有価証券報告書-第144期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中、社会・経済活動の段階的な再開やさらなる経済対策の効果などにより、全体としては持ち直しの動きが続いたものの、サプライチェーンの混乱の長期化や物価の上昇が懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症や昨年のアメリカの大寒波などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組みました。一方、機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進み、米州及びアジアで販売価格の改定も進んだことに加え、新規連結による増収が寄与したことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、1,814億8千7百万円(前期比12.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加やコスト削減による利益増加に加え、機能性材料の販売増加による大幅な利益改善が寄与したものの、サプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により印刷インキの原材料高が米州を中心に海外セグメントにおいて急激に進行したことなどから、営業利益は74億1千4百万円(前期比2.8%増加)となりました。経常利益は、持分法による投資損益が大幅に改善したことなどから、85億6百万円(前期比9.2%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当社連結子会社の不適切な取引に伴う貸倒引当金繰入額及び当社基幹システムの再構築に伴う固定資産除却損を特別損失として計上したことなどから、49億3千3百万円(前期比6.5%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
(注)連結会計年度の期中平均為替レートは、1月~12月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の費用配分方法に基づき作成したものを記載しております。
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
パッケージ関連では、前年上半期の巣ごもり特需による一時的な販売増がなくなったものの、昨年9月の緊急事態宣言解除後は社会・経済活動の活発化により一部で需要が喚起されました。そのような状況のもと、グラビアインキは内食関連の需要にも支えられ前期を上回りました。フレキソインキは好調な通販関係や底堅い家飲み需要に支えられ前期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響により広告需要が低迷したことなどから、新聞インキは前期を下回り、オフセットインキは前年度の上半期に販売が大きく落ち込んだこともあり前期並みとなりました。以上のことから、印刷インキ全体では前期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料は低調であったものの機械販売が増加したことから、前期を上回りました。これらの結果、売上高は504億4千4百万円(前期比4.9%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、パッケージ関連が堅調に推移したことに加え、全般的なコスト削減が寄与したことなどから、営業利益は13億6千6百万円(前期比9.1%増加)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、感染症の影響を受けたものの、インドネシア、タイなどで拡販が進み、全般的にも堅調に推移しました。印刷情報関連では、インドは感染症の影響による昨年の需要減から回復が進み、中国においても第3四半期に一時的な販売の伸び悩みはあったものの年間では拡販が進みました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから385億7千4百万円(前期比18.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果は寄与したものの、原材料高の影響が一層顕著となったことなどから営業利益は22億4千4百万円(前期比8.4%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、フレキソインキ及びグラビアインキが一部原材料の供給不足の影響を一時的に受けたものの堅調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが堅調に推移したことに加え、感染症の影響で前年度の上半期に販売が大きく落ち込んだこともあり、前期を上回りました。売上高は、パッケージ関連の販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、549億3千万円(前期比10.9%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、感染症などの影響に伴う物流の停滞及び需給バランスの悪化により第3四半期以降、原材料高が急激に進行したことに加え、輸送コストの急激な増加及び人件費の増加などもあり、営業利益は14億6千4百万円(前期比50.4%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、ドイツの子会社を連結の範囲に含めたことなどから、159億2千9百万円(前期比56.7%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加及び新規連結による増益に加え、組織再編や生産能力増強によるコスト削減が寄与したものの、原材料高の影響が顕著となったことなどから1億8千8百万円の営業損失(前期は4億3千2百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは、感染症の影響により落ち込んでいた広告需要が海外を中心に回復し、拡販が進んだことなどから、前期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液は、パネルディスプレイの市況が堅調に推移する中、拡販が進んだことなどから前期を上回りました。トナーは、感染症の影響により落ち込んでいたオフィス用途の需要が上向いてきたことなどから、前期を上回りました。これらの結果、売上高は143億2千8百万円(前期比21.0%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加し、欧米事業のコスト体質の改善も進んだことに加え、在庫評価減の一巡や諸経費の削減が寄与したことなどから、営業利益は19億1百万円(前期比245.9%増加)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1.生産金額については期中平均販売価格により表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、「印刷インキ(欧州)」セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、A.M.Ramp & Co.GmbHを当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
② 受注実績
印刷用インキの生産は主として見込生産によっております。
小口ロットのものについて受注生産を行っているものもありますが、特に受注高及び受注残高として示すほどのものはありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
