半期報告書-第70期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/08 15:45
【資料】
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間中、所得環境の改善により経済は緩やかに回復基調を示す一方で、株価・為替の急変や地政学的リスクの高まりが懸念されるなど先行きに不透明感が増しています。
当社の主要顧客である小売業界では、個人消費の回復と訪日外国人の増加によるインバウンド需要拡大の一方で、仕入れ価格の高騰や労働力不足が経営を圧迫しており、消費の二極化や地方と都心部の経済格差も進んでいます。
当社の事業領域である販促業界では、デジタルツールの急速な活用拡大とパーソナライズされた施策の需要が増しています。また印刷業界では紙媒体需要減少と原材料高騰が課題を深刻化させています。
当社はこのような状況のもと、Vision2030「販促のあらゆる不満や不便、不足を解消し、小売の課題解決が日本一得意な会社へ」の実現に向けたステップとなる中期経営計画SPX2027(2025年3月期~2027年3月期)を策定しました。この計画では、当社の強みである小売への深い知見、顧客と共に進む伴走力、具体的な成果を出す実行力を基に、質と量の両面で成長を図り、企業価値を高めていくことで、持続的な成長を目指しています。
営業面では、ユーザビリティが高いスマートフォン用デジタルチラシを開発し、チラシを購読していなかった層に向けたアプローチを可能にしました。また、チラシやECサイトの商品撮影においては、自社スタジオの拡大と設備の強化、一部モデルをAIに置き換えることにより、コスト削減と付加価値の提供を実現しました。さらに、マーケティングデータを効果的に活用した不振店舗の改善支援や、当社システムを活用した販促物制作工程の改善を通じて顧客の生産性向上も行いました。以上の取り組みにより、通常閑散期とされる上期において、前年の売上を上回ることができました。
生産面においては、RPA技術の活用により制作業務の効率化を進めております。また、最先端の印刷技術と太陽光発電システムの活用によりコスト削減を進めるとともに、戦略的な価格交渉により、原材料費の高騰にも対応しています。これらの取り組みにより、総合的なコスト改善が進みました。
人材面では、全社員にeラーニングを導入し、社内研修を強化しました。さらに、コンプライアンスと新人事制度の理解促進のため、全拠点で研修を実施し、ガバナンスを強化しました。
上記の事業活動により、当中間会計期間における売上高は、既存クライアントへの受注が順調に進み、48億55百万円(前中間会計期間比2.4%増)となりました。営業利益は、付加価値提案による粗利の向上及び価格の転嫁効果、さらには経営効率化の推進に伴うコスト削減及び生産性の向上が計画以上に進んだ結果、賃上げによる販管費の増加や新規投資の償却費の増加も吸収し、2億44百万円(前中間会計期間比41.8%増)、経常利益は2億80百万円(前中間会計期間比32.3%増)、中間純利益は1億90百万円(前中間会計期間比32.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当中間会計期間における流動資産の残高は、37億57百万円(前事業年度末は44億29百万円)となり、前事業年度末と比べ6億71百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、商品及び製品が10百万円増加したものの、現金及び預金が2億91百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2億70百万円、未収入金が1億23百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当中間会計期間における固定資産の残高は、33億32百万円(前事業年度末は35億55百万円)となり、前事業年度末と比べ2億22百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、その他に含まれている繰延税金資産が53百万円増加したものの、有形固定資産が67百万円、投資有価証券が2億3百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当中間会計期間における流動負債の残高は、22億85百万円(前事業年度末は30億72百万円)となり、前事業年度末と比べ7億86百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、支払手形及び買掛金が1億96百万円、電子記録債務が1億28百万円、その他に含まれている未払金が4億25百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当中間会計期間における固定負債の残高は、7億35百万円(前事業年度末は7億73百万円)となり、前事業年度末と比べ37百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が20百万円、退職給付引当金が15百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間における純資産の残高は、40億68百万円(前事業年度末は41億38百万円)となり、前事業年度末と比べ69百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、利益剰余金が75百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が1億45百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、21億54百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動におけるキャッシュ・フローは、3億6百万円の収入(前中間会計期間は2億24百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前中間純利益が2億80百万円、減価償却費が1億45百万円、売上債権の減少額が2億64百万円、その他に含まれている流動資産の減少額が1億23百万円であり、主な減少要因は、仕入債務の減少額が3億25百万円、その他に含まれている流動負債の減少額が26百万円、法人税等の支払額が1億4百万円生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動におけるキャッシュ・フローは、4億63百万円の支出(前中間会計期間は3億68百万円の支出)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が4億57百万円、投資有価証券の取得による支出が6百万円生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動におけるキャッシュ・フローは、1億33百万円の支出(前中間会計期間は95百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が20百万円、配当金の支払額が1億13百万円生じたことによるものであります。