有価証券報告書-第148期(2025/01/01-2025/12/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、中東情勢の緊迫化などによる地政学リスクの高止まりに加え、米国の通商政策とその不確実性が世界へ波及し、先行きの景気減速懸念が続いた一年となりました。一方で、各国でインフレ圧力の低下が進んだことや個人消費の持ち直しが下支えとなり、全体としては底堅い成長を維持しました。
米国では、通商政策の影響による企業活動の抑制や先行き不透明感から、個人消費や設備投資は慎重な動きが続きました。また、関税の影響が企業収益や物価に徐々に表れるなど、景気回復のペースは鈍化しました。欧州では、所得環境の改善やインフレ圧力の低下を背景に個人消費が回復し、製造業の一部に弱さは残るものの、緩やかな持ち直しが続きました。アジアでは、中国では不動産市場の停滞により景気は伸び悩んでいるものの、全体としては堅調に推移しました。ただし域内においてもインド、ベトナムなどは好調な一方、タイでは内需の低迷が続くなど国によって景気の強弱が分かれる結果となりました。日本では、所得環境の改善が続くなか、食料品価格を中心とした物価の高止まりが消費の重荷となったものの、物価上昇率の鈍化もあり、景気は緩やかな回復基調を維持しました。
このような状況の中で、本年度は2030年を見据えた長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』を実現させるための事業拡大・収益力強化フェーズである『中期経営計画2026 (CCC-Ⅱ)』の2年目であり、グループの事業拡大・収益力強化に向けて、ボタニカルインキシリーズなど環境配慮型製品を軸にサステナブルな製品の積極展開を推進しました。特にパッケージ分野では、人口増加と経済発展により中間層が拡大する成長地域での拡販を続けるとともに、グローバルアカウント向け戦略製品の拡充・拡販や地域連携による購買・生産・物流の効率化などグローバル連結経営を推進しました。機能性材料事業では、従来製品の拡販に加え、インクジェットインキにおいては衣食住をターゲットとした新市場への拡大や、画像表示材料においてもより高品質製品の拡販などに取り組みました。
売上高は、米州で販売が好調であったことや機能性材料の販売が比較的好調であったことに加え、前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことなどもあり、2,576億6千8百万円(前期比4.9%増加)となりました。
利益面では、人件費や諸経費が増加したものの、販売数量の増加による増収効果に加え、海外では原材料価格が安定的に推移し収益性の改善が続いたことなどから営業利益は152億2千6百万円(前期比15.7%増加)となりました。経常利益は153億6千4百万円(前期比19.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の縮減により投資有価証券売却益を計上したことなどから116億9百万円(前期比28.9%増加)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
(注)連結会計年度の期中平均為替レートは、1月~12月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の費用配分方法に基づき作成したものを記載しております。
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
日用品、食品、飲料など多くのアイテムでの値上げが常態化し、家計の節約志向による消費マインドの低迷が続きました。パッケージ関連ではグラビアインキ、フレキソインキともにやや低調に推移したものの前期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響による市場の構造的な縮小に加え、収益性改善のためオフセットインキでは不採算品目の削減を進めた影響などにより前期を下回りました。このような状況のなか、販売数量は減少したものの、販売価格の改定効果が寄与したことにより、印刷インキ全体では前期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料では不採算品目の取り扱いを縮小している影響などにより前期を大きく下回りました。これらの結果、売上高は502億4千8百万円(前期比4.8%減少)となりました。
利益面では、人件費が増加した影響はあったものの、販売価格の改定効果などにより収益性が改善したことから、営業利益は14億3千6百万円(前期比54.9%増加)となりました。
印刷インキ(アジア)
米国の通商政策の影響が域内の経済成長を押し下げるなか、主力であるパッケージ関連のグラビアインキはベトナムで販売が比較的堅調に推移したものの、全体的にはやや伸び悩みました。印刷情報関連では、インドで販売が堅調に推移しました。売上高は、上半期の販売がやや低調であったことや前第2四半期に中国の子会社を持分譲渡により連結除外した影響に加え、為替換算の影響もあったことから、561億7千3百万円(前期比3.6%減少)となりました。
利益面では、連結除外の影響はあったものの、原材料価格が安定的に推移しているなかで経費の増加も抑制されたことなどから、営業利益は69億1千3百万円(前期比20.3%増加)となりました。
印刷インキ(米州)
米国での通商政策による影響は限定的であるなか、主力のパッケージ関連では、北米では需要の緩やかな回復が続いていることに加え、ブラジルなど南米でも拡販が進んだこともあり、フレキソインキ及びグラビアインキの販売は好調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要拡大が続いているという背景に加え、南米でも順調に拡販が進んでおり、販売は堅調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、市場の構造的な縮小はあるもののUVインキなどの販売が堅調であったこともあり前期を上回りました。売上高は、為替換算の影響があったものの、販売数量が増加したことや前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことに加え、関税コスト分の調整を含む販売価格の改定効果などから、1,018億6千万円(前期比15.9%増加)となりました。