3.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度において、「印刷インキ(欧州)」セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、A.M.Ramp & Co.GmbHを当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上高の増加に伴う売上債権やたな卸資産の増加、有形固定資産の取得に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比216億2千6百万円(14.9%)増加の1,668億9千9百万円となりました。
負債は、借入金が減少したものの、仕入債務が増加したことに加え、社債の新規発行による増加や円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比105億8千3百万円(16.6%)増加の744億3千4百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比110億4千3百万円(13.6%)増加の924億6千5百万円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、たな卸資産の増加、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加などにより、75億5千6百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ30億4千3百万円の減少となりました。主な要因は、運転資本の増加、人件費等の未払額の減少であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、日本、アジア、北米などにおける有形固定資産の取得などにより、53億5千2百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ16億5千7百万円の増加となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加、投資有価証券の取得による支出の減少であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったものの、借入金の減少や配当金の支払などにより、28億7千5百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ18億9千5百万円の減少となりました。主な要因は、借入金の純増減額の減少であります。
以上に加え、連結の範囲の変更を伴う現金及び現金同等物の増減額として4億2千9百万円を計上した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は121億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千6百万円の増加となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次の通りであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループでは運転資金や設備投資等のための資金の調達として、内部資金及び外部借入による資金調達を基本方針としております。外部借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に設備投資に係る資金調達であります。
内部資金に関しては営業活動によるキャッシュ・フローにより継続的に資金を獲得しております。また外部借入に関しては短期・長期借入の他に、当社においては運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と30億円の特定融資枠契約を締結しております。これらに加え、2021年3月31日に10億円のESG評価型の無担保私募債(償還期限2026年3月31日)を発行いたしました。
なお、特定融資枠契約におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う資金ショートリスクに備えるため、一時的に取引銀行3行と30億円の契約を締結し総額60億円としておりましたが、資金調達の状況も勘案のうえ、2021年12月末をもって追加分の契約は満了といたしました。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」をご参照下さい。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 追加情報」に記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」をご参照下さい。
(6)目標とする経営指標との比較
当連結会計年度と「中期経営計画2023 CCC-I」の最終期との比較は、次の通りであります。
「中期経営計画2023 CCC-I(以下「計画」という。)」の1年目である当連結会計年度につきましては、売上高は販売価格の改定や円安による為替換算の影響を受けたことなどもあり、全体として着実に増加し計画を上回るペースの水準となりました。各利益及びROEにつきましては、売上が計画を上回るペースの水準となったものの、印刷インキの原材料高が米州を中心に海外セグメントにおいて急激に進行したことなどから計画を下回るペースの水準となりました。
計画につきましては、想定を超えた原材料高の進行など外部環境の変化はありますが、その基本方針と戦略課題は変わらず、それらの着実な実行に加え、引き続き販売価格の改定やグローバル調達などのコスト削減を推し進め、利益目標の達成に向けて鋭意努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中、社会・経済活動の段階的な再開やさらなる経済対策の効果などにより、全体としては持ち直しの動きが続いたものの、サプライチェーンの混乱の長期化や物価の上昇が懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症や昨年のアメリカの大寒波などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組みました。一方、機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進み、米州及びアジアで販売価格の改定も進んだことに加え、新規連結による増収が寄与したことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、1,814億8千7百万円(前期比12.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加やコスト削減による利益増加に加え、機能性材料の販売増加による大幅な利益改善が寄与したものの、サプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により印刷インキの原材料高が米州を中心に海外セグメントにおいて急激に進行したことなどから、営業利益は74億1千4百万円(前期比2.8%増加)となりました。経常利益は、持分法による投資損益が大幅に改善したことなどから、85億6百万円(前期比9.2%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当社連結子会社の不適切な取引に伴う貸倒引当金繰入額及び当社基幹システムの再構築に伴う固定資産除却損を特別損失として計上したことなどから、49億3千3百万円(前期比6.5%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
| 第1四半期 連結会計期間 | 第2四半期 連結会計期間 | 第3四半期 連結会計期間 | 第4四半期 連結会計期間 | 連結会計年度 | |
| 2021年12月期 | 105.90円 | 109.49円 | 110.11円 | 113.71円 | 109.80円 |
| 2020年12月期 | 108.92円 | 107.62円 | 106.22円 | 104.51円 | 106.82円 |
