訂正有価証券報告書-第15期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/07/17 16:46
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当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績
ⅰ 業績全般
当社グループの当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日:以下同じ)における事業環境は、米中貿易摩擦の長期化等の影響により半導体及び自動車用途を中心に需要が低迷したことに加え、第4四半期以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により経済活動が抑制され、厳しい状況が継続しております。
このような状況下、売上収益は、3兆5,805億円(前連結会計年度比2,598億円減)となりました。利益面では、コア営業利益は1,948億円(同1,193億円減)、営業利益は非経常項目においてヘルスケア分野に関連する減損損失等を計上したことにより1,443億円(同1,505億円減)、税引前利益は1,220億円(同1,628億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、541億円(同1,154億円減)となりました。
なお、当社は当社の連結子会社であった㈱LSIメディエンスの全株式の株式交換に伴い、同社及びその子会社等の事業を非継続事業に分類しています。これに伴い当該事業に関わる損益を、当連結会計年度において、比較年度である前連結会計年度とともに非継続事業に区分しております。
(金額単位:億円)
前連結会計年度
自 2018年4月1日
至 2019年3月31日
当連結会計年度
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
増減額増減率(%)
継続事業売上収益38,40335,805△2,598△6.8
コア営業利益3,1411,948△1,193△38.0
営業利益2,9481,443△1,505△51.0
税引前利益2,8481,220△1,628△57.2
継続事業からの当期利益2,143697△1,446△67.5
非継続事業からの当期利益24169145583.3
当期利益2,167866△1,301△60.1
親会社の所有者に帰属する
当期利益
1,695541△1,154△68.1
ナフサ (円/KL) (注3)49,40042,900△6,500
為替 (円/$) (注3)111.1109.0△2.1

(注)1 当社グループは、IFRS(国際会計基準)に基づいて、連結財務諸表を作成しております。
2 コア営業利益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
3 それぞれ、2018年4月~2019年3月、2019年4月~2020年3月の平均
ⅱ 各セグメントの業績
各セグメントにおける売上収益及びコア営業利益の状況は、以下のとおりです。
(金額単位:億円)
セグメント前連結会計年度当連結会計年度増減額
売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益売上収益コア営業利益
機能商品11,55571310,816626△739△87
ケミカルズ12,7591,28010,571303△2,188△977
産業ガス7,3286338,4338801,105247
ヘルスケア4,6265384,131146△495△392
その他2,135791,854123△28144
調整額-△102-△130-△28
合計38,4033,14135,8051,948△2,598△1,193

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 第1四半期連結会計期間より、一部の事業及び連結子会社の所管セグメントを見直すとともに、一部の共通費用の配分方法を変更しております。これらに伴い、前年同期実績を組み替えております。
<コア営業利益 増減要因>(金額単位:億円)
前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減
売買差数量差コスト
削減
その他差
(注)
全社3,1411,948△1,193△871△400179△101
機能商品713626△87△26△125631
ケミカルズ1,280303△977△808△4726△148
産業ガス63388024701981237
ヘルスケア538146△392△43△4487821
その他
・調整額
△23△7166220△12

(注) その他差には、受払差の前連結会計年度(3億円)と当連結会計年度(△28億円)の差額△31億円及び持分法投資損益の前連結会計年度(268億円)と当連結会計年度(134億円)の差額△134億円等の金額が含まれております。
為替影響△54△68△3-17
内、換算差△35

(金額単位:億円)

(注) 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による、ケミカルズセグメントの一部製品における需要の落ち込み、軟調な市況の継続及び機能商品セグメントにおける自動車用途等での需要の低迷の影響△78億円が含まれております。