利益面では、人件費や諸経費の増加の影響などがあったものの、販売数量が増加したことや販売価格の改定効果に加え、新規連結の影響があったことなどから、営業利益は52億8千5百万円(前期比18.1%増加)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連では第2四半期で販売がやや落ち込んだものの比較的堅調に推移し、メタルインキも主要顧客向けで販売が堅調に推移しました。売上高は、全体としては第2四半期で販売がやや落ち込んだ影響があったものの、アジア、米州セグメントとは異なり現地通貨高による為替換算の影響があったことなどから、215億7千8百万円(前期比0.6%増加)となりました。
利益面では、原材料価格は安定的に推移したものの、販売がやや伸び悩んだことや前第1四半期は一部製品で特需があったことの反動などから、営業利益は6千4百万円(前期比3.0%減少)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは販売が堅調だったこともあり前期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液はパネルメーカーにおける稼働率の持ち直しの動きにより販売が回復したことなどから前期を上回りました。トナーは海外で順調に拡販が進んだことなどにより前期を上回りました。これらの結果、売上高は203億7千5百万円(前期比5.0%増加)となりました。
利益面では、販売は増加したものの、諸経費が増加したことなどから、営業利益は24億2千9百万円(前期比8.9%減少)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)生産金額については期中平均販売価格により表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
印刷用インキの生産は主として見込生産によっております。
小口ロットのものについて受注生産を行っているものもありますが、特に受注高及び受注残高として示すほどのものはありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上債権が減少したことや政策保有株式縮減の方針に基づき投資有価証券の売却を進めたことなどに加え、前期末に比べて為替が円高となった影響を受けたものの、現金及び預金や有形固定資産などが増加したことにより、前連結会計年度末比43億9千4百万円(2.0%)増加の2,258億6千4百万円となりました。
負債は、借入金や仕入債務が減少したことに加え、為替換算の影響を受けたことなどから前連結会計年度末比29億4百万円(2.8%)減少の993億4千4百万円となりました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末比72億9千8百万円(6.1%)増加の1,265億1千9百万円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本の増加や法人税等の支払などがあったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費などにより、170億5百万円の資金の増加となりました。前連結会計年度に比べ81億1百万円の増加となりましたが、主な要因は、税金等調整前当期純利益や運転資本の増減額の影響によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入はあったものの、有形固定資産の取得による支出などがあったことにより、44億8千5百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度は148億4千6百万円の資金の減少でしたが、資金の減少の金額が縮小した主な要因は、投資有価証券の売却による収入が増加したことに加え、前連結会計年度は事業譲受による支出が存在したことであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少や配当金の支払に加え、自己株式の取得などがあったことにより、99億7千5百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度は42億1千4百万円の資金の増加でしたが、資金の増加から資金の減少へ転じた主な要因は、借入金の残高が減少したことや配当金の支払額が増加したことであります。
以上に加え、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額として1億2千8百万円を計上した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は187億8千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億9千8百万円の増加となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次の通りであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループでは運転資金や事業投資、株主還元等のための資金の調達として、内部資金及び外部借入による資金調達を基本方針としております。外部借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に事業投資に係る資金調達であります。
内部資金に関しては営業活動によるキャッシュ・フローにより継続的に資金を獲得しております。また外部借入に関しては短期・長期借入の他に、当社においては運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と30億円の特定融資枠契約を締結しております。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画(1)重要な設備の新設等」をご参照ください。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)目標とする経営指標との比較
当連結会計年度と「中期経営計画2026 CCC-Ⅱ」の最終期との比較は、次の通りであります。