(注)連結会計年度の期中平均為替レートは、1月~12月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の費用配分方法に基づき作成したものを記載しております。
| (単位:百万円) |
| 売上高 | 営業利益又は営業損失(△) | ||||||||
| 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | (※)実質 | 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
| 印刷インキ・ 機材(日本) | 48,071 | 50,444 | 2,372 | 4.9% | 4.9% | 1,252 | 1,366 | 114 | 9.1% |
| 印刷インキ (アジア) | 32,597 | 38,574 | 5,977 | 18.3% | 13.5% | 2,451 | 2,244 | △206 | △8.4% |
| 印刷インキ (米州) | 49,510 | 54,930 | 5,419 | 10.9% | 8.2% | 2,953 | 1,464 | △1,488 | △50.4% |
| 印刷インキ (欧州) | 10,164 | 15,929 | 5,765 | 56.7% | 48.3% | △432 | △188 | 244 | - |
| 機能性材料 | 11,844 | 14,328 | 2,484 | 21.0% | 18.0% | 549 | 1,901 | 1,351 | 245.9% |
| 報告セグメント計 | 152,187 | 174,207 | 22,019 | 14.5% | 11.7% | 6,774 | 6,788 | 14 | 0.2% |
| その他 | 16,984 | 17,229 | 245 | 1.4% | 1.4% | 157 | 350 | 193 | 123.0% |
| 調整額 | △7,664 | △9,949 | △2,285 | - | - | 281 | 275 | △5 | - |
| 合計 | 161,507 | 181,487 | 19,980 | 12.4% | 9.8% | 7,212 | 7,414 | 201 | 2.8% |
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
パッケージ関連では、前年上半期の巣ごもり特需による一時的な販売増がなくなったものの、昨年9月の緊急事態宣言解除後は社会・経済活動の活発化により一部で需要が喚起されました。そのような状況のもと、グラビアインキは内食関連の需要にも支えられ前期を上回りました。フレキソインキは好調な通販関係や底堅い家飲み需要に支えられ前期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響により広告需要が低迷したことなどから、新聞インキは前期を下回り、オフセットインキは前年度の上半期に販売が大きく落ち込んだこともあり前期並みとなりました。以上のことから、印刷インキ全体では前期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料は低調であったものの機械販売が増加したことから、前期を上回りました。これらの結果、売上高は504億4千4百万円(前期比4.9%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、パッケージ関連が堅調に推移したことに加え、全般的なコスト削減が寄与したことなどから、営業利益は13億6千6百万円(前期比9.1%増加)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、感染症の影響を受けたものの、インドネシア、タイなどで拡販が進み、全般的にも堅調に推移しました。印刷情報関連では、インドは感染症の影響による昨年の需要減から回復が進み、中国においても第3四半期に一時的な販売の伸び悩みはあったものの年間では拡販が進みました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから385億7千4百万円(前期比18.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果は寄与したものの、原材料高の影響が一層顕著となったことなどから営業利益は22億4千4百万円(前期比8.4%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、フレキソインキ及びグラビアインキが一部原材料の供給不足の影響を一時的に受けたものの堅調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが堅調に推移したことに加え、感染症の影響で前年度の上半期に販売が大きく落ち込んだこともあり、前期を上回りました。売上高は、パッケージ関連の販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、549億3千万円(前期比10.9%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、感染症などの影響に伴う物流の停滞及び需給バランスの悪化により第3四半期以降、原材料高が急激に進行したことに加え、輸送コストの急激な増加及び人件費の増加などもあり、営業利益は14億6千4百万円(前期比50.4%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、ドイツの子会社を連結の範囲に含めたことなどから、159億2千9百万円(前期比56.7%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加及び新規連結による増益に加え、組織再編や生産能力増強によるコスト削減が寄与したものの、原材料高の影響が顕著となったことなどから1億8千8百万円の営業損失(前期は4億3千2百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは、感染症の影響により落ち込んでいた広告需要が海外を中心に回復し、拡販が進んだことなどから、前期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液は、パネルディスプレイの市況が堅調に推移する中、拡販が進んだことなどから前期を上回りました。トナーは、感染症の影響により落ち込んでいたオフィス用途の需要が上向いてきたことなどから、前期を上回りました。これらの結果、売上高は143億2千8百万円(前期比21.0%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加し、欧米事業のコスト体質の改善も進んだことに加え、在庫評価減の一巡や諸経費の削減が寄与したことなどから、営業利益は19億1百万円(前期比245.9%増加)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 印刷インキ・機材(日本) | 32,594 | 3.3 |
| 印刷インキ(アジア) | 38,077 | 16.1 |
| 印刷インキ(米州) | 54,658 | 7.8 |
| 印刷インキ(欧州) | 15,985 | 66.8 |
| 機能性材料 | 13,793 | 32.7 |
| その他 | 530 | △1.9 |
| 合計 | 155,639 | 14.8 |
(注)1.生産金額については期中平均販売価格により表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、「印刷インキ(欧州)」セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、A.M.Ramp & Co.GmbHを当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
② 受注実績
印刷用インキの生産は主として見込生産によっております。
