期4月に開業した「コクーン保育園」の通年寄与により増収となりました。
この結果、不動産事業の売上高は107億31百万円(前期比2.5%増)、営業利益は増収に加え減価償却費等の減少により41億1百万円(同8.7%増)となりました。
ホ. その他
その他の区分は、ビル管理サービス、訪花昆虫の販売、低カリウムレタス等の高機能野菜やはなびらたけの生産・販売等により構成されております。
前期にホームセンター事業、化粧品事業、デイサービス直営事業、当期に介護福祉機器事業から撤退した影響により、その他の売上高は17億99百万円(前期比29.6%減)、営業損益は不採算事業からの撤退により改善され58百万円の損失(前期は2億88百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
イ. 資産の部
流動資産は、前期末に比べ40億88百万円減少の525億49百万円(前期末比7.2%減)となりました。増減の主要な項目は、現金及び預金、有価証券、仕掛品であり、それぞれ9億88百万円、10億円、8億40百万円減少しました。
固定資産は、前期末に比べ67億93百万円増加の884億44百万円(同8.3%増)となりました。増減の主要な項目は、投資有価証券であり、68億30百万円増加しました。
上記により総資産額は、前期末に比べ27億5百万円増加の1,409億93百万円(同2.0%増)となりました。
ロ. 負債の部
流動負債は、前期末に比べ43億74百万円減少の194億85百万円(同18.3%減)となりました。増減の主要な項目は、短期借入金、預り金であり、それぞれ25億96百万円、12億43百万円減少しました。
固定負債は、前期末に比べ1億96百万円増加の369億6百万円(同0.5%増)となりました。増減の主要な項目は、長期借入金、繰延税金負債であり、長期借入金は16億44百万円減少し、繰延税金負債は24億34百万円増加しました。
上記により負債総額は、前期末に比べ41億77百万円減少の563億92百万円(同6.9%減)となりました。
ハ. 純資産の部
純資産は、前期末に比べ68億82百万円増加の846億1百万円(同8.9%増)となりました。増減の主要な項目は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金であり、それぞれ13億10百万円、34億40百万円増加しました。
また、自己資本比率は前期末に比べ3ポイント上昇し、42.5%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下、「資金」という。)は、35億3百万円となり、前期末に比べ35億88百万円の減少(前期末比50.6%減)となりました。
イ. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、49億43百万円(前期比13.1%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(30億67百万円)、非資金項目である減価償却費(30億98百万円)があったことによるものであります。
ロ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、35億53百万円(前期は18億40百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(27億27百万円)、預け入れ期間が3カ月を超える定期預金への資金振替(25億99百万円)があったことによるものであります。
ハ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、49億78百万円(前期は15億44百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額(25億96百万円)、長期借入金の返済による支出(100億4百万円)、長期借入れによる収入(85億円)があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
イ. 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格ベースで表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ. 受注実績
当社グループは、「機械関連事業」の一部を除き、原則として受注生産ではなく見込生産であります。
なお、受注生産を行っている「機械関連事業」の当期の受注高及び当期末の受注残高は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ. 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の選択・適用、期末日における資産・負債及び会計期間における収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
イ. 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状態の悪化による価格の下落リスクを負っているため、社内規定により、その他有価証券で時価のある株式については、下落率30%以上のものにあっては回復可能性が認められる合理的な反証が無い限り減損処理を行っております。このため、株式市況の変動により、投資有価証券の減損費用が発生する可能性があります。
ロ. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ハ. 退職給付に係る負債
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
イ. 売上高
当期の売上高は、前期に比べ2億64百万円減収の440億43百万円(前期比0.6%減)となりました。
機械関連事業において消防自動車事業で増収となったものの、繊維事業において前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより減収、その他で前期にホームセンター事業から撤退した影響により減収となったことによるものであります。
ロ. 売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当期の売上原価は、減収による減少に加え、機械関連事業の消防自動車事業で外注費や原材料費の削減により採算性の改善を進めたこと等により前期に比べ5億28百万円減少の279億86百万円(同1.9%減)となりました。売上原価率は前期に比べ0.8ポイント低下して63.5%となりました。
