有価証券報告書-第183期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/26 16:00
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。本項に記載の前連結会計年度との比較・分析にあたっては、当該会計基準等を遡って適用した後の数値を用いています。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載の通りです。
また、2024年11月28日に取得したARGONICS GMBH及びその子会社のARGONAV GMBHとの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていましたが、当連結会計年度に確定しています。本項に記載の前連結会計年度との比較・分析にあたっては、当該企業結合についての暫定的な会計処理の確定による見直し後の数値を用いています。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループの売上高は、無線・通信事業の需要拡大が全体を牽引したことで増収となり502,339百万円(前年同期比7,593百万円増、1.5%増)となりました。
営業利益は、無線・通信事業の大幅な増益が寄与し26,401百万円(前年同期比9,820百万円増、59.2%増)となり、経常利益は29,327百万円(前年同期比4,924百万円増、20.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は13,920百万円(前年同期比3,642百万円増、35.4%増)となりました。
事業セグメントの業績は下記のとおりです。セグメント利益またはセグメント損失は営業利益または営業損失ベースの数値です。
(無線・通信事業)
無線・通信事業は、増収・大幅増益となりました。
日本無線グループの主な概況は次のとおりです。ソリューション事業は、更新需要による自治体向け防災システムの受注増に加え、費用削減効果等により増収・増益となりました。
特機事業は、国家戦略に基づく防衛力整備計画の基本方針を背景とした防衛省向け装置やメンテナンス用機材の受注増等により増収・増益となりました。
マリンシステム事業は、商船新造船用機器に加え、商船換装用機器や保守サービス等のアフターマーケット向けの受注が好調に推移したことで増収・増益となりました。
モビリティ事業は、レピータ(携帯電話中継装置)が仕様変更や工期遅延等の影響で受注減となったことに加え、海外向け業務用無線も振るわず、減収・損益悪化となりました。
国際電気グループは、携帯電話キャリア向け製品や自治体向け防災行政無線の受注増等により増収・大幅増益となりました。
その結果、無線・通信事業全体では、売上高251,837百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益17,668百万円(前年同期比133.2%増)となりました。
(マイクロデバイス事業)
マイクロデバイス事業は、減収でしたが不採算製品の販売縮小や固定費削減等により損失縮小となりました。
電子デバイス事業の主な概況は次のとおりです。産機製品は、国内OA機器用製品の受注増等により増収となりました。民生品(コンシューマ製品)は、アミューズメント関連やスマートフォン関連を除き低調に推移したことで減収となりました。車載製品も、EV市場の不調やセンサ関連の顧客の在庫調整により受注減となったことで減収となりました。
マイクロ波事業は、電子管の保守部品の出荷がレアアース規制による部品入手難で停滞した影響等により減収・減益となりました。
その結果、マイクロデバイス事業全体では、売上高62,400百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント損失5,505百万円(前年同期比1,588百万円損失縮小)となりました。
(マテリアル)
・ブレーキ事業
ブレーキ事業は、微減収・増益となりました。
日本拠点は、カーメーカー向けの受注が回復したことにより増収・増益となりました。米国拠点も、ハイブリッド車を中心とした日系カーメーカー向けの受注が好調で増収・増益となりました。韓国拠点は減収ながらも採算改善活動により損失縮小となりました。中国・タイ拠点は、前年同期並みの売上・利益となりました。
その結果、ブレーキ事業全体では、売上高57,795百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益3,385百万円(前年同期比45.1%増)となりました。
・精密機器事業
精密機器事業は、増収・増益となりました。
精密部品事業は、自動車用EBS(電子制御ブレーキシステム)部品が中国拠点で受注減となったものの、インド拠点の出荷増等により増収・増益となりました。成形品事業のうち、空調関連製品は前年同期並みの売上でしたが経費削減等により増益となり、車載関連製品や医療関連製品は好調な受注に加えコスト削減により増収・増益となりました。
その結果、精密機器事業全体では、売上高55,442百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益2,976百万円(前年同期比81.3%増)となりました。
・化学品事業
化学品事業は、減収・損益悪化となりました。
断熱製品は、冷蔵冷凍設備や住宅用原液、土木用原液の受注減により減収・減益となりました。燃料電池用カーボンセパレータは、水素市場全体の停滞に起因する受注減により減収・損失拡大となりました。機能化学品は、前年同期並みの売上でしたが経費削減等により増益となりました。化学品事業全体の研究開発費は、事業化の推進に伴い増加しました。
その結果、化学品事業全体では、売上高9,736百万円(前年同期比11.8%減)、セグメント損失56百万円(前年同期比711百万円損益悪化)となりました。
・繊維事業
繊維事業は、減収・減益となりました。
東京シャツ㈱を含むシャツ事業は、アポロコットシャツ(超形態安定加工)の受注低迷等により減収・損益悪化となりました。ユニフォーム事業は、企業別注品の受注増等により増収・損失縮小となりました。開発素材事業は、前年同期並みの売上でしたが、価格転嫁等により損失縮小となりました。ブラジル拠点は、減収・減益となりました。
その結果、繊維事業全体では、売上高33,345百万円(前年同期比9.5%減)、セグメント利益98百万円(前年同期比49.0%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、減収・減益となりました。
東京都港区のマンション販売や愛知県岡崎市の宅地販売等を実施しましたが、前期と当期に実施した大型商業施設のアリオ西新井(東京都足立区)の分譲規模の相違によるものです。
その結果、不動産事業全体では、売上高17,939百万円(前年同期比23.8%減)、セグメント利益12,667百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
(その他)
ニッシントーア・岩尾㈱(食品、産業資材等の商社機能)等の事業を、その他として区分しています。
その他の売上高は13,841百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は373百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
無線・通信207,991+5.9
マイクロデバイス58,962+2.4
ブレーキ50,305△3.2
精密機器51,323△3.2
化学品7,039△15.2
繊維26,795△7.9
その他343△15.5
合計402,761+1.5

