有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
① 業績全般
当社グループの当連結会計年度における業績は、機能商品分野を中心に総じて販売が伸長する中、素材分野においてMMA等の石油化学製品をはじめとして概ね市況が好調に推移するなど、全般的に良好な状況でありました。
このような状況の下、売上収益は、3兆7,244億円(前連結会計年度比3,483億円増)となりました。利益面では、コア営業利益は3,805億円(同730億円増)、営業利益は3,557億円(同871億円増)、税引前利益は3,441億円(同858億円増)とそれぞれ前連結会計年度に比べ大幅に増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、米国連邦法人税率の引き下げにより主に繰延税金負債の取崩しによる税金費用の減少等があり、2,118億円(同555億円増)となりました。
(注)1 当社グループは、IFRS(国際会計基準)に基づいて、連結財務諸表を作成しております。
2 コア営業利益は、営業利益(または損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
② 売上収益及びコア営業利益
各セグメントにおける売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。当社は当連結会計年度の第1四半期より報告セグメントを見直しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」をご覧ください。
(金額単位:億円)
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
イ 機能商品セグメント(機能部材、機能化学)
当セグメントの売上収益は1兆1,459億円(前連結会計年度比733億円増)となり、コア営業利益は940億円(同2億円減)となりました。
機能部材サブセグメントにおいては、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチックやアルミナ繊維等に加え、情電・ディスプレイ関連製品のディスプレイ向けフィルムの販売も概ね堅調に推移しました。
機能化学サブセグメントにおいては、新エネルギー関連製品の自動車用電池材料の販売数量が伸長したことに加え、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて、市況が好調に推移する中、前期に実施した定期修理の影響が解消し、販売数量が増加しました。
当セグメントのコア営業利益は、総じて販売数量が伸長したものの、一部製品で原料価格が上昇したこと等により、前期並みとなりました。
ロ ケミカルズセグメント(MMA、石化、炭素)
当セグメントの売上収益は1兆1,773億円(前連結会計年度比1,932億円増)となり、コア営業利益は1,479億円(同853億円増)となりました。
MMAサブセグメントにおいては、需要が堅調に推移する中、MMAモノマーの市況が上昇しました。
石化サブセグメントにおいては、堅調な需給環境が続く中、原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことに加え、エチレンセンターの定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加しました。
炭素サブセグメントにおいては、原料炭価格が上昇したことに伴い販売価格が上昇しました。
当セグメントのコア営業利益は、MMAに加え、コークスやニードルコークス等の炭素製品において、需要が堅調に推移する中、原料と製品の価格差が拡大し、また、石化製品において定期修理の影響が縮小したこと等により、増加しました。
ハ 産業ガスセグメント(産業ガス)
当セグメントの売上収益は6,387億円(前連結会計年度比641億円増)となり、コア営業利益は575億円(同54億円増)となりました。
産業ガスは、国内外のエレクトロニクス関連向けガスが堅調に推移したことに加え、前期に買収した米国及び豪州における事業の業績を通期で取り込んだことにより、売上収益、コア営業利益はともに増加しました。
ニ ヘルスケアセグメント(医薬品、ライフサイエンス)
当セグメントの売上収益は5,566億円(前連結会計年度比96億円増)となり、コア営業利益は812億円(同172億円減)となりました。
医薬品は、ジェネリック事業の譲渡等による減少があったものの、関節リウマチ治療剤「シンポニー」等重点品目が伸長したことに加え、米国で筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」が大幅に伸長したこと等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、医薬品において研究開発費及び米国での事業展開の費用が増加したこと等により減少しました。
ホ その他
その他部門の売上収益は2,059億円(前連結会計年度比81億円増)となり、コア営業利益は71億円(同7億円減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益コア営業利益率(ROS)については10.2%となり、前連結会計年度(9.1%)を上回りました。
なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
また、主な販売先別の販売実績及び総販売額実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
③ 非経常項目と営業利益
当連結会計年度の非経常項目は、減損損失97億円、固定資産除売却損56億円等の発生により、248億円の損失(前連結会計年度比141億円の損失減)となりました。
なお、非経常項目の主な内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント」セグメント損益から、税引前利益への調整についての説明に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,557億円(前連結会計年度比871億円増)となりました。
④ 金融収益/金融費用と税引前利益
当連結会計年度における金融収益は、受取利息及び受取配当金の増加等により84億円(前連結会計年度比12億円増)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、為替差損の増加等により200億円(前連結会計年度比26億円増)となりました。
