四半期報告書-第144期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/05/14 16:10
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により厳しい状況にある中、社会・経済活動の段階的な再開やさらなる経済対策の効果などにより、全体としては持ち直しの動きが続きました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症やアメリカの大寒波などの影響によるサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足や価格の高騰が生じております。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組みました。一方、機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、円高による為替換算の影響を受けたものの、パッケージ関連の印刷インキはアジアで販売回復が進むなど堅調であったことに加え、新規連結による増収が寄与したことなどから、432億2千3百万円(前年同期比4.7%増加)となりました。
利益面では、パッケージ関連の印刷インキ事業や機能性材料事業において、販売数量の増加に加え、コスト削減が寄与したことなどから、営業利益は27億7千2百万円(前年同期比45.3%増加)となりました。経常利益は、持分法による投資利益が増加したことに加え、為替差損が減少したことなどから、28億4千9百万円(前年同期比154.8%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は18億3千3百万円(前年同期比180.2%増加)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
第1四半期
連結会計期間
2021年12月期105.90円
2020年12月期108.92円

セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。これに伴い、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の費用配分方法に基づき作成したものを記載しております。
(単位:百万円)

売上高営業利益又は営業損失(△)
前期当期増減額増減率(※)実質前期当期増減額増減率
印刷インキ・
機材(日本)
12,15311,713△439△3.6%△3.6%27739812043.3%
印刷インキ
(アジア)
7,8738,83295912.2%13.6%52068716632.1%
印刷インキ
(米州)
12,82712,676△151△1.2%3.2%78498820326.0%
印刷インキ
(欧州)
2,7523,8761,12440.9%35.6%△7857135-
機能性材料3,1113,3462347.5%7.2%23242719583.9%
報告セグメント計38,71740,4451,7274.5%5.8%1,7372,55882147.3%
その他4,5165,06654912.2%12.2%1141503631.8%
調整額△1,964△2,288△323--57636-
合計41,26943,2231,9534.7%6.0%1,9082,77286345.3%

(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
パッケージ関連では、グラビアインキは内食関連の需要が比較的堅調であったものの、外出自粛によるレジャー消費やコンビニエンスストアにおける需要の停滞などにより前年同期を下回りました。フレキソインキは好調な通販関係や家飲み需要に支えられ前年同期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響により広告需要が低迷したことなどから、新聞インキ、オフセットインキともに前年同期を大きく下回りました。以上のことから、印刷インキ全体では前年同期を下回りました。機材につきましては、印刷製版用材料が低調であったことから、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は117億1千3百万円(前年同期比3.6%減少)となりました。
利益面では、印刷情報関連の印刷インキ及び機材販売が低調であったものの、パッケージ関連の印刷インキは比較的堅調に推移したことに加え、全般的なコスト削減が寄与したことなどから、営業利益は3億9千8百万円(前年同期比43.3%増加)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、ベトナムなどが堅調に推移し、昨年の上半期に事業活動に大きな制約を受けたインドにおいても、回復傾向が続きました。印刷情報関連では、インドは感染症の影響により需要の回復が鈍かったものの、経済活動の回復に伴い中国は好調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことなどから88億3千2百万円(前年同期比12.2%増加)となりました。
利益面では、原材料高が影響したものの、販売数量が増加したことなどから、営業利益は6億8千7百万円(前年同期比32.1%増加)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、顧客密着型の技術サービスの充実による環境配慮型製品の拡販に取り組み、フレキソインキ及びグラビアインキが堅調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、引き続き堅調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが堅調に推移したものの、デジタル化や感染症の影響を受けて広告需要が低迷したことから、全体としては前年同期を下回りました。売上高は、パッケージ関連の販売が堅調であったものの、円高による為替換算の影響を受けたことなどから、126億7千6百万円(前年同期比1.2%減少)となりました。
利益面では、パッケージ関連の販売が堅調であったことに加え、コストの削減が寄与したことなどから、営業利益は9億8千8百万円(前年同期比26.0%増加)となりました。
印刷インキ(欧州)
前年同期比では感染症の影響に伴う需要増に対する反動減があったものの、全体としては販売が堅調に推移しました。売上高は、ドイツの子会社を連結の範囲に含めたことに加え、欧州通貨高・円安による為替換算の影響を受けたことなどから、38億7千6百万円(前年同期比40.9%増加)となりました。
利益面では、新規連結による増益に加え、組織再編や生産能力増強によるコスト削減が寄与したことなどから、営業利益は5千7百万円(前年同期は7千8百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは、感染症の影響により落ち込んでいた広告需要が海外を中心に回復傾向にあることなどから、前年同期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液は、パネルディスプレイ市場の好況が続き、堅調に推移しました。トナーは、感染症の影響により落ち込んでいたオフィス用途の需要が一部で上向いてきたことなどから、前年同期を上回りました。これらの結果、売上高は33億4千6百万円(前年同期比7.5%増加)となりました。
利益面では、デジタル印刷材料の販売が増加したことに加え、在庫評価減の一巡や諸経費の削減により利益率が改善したことなどから、営業利益は4億2千7百万円(前年同期比83.9%増加)となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、主に新規連結による影響により、投資有価証券が減少した一方、売上債権、たな卸資産、有形固定資産が増加したことに加え、12月末比で円安が進み為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比77億9千2百万円(5.4%)増加の1,530億6千5百万円となりました。
負債は、借入金が減少したものの、主に新規連結による影響により仕入債務が増加したことに加え、社債の新規発行による増加や円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比23億7千2百万円(3.7%)増加の662億2千2百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比54億2千万円(6.7%)増加の868億4千2百万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)当面の対処すべき課題の内容
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
2)株式会社の支配に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は8億8千1百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員数
当第1四半期連結会計期間より、A.M.Ramp & Co.GmbHを連結の範囲に含めたことから、前連結会計年度末に比べ、「印刷インキ(欧州)」セグメントの従業員数が130名増加しております。なお、従業員数は就業人員数であります。