有価証券報告書-第128期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 13:36
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151項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、主要国においてインフレがピークを越えて落ち着き始めたことから、利下げ等の金融緩和策が導入され、全体として緩やかな成長基調となりました。一方で、中東や東欧における地政学リスクや米中経済の先行き不透明感といった課題は依然として解消されず、不確実性の高い状況が続きました。
そうした中、当社グループの主力である船舶用塗料分野において、新造船向けでは、韓国を中心に大型コンテナ船やタンカー向けの出荷量が大幅に増加したことや、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、全体として売上高は増加しました。修繕船向けにおいても、IMO(国際海事機関)燃費規制への対応を始めとする船舶のCO₂排出量削減への動きを受け世界的に高性能船底防汚塗料への需要が高まるなか、当社グループ全体で高付加価値製品の販売を推進したことから、欧州や東南アジアを中心に堅調に推移しました。工業用塗料分野では、東南アジアにおいて重防食向けが堅調に推移したことにより売上高が増加しました。コンテナ用塗料分野では、東南アジアにおいて一定のシェアを確保するも、米国における減少分を吸収できず、売上は微増にとどまりました。なお、海外では全ての分野において、円安となった為替の影響が追い風となりました。
損益面では、国内外で原材料調達コストや運送費等の販売経費が増大し、人財への投資も拡大するなか、製造コストに見合った販売価格の適正化に努めたほか、高付加価値製品や環境対応型製品の拡販にも継続して取り組んだことにより、収益性が向上しました。また、特別利益として上海第2工場の譲渡等による固定資産売却益2,500百万円を計上した一方、特別損失として国内で保有する不動産等に係る減損損失928百万円を計上いたしました。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は131,152百万円(前期比12.9%増)、営業利益は15,381百万円(同26.2%増)、経常利益は16,481百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,721百万円(同38.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
船舶用塗料において、新造船及び修繕船向けの需要が堅調に推移する中、製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したこと等により、売上高が増加しました。工業用塗料においては、プラント向け重防食塗料が堅調に推移したほか、建材用塗料も僅かに増収に転じました。その結果、売上高は42,721百万円(前期比5.3%増)となりました。損益面では、原材料価格の上昇が見られるなか、新造船向けで損益分岐点を下回る案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたこと等により、セグメント利益は2,220百万円(同13.5%増)となりました。
(中国)
船舶用塗料において、新造船向けでは、販売価格の適正化を行ったことや、出荷量が増加したことなどにより、売上高は増加しました。修繕船向けでは、高付加価値製品の販売に努めたものの、当該期間における入渠船が減少したこともあり、売上高は横這いで推移しました。工業用塗料においては、港湾設備向けなど大型案件が寄与したことにより販売量が大幅に増加しました。その結果、全体として売上高は21,398百万円(同7.3%増)となりました。損益面では、販売価格の適正化を行ったものの、コンテナ用水系塗料の棚卸資産評価損等の影響により、セグメント利益は2,716百万円(同12.6%減)となりました。
(韓国)
船舶用塗料において、主力の新造船向けで大手造船所におけるコンテナ船やタンカー等の大型案件の増加にともない出荷量が大幅に増加したことや、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したほか、為替の影響も加わり、売上高は大幅に増加しました。その結果、全体の売上高は19,446百万円(同63.7%増)となりました。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は2,543百万円(同225.9%増)となりました。
(東南アジア)
船舶用塗料においては、修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、販売量は増加しました。工業用塗料においては、主力のタイで民間事業による投資案件が増加するなかで、重防食案件の受注が進んだことにより、販売は堅調に推移しました。その結果、売上高は18,944百万円(同10.9%増)となりました。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は3,851百万円(同29.1%増)となりました。
(欧州・米国)
船舶用塗料において、修繕船向けでは、当該期間における入渠船が減少したものの、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まるなかで高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により売上高は増加しました。また、プレジャーボート向けの販売も好調に推移しました。その結果、売上高は28,642百万円(同7.3%増)となりました。損益面では、販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は2,191百万円(同31.9%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ10,994百万円増加の108,373百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(3,877百万円)や商品及び製品の増加(2,414百万円)であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ1,378百万円増加の36,403百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る資産の増加(784百万円)や機械装置及び運搬具(純額)の増加(487百万円)であります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ12,372百万円増加し、144,777百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ1,252百万円減少の46,268百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少(4,931百万円)や支払手形及び買掛金の増加(2,198百万円)、未払金の増加(901百万円)であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ365百万円増加の9,073百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加(827百万円)や繰延税金負債の増加(281百万円)、長期借入金の減少(700百万円)であります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ886百万円減少し、55,342百万円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ13,259百万円増加の89,435百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(9,935百万円)や為替換算調整勘定の増加(3,828百万円)、土地再評価差額金の減少(673百万円)であります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の53.3%から57.7%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,469百万円増加し、32,174百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、14,539百万円となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益18,228百万円、減価償却費1,698百万円、仕入債務の増減額1,387百万円、主な減少は棚卸資産の増減額3,534百万円、法人税等の支払額3,268百万円、固定資産除売却損益2,424百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは、103百万円となりました。