なお、金融収益及び金融費用の主な内訳については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 10.金融収益及び金融費用」に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は3,441億円(前連結会計年度比858億円増)となりました。
⑤ 法人所得税と当期利益
当連結会計年度における法人所得税は、米国連邦法人税率の引き下げによる減少がありましたが、税引前利益の増加により677億円(前連結会計年度比233億円増)となりました。税効果適用後の法人所得税負担税率は19.7%となり、法定実効税率との差は11.1ポイントとなりました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.法人所得税」に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度における当期利益は2,764億円(前連結会計年度比599億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,118億円(同555億円増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、棚卸資産が増加したことに加え、期末休日に伴い営業債権が増加したこと等により、4兆7,006億円(前連結会計年度末比2,371億円増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、有利子負債の減少がありましたが、期末休日に伴い営業債務が増加したこと等により、2兆7,811億円(前連結会計年度末比158億円増)となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益2,118億円の計上により利益剰余金が増加したこと等から、1兆9,195億円(前連結会計年度末比2,213億円増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて2.9ポイント増加し、27.4%となりました。
当連結会計年度末における主な勘定科目の残高及び増減内容は次のとおりであります。
(営業債権)
期末休日に伴う増加等により、8,548億円(前連結会計年度末比786億円増)となりました。
(棚卸資産)
原料価格の上昇等により、6,077億円(前連結会計年度末比696億円増)となりました。
(有形固定資産及び無形資産)
当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱がニューロダーム社を買収したこと等により、1兆7,887億円(前連結会計年度末比1,298億円増)となりました。
(有利子負債)
当連結会計年度末の有利子負債は1兆6,061億円(前連結会計年度末比876億円減)となりました。
(営業債務)
期末休日に伴う増加等により、4,886億円(前連結会計年度末比507億円増)となりました。
(利益剰余金)
親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、9,569億円(前連結会計年度末比1,956億円増)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
(金額単位:億円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、法人所得税の支払や、営業債権及び棚卸資産の増加に伴う運転資金の増加もありましたが、税引前利益及び減価償却費の計上等により、3,979億円の収入(前連結会計年度比13億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、手元資金の運用における投資の売却及び償還による収入もありましたが、設備投資による支出、子会社の取得による支出等により、3,359億円の支出(前連結会計年度比468億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、配当金の支払い、借入金等の有利子負債の減少による支出等により、1,506億円の支出(前連結会計年度比1,520億円の支出の増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、620億円の収入(前連結会計年度比455億円の収入の減少)となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて859億円減少し、2,776億円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、中期経営計画「APTSIS 20」のもと、「機能商品、素材、ヘルスケア分野の事業を通じて、高成長・高収益型の企業グループをめざす」を基本方針に掲げ、コア営業利益、ROS(売上収益コア営業利益率)、親会社の所有者に帰属する当期利益、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)及びネットD/Eレシオを基礎的経営指標として、「成長事業への投資」、「株主還元の充実」及び「財務体質の強化」の適切なバランスを維持し、企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金又は借入金、社債等により調達しております。また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。さらに、グループ内の資金調達・管理の一元化を行い、より一層グループ全体の資金効率化を進めてまいります。
(5) 経営環境と今後の見通し
日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復が継続することが見込まれるものの、世界経済全体では、今後の通商問題の動向や、中東・東アジアにおける地政学リスク等が懸念されます。
このような状況下、当社グループとしては、素材・機能商品分野における一部製品の原料価格上昇に伴うマージン縮小や、ヘルスケア分野における薬価改定の影響や研究開発費の増加等が見込まれるものの、引き続き拡販及びコスト削減に取り組んでまいります。