セグメント前連結会計年度から当連結会計年度への主なコア営業利益の増減要因
機能商品数量差:半導体及び自動車用途を中心に需要が低迷、高機能エンジニアリングプラスチック等の減販により減益。
ケミカルズ売買差:MMA、石化及び炭素における市況下落に伴う原料と製品の価格差縮小により減益。
産業ガス数量差:欧州及び米国事業買収効果に加え、米国ガス事業が堅調に推移したことにより増益。
ヘルスケア数量差:ジレニアロイヤリティ収入の一部について収益認識を行わないこと等により減益。

セグメント別の業績の概要の詳細は、以下のとおりであります。
イ 機能商品セグメント(機能部材、機能化学)
当セグメントの売上収益は1兆816億円(前連結会計年度比739億円減)となり、コア営業利益は626億円(同87億円減)となりました。
機能部材においては、環境・生活ソリューションにおいて販売数量が増加したものの、半導体及び自動車用途を中心に需要が低迷し、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチック等の販売数量が減少したことにより、売上収益は減少しました。
機能化学においては、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて、前期に実施した定期修理の影響が解消し、販売数量が増加したものの、前年上期に好調であった市況が下落したことにより、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおける市況下落の影響に加え、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチックにおける販売数量の減少等により、減少しました。
当連結会計年度に当セグメントにて実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・三菱ケミカル㈱は、食品包装材の世界的な需要拡大に対応するため、連結子会社であるノルテックス社(本社:米国・テキサス州)において、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂「ソアノール」の生産能力を増強することを2019年4月に決定しました。2020年央の稼働を予定しております。(米国生産能力:3.8万トン/年→4.1万トン/年へ増強)
・三菱ケミカル㈱は、中期経営計画のポートフォリオ改革の一環として、連結子会社である三菱ケミカルメディア㈱(本社:東京都千代田区、以下「MCM」)傘下のバーベイタムグループがグローバルに展開する記録メディア事業及びその他事業、並びにMCMが保有するこれら事業に関する資産を、台湾のCMC Magnetics Corporation(本社:台北市)に売却することで2019年6月に合意し、同12月に売却しました。
・三菱ケミカル㈱は、ディスプレイ向け光学用途に加え、自動車の電子化や5G対応を背景とする積層セラミックコンデンサ(MLCC)等の工業用途の需要拡大に対応するため、連結子会社であるエムシー・ペット・フィルム・インドネシア社(本社:インドネシア・ジャカルタ首都特別州)において、ポリエステルフィルムの生産能力を増強することを2019年9月に決定しました。2021年末の完成を予定しております。(インドネシア生産能力:2.0万トン/年→4.5万トン/年へ増強)
・三菱ケミカル㈱は、宇部興産株式会社(本社:東京都港区)との間で、両社の電解液事業について、購買、生産及び販売体制の効率化による経営基盤の更なる強化とともに、研究開発機能の統合を通じた、知的財産・技術開発力の一体化による競争力向上を目的として、合弁新社(社名:MUアイオニックソリューションズ株式会社 本社:東京都千代田区)を2020年10月に設立し、日本及び中国の製造拠点と両社の同事業に関する資産を同合弁新社に承継・統合することについて2020年3月に合意しました。
ロ ケミカルズセグメント(MMA、石化、炭素)
当セグメントの売上収益は1兆571億円(前連結会計年度比2,188億円減)となり、コア営業利益は303億円(同977億円減)となりました。
MMAにおいては、需要が弱含んで推移する中、MMAモノマー等の市況が下落したことにより、売上収益は減少しました。
石化においては、エチレンセンターの定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加したものの、原料価格の下落等に伴い販売価格が低下したことにより、売上収益は減少しました。
炭素においては、原料価格の下落等に伴う販売価格の低下及びニードルコークスの販売数量の減少等により、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、石化製品において定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加したものの、MMAモノマー等の市況が下落したこと等により、減少しました。
当連結会計年度に当セグメントにて実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・三菱ケミカル㈱の連結子会社である日本ポリプロ㈱は、収益力の強化に向けた構造改革の一環として、同社のポリプロピレン製造設備について、五井工場(所在地:千葉県市原市)における1系列の建設と同時に、鹿島工場(所在地:茨城県神栖市)における1系列の停止を2019年7月に決定し、2020年4月に停止しました。