主な減少は、定期預金の預入による支出6,235百万円、固定資産の取得による支出1,789百万円です。主な増加は、定期預金の払戻による収入6,320百万円、固定資産の売却による収入1,491百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、12,480百万円となりました。主な減少は、短期借入金の純増減額5,808百万円、非支配株主への支払いを含めた配当金の支払額5,135百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,299百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比増減率(%)
日本(百万円)37,0549.5
中国(百万円)15,45030.4
韓国(百万円)14,00549.4
東南アジア(百万円)13,0046.5
欧州・米国(百万円)9,352△2.2
合計(百万円)88,86615.7

(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
一部の特殊品を除いて販売予量に基づく見込み生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前期比増減率(%)
日本(百万円)42,7215.3
中国(百万円)21,3987.3
韓国(百万円)19,44663.7
東南アジア(百万円)18,94410.9
欧州・米国(百万円)28,6427.3
合計(百万円)131,15212.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は131,152百万円(前期比12.9%増)、営業利益は15,381百万円(同26.2%増)、経常利益は16,481百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,721百万円(同38.7%増)となりました。
これらの要因は下記のとおりであります。
a.売上高
製品分野別・セグメント(地域)別の売上高は以下のとおりです。
分析内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に含めて記載しております。
(単位:百万円)
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b.売上原価・売上総利益
上記の通り売上高は前連結会計年度比12.9%増加したものの、主売上原価は同9.6%(7,722百万円)増の88,553百万円にとどまりました。製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことや高付加価値製品の販売比率が拡大したこと等もあり採算が改善し、売上総利益は前連結会計年度比20.5%(7,255百万円)増の42,599百万円、売上総利益率は同2.1ポイント上昇し32.5%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費については、賃金改定等により人件費が増加したほか、海外においては円安が進行したことに伴う為替換算による押し上げ分もあり、前連結会計年度比17.5%(4,059百万円)増の27,217百万円となりました。売上高販管費比率は同0.9ポイント上昇し20.8%となりました。
営業利益については、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を大きく上回ったことで、前連結会計年度比26.2%(3,196百万円)増の15,381百万円、営業利益率は同1.2ポイント上昇し11.7%となりました。
d.営業外損益・特別損益・税金費用
営業外収益のうち受取利息や受取配当金が増加したこと等により、営業外損益は1,099百万円の益(前連結会計年度比30.8%増)となりました。
特別損失として上海第2工場の譲渡等による固定資産売却益2,500百万円を計上した一方、特別損失として国内で保有する不動産等に係る減損損失928百万円を計上したこと等から、特別損益は1,747百万円の益(前連結会計年度は424百万円の損)となりました。
上記の結果、税金等調整前当期純利益が前連結会計年度比44.7%(5,626百万円)増の18,228百万円と大幅に増加したものの、一部の海外子会社において繰越欠損金により税負担が軽減されたこともあり、税金費用は同35.2%(704百万円)増の2,703百万円にとどまりました。その結果、法人税等の負担率は14.8%(前連結会計年度は15.9%)となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画における業績目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度においては、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度より増加した一方、財務活動によるキャッシュ・フローが大幅に減少し、現金及び現金同等物の増減額は前連結会計年度比5,022百万円悪化し4,469百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの主な変動要因は以下のとおりです。
(単位:百万円)
0102010_004.png
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、塗料原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を確保すると共に資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては、自己資金または金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期運転資金の資金調達につきましては、自己資金または金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,792百万円(前連結会計年度末比4,795百万円減)となっております。
短期運転資金以外の資金の活用としては、生産設備の新設やリニューアル、競争力強化の為の製品開発といった成長投資を優先いたします。その上で、余剰資金については積極的な株主還元を行うことで自己資本を適切にコントロールし、自己資本利益率(ROE)の改善を図ってまいります。当連結会計年度においては、設備投資に2,169百万円、配当に4,263百万円、それぞれ資金を配分いたしました。
当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は32,174百万円(前連結会計年度末比4,469百万円増加)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加等により自己資本が前連結会計年度末比13,015百万円(18.5%)増加した一方、総資産は同12,372百万円(9.3%)増にとどまったことから、自己資本比率は57.7%(前連結会計年度末比4.4ポイント上昇)となりました。今後とも資産効率及び資本効率の向上や営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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