売上総利益は、上記に加え医薬品事業で利益率の高い品目が伸長したこと等により、前期に比べ2億63百万円増益の160億57百万円(同1.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前期にホームセンター事業から撤退したことに加え、人員減少等の影響により前期に比べ7億74百万円減少の134億88百万円(同5.4%減)となりました。
なお、売上高販管費率は、前期に比べ1.5ポイント低下し、30.6%となりました。
以上の結果、営業利益は、前期に比べ10億38百万円増益の25億69百万円(同67.8%増)となりました。
ハ. 営業外収益(費用)、経常利益
営業外収益(費用)は、前期に比べ64百万円減益となり、8億60百万円(前期比7.0%減)の収益(純額)となりました。これは主に、受取配当金が増加したものの、シンジケートローン手数料が増加したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は、前期に比べ9億73百万円増益の34億30百万円(同39.6%増)となりました。
ニ. 特別利益(損失)、税金等調整前当期純利益
特別利益(損失)は、前期に比べ1百万円好転し、3億62百万円の損失(純額)となりました(前期は3億64百万円の損失(純額))。これは主に、割増退職金が発生したものの、投資有価証券売却益が増加したことによるものであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ9億75百万円増益の30億67百万円(前期比46.6%増)となりました。
ホ. 法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、前期に比べ4億90百万円増加の10億84百万円(同82.7%増)となりました。
なお、税金等調整前当期純利益に対する負担率は35.4%となり、前期に比べ7.0ポイント上昇しました。
非支配株主に帰属する当期純利益(損失)の控除額は、主に子会社であるトーアエイヨー㈱が増益となったため、前期に比べ34百万円増加の2億50百万円(同16.2%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ4億49百万円増益の17億32百万円(同35.0%増)となりました。
③ 財政状態の分析
当期の財政状態の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの分析
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運転資金及び社有地における大規模開発資金等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応していくこととしております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。また、当社及び連結子会社においてグループ・ファイナンス制度を導入することにより、資金効率の向上を図っております。
大規模開発資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注) 1.各指標の算出方法は次のとおりであります。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
6.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」)におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に、設備投資の増加や雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が続いているものの、米中の通商問題の長期化や英国のEU離脱問題など、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のなか、当社グループは、2017年から5カ年を計画期間とする中期経営計画「カタクラ2021」において、「成長事業への転換」を基本戦略とし、その実現に向けグループ全体で取り組んでまいりました。不採算事業については、安定した収益基盤の確立と成長事業への転換のため収益改善に取り組むとともに、2020年度での黒字化が見込めない事業については事業規模の大幅な縮小または撤退を決定・実行してまいりました。
事業環境の悪化等により安定した収益基盤の確立に至っていない繊維事業の実用衣料、医薬品事業、機械関連事業の3事業について、実用衣料では不採算となっている販売先との取引解消や採算性改善の難しい商品カテゴリーからの撤退を進め、当社衣料品事業部門の大幅縮小と一部事業の連結子会社への譲渡を決定いたしました。医薬品事業では、ジェネリック製品のラインナップ拡充や効率的な研究開発体制の移行による安定収益基盤の強化に努め、機械関連事業の消防自動車事業では、採算性を重視した営業体制の構築や生産性向上に取り組むなど、構造改革を断行してまいりました。なお、機械関連事業の農業用機械事業、その他事業の介護福祉機器事業およびアグリビジネスについては、厳しい事業環境の中、安定した収益構造への転換が困難であると判断し撤退することといたしました。
継続的に成長している不動産事業については、社有地開発や既存商業施設の再構築・鮮度維持・魅力度向上等に経営資源を振り向け、更なる成長を図ってまいりました。
この結果、当期の売上高は、機械関連事業において消防自動車事業で増収となったものの、繊維事業において前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより減収、その他で前期にホームセンター事業から撤退した影響により減収となったため、440億43百万円(前期比0.6%減)となりました。
営業利益は、医薬品事業、機械関連事業及び不動産事業の増収により25億69百万円(同67.8%増)となり、経常利益は34億30百万円(同39.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、17億32百万円(同35.0%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
<売上高の内訳>
| 2018年12月期 (百万円) | 2019年12月期 (百万円) | 増減 | ||
| (百万円) | (%) | |||
| 繊維事業 | 8,259 | 7,839 | △419 | △5.1 |
| 医薬品事業 | 13,975 | 14,191 | 216 | 1.5 |
| 機械関連事業 | 9,052 | 9,481 | 429 | 4.7 |
| 不動産事業 | 10,465 | 10,731 | 266 | 2.5 |
| その他 | 2,555 | 1,799 | △756 | △29.6 |
| 合計 | 44,308 | 44,043 | △264 | △0.6 |