・三菱ケミカル㈱は、茨城県鹿島地区における石油精製事業及び石油化学事業の更なる連携強化に向けて、JXTGエネルギー㈱(本社:東京都千代田区及び港区)との共同出資による有限責任事業組合を2019年11月に設立しました。石油化学製品等の生産最適化による競争力強化をめざすとともに、廃プラスチックを石油精製・石油化学の原料として再生利用するケミカルリサイクル技術の検討に取り組んでいきます。
ハ 産業ガスセグメント(産業ガス)
当セグメントの売上収益は8,433億円(前連結会計年度比1,105億円増)となり、コア営業利益は880億円(同247億円増)となりました。
産業ガスは、前年下期に買収した欧州及び米国事業の業績を取り込んだことにより、売上収益、コア営業利益はともに増加しました。
当連結会計年度に当セグメントにて実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・大陽日酸㈱は、グローバルガスメジャーとして競争力のあるグループ運営体制を構築するため、2020年10月1日(予定)を効力発生日とする会社分割(吸収分割)方式により持株会社体制へ移行すること及び、持株会社の商号を「日本酸素ホールディングス㈱」とすることを2020年1月に決定し、2020年6月開催の同社定時株主総会において承認されました。なお、持株会社体制への移行については、同社定時株主総会にて関連議案が承認され、必要に応じ所管官公庁の許認可が得られることを条件としております。
ニ ヘルスケアセグメント(医薬品、ライフサイエンス)
当セグメントの売上収益は4,131億円(前連結会計年度比495億円減)となり、コア営業利益は146億円(同392億円減)となりました。
医薬品においては、国内医療用医薬品は重点品を中心に増加したものの、ロイヤリティ収入の減少等により、売上収益、コア営業利益ともに減少しました。なお、ノバルティス・ファーマ社(スイス)に導出した多発性硬化症治療剤「ジレニア」のロイヤリティ収入については、2019年2月に仲裁手続に入ったためロイヤリティ収入の一部について、IFRS第15号に従い売上収益の認識を行っておりません。当連結会計年度においても、仲裁手続が継続しているため、売上収益の認識を行わず減収となりました。
当連結会計年度に当セグメントにて実施又は発生した主な事項は、以下のとおりです。
・㈱生命科学インスティテュート(以下「LSII」)は、2019年5月に発表したPHCホールディングス株式会社(本社:東京都港区、以下「PHCHD」)との戦略的資本提携について、競争当局の承認が得られ、同年8月に株式交換手続を完了しました。これによりPHCHDは㈱LSIメディエンスの全株式を、LSIIはPHCHDの株式の一部(13.7%)を取得しました。
・㈱生命科学インスティテュートは、急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症に加え、2019年7月に脊髄損傷を対象としたMuse細胞製品「CL2020」の臨床試験を開始しました。また、細胞加工施設である殿町CPC(所在地:神奈川県川崎市)において同年7月に再生医療等製品製造業許可を取得しました。2020年度に製造販売承認申請を行う予定です。
・田辺三菱製薬㈱は、エダラボン(一般名)(米国製品名:「ラジカヴァ」)の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の適応症について、日本・韓国・米国・カナダ・スイスに次ぎ、2019年7月に中国の国家薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得しました。
・当社は、創薬モダリティの拡大等の医療の環境変化への対応に加え、当社グループ会社間の更なるシナジー創出を目的として、2019年11月より連結子会社である田辺三菱製薬㈱の普通株式に対する公開買付けを実施し、2020年3月に同社を完全子会社としました。
・当社は、㈱生命科学インスティテュートの連結子会社であり、医薬品・健康食用カプセル及び製剤機器等の開発・製造・販売を行うクオリカプス㈱を、製造技術の強化、素材開発の促進及び営業力の強化を目的として、2020年7月に三菱ケミカル㈱の高機能化学部門へ移管することを2020年3月に決定しました。
ホ その他
その他部門の売上収益は1,854億円(前連結会計年度比281億円減)となり、コア営業利益は123億円(同44億円増)となりました。
なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
また、主な販売先別の販売実績及び総販売額実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
② キャッシュ・フロー
(金額単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー4,1564,520
投資活動によるキャッシュ・フロー△8,951△876
フリー・キャッシュ・フロー△4,7953,644
財務活動によるキャッシュ・フロー5,191△4,505
為替換算差等43△72
現金及び現金同等物の期末残高3,2152,282