「中期経営計画2026 CCC-Ⅱ(以下「計画」という。)」の2年目である当連結会計年度につきましては、売上高は米州で販売が好調であったことや機能性材料の販売が比較的好調であったことに加え、前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことや計画算定時に比べ円安で推移したことによる為替換算の影響などもあり、計画の達成に向けて順調に推移いたしました。各段階利益につきましては、人件費や諸経費が増加したものの、販売数量の増加による増収効果に加え、海外では原材料価格が安定的に推移し収益性の改善が続いたことなどから計画の達成に向けて順調に推移いたしました。ROEにつきましては、政策保有株式の縮減により投資有価証券売却益を特別利益として計上したこともあり目標となる10.0%以上を達成いたしました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、中東情勢の緊迫化などによる地政学リスクの高止まりに加え、米国の通商政策とその不確実性が世界へ波及し、先行きの景気減速懸念が続いた一年となりました。一方で、各国でインフレ圧力の低下が進んだことや個人消費の持ち直しが下支えとなり、全体としては底堅い成長を維持しました。
米国では、通商政策の影響による企業活動の抑制や先行き不透明感から、個人消費や設備投資は慎重な動きが続きました。また、関税の影響が企業収益や物価に徐々に表れるなど、景気回復のペースは鈍化しました。欧州では、所得環境の改善やインフレ圧力の低下を背景に個人消費が回復し、製造業の一部に弱さは残るものの、緩やかな持ち直しが続きました。アジアでは、中国では不動産市場の停滞により景気は伸び悩んでいるものの、全体としては堅調に推移しました。ただし域内においてもインド、ベトナムなどは好調な一方、タイでは内需の低迷が続くなど国によって景気の強弱が分かれる結果となりました。日本では、所得環境の改善が続くなか、食料品価格を中心とした物価の高止まりが消費の重荷となったものの、物価上昇率の鈍化もあり、景気は緩やかな回復基調を維持しました。
このような状況の中で、本年度は2030年を見据えた長期ビジョン『SAKATA INX VISION 2030』を実現させるための事業拡大・収益力強化フェーズである『中期経営計画2026 (CCC-Ⅱ)』の2年目であり、グループの事業拡大・収益力強化に向けて、ボタニカルインキシリーズなど環境配慮型製品を軸にサステナブルな製品の積極展開を推進しました。特にパッケージ分野では、人口増加と経済発展により中間層が拡大する成長地域での拡販を続けるとともに、グローバルアカウント向け戦略製品の拡充・拡販や地域連携による購買・生産・物流の効率化などグローバル連結経営を推進しました。機能性材料事業では、従来製品の拡販に加え、インクジェットインキにおいては衣食住をターゲットとした新市場への拡大や、画像表示材料においてもより高品質製品の拡販などに取り組みました。
売上高は、米州で販売が好調であったことや機能性材料の販売が比較的好調であったことに加え、前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことなどもあり、2,576億6千8百万円(前期比4.9%増加)となりました。
利益面では、人件費や諸経費が増加したものの、販売数量の増加による増収効果に加え、海外では原材料価格が安定的に推移し収益性の改善が続いたことなどから営業利益は152億2千6百万円(前期比15.7%増加)となりました。経常利益は153億6千4百万円(前期比19.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式の縮減により投資有価証券売却益を計上したことなどから116億9百万円(前期比28.9%増加)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
| 第1四半期 連結会計期間 | 第2四半期 連結会計期間 | 第3四半期 連結会計期間 | 第4四半期 連結会計期間 | 連結会計年度 | |
| 2025年12月期 | 152.60円 | 144.59円 | 147.48円 | 154.15円 | 149.71円 |
| 2024年12月期 | 148.61円 | 155.88円 | 149.38円 | 152.44円 | 151.58円 |
(注)連結会計年度の期中平均為替レートは、1月~12月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の費用配分方法に基づき作成したものを記載しております。
| (単位:百万円) |
| 売上高 | 営業利益 | ||||||||
| 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | (※)実質 | 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
| 印刷インキ・ 機材(日本) | 52,806 | 50,248 | △2,558 | △4.8% | △4.8% | 927 | 1,436 | 508 | 54.9% |
| 印刷インキ (アジア) | 58,281 | 56,173 | △2,108 | △3.6% | △1.7% | 5,747 | 6,913 | 1,166 | 20.3% |
| 印刷インキ (米州) | 87,863 | 101,860 | 13,997 | 15.9% | 17.5% | 4,474 | 5,285 | 810 | 18.1% |
| 印刷インキ (欧州) | 21,447 | 21,578 | 131 | 0.6% | △2.5% | 66 | 64 | △2 | △3.0% |
| 機能性材料 | 19,405 | 20,375 | 969 | 5.0% | 4.8% | 2,666 | 2,429 | △236 | △8.9% |
| 報告セグメント計 | 239,805 | 250,236 | 10,431 | 4.3% | 5.1% | 13,881 | 16,129 | 2,247 | 16.2% |
| その他 | 12,731 | 14,031 | 1,299 | 10.2% | 10.2% | 180 | 270 | 90 | 50.0% |
| 調整額 | △6,965 | △6,599 | 366 | - | - | △900 | △1,172 | △272 | - |