イ. 繊維事業
繊維事業は、前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したため減収となりました。
この結果、繊維事業の売上高は78億39百万円(前期比5.1%減)、営業損益は物流費や労務費等を削減したものの1億23百万円の損失(前期は1億14百万円の損失)となりました。
ロ. 医薬品事業
医薬品事業は、前期に発売した不整脈治療剤「アミオダロン静注」が好調に推移しました。また、経皮吸収型・β1遮断剤「ビソノテープ」についても、適応追加及び製剤改良の結果、順調に販売を伸ばしました。
この結果、医薬品事業の売上高は141億91百万円(前期比1.5%増)、営業利益は利益率の高い品目が伸長し5億52百万円(同235.2%増)となりました。
ハ. 機械関連事業
機械関連事業は、消防自動車事業で、ODA向け車両及び電力会社向け車両の受注増により増収となりました。
この結果、機械関連事業の売上高は94億81百万円(前期比4.7%増)、営業損益は消防自動車事業で外注費や原材料費の削減により採算性の改善が進み2億34百万円の損失(前期は4億56百万円の損失)となりました。
ニ. 不動産事業
不動産事業は、一部オフィスビルやショッピングセンターにおけるテナントからの賃料収入増、前期4月に開業した「コクーン保育園」の通年寄与により増収となりました。
この結果、不動産事業の売上高は107億31百万円(前期比2.5%増)、営業利益は増収に加え減価償却費等の減少により41億1百万円(同8.7%増)となりました。
ホ. その他
その他の区分は、ビル管理サービス、訪花昆虫の販売、低カリウムレタス等の高機能野菜やはなびらたけの生産・販売等により構成されております。
前期にホームセンター事業、化粧品事業、デイサービス直営事業、当期に介護福祉機器事業から撤退した影響により、その他の売上高は17億99百万円(前期比29.6%減)、営業損益は不採算事業からの撤退により改善され58百万円の損失(前期は2億88百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
イ. 資産の部
流動資産は、前期末に比べ40億88百万円減少の525億49百万円(前期末比7.2%減)となりました。増減の主要な項目は、現金及び預金、有価証券、仕掛品であり、それぞれ9億88百万円、10億円、8億40百万円減少しました。
固定資産は、前期末に比べ67億93百万円増加の884億44百万円(同8.3%増)となりました。増減の主要な項目は、投資有価証券であり、68億30百万円増加しました。
上記により総資産額は、前期末に比べ27億5百万円増加の1,409億93百万円(同2.0%増)となりました。
ロ. 負債の部
流動負債は、前期末に比べ43億74百万円減少の194億85百万円(同18.3%減)となりました。増減の主要な項目は、短期借入金、預り金であり、それぞれ25億96百万円、12億43百万円減少しました。
固定負債は、前期末に比べ1億96百万円増加の369億6百万円(同0.5%増)となりました。増減の主要な項目は、長期借入金、繰延税金負債であり、長期借入金は16億44百万円減少し、繰延税金負債は24億34百万円増加しました。
上記により負債総額は、前期末に比べ41億77百万円減少の563億92百万円(同6.9%減)となりました。
ハ. 純資産の部
純資産は、前期末に比べ68億82百万円増加の846億1百万円(同8.9%増)となりました。増減の主要な項目は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金であり、それぞれ13億10百万円、34億40百万円増加しました。
また、自己資本比率は前期末に比べ3ポイント上昇し、42.5%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの「現金及び現金同等物」(以下、「資金」という。)は、35億3百万円となり、前期末に比べ35億88百万円の減少(前期末比50.6%減)となりました。
イ. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、49億43百万円(前期比13.1%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(30億67百万円)、非資金項目である減価償却費(30億98百万円)があったことによるものであります。
ロ. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、35億53百万円(前期は18億40百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(27億27百万円)、預け入れ期間が3カ月を超える定期預金への資金振替(25億99百万円)があったことによるものであります。
ハ. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、49億78百万円(前期は15億44百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額(25億96百万円)、長期借入金の返済による支出(100億4百万円)、長期借入れによる収入(85億円)があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
イ. 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 繊維事業 | 1,930 | 97.4 |
| 医薬品事業 | 17,197 | 99.5 |
| 機械関連事業 | 7,837 | 91.4 |
| その他 | 447 | 95.2 |
| 合計 | 27,412 | 96.8 |
(注) 1.金額は、販売価格ベースで表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ. 受注実績
当社グループは、「機械関連事業」の一部を除き、原則として受注生産ではなく見込生産であります。
なお、受注生産を行っている「機械関連事業」の当期の受注高及び当期末の受注残高は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機械関連事業 | 8,485 | 88.4 | 6,141 | 85.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ. 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 繊維事業 | 7,839 | 94.9 |
| 医薬品事業 | 14,191 | 101.5 |
| 機械関連事業 | 9,481 | 104.7 |