以上を踏まえ、次期連結業績につきましては、売上収益は3兆9,300億円、コア営業利益は3,550億円、営業利益は3,370億円、税引前利益は3,250億円、当期利益は2,380億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,840億円となる見込みです。
今後の予想
上記の見通しにおける主要指標の想定値は以下のとおりです。
(注)それぞれ、2017年4月~2018年3月、2018年4月~2019年3月の平均
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異)
日本基準では、のれんの償却については一定期間にわたり償却をしておりました。IFRSでは、IFRS移行日以降の償却を停止しております。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が249億円減少しております。
(1) 経営成績
① 業績全般
当社グループの当連結会計年度における業績は、機能商品分野を中心に総じて販売が伸長する中、素材分野においてMMA等の石油化学製品をはじめとして概ね市況が好調に推移するなど、全般的に良好な状況でありました。
このような状況の下、売上収益は、3兆7,244億円(前連結会計年度比3,483億円増)となりました。利益面では、コア営業利益は3,805億円(同730億円増)、営業利益は3,557億円(同871億円増)、税引前利益は3,441億円(同858億円増)とそれぞれ前連結会計年度に比べ大幅に増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、米国連邦法人税率の引き下げにより主に繰延税金負債の取崩しによる税金費用の減少等があり、2,118億円(同555億円増)となりました。
| (金額単位:億円) | |||||
| 前連結会計年度 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 | 当連結会計年度 自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 | 増減額 | 増減率(%) | ||
| 継 続 事 業 | 売上収益 | 33,761 | 37,244 | 3,483 | 10.3 |
| コア営業利益 | 3,075 | 3,805 | 730 | 23.7 | |
| 非経常項目 | △389 | △248 | 141 | ||
| 営業利益 | 2,686 | 3,557 | 871 | 32.4 | |
| 金融収益/費用 | △103 | △116 | △13 | ||
| 税引前利益 | 2,583 | 3,441 | 858 | 33.2 | |
| 法人所得税 | △444 | △677 | △233 | ||
| 継続事業からの当期利益 | 2,139 | 2,764 | 625 | 29.2 | |
| 非継続事業からの当期利益 | 26 | - | △26 | - | |
| 当期利益 | 2,165 | 2,764 | 599 | 27.6 | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,563 | 2,118 | 555 | 35.5 | |
| 非支配持分に帰属する当期利益 | 602 | 646 | 44 | ||
(注)1 当社グループは、IFRS(国際会計基準)に基づいて、連結財務諸表を作成しております。
2 コア営業利益は、営業利益(または損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
② 売上収益及びコア営業利益
各セグメントにおける売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。当社は当連結会計年度の第1四半期より報告セグメントを見直しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (1)報告セグメントの概要」をご覧ください。
(金額単位:億円)
| セグメント | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | |||
| 売上収益 | コア営業利益 | 売上収益 | コア営業利益 | 売上収益 | コア営業利益 | |
| 機能商品 | 10,726 | 942 | 11,459 | 940 | 733 | △2 |
| ケミカルズ | 9,841 | 626 | 11,773 | 1,479 | 1,932 | 853 |
| 産業ガス | 5,746 | 521 | 6,387 | 575 | 641 | 54 |
| ヘルスケア | 5,470 | 984 | 5,566 | 812 | 96 | △172 |
| その他 | 1,978 | 78 | 2,059 | 71 | 81 | △7 |
| 調整額 | - | △76 | - | △72 | - | 4 |
| 合計 | 33,761 | 3,075 | 37,244 | 3,805 | 3,483 | 730 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
イ 機能商品セグメント(機能部材、機能化学)
当セグメントの売上収益は1兆1,459億円(前連結会計年度比733億円増)となり、コア営業利益は940億円(同2億円減)となりました。
機能部材サブセグメントにおいては、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチックやアルミナ繊維等に加え、情電・ディスプレイ関連製品のディスプレイ向けフィルムの販売も概ね堅調に推移しました。
機能化学サブセグメントにおいては、新エネルギー関連製品の自動車用電池材料の販売数量が伸長したことに加え、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて、市況が好調に推移する中、前期に実施した定期修理の影響が解消し、販売数量が増加しました。
当セグメントのコア営業利益は、総じて販売数量が伸長したものの、一部製品で原料価格が上昇したこと等により、前期並みとなりました。
ロ ケミカルズセグメント(MMA、石化、炭素)
当セグメントの売上収益は1兆1,773億円(前連結会計年度比1,932億円増)となり、コア営業利益は1,479億円(同853億円増)となりました。
MMAサブセグメントにおいては、需要が堅調に推移する中、MMAモノマーの市況が上昇しました。
