訂正有価証券報告書-第58期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/09/08 15:43
【資料】
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【項目】
111項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては「第5 経理の状況」の冒頭に記載のとおり、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
重要な会計方針についての詳細および見積りに関する事項につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループにおける当連結会計年度における業績は、電子売上では、ナビゲーション売上の減少や継続的にあった大型案件の失注等により、大幅に減少いたしました。市販出版物におきましても、一部ヒット商品があったものの、前連結会計年度にあった新規シリーズの発売もなく、改訂商品の入れ替えによる返品が想定を大きく上回ったため、売上高は大きく減少いたしました。その結果、売上高合計は前連結会計年度に比べ27億20百万円(20.9%)減少し、103億14百万円となりました。
損益面におきましては、大幅な売上高の減少に加え、人事制度変更に伴う賞与引当金計上額の増加、取引先である地図専門取次の破産に伴う貸倒引当金の増加等もあり製造原価、販売費及び一般管理費ともに増加いたしました。
これにより、営業損失22億76百万円(前連結会計年度は、営業利益3億6百万円)、経常損失は22億6百万円となりました(前連結会計年度は、経常利益3億63百万円)。また、特別損失として12億3百万円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は34億23百万円となりました(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益5億13百万円)。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
近年、当社グループにおきましては、従来の主力事業である出版事業では、インターネットやカーナビゲーション等情報提供媒体の多様化により、その売上高は長期下落傾向にあり、厳しい事業環境のもと業績も伸び悩む状況が続いております。今後の当社グループでの業績回復のためには、既に保有するデータベースを活用した電子事業の積極展開と事業の早期拡大が不可欠な状況にあります。しかし一方で、電子事業における事業環境自体も携帯電話からスマートフォン等への普及が急速に拡大するなど劇的に変化しており、このような市場への対応次第では、当社グループにおける今後の業績において大きく異なる結果となる可能性があります。なお、詳細なリスク等につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなっております。
当連結会計年度末における資産合計は245億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億12百万円(12.5%)減少いたしました。この主な要因は、商品及び製品が3億73百万円、退職給付に係る資産が1億70百万円、投資その他の資産その他が91百万円増加した一方で、現金及び預金が10億23百万円、受取手形及び売掛金が8億74百万円、有価証券が8億25百万円、仕掛品が1億93百万円減少するとともに、主に減損損失の計上によりデータベースが1億18百万円、ソフトウェアが6億14百万円、工具器具備品が79百万円、機械装置及び運搬具が25百万円減少したことであります。負債合計は49億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億20百万円(17.1%)減少いたしました。この主な要因は、人事制度変更に伴う賞与引当金の追加計上に伴い賞与引当金が3億86百万円、未払費用が1億53百万円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権行使による株式転換により社債が10億円減少したことに加え返品調整引当金が2億23百万円、流動負債その他が3億13百万円減少いたしました。また、役員退職慰労金制度廃止に伴い、役員退職慰労引当金が2億46百万円減少、固定負債その他が2億51百万円増加いたしました。純資産においては、新株予約権行使に伴い資本金が2億37百万円、資本準備金が2億37百万円増加するとともに発行株式の一部に自己株式を充てたことで自己株式が5億25百万円減少いたしました。また利益剰余金が剰余金の配当3億32百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失34億23百万円等により37億68百万円減少いたしました。加えて、その他有価証券評価差額金が84百万円、退職給付に係る調整累計額が1億91百万円増加いたしました。これにより、純資産合計は24億92百万円(11.3%)減少し、195億96百万円となりました。
この結果、自己資本比率は79.7%と1.1ポイント改善しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて7億87百万円の資金を使用、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて11億85百万円の資金を使用、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて3億54百万円の資金を使用した結果、現金及び現金同等物の増減額が23億26百万円減少となった一方で、新規連結子会社の現金及び現金同等物の増加額が2億76百万円あり、その期末残高は78億99百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、7億87百万円の支出となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純損失が34億27百万円であったことに加え、減価償却費及びその他の償却費が4億26百万円、減損損失の増加額が12億3百万円、賞与引当金の増加額が3億85百万円、売上債権の減少額が8億74百万円あった一方で、返品調整引当金の減少額が2億23百万円、たな卸資産の増加額が1億78百万円あったことであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、11億85百万円の支出となりました。その主な要因は、有価証券の償還による収入が8億円、投資有価証券の売却による収入が2億24百万円あった一方で、有価証券取得による支出が13億3百万円、投資有価証券の取得による支出が2億54百万円、無形固定資産の取得による支出が6億23百万円あったことであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、3億54百万円の支出となりました。その主な要因は、配当金の支払額が3億33百万円あったことに加え、長期借入金の返済による支出が20百万円あったことであります。