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益や減価償却費に加え、原料価格の下落等による運転資本の減少などにより、4,520億円の収入(前連結会計年度比364億円の収入の増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得が2,361億円あったものの、手元運用資金を圧縮したこと等により、876億円の支出(同8,075億円の支出の減少)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フロー)は、3,644億円の収入(同8,439億円の収入の増加)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、田辺三菱製薬㈱の株式の追加取得で3,981億円、配当金の支払いで879億円を支出し、その資金調達を借入金及び社債で行いましたが、創出したフリー・キャッシュ・フローと、手元の現金及び現金同等物の圧縮によって返済を行った結果、借入金や社債等の有利子負債の増加による収入は373億円に止まり、財務活動によるキャッシュ・フローは4,505億円の支出(同9,696億円の支出増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比べて933億円減少し、2,282億円となりました。
③ 財政状態
(金額単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度
資産55,72551,321
負債35,46636,813
(内、有利子負債)22,46823,881
資本20,25914,508
親会社所有者帰属持分比率(%)24.722.8
ネットD/Eレシオ (注)1.261.79

(注) ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債(*1)/親会社の所有者に帰属する持分
(*1)ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額(*2))
(*2)手元資金運用額は、当社グループが余剰資金の運用目的で保有する現金同等物以外の
譲渡性預金・有価証券等であります。
当連結会計年度末の資産合計は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う有形固定資産の増加等がありましたが、現金及び現金同等物の圧縮に努めたことや前連結会計年度末が休日であったことに伴う営業債権の減少等により、前連結会計年度末に比べ4,404億円減少し、5兆1,321億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、IFRS第16号の適用に伴うリース負債の増加等により前連結会計年度末に比べ1,347億円増加し、3兆6,813億円となりました。
なお当連結会計年度末のリース負債を含む有利子負債は、IFRS第16号の適用に伴う適用開始日におけるリース負債の増加が1,006億円あったこと等により、前連結会計年度末に比べ1,413億円増加し、2兆3,881億円であります。
当連結会計年度末の資本合計は、連結子会社である田辺三菱製薬㈱の完全子会社化に伴う非支配持分及び資本剰余金の減少や在外営業活動体の換算差額の減少等により前連結会計年度末に比べ5,751億円減少し、1兆4,508億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べて1.9ポイント減少し、22.8%となりました。なお、ネットD/Eレシオは、前連結会計年度末と比べて0.53増加し、1.79となりました。
(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「APTSIS20」に対する達成・進捗状況については、以下のとおりです。
財務指標前連結会計年度当連結会計年度APTSIS20
(2020年度目標)
コア営業利益3,141億円1,948億円4,100億円
ROS(売上収益コア営業利益率)8.2%5.4%9%
親会社の所有者に帰属する当期利益1,695億円541億円2,200億円
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)12.7%4.2%13%
ネットD/Eレシオ(負債資本倍率)1.261.791.0