石化サブセグメントにおいては、堅調な需給環境が続く中、原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことに加え、エチレンセンターの定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加しました。
炭素サブセグメントにおいては、原料炭価格が上昇したことに伴い販売価格が上昇しました。
当セグメントのコア営業利益は、MMAに加え、コークスやニードルコークス等の炭素製品において、需要が堅調に推移する中、原料と製品の価格差が拡大し、また、石化製品において定期修理の影響が縮小したこと等により、増加しました。
ハ 産業ガスセグメント(産業ガス)
当セグメントの売上収益は6,387億円(前連結会計年度比641億円増)となり、コア営業利益は575億円(同54億円増)となりました。
産業ガスは、国内外のエレクトロニクス関連向けガスが堅調に推移したことに加え、前期に買収した米国及び豪州における事業の業績を通期で取り込んだことにより、売上収益、コア営業利益はともに増加しました。
ニ ヘルスケアセグメント(医薬品、ライフサイエンス)
当セグメントの売上収益は5,566億円(前連結会計年度比96億円増)となり、コア営業利益は812億円(同172億円減)となりました。
医薬品は、ジェネリック事業の譲渡等による減少があったものの、関節リウマチ治療剤「シンポニー」等重点品目が伸長したことに加え、米国で筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」が大幅に伸長したこと等により、売上収益は増加しました。コア営業利益は、医薬品において研究開発費及び米国での事業展開の費用が増加したこと等により減少しました。
ホ その他
その他部門の売上収益は2,059億円(前連結会計年度比81億円増)となり、コア営業利益は71億円(同7億円減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益コア営業利益率(ROS)については10.2%となり、前連結会計年度(9.1%)を上回りました。
なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
また、主な販売先別の販売実績及び総販売額実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
③ 非経常項目と営業利益
当連結会計年度の非経常項目は、減損損失97億円、固定資産除売却損56億円等の発生により、248億円の損失(前連結会計年度比141億円の損失減)となりました。
なお、非経常項目の主な内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント」セグメント損益から、税引前利益への調整についての説明に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,557億円(前連結会計年度比871億円増)となりました。
④ 金融収益/金融費用と税引前利益
当連結会計年度における金融収益は、受取利息及び受取配当金の増加等により84億円(前連結会計年度比12億円増)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、為替差損の増加等により200億円(前連結会計年度比26億円増)となりました。
なお、金融収益及び金融費用の主な内訳については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 10.金融収益及び金融費用」に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は3,441億円(前連結会計年度比858億円増)となりました。
⑤ 法人所得税と当期利益
当連結会計年度における法人所得税は、米国連邦法人税率の引き下げによる減少がありましたが、税引前利益の増加により677億円(前連結会計年度比233億円増)となりました。税効果適用後の法人所得税負担税率は19.7%となり、法定実効税率との差は11.1ポイントとなりました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.法人所得税」に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度における当期利益は2,764億円(前連結会計年度比599億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,118億円(同555億円増)となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、棚卸資産が増加したことに加え、期末休日に伴い営業債権が増加したこと等により、4兆7,006億円(前連結会計年度末比2,371億円増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、有利子負債の減少がありましたが、期末休日に伴い営業債務が増加したこと等により、2兆7,811億円(前連結会計年度末比158億円増)となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益2,118億円の計上により利益剰余金が増加したこと等から、1兆9,195億円(前連結会計年度末比2,213億円増)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて2.9ポイント増加し、27.4%となりました。
当連結会計年度末における主な勘定科目の残高及び増減内容は次のとおりであります。
(営業債権)
期末休日に伴う増加等により、8,548億円(前連結会計年度末比786億円増)となりました。
(棚卸資産)
原料価格の上昇等により、6,077億円(前連結会計年度末比696億円増)となりました。
(有形固定資産及び無形資産)
当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱がニューロダーム社を買収したこと等により、1兆7,887億円(前連結会計年度末比1,298億円増)となりました。
(有利子負債)
当連結会計年度末の有利子負債は1兆6,061億円(前連結会計年度末比876億円減)となりました。
(営業債務)
期末休日に伴う増加等により、4,886億円(前連結会計年度末比507億円増)となりました。