| 合計 | 245,570 | 257,668 | 12,097 | 4.9% | 5.7% | 13,161 | 15,226 | 2,064 | 15.7% |
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
日用品、食品、飲料など多くのアイテムでの値上げが常態化し、家計の節約志向による消費マインドの低迷が続きました。パッケージ関連ではグラビアインキ、フレキソインキともにやや低調に推移したものの前期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響による市場の構造的な縮小に加え、収益性改善のためオフセットインキでは不採算品目の削減を進めた影響などにより前期を下回りました。このような状況のなか、販売数量は減少したものの、販売価格の改定効果が寄与したことにより、印刷インキ全体では前期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料では不採算品目の取り扱いを縮小している影響などにより前期を大きく下回りました。これらの結果、売上高は502億4千8百万円(前期比4.8%減少)となりました。
利益面では、人件費が増加した影響はあったものの、販売価格の改定効果などにより収益性が改善したことから、営業利益は14億3千6百万円(前期比54.9%増加)となりました。
印刷インキ(アジア)
米国の通商政策の影響が域内の経済成長を押し下げるなか、主力であるパッケージ関連のグラビアインキはベトナムで販売が比較的堅調に推移したものの、全体的にはやや伸び悩みました。印刷情報関連では、インドで販売が堅調に推移しました。売上高は、上半期の販売がやや低調であったことや前第2四半期に中国の子会社を持分譲渡により連結除外した影響に加え、為替換算の影響もあったことから、561億7千3百万円(前期比3.6%減少)となりました。
利益面では、連結除外の影響はあったものの、原材料価格が安定的に推移しているなかで経費の増加も抑制されたことなどから、営業利益は69億1千3百万円(前期比20.3%増加)となりました。
印刷インキ(米州)
米国での通商政策による影響は限定的であるなか、主力のパッケージ関連では、北米では需要の緩やかな回復が続いていることに加え、ブラジルなど南米でも拡販が進んだこともあり、フレキソインキ及びグラビアインキの販売は好調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要拡大が続いているという背景に加え、南米でも順調に拡販が進んでおり、販売は堅調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、市場の構造的な縮小はあるもののUVインキなどの販売が堅調であったこともあり前期を上回りました。売上高は、為替換算の影響があったものの、販売数量が増加したことや前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことに加え、関税コスト分の調整を含む販売価格の改定効果などから、1,018億6千万円(前期比15.9%増加)となりました。
利益面では、人件費や諸経費の増加の影響などがあったものの、販売数量が増加したことや販売価格の改定効果に加え、新規連結の影響があったことなどから、営業利益は52億8千5百万円(前期比18.1%増加)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連では第2四半期で販売がやや落ち込んだものの比較的堅調に推移し、メタルインキも主要顧客向けで販売が堅調に推移しました。売上高は、全体としては第2四半期で販売がやや落ち込んだ影響があったものの、アジア、米州セグメントとは異なり現地通貨高による為替換算の影響があったことなどから、215億7千8百万円(前期比0.6%増加)となりました。
利益面では、原材料価格は安定的に推移したものの、販売がやや伸び悩んだことや前第1四半期は一部製品で特需があったことの反動などから、営業利益は6千4百万円(前期比3.0%減少)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは販売が堅調だったこともあり前期を上回りました。カラーフィルター用顔料分散液はパネルメーカーにおける稼働率の持ち直しの動きにより販売が回復したことなどから前期を上回りました。トナーは海外で順調に拡販が進んだことなどにより前期を上回りました。これらの結果、売上高は203億7千5百万円(前期比5.0%増加)となりました。
利益面では、販売は増加したものの、諸経費が増加したことなどから、営業利益は24億2千9百万円(前期比8.9%減少)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 印刷インキ・機材(日本) | 34,587 | 2.1 |
| 印刷インキ(アジア) | 54,113 | △5.2 |
| 印刷インキ(米州) | 95,100 | 10.2 |
| 印刷インキ(欧州) | 23,014 | 3.9 |
| 機能性材料 | 16,606 | 0.5 |
| その他 | 883 | 6.1 |
| 合計 | 224,306 | 3.5 |
(注)生産金額については期中平均販売価格により表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
印刷用インキの生産は主として見込生産によっております。
小口ロットのものについて受注生産を行っているものもありますが、特に受注高及び受注残高として示すほどのものはありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 印刷インキ・機材(日本) | 49,318 | △4.7 |
| 印刷インキ(アジア) | 56,008 | △3.6 |
| 印刷インキ(米州) | 101,117 | 16.3 |
| 印刷インキ(欧州) | 20,861 | 2.3 |
| 機能性材料 | 20,331 | 5.0 |
| その他 | 10,029 | 10.9 |
| 合計 | 257,668 | 4.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上債権が減少したことや政策保有株式縮減の方針に基づき投資有価証券の売却を進めたことなどに加え、前期末に比べて為替が円高となった影響を受けたものの、現金及び預金や有形固定資産などが増加したことにより、前連結会計年度末比43億9千4百万円(2.0%)増加の2,258億6千4百万円となりました。