(注) 1 金額は製造原価により算出しています。
2 不動産事業は生産活動を行っていないため、上記金額には含まれていません。
②受注状況
無線・通信事業、マイクロデバイス事業及び精密機器事業のうち、一部の製品において受注生産を行っています。当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。なお、精密機器事業については金額的重要性が乏しいため記載していません。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
無線・通信286,243+1.3277,568+17.9
マイクロデバイス65,178+19.920,120+16.0
合計351,422+4.3297,689+17.7

③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
無線・通信251,837+7.4
マイクロデバイス62,400△2.8
ブレーキ57,795△0.7
精密機器55,442+2.4
化学品9,736△11.8
繊維33,345△9.5
不動産17,939△23.8
その他13,841+13.2
合計502,339+1.5

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が総販売実績の10%未満のため記載を省略しています。
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は667,817百万円となり、前連結会計年度末と比較し12,294百万円減少しました。現金及び預金の減少4,786百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加5,222百万円、有形固定資産の減少10,636百万円、無形固定資産の減少2,453百万円、退職給付に係る資産の増加8,542百万円、投資その他の資産のその他の減少6,258百万円等が主な要因です。
当連結会計年度末における負債総額は351,225百万円となり、前連結会計年度末と比較し31,101百万円減少しました。支払手形及び買掛金の増加2,827百万円、短期借入金の減少27,379百万円、未払法人税等の増加2,765百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の減少9,214百万円、繰延税金負債の増加6,591百万円、退職給付に係る負債の減少6,438百万円等が主な要因です。
当連結会計年度末における純資産は316,591百万円となり、前連結会計年度末と比較し18,806百万円増加しました。利益剰余金の増加8,596百万円、為替換算調整勘定の増加3,101百万円、退職給付に係る調整累計額の増加6,405百万円等が主な要因です。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末と比較して3.3ポイント上昇して43.0%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は49,337百万円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益25,002百万円、減価償却費25,599百万円、減損損失4,908百万円、投資有価証券売却損益△5,271百万円、売上債権及び契約資産の増減額△5,733百万円、棚卸資産の増減額1,338百万円、仕入債務の増減額631百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は10,842百万円となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出△16,839百万円、投資有価証券の売却による収入6,846百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は46,203百万円となりました。これは主として、短期借入金の純増減額△27,555百万円、長期借入金の返済による支出△9,914百万円、配当金の支払額△5,640百万円によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は44,055百万円と前連結会計年度末に比べ6,356百万円減少しました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
自己資本比率42.8%42.8%37.1%39.7%43.0%
時価ベースの自己資本比率24.1%24.8%26.7%20.8%30.7%
債務償還年数3.3年7.5年9.2年7.7年3.7年
インタレスト・カバレッジ・レシオ34.5倍12.1倍4.7倍12.0倍17.0倍

