訂正有価証券報告書-第70期(平成29年11月1日-平成30年10月31日)

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2020/01/24 10:07
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績及びキャッシュ・フロー並びに財政状態(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当社は、平成29年5月1日付で当社を存続会社、旧イハラケミカル工業株式会社を消滅会社とする経営統合を行っております。(以下、「本経営統合」といいます。)
従って、前連結会計年度の連結業績は、本経営統合前の当社の上期(平成28年11月1日~平成29年4月30日)の連結業績に、本経営統合後の当社の下期(平成29年5月1日~平成29年10月31日)の連結業績を加算した金額となっております。
日本の農業を取り巻く状況は、農業生産額の減少、農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増加など、依然として厳しいものとなっております。このような状況の中、政府主導の「農業競争力強化プログラム」において様々な施策が進められております。また、近年、経営耕地の集約化が進んだことで5ha以上の耕地を有する大型農家あるいは法人が増加し、2020年には50,000法人になると見込まれております。このように、日本の農業の在り方に大きな変化が訪れております。
国内の農薬市場は、近年では90年代前半をピークに減少傾向が続き、直近5年間は約3,300億円規模で推移しております。また、上記「農業競争力強化プログラム」において、農業生産資材価格引き下げが盛り込まれるなど、今後は、より低コストで効率的な農業を目指して進むとみられております。また、「農薬取締法の一部を改正する法律」が平成30年12月に施行となり、農薬の安全性について一層の向上が期待されております。
一方、世界の農薬市場は、2009年来より拡大基調で推移したものの、近年は足踏み状態となっております。これは穀物価格の下落やドル高などにより、ブラジルなど新興国の需要が鈍化したことや原油安によりバイオ燃料作物が低迷したことなどが要因とみられております。また、地域別では、アジア、南米の増加が世界市場における需要を牽引する状況が続き、直近の足踏み要因もここに起因すると考えられます。しかしながら、世界の人口は増加し続けており、中長期的には市場は拡大するとみられております。
このような情勢の下、当社は本経営統合によるシナジー効果を早期かつ最大限に発揮するため、(1)プロセスの一体化による事業基盤の強化、(2)経営資源の集中による事業基盤の強化、(3)事業リスクの最小化、(4)成長戦略、(5)コーポレートガバナンスの更なる強化の5つを重要方針として定め、各部門における課題の達成に努めてまいりました。
この結果、売上高は、968億4千6百万円となり、24.5%の増収となりました。
また、利益面では、次のとおりとなりました。
営業利益は、55億8千2百万円(48.3%)の増加となりました。
経常利益は、80億7千4百万円(8.5%)の増加となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、47億6百万円(35.1%)の減少となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
1)農薬及び農業関連事業
農薬及び農業関連事業の売上高は681億4千7百万円となり、前連結会計年度と比べて75億1千1百万円(12.4%)の増加となりました。営業利益は49億9千2百万円となり、前連結会計年度と比べて14億3千8百万円(40.5%)の増加となりました。
2)化成品事業
化成品事業の売上高は194億6千6百万円となり、前連結会計年度と比べて85億2千8百万円(78.0%)の増加となりました。営業利益は12億4千9百万円となり、前連結会計年度と比べて3億9千1百万円(45.6%)の増加となりました。
3)その他
その他全体の売上高は92億3千3百万円となり、前連結会計年度と比べて29億9千万円(47.9%)の増加となりました。営業利益は5億9千9百万円となり、前連結会計年度と比べて4千8百万円(8.6%)の増加となりました。
②財政状態の状況
総資産は1,337億5千6百万円となり、前連結会計年度末と比べて54億1千2百万円の減少となりました。
負債は360億1千7百万円となり、前連結会計年度末と比べて37億8千6百万円の減少となりました。