当連結会計年度においては、米中貿易摩擦の影響等による半導体及び自動車用途を中心とした需給の緩和及び第4四半期会計期間における新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響、及び、田辺三菱製薬㈱の完全子会社化に伴い有利子負債が膨らんだことにより、財務指標は悪化しており、2020年度目標についても達成は困難な状況にあります。引き続き事業基盤を強化しつつ、目標に近づくよう着実な努力を積み重ねてまいります。
② 経営環境と今後の見通し
世界経済は、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響により、経済活動が抑制されており、足下で急速に減速しております。先行きについては、感染症の影響が当面続くと想定しておりますが、引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極めてまいります。
コロナ禍の影響下、当社グループにおいては、機能商品セグメントにおける自動車用途等での需要の低迷、ケミカルズセグメントの一部製品における軟調な市況の継続及び原料価格の下落による受払差の悪化、産業ガスセグメントにおける需要の減少に加えて、ヘルスケアセグメントにおける国内医薬品の減販や研究開発費の増加等が見込まれます。
以上を踏まえ、翌連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日:以下同じ)の連結業績につきましては、売上収益は3兆3,340億円、コア営業利益は1,400億円、営業利益は1,370億円、税引前利益は1,140億円、当期利益は770億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は490億円となる見込みです。なお、当該業績見通しは、コロナ禍の収束時期が見通せない中で、翌連結会計年度においても厳しい状況が続くものの第3四半期連結会計期間以降は回復傾向に転じるとの前提に基づき、各事業の需要減少リスク等について織り込んで作成しており、コア営業利益への通期影響額を△785億円と推計しております。なお、セグメント別の影響額は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① 財務政策
当社グループは、中期経営計画「APTSIS20」において、「機能商品、素材、ヘルスケア分野の事業を通じて、高成長・高収益型の企業グループをめざす」を基本方針に掲げております。コア営業利益、ROS(売上収益コア営業利益率)、親会社の所有者に帰属する当期利益、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)及びネットD/Eレシオを基礎的経営指標として選定し、「成長事業への投資」、「株主還元の充実」及び「財務体質の強化」の適切なバランスを維持し、企業価値の向上を図ってまいります。
財政体質を強化するため、資産の効率化にも取り組み、着実に進展しております。個々の会社による資金管理から極(地域)ごとでの一体的な資金管理にシフトしてグループ内の資金調達・管理を一元化することで、資金の効率的な活用と調達コストの削減を実現するキャッシュ・マネジメントシステム(CMS)の欧米日亜4極体制の確立に取り組んだほか、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮化、定期的な保有意義の検証を通じた、保有意義の低下した資産の売却等の施策を実施しました。これらの結果、APTSIS20開始からこれまでの4年間で、7,000億円規模の財務構造改革を達成しております。
ネットD/Eレシオを基礎的経営指標として、収益の改善ととともに財務基盤の安定強化に努めております。当連結会計年度においてはネットD/Eレシオは1.79と前期比0.53の悪化となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う財務状況の変動に機敏かつ柔軟に対応しつつ、できるだけ早期に1.0以下に改善するよう引き続き努めてまいります。
また、2011年度より本格的に推進してきたKAITEKI経営において、企業価値=KAITEKI価値の向上に取り組み、その成果については統合報告書などで開示してきた結果、Dow Jones Sustainability World Indexの構成銘柄に3年連続で採用されるなど評価いただけることも多くなってまいりました。今後もKAITEKI価値の向上に努めるとともに、海外向けも含めIR情報発信の充実・投資家などとのエンゲージメントの推進を通じ、企業リスクを下げることにより、資本コストの低減、ひいては企業価値の向上に努めてまいります。
② 資金調達及び資金需要
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金に加え借入金、社債等による調達を実施しているほか、複数の金融機関とのコミットメント・ラインの設定に加え複数の金融機関との間のアンコミットメントベースの当座借越契約、コマーシャル・ペーパー発行枠及び国内社債発行登録枠等の確保により資金調達手段の多様化を図り、十分な流動性の確保を行っております。
足元では、当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響による不測の事態に備えて追加的な資金調達を行い、十分な手元資金を確保しております。
当社グループは中期経営計画「APTSIS20」のもと、調達した資金を、2016年度から2020年度において、設備投資に1兆円(うち、成長のための設備投資5,000億円)、投融資に1兆3,000億円、R&D投資に7,000億円を配分することを計画しておりますが、投資の実行にあたっては事業環境等を見極めながら慎重に検討を行っております。
③ 配当政策
株主還元については、企業価値の向上を通して株主価値の向上を図ることを基本方針としており、配当については、成長投資・財務体質の改善とのバランスを考慮しつつ、中期的な利益水準の30%を連結配当性向の目安として安定的に配当を実施することとしております。また、経営環境の変化に対応して自己株式の取得等の機動的な資本政策を遂行しております。