(利益剰余金)
親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、9,569億円(前連結会計年度末比1,956億円増)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
(金額単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,966 | 3,979 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,891 | △3,359 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 1,075 | 620 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 14 | △1,506 |
| 為替換算差等 | △125 | 27 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 3,635 | 2,776 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、法人所得税の支払や、営業債権及び棚卸資産の増加に伴う運転資金の増加もありましたが、税引前利益及び減価償却費の計上等により、3,979億円の収入(前連結会計年度比13億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、手元資金の運用における投資の売却及び償還による収入もありましたが、設備投資による支出、子会社の取得による支出等により、3,359億円の支出(前連結会計年度比468億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、配当金の支払い、借入金等の有利子負債の減少による支出等により、1,506億円の支出(前連結会計年度比1,520億円の支出の増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、620億円の収入(前連結会計年度比455億円の収入の減少)となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて859億円減少し、2,776億円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、中期経営計画「APTSIS 20」のもと、「機能商品、素材、ヘルスケア分野の事業を通じて、高成長・高収益型の企業グループをめざす」を基本方針に掲げ、コア営業利益、ROS(売上収益コア営業利益率)、親会社の所有者に帰属する当期利益、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)及びネットD/Eレシオを基礎的経営指標として、「成長事業への投資」、「株主還元の充実」及び「財務体質の強化」の適切なバランスを維持し、企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金又は借入金、社債等により調達しております。また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。さらに、グループ内の資金調達・管理の一元化を行い、より一層グループ全体の資金効率化を進めてまいります。
(5) 経営環境と今後の見通し
日本経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復が継続することが見込まれるものの、世界経済全体では、今後の通商問題の動向や、中東・東アジアにおける地政学リスク等が懸念されます。
このような状況下、当社グループとしては、素材・機能商品分野における一部製品の原料価格上昇に伴うマージン縮小や、ヘルスケア分野における薬価改定の影響や研究開発費の増加等が見込まれるものの、引き続き拡販及びコスト削減に取り組んでまいります。
以上を踏まえ、次期連結業績につきましては、売上収益は3兆9,300億円、コア営業利益は3,550億円、営業利益は3,370億円、税引前利益は3,250億円、当期利益は2,380億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,840億円となる見込みです。
今後の予想
| 財務指標 | 2016年度 実績 | 2017年度 実績 | 2018年度 予想 | 2020年度 目標 | ||
| コア営業利益 | (億円) | 3,075 | 3,805 | 3,550 | 3,800 | |
| ROS(売上収益コア営業利益率) | (%) | 9.1 | 10.2 | 9.0 | 8.0 | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | (億円) | 1,563 | 2,118 | 1,840 | 1,800 | |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | (%) | 15.1 | 17.8 | 12.0 | ||
| ネットD/Eレシオ | (倍) | 1.06 | 0.89 | 0.8 |
上記の見通しにおける主要指標の想定値は以下のとおりです。
| 2017年度(実績) | 2018年度(想定値) | |||
| 設備投資額 | (億円) | 2,252 | 2,640 | |
| 減価償却費 | (億円) | 1,789 | 1,850 | |
| 研究開発費 | (億円) | 1,388 | 1,600 | |
| 為替 | (注) | (円/$) | 111 | 105 |
| ナフサ価格 | (注) | (円/KL) | 41,900 | 50,000 |
(注)それぞれ、2017年4月~2018年3月、2018年4月~2019年3月の平均
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
(IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異)
日本基準では、のれんの償却については一定期間にわたり償却をしておりました。IFRSでは、IFRS移行日以降の償却を停止しております。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が249億円減少しております。