純資産は977億3千9百万円となり、前連結会計年度末と比べて16億2千6百万円の減少となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、 84億5千8百万円の増加(前年同期は56億6千万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、 15億8千4百万円の減少(前年同期は10億9千2百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは 50億1千6百万円の減少(前年同期は103億2千9百万円の減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、合併に伴う増加額9億5千8百万円及び新規連結に伴う増加額10億8千2百万円等を含め、前連結会計年度末残高に比べ40億6千3百万円増加し、167億1千9百万円となりました。
④生産、受注及び販売の状況
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績を各セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
農薬及び農業関連事業40,271136.5
化成品15,921173.1
その他1,618114.7
合計57,811144.1

(注) 1.生産金額は販売価格をもって算出しております。
2.金額に消費税等は含まれておりません。
3.各セグメントの区分に基づき開示しております。
4.平成29年5月1日に旧イハラケミカル工業株式会社と経営統合したため、前連結会計年度の生産実績には経営統合後6ヶ月の「化成品」の生産高が含まれております。一方、当連結会計年度の生産実績は経営統合後のものであり、数値が増加しております。
2)受注状況
当連結会計年度におけるその他事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他3,880117.31,73554.1

(注) 金額には消費税は含まれておりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を各セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
農薬及び農業関連事業68,147112.4
化成品19,466178.0
その他9,233147.9
合計96,846124.5

(注) 1.金額に消費税等は含まれておりません。
2.各セグメントの区分に基づき開示しております。
3.平成29年5月1日に旧イハラケミカル工業株式会社と経営統合したため、前連結会計年度の販売実績には経営統合後6ヶ月の「化成品」の販売高が含まれております。一方、当連結会計年度の販売実績は経営統合後のものであり、数値が増加しております。
4.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
全国農業協同組合連合会21,08627.121,06121.7
BASF AGROCHEMICAL PRODUCTS B.V.10,72313.810,31410.6

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
(売上高)
売上高は、2017年5月に行った本経営統合による事業の拡大に加え、農薬及び農業関連事業において、国内販売部門は前連結会計年度並みに推移したものの、海外販売部門は基幹製品である畑作用除草剤「アクシーブ剤」が北米で好調に推移したことに加え、アルゼンチンでの本格販売が寄与したことにより売上高増加をけん引いたしました。化成品事業においてはアラミド繊維や高機能性樹脂などの原料向けクロロキシレン系化学品が好調に推移いたしました。以上の結果、その他事業と合わせて968億4千6百万円(前年同期比24.5%増)となりました。
(営業利益)
売上原価も本経営統合による事業の拡大に加え、農薬及び農業関連事業と化成品事業が好調に推移したことにより732億3千4百万円(前年同期比24.2%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、本経営統合による人件費及び研究開発費が増加したことなどから180億3千万円(前年同期比19.4%増)となりました。
以上の結果、営業利益は55億8千2百万円(前年同期比48.3%増)となり、本経営統合効果に加え、農薬及び農業関連事業と化成品事業が好調に推移した結果、大幅な増益となりました。なお、営業利益率は5.8%(前年同期比0.9%増)であり、微増となりました。
(経常利益)
営業外収益は、本経営統合による持分法適用関連会社の減少などにより、持分法による投資利益が19億2千5百万円(前年同期比35.5%減)と減少したことなどから、26億3千4百万円(前年同期比31.7%減)となりました。
この結果、経常利益は、80億7千4百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、特別損益において、前連結会計年度に発生した本経営統合による負ののれん発生益28億1千3百万円が消滅したことに加え、当連結会計年度に発生した投資有価証券の売却損10億1千3百万円および評価損9億6千6百万円を計上したことにより、58億5百万円(前年同期比35.8%減)となりました。