負債は、借入金や仕入債務が減少したことに加え、為替換算の影響を受けたことなどから前連結会計年度末比29億4百万円(2.8%)減少の993億4千4百万円となりました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末比72億9千8百万円(6.1%)増加の1,265億1千9百万円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本の増加や法人税等の支払などがあったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費などにより、170億5百万円の資金の増加となりました。前連結会計年度に比べ81億1百万円の増加となりましたが、主な要因は、税金等調整前当期純利益や運転資本の増減額の影響によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入はあったものの、有形固定資産の取得による支出などがあったことにより、44億8千5百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度は148億4千6百万円の資金の減少でしたが、資金の減少の金額が縮小した主な要因は、投資有価証券の売却による収入が増加したことに加え、前連結会計年度は事業譲受による支出が存在したことであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少や配当金の支払に加え、自己株式の取得などがあったことにより、99億7千5百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度は42億1千4百万円の資金の増加でしたが、資金の増加から資金の減少へ転じた主な要因は、借入金の残高が減少したことや配当金の支払額が増加したことであります。
以上に加え、連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額として1億2千8百万円を計上した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は187億8千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億9千8百万円の増加となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次の通りであります。
| 2021年 12月期 | 2022年 12月期 | 2023年 12月期 | 2024年 12月期 | 2025年 12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 51.8 | 48.6 | 50.9 | 50.7 | 52.8 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 34.8 | 29.6 | 35.0 | 39.1 | 51.5 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 2.4 | 5.6 | 1.7 | 4.1 | 2.0 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 32.4 | 9.0 | 20.3 | 10.9 | 16.0 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資本の財源及び資金の流動性は、次の通りであります。
当社グループでは運転資金や事業投資、株主還元等のための資金の調達として、内部資金及び外部借入による資金調達を基本方針としております。外部借入のうち、短期借入は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入は主に事業投資に係る資金調達であります。
内部資金に関しては営業活動によるキャッシュ・フローにより継続的に資金を獲得しております。また外部借入に関しては短期・長期借入の他に、当社においては運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と30億円の特定融資枠契約を締結しております。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画(1)重要な設備の新設等」をご参照ください。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)目標とする経営指標との比較
当連結会計年度と「中期経営計画2026 CCC-Ⅱ」の最終期との比較は、次の通りであります。
| 中期経営計画CCC-Ⅱ 2024年実績 | 当連結会計年度 | 中期経営計画CCC-Ⅱ 2026年計画 | 比較 | |
| 売上高(億円) | 2,455 | 2,576 | 2,700 | △123 |
| 営業利益(億円) | 131 | 152 | 180 | △27 |
| 経常利益(億円) | 128 | 153 | 190 | △36 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(億円) | 90 | 116 | 127 | △10 |
| ROE | 8.5% | 10.0% | 10.0%以上 | - |
「中期経営計画2026 CCC-Ⅱ(以下「計画」という。)」の2年目である当連結会計年度につきましては、売上高は米州で販売が好調であったことや機能性材料の販売が比較的好調であったことに加え、前第4四半期に買収した米国子会社が業績に寄与したことや計画算定時に比べ円安で推移したことによる為替換算の影響などもあり、計画の達成に向けて順調に推移いたしました。各段階利益につきましては、人件費や諸経費が増加したものの、販売数量の増加による増収効果に加え、海外では原材料価格が安定的に推移し収益性の改善が続いたことなどから計画の達成に向けて順調に推移いたしました。ROEにつきましては、政策保有株式の縮減により投資有価証券売却益を特別利益として計上したこともあり目標となる10.0%以上を達成いたしました。