小口ロットのものについて受注生産を行っているものもありますが、特に受注高及び受注残高として示すほどのものはありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 印刷インキ・機材(日本) | 50,433 | 4.9 |
| 印刷インキ(アジア) | 38,312 | 17.9 |
| 印刷インキ(米州) | 54,114 | 11.0 |
| 印刷インキ(欧州) | 15,126 | 56.4 |
| 機能性材料 | 14,272 | 21.1 |
| その他 | 9,228 | △14.0 |
| 合計 | 181,487 | 12.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
3.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度において、「印刷インキ(欧州)」セグメントの販売実績に著しい変動がありました。これは、A.M.Ramp & Co.GmbHを当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上高の増加に伴う売上債権やたな卸資産の増加、有形固定資産の取得に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比216億2千6百万円(14.9%)増加の1,668億9千9百万円となりました。
負債は、借入金が減少したものの、仕入債務が増加したことに加え、社債の新規発行による増加や円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比105億8千3百万円(16.6%)増加の744億3千4百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比110億4千3百万円(13.6%)増加の924億6千5百万円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、たな卸資産の増加、法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加などにより、75億5千6百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ30億4千3百万円の減少となりました。主な要因は、運転資本の増加、人件費等の未払額の減少であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、日本、アジア、北米などにおける有形固定資産の取得などにより、53億5千2百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ16億5千7百万円の増加となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加、投資有価証券の取得による支出の減少であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったものの、借入金の減少や配当金の支払などにより、28億7千5百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ18億9千5百万円の減少となりました。主な要因は、借入金の純増減額の減少であります。
以上に加え、連結の範囲の変更を伴う現金及び現金同等物の増減額として4億2千9百万円を計上した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は121億1千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3千6百万円の増加となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次の通りであります。
| 2017年 12月期 | 2018年 12月期 | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | 2021年 12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 52.0 | 51.1 | 51.7 | 52.6 | 51.8 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 72.3 | 48.7 | 46.8 | 46.6 | 34.8 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 1.8 | 3.6 | 1.8 | 1.7 | 2.4 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 36.9 | 19.9 | 32.2 | 40.1 | 32.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループでは運転資金や設備投資等のための資金の調達として、内部資金及び外部借入による資金調達を基本方針としております。外部借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に設備投資に係る資金調達であります。
内部資金に関しては営業活動によるキャッシュ・フローにより継続的に資金を獲得しております。また外部借入に関しては短期・長期借入の他に、当社においては運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と30億円の特定融資枠契約を締結しております。これらに加え、2021年3月31日に10億円のESG評価型の無担保私募債(償還期限2026年3月31日)を発行いたしました。
なお、特定融資枠契約におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う資金ショートリスクに備えるため、一時的に取引銀行3行と30億円の契約を締結し総額60億円としておりましたが、資金調達の状況も勘案のうえ、2021年12月末をもって追加分の契約は満了といたしました。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第3[設備の状況] 3[設備の新設、除却等の計画] (1)重要な設備の新設等」をご参照下さい。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] 追加情報」に記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」をご参照下さい。
(6)目標とする経営指標との比較
当連結会計年度と「中期経営計画2023 CCC-I」の最終期との比較は、次の通りであります。
| 当連結会計年度 | 2023年計画 | 比較 | |
| 売上高(億円) | 1,814 | 1,950 | △135 |
| 営業利益(億円) | 74 | 115 | △40 |
| 経常利益(億円) | 85 | 130 | △44 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(億円) | 49 | 90 | △40 |
| ROE | 6.1% | 10%以上 | - |
「中期経営計画2023 CCC-I(以下「計画」という。)」の1年目である当連結会計年度につきましては、売上高は販売価格の改定や円安による為替換算の影響を受けたことなどもあり、全体として着実に増加し計画を上回るペースの水準となりました。各利益及びROEにつきましては、売上が計画を上回るペースの水準となったものの、印刷インキの原材料高が米州を中心に海外セグメントにおいて急激に進行したことなどから計画を下回るペースの水準となりました。
計画につきましては、想定を超えた原材料高の進行など外部環境の変化はありますが、その基本方針と戦略課題は変わらず、それらの着実な実行に加え、引き続き販売価格の改定やグローバル調達などのコスト削減を推し進め、利益目標の達成に向けて鋭意努めてまいります。