この結果に加え、保有株式の売却による繰延税金負債の取り崩し等により法人税等調整額12億2千2百万円をマイナス計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は47億6百万円(前年同期比35.1%減)となりました。
(セグメント別の状況)
(農薬及び農業関連事業)
国内販売部門の農耕地向け製品は、水稲用除草剤「フェノキサスルホン」と「ピリミスルファン」との混合剤の販売は好調に推移したものの、「トップガン剤」等の既存製品の販売が他社競合により減少した結果、水稲用除草剤全体では前連結会計年度をわずかに下回りました。また、水稲用箱処理剤は、「イソチアニル剤」を含む混合剤の販売は減少したものの、「サイアジピル剤」を含む混合剤の出荷が伸張したことから、前連結会計年度を上回りました。これらの結果、水稲剤全体では前連結会計年度並みとなりました。
園芸向け製品は、殺虫剤の販売が減少した一方で、殺菌剤が好調に推移した結果、前連結会計年度並みとなりました。
特販部門は、自社開発原体の販売及び受託加工はいずれも前連結会計年度を下回りましたが、ゴルフ場などの農耕地以外の分野は前連結会計年度並みとなり、また、本経営統合に伴い原体受託の分野が追加されたため、全体としては前連結会計年度を上回りました。
海外販売部門は、直播水稲用除草剤「ノミニー」がジェネリック品の影響で出荷が減少したものの、基幹製品である畑作用除草剤「アクシーブ剤」は北米で新規混合剤の出荷が好調に推移し、さらにアルゼンチンでの本格販売が寄与したこと、加えて、欧州で「プロヘキサジオンカルシウム塩」の販売が伸張したことなどから、海外事業全体としては好調な状況となりました。
以上の結果に本経営統合による事業の拡大の影響も加わり、農薬及び農業関連事業の売上高は681億4千7百万円、前連結会計年度比75億1千1百万円(12.4%)の増加となりました。営業利益は49億9千2百万円、前連結会計年度比14億3千8百万円(40.5%)の増加となりました。
(化成品)
化成品事業は、塩素化事業において、クロロトルエン系化学品における競合他社との競争激化に伴う販売数量及び価格の低下などがあったものの、連結子会社のイハラニッケイ化学工業株式会社との共同出資によりタイ王国に設立したイハラニッケイ・ケミカルタイランドを核に推し進める、アラミド繊維や高機能樹脂などの原料向けクロロキシレン系化学品が好調に推移しました。また、その他の主力事業となる、電子材料や高耐熱樹脂などに使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品事業、環境衛生や製紙向け産業薬品事業、ならびに断熱性・緩衝性・軽量性などに優れる上、農水産物や電化製品の梱包材、家電製品パーツ、建築用断熱材などの幅広いニーズに応える発泡スチロール事業が堅調に推移しました。
以上の結果、化成品事業の売上高は194億6千6百万円、前連結会計年度比85億2千8百万円(78.0%)の増加となりました。営業利益は12億4千9百万円、前連結会計年度比3億9千1百万円(45.6%)の増加となりました。
(その他)
その他の主な事業内容は、賃貸事業、発電及び売電事業、建設事業、印刷事業、物流事業、情報サービス事業等であります。
賃貸事業では、引き続き保有資産の有効活用に努め、売上、利益ともに前連結会計年度並みとなりました。発電及び売電事業では、台風による設備故障で発電が一時止まっていた影響により、売上、利益ともに前連結会計年度を下回りました。また、本経営統合で建設事業が事業内容に加わったため、建設事業に係る売上、利益が追加されております。なお、印刷事業では、売上は前連結会計年度並みとなったものの、変動費率が増加したことで利益は下回りました。一方、物流事業では、積極的な営業活動による新規顧客獲得などにより、売上、利益ともに前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、その他全体の売上高は92億3千3百万円、前連結会計年度比29億9千万円(47.9%)の増加となりました。営業利益は5億9千9百万円、前連結会計年度比4千8百万円(8.6%)の増加となりました。
2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は1,337億5千6百万円で、前連結会計年度末に比べ54億1千2百万円の減少となりました。流動資産が39億6千7百万円増加し、固定資産が93億7千9百万円減少しました。流動資産の増加は商品及び製品の減少を、現金及び預金の増加が上回ったことなどによるものです。固定資産の減少は投資有価証券の減少などによるものです。
負債は360億1千7百万円で、前連結会計年度末に比べ37億8千6百万円の減少となりました。流動負債が7億9千1百万円増加し、固定負債が45億7千7百万円減少しました。流動負債の増加は短期借入金の減少を、支払手形及び買掛金の増加が上回ったことなどによるものです。固定負債の減少は長期借入金及び繰延税金負債の減少などによるものです。
