有価証券報告書-第132期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善や名目賃金の上昇が続いたものの、原材料価格や生活関連コストの影響から物価水準は高止まりし、実質賃金の回復は限定的となりました。このため、個人消費は持ち直しの動きが見られましたが、力強さを欠く推移となりました。為替相場は円安水準で推移し、輸出関連産業の収益を下支えした一方、原油・ナフサをはじめとするエネルギー・原材料価格の変動や、人手不足を背景とした人件費上昇が企業収益の圧迫要因となりました。設備投資については、一部業種では堅調に推移しましたが、金融政策の正常化過程や景気減速懸念を背景に、全体としては慎重な姿勢が続きました。
一方、世界経済は、高金利環境の長期化や主要国における金融政策正常化の影響を受け、成長は緩やかなものにとどまりました。加えて、ウクライナ情勢の長期化や、中東地域、とりわけイランを巡る軍事的緊張の急激な高まりを背景に、原油供給への懸念が強まり、原油価格は大きく変動しました。ホルムズ海峡を巡る不安定な情勢は、エネルギー・石油化学製品価格にも影響を及ぼし、企業活動を取り巻く環境は、引き続き高い不確実性の中で推移しました。
当社グループにおきましては、こうした経済状況の中、品質管理体制の維持・強化に取り組みつつ、固定費の削減や積極的な営業活動による収益改善に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における各分野の売上高は、以下のとおりであります。
インダストリアル分野の売上高は、工業用塗料分野は堅調に推移いたしましたが、一部建築資材向け塗料の出荷が不調だったことから分野全体で減少いたしました。
インフラ分野の売上高は、汎用品の売上が低調に推移しているものの、防食塗料分野において、重機向け塗料の増加および工場設備補修向け塗料が増加したこと、並びに子会社の工事売上が好調に推移したことから、分野全体で増加いたしました。
自動車用塗料分野の売上高は、一部の納入先において生産量が減少したことにより塗料製品の出荷数量の減少はありましたが、価格改定の結果、増収となりました。
その他塗料分野は、主に、軌道材料製品分野において、道床安定剤の出荷が好調に推移しましたが、分野全体の売上高としては、減少いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は21,481百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。損益面では、原材料価格の高止まりなどからコスト上昇圧力が続いておりますが、固定費の削減が進んだ結果、営業利益は255百万円(前連結会計年度比10.8%増)、経常利益は393百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失に当社が保有する福利厚生施設の売却を決議したことに伴い、譲渡損が発生することから減損損失を計上した結果、593百万円の損失(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失59百万円)となりました。
期末配当につきましては、四期連続で無配とさせていただかざるをえなくなり、誠に申し訳なく存じます。なお、株主の皆様への剰余金の配当等につきましては、定款によりその決定機関を取締役会としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が358百万円および電子記録債権が315百万円増加し、受取手形が578百万円、有形固定資産が689百万円および売掛金が394百万円減少したこと等により、31,207百万円(前連結会計年度末比802百万円減)となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ支払手形及び買掛金が300百万円減少したこと等により、16,978百万円(前連結会計年度末比414百万円減)となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ非支配株主持分が114百万円増加し、利益剰余金が593百万円減少したこと等により、14,229百万円(前連結会計年度末比387百万円減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,018百万円と前連結会計年度末に比べ328百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは919百万円の収入(前連結会計年度は30百万円の支出)となりました。その主な要因は、減価償却費561百万円、減損損失552百万円、売上債権の減少による収入635百万円、持分法による投資利益の計上357百万円、仕入債務の減少による支出186百万円および法人税等の支払額211百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは419百万円の支出(前連結会計年度は362百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出361百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは158百万円の支出(前連結会計年度は367百万円の支出)となりました。その主な要因は、短期借入金の純減少額106百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 12,899 | 0.6 |
| 化成品事業 | 1,792 | 3.5 |
| 合計 | 14,692 | 1.0 |
(注)金額は、販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 7,926 | 23.9 |
| 化成品事業 | - | - |
| 合計 | 7,926 | 23.9 |
(注)金額は、仕入金額によっております。
c.受注状況
当社グループは主として見込み生産によっており、また、受注品も出荷までの期間が非常に短いため、受注状況については特記すべき事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 21,420 | 3.4 |
| 化成品事業 | 61 | 29.8 |
| 合計 | 21,481 | 3.5 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 大東建託パートナーズ㈱ | 4,129 | 19.9 | 4,824 | 22.5 |
| 神東アクサルタコーティングシステムズ㈱ | 2,962 | 14.3 | 2,883 | 13.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、塗料事業において、販売数量は減少しましたが、継続的な販売価格の改定及び、子会社の工事売上の増加等により前連結会計年度比723百万円増の21,481百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、原料価格の高止まりなどからコスト上昇圧力が続いているものの、価格改定による限界利益の改善及び、固定費の削減が寄与した結果、前連結会計年度から24百万円増加し、255百万円となりました。当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております施策を進めることにより、利益率の改善を図ってまいります。
(経常利益)
経常利益は、営業利益が前連結会計年度から改善したことに加え、持分法による投資利益が3百万円増加しましたが、資金調達に係る費用を計上したことにより、前連結会計年度から77百万円減少し、393百万円となりました。
(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純損失)
特別損失において、当社が保有する福利厚生施設の売却を決議したことに伴い、譲渡損が発生することから、減損損失を552百万円計上いたしました。その結果、税金等調整前当期純利益は経常利益を計上しましたが、特別損失を計上した結果、当連結会計年度は213百万円の税金等調整前当期純損失となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失及び非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は227百万円となり、この結果、当連結会計年度は441百万円の当期純損失となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、主に連結子会社のジャパンカーボライン㈱の非支配株主に帰属する純利益であり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は593百万円となりました。
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは、アルミ電着塗料、工業用電着塗料、粉体塗料、工業用塗料、建築塗料、防食塗料、道路施設用塗料、軌道材料製品、自動車用塗料、及び化成品と幅広い分野で製造販売を行っておりますが、いずれの分野におきましても、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」 に記載しております様々な要因が想定されます。当社グループといたしましてはリスク対応策を実施するとともに、2026年度から始まる4ヶ年の中期経営計画を策定し、大日本塗料株式会社との事業提携によるシナジー効果も含めた、積極的な新規開発と拡販の実現、並びに生産性の向上に取り組むことといたしております。2026年度は適時適切な価格転嫁にも努め、何としても親会社株主に帰属する当期純利益を確保すべく、取り組んでまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
(塗料事業)
セグメント資産は、現金及び預金、売掛債権の減少および投資有価証券の増加等から29,486百万円(前連結会計年度末比46百万円減)となりました。また、当連結会計年度における塗料事業の設備投資額は、366百万円(前連結会計年度比34百万円減)であります。
(化成品事業)
セグメント資産は、839百万円(前連結会計年度末比143百万円減)となりました。また、当連結会計年度における化成品事業の設備投資額は、17百万円(前連結会計年度比7百万円減)であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動による収入の他、金融機関からの借入を主な財源としております。当社グループの資金需要の主なものは原材料仕入、製造費、営業活動、製品競争力の強化及び新技術の開発を目的とした研究開発費、一般管理費等であります。当連結会計年度における主要な設備投資は、老朽設備の維持・更新、災害対策工事等であります。成長投資・収益性向上に資する設備投資については、中長期的な経営戦略との整合性をふまえ採算性を吟味のうえ判断してまいります。
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。