(注) 自己資本比率:(純資産-新株予約権-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
①各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
②株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
③営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象にしています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財務戦略
当社グループは、2027年度以降のビジネスモデル転換と高収益化の実現に向け、2026年度までを目指す姿の実現に向けた礎を築く期間と定義しました。その間、資本効率の最適化と戦略的な資本調達が可能となる財務の健全性の両立を目指し、営業キャッシュ・フローの範囲内での投資、株主還元を基本とし、目指す事業ポートフォリオ実現のための注力領域への投資を優先します。資本効率向上の観点から資産の圧縮を計画的に進め、資産売却によって得た資金は投資、株主還元の原資として活用します。また、D/Eレシオは0.7倍以下を目安とし、ROICがWACCを上回ることを事業再設計の判断基準とします。
株主還元は、2026年度にかけて配当性向40%を目指し、利益成長を通じて配当水準の向上を図ります。1株当たり年間配当36円を下限に配当維持または増配を基本方針としながら、成長投資に必要な資金を確保しつつ、資本構成や中長期的なフリーキャッシュフローの見通し等から自己株式取得を機動的に判断します。
②資金調達の方針と流動性の分析
当社グループの運転資金や成長投資等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローを財源としていますが、必要に応じて有利子負債を効果的に活用し資本効率の向上を図っています。主に短期的な資金についてはコミットメントライン等の短期銀行借入やコマーシャル・ペーパーによる調達を、設備投資、M&A投資等の長期的な資金については、金融市場動向や長短バランスなどを総合的に勘案し、適宜長期銀行借入を組成しています。
また、当社グループは、ガバナンス強化と資金効率向上を目的として、グループ一体となった資金調達と資金管理を実施しており、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)やグループローンによる資金融通を行ない、グループ内の流動性確保と資本コストの低減に努めています。
重要な資本的支出の予定及び資金の調達方法については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
資金の流動性については、当連結会計年度においても当社は主要銀行とのコミットメントライン契約を同額で維持し、30,000百万円で更改しました。その他、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパーも引き続き十分な調達枠を維持しており、必要とされる流動性を確保しています。
また、政策保有株式については、コーポレートガバナンス・ポリシーに基づき計画的に縮減していきますが、柔軟且つ機動的な売却の意思決定により、資金の流動性を補完することも可能です。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。海外子会社については、IFRS(国際財務報告基準)及び米国会計基準に準拠して作成され、現地監査法人の監査を受けた上で必要な調整を反映させています。
この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(7)次期の業績見通し
無線・通信事業では、災害の激甚化を背景に官民連携による防災DXの推進が加速しており、無線通信ソリューションの需要が拡大しています。また、防衛分野においても、経済安全保障の観点から産業・技術基盤の強化が進められており、無線通信の応用分野も拡大する見通しです。こうした事業環境に対応する成長投資および研究開発費が増加するため増収・減益を見込んでいます。
マイクロデバイス事業では、販売活動の強化に加え、固定費削減等の構造改革を推進していくことにより、増収・損失縮小を見込んでいます。
不動産事業では、分譲案件の規模が前期より縮小することから減収・減益を見込んでいます。
これらのことから、次期の連結業績見通しは、売上高511,000百万円、営業利益21,000百万円、経常利益21,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,000百万円となる見込みです。
なお、為替レートは通期平均で1米ドル=145円、1ユーロ=165円を前提としています。
業績見通しの詳細については2026年2月10日に公表しています「2025年12月期決算説明資料」をご参照ください。

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