純資産は977億3千9百万円で、前連結会計年度末に比べ16億2千6百万円の減少となりました。
この結果、自己資本比率は67.3%、1株当たり純資産額は718円68銭となりました。
3)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、84億5千8百万円の増加(前年同期は56億6千万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益58億5百万円、たな卸資産の減少4億7千9百万円及び仕入債務の増加11億2千8百万円等の資金の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、15億8千4百万円の減少(前年同期は10億9千2百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入20億7千2百万円及び貸付金の回収による収入7億8千3百万円等の資金の増加に対し、有形固定資産の取得による支出27億5千7百万円及び貸付けによる支出17億5千1百万円等の資金の減少によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、50億1千6百万円の減少(前年同期は103億2千9百万円の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出28億7千8百万円、自己株式の増減額7億3千9百万円及び配当金の支払13億8千2百万円等の資金の減少によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、合併に伴う増加額9億5千8百万円及び新規連結に伴う増加額10億8千2百万円等を含め、前連結会計年度末残高に比べ40億6千3百万円増加し、167億1千9百万円となりました。
4)目標とする経営指標の達成状況等
当社は2017年5月1日に旧イハラケミカル工業株式会社と経営統合をいたしました。統合した経営資源の有効活用により新生クミアイ化学工業株式会社として農薬の創製から研究・開発、原体の調達、製剤、販売に至るプロセスが一体化され、全てにおいて迅速な意思決定による事業の効率化が促進され持続的に発展できる企業集団を目指してまいります。
当社グループは、2018年度から2020年度にかけての2018中期経営計画-Create The Future 未来を拓く-を策定し、初年度である当連結会計年度においては、売上高950億円、営業利益46億円、経常利益64億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を計画いたしました。農薬及び農業関連事業につきましては、国内事業は前年並みに、海外事業は畑作用除草剤アクシーブ、植物成長調整剤などが好調に推移しました。化成品事業につきましては、大部分を旧イハラケミカル工業株式会社及びその連結子会社から継承したものですが、連結子会社であるイハラニッケイ化学工業株式会社の高機能樹脂原料や、ケイ・アイ化成株式会社の精密化学品事業等も好調に推移した結果、中期経営計画の初年度計画は売上、利益ともに計画を達成しました。
中期経営計画の2年目である2019年度は農薬及び農業関連事業において国内事業は新規剤の投入によるシェア拡大、海外事業では畑作用除草剤アクシーブの更なる拡販を予定しています。化成品事業におきましてもイハラニッケイ・ケミカルタイランドの工場が2018年9月から稼働を開始しており、世界で需要が拡大している高機能性樹脂原料の伸長など、化成品事業を第二の柱に育てるべく取り組みます。
2019年度は当社グループとして初めて1,000億円を超える売上高を計画しており、中期経営計画の最終年度である2020年度は売上高1,160億円、営業利益90億円、ROE7.5%以上を目標としており、更にその先の2022年には当社グループの連携強化と非連続的な成長施策を取り入れながら売上高1,400億円の長期ビジョンを設定しております
5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、新剤開発・登録等にかかる研究開発費や開発途中の剤の生産設備の設置及び既存剤の生産効率化に係る設備投資であり、また、現在、基幹業務システムの構築にも着手しており、これらを主に自己資金並びに金融機関からの借入金により調達しております。
金融機関からの借入金については、取引金融機関との間でコミットメントライン契約(シンジケート方式)を締結し、安定的な資金調達の体制を構築しており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は167億1千9百万円であり、十分な手元流動性を確保しております。

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