なお、当事業年度においては上記の方針並びに、米中貿易摩擦の長期化等の影響に加え、第4四半期において新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により厳しい状況が継続し、コア営業利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は前期に比べて減少した状況及び今後の事業展開等を総合的に勘案して、1株当たり期末配当金については前期に比べて8円減配し、12円としました。
当事業年度の剰余金の配当の実績については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご参照ください。
(4) 重要な会計上の見積り
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当初中国で発生し、2020年3月において欧米を中心に急速に拡大した新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により経済活動が抑制され、需要が落ち込んでおります。先行きは不透明ですが、当社グループでは、当連結会計年度末で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度においてもその影響が継続すると仮定して、繰延税金資産の評価における将来の課税所得やのれんの減損テストにおける将来キャッシュ・フローなどの見積りを行っております。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりであります。
① 非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (14) 資産の減損」に従って、減損テストを実施しております。減損テストを行うに際して、当社グループは減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び使用価値や公正価値の見積りに関する評価を行っております。
のれんの使用価値の測定における主要な仮定は5ヵ年の事業計画における将来キャッシュ・フローの見積り、割引率及び成長率であり、将来キャッシュ・フローの見積額は主として、販売数量の拡大及び市場の成長率に影響を受けます。
技術に係る無形資産(仕掛研究開発)の使用価値の測定における主要な仮定は規制当局の販売承認の取得の可能性、上市後の販売予想及び割引率であります。
経営者はこれらの判断及び評価は妥当なものと考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば回収可能価額の算定結果が異なる可能性があります。なお、提出日現在において、これらの見積りの見直しが必要となる事象は生じておりません。
当連結会計年度において、当社グループは田辺三菱製薬㈱によるメディカゴ社の買収により取得した技術に係る無形資産(仕掛研究開発)及び製剤材料事業に関連するのれんについて減損損失を計上いたしました。減損損失の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.減損損失」をご参照ください。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社グル―プでは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しておりますが、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (7) 法人所得税」に記載のとおり予測される将来の課税所得の見積りに基づいて将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。その残高は当連結会計年度末において740億円であり多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものになっております。
将来課税所得の基礎となる将来の事業計画は、経営者の判断を伴う主要な仮定により影響を受けます。そこでの重要な仮定は、主に売上収益の成長の予測及び原料価格の市況推移の見込みです。経営者は、これらの仮定は妥当なものと考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、将来の課税所得の結果が予測・仮定と異なる場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価が異なる可能性があります。
③ 確定給付制度債務の測定
確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。
経営者は、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、年金資産の公正価値の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動により、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 金融商品の公正価値
当社グループは、株式及び出資金については主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産に分類しており、その評価方法は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.金融商品 (8) 金融商品の公正価値」に記載のとおり活発な市場における無調整の公表価格もしくは合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法等の適切な評価技法を用いて算定しております。
これらの評価方法は適切な権限者に承認されており、経営者は妥当と考えておりますが、観測可能な市場情報や発行企業の財務状況等の前提条件の変化により、公正価値が変動し、その他の包括利益や財政状態に影響を与える可能性があります。

IRBANK 採用情報

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  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
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