| 不動産事業 | 10,731 | 102.5 |
| その他 | 1,799 | 70.4 |
| 合計 | 44,043 | 99.4 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| アステラス製薬㈱ | 13,185 | 29.8 | 13,218 | 30.0 |
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の選択・適用、期末日における資産・負債及び会計期間における収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
イ. 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状態の悪化による価格の下落リスクを負っているため、社内規定により、その他有価証券で時価のある株式については、下落率30%以上のものにあっては回復可能性が認められる合理的な反証が無い限り減損処理を行っております。このため、株式市況の変動により、投資有価証券の減損費用が発生する可能性があります。
ロ. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ハ. 退職給付に係る負債
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
イ. 売上高
当期の売上高は、前期に比べ2億64百万円減収の440億43百万円(前期比0.6%減)となりました。
機械関連事業において消防自動車事業で増収となったものの、繊維事業において前期に補整下着事業から撤退したことに加え、実用衣料の肌着、耐熱性繊維等の機能性繊維が低迷したことにより減収、その他で前期にホームセンター事業から撤退した影響により減収となったことによるものであります。
ロ. 売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当期の売上原価は、減収による減少に加え、機械関連事業の消防自動車事業で外注費や原材料費の削減により採算性の改善を進めたこと等により前期に比べ5億28百万円減少の279億86百万円(同1.9%減)となりました。売上原価率は前期に比べ0.8ポイント低下して63.5%となりました。
売上総利益は、上記に加え医薬品事業で利益率の高い品目が伸長したこと等により、前期に比べ2億63百万円増益の160億57百万円(同1.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前期にホームセンター事業から撤退したことに加え、人員減少等の影響により前期に比べ7億74百万円減少の134億88百万円(同5.4%減)となりました。
なお、売上高販管費率は、前期に比べ1.5ポイント低下し、30.6%となりました。
以上の結果、営業利益は、前期に比べ10億38百万円増益の25億69百万円(同67.8%増)となりました。
ハ. 営業外収益(費用)、経常利益
営業外収益(費用)は、前期に比べ64百万円減益となり、8億60百万円(前期比7.0%減)の収益(純額)となりました。これは主に、受取配当金が増加したものの、シンジケートローン手数料が増加したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は、前期に比べ9億73百万円増益の34億30百万円(同39.6%増)となりました。
ニ. 特別利益(損失)、税金等調整前当期純利益
特別利益(損失)は、前期に比べ1百万円好転し、3億62百万円の損失(純額)となりました(前期は3億64百万円の損失(純額))。これは主に、割増退職金が発生したものの、投資有価証券売却益が増加したことによるものであります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ9億75百万円増益の30億67百万円(前期比46.6%増)となりました。
ホ. 法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、前期に比べ4億90百万円増加の10億84百万円(同82.7%増)となりました。
なお、税金等調整前当期純利益に対する負担率は35.4%となり、前期に比べ7.0ポイント上昇しました。
非支配株主に帰属する当期純利益(損失)の控除額は、主に子会社であるトーアエイヨー㈱が増益となったため、前期に比べ34百万円増加の2億50百万円(同16.2%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ4億49百万円増益の17億32百万円(同35.0%増)となりました。
③ 財政状態の分析
当期の財政状態の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの分析
当期のキャッシュ・フローの分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運転資金及び社有地における大規模開発資金等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応していくこととしております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメントライン契約を締結しております。また、当社及び連結子会社においてグループ・ファイナンス制度を導入することにより、資金効率の向上を図っております。
大規模開発資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | |
| 自 己 資 本 比 率(%) | 40.0 | 39.5 | 42.5 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 37.3 | 28.2 | 33.9 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.7 | 3.7 | 3.4 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 29.5 | 34.2 | 35.3 |
(注) 1.各指標の算出方法は次のとおりであります。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
3.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
4.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
6.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。