四半期報告書-第145期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウィルス感染症による社会経済活動の制限緩和が続いたことにより持ち直しの動きがあったものの、ウクライナ問題や中国のゼロコロナ政策の影響による資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱が長期化していることなどから、世界的なインフレの加速と同時に金融引き締めによる景気の減速が懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組むとともに販売価格の改定に取り組みました。機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進んだことや、販売価格の改定が進んだことに加え、急激な円安により為替換算の影響を大きく受けたことなどから、1,598億4千9百万円(前年同期比19.6%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加が寄与したものの、原油価格の高騰などにより印刷インキの原材料高が想定以上に進行していることや、米州では物流コストや人件費、欧州ではそれらに加え、電気・ガスといったユーティリティコストも著しく増加するなど、販売価格の改定が原材料価格及び諸費用の上昇に追い付かない状況が続いております。以上のことから、営業利益は32億7千万円(前年同期比47.7%減少)となりました。経常利益は36億9千6百万円(前年同期比48.2%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことから、30億9千万円(前年同期比35.5%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
(注)第3四半期連結累計期間の期中平均為替レートは、1月~9月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
感染症による社会経済活動の制限緩和により観光地への行楽客の増加や、大型イベントが再開されるなか、パッケージ関連では、グラビアインキは内食関連の需要が堅調に推移したことに加え、レジャー消費やコンビニエンスストア、飲料関係の需要の高まりもあり好調に推移しました。フレキソインキは日用品や加工食品、青果物関係が堅調だったことに加え、紙袋関係の需要も回復が続くなど全体として堅調に推移しました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響による広告需要の低迷が長引いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに低調に推移しました。以上のことから、印刷インキ全体では前年同期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料、機械販売ともに販売が低調であったことから、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は379億9百万円(前年同期比3.0%増加)となりました。
利益面では、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、印刷情報関連の印刷インキ及び機材販売が低調に推移したことなどから、営業利益は3億4千2百万円(前年同期比70.3%減少)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、ベトナムなどで拡販が進みました。印刷情報関連では、インドでは感染症の影響による需要減からの回復が続きました。一方、ロックダウンの影響を受けた中国ではゼロコロナ政策の継続により、全般的に販売は低調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから352億3千3百万円(前年同期比27.7%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加に加え、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響を大きく受けたことから、営業利益は9億8千7百万円(前年同期比42.6%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、第2四半期まではフレキソインキ及びグラビアインキが好調に推移したものの、第3四半期ではやや伸び悩みました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが好調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、554億3千3百万円(前年同期比38.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、物流コストや人件費を中心に経費の増加が大きく影響したこともあり、営業利益は8億7百万円(前年同期比44.9%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、144億3百万円(前年同期比21.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、ユーティリティコストが大きく増加したことや、物流コスト・人件費などの経費も増加したことにより3億4千1百万円の営業損失(前年同期は2百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは販売が堅調に推移し前年同期を上回った一方、カラーフィルター用顔料分散液はパネルディスプレイの需要減の影響もあり、販売が伸び悩み前年同期を下回りました。トナーは、海外向けの販売が好調に推移したことなどから前年同期を上回りました。これらの結果に加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、売上高は114億3千7百万円(前年同期比11.8%増加)となりました。
利益面では、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加したものの、原材料高の影響を受けたことから、営業利益は11億6千9百万円(前年同期比18.5%減少)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、売上高の増加に伴う売上債権や棚卸資産の増加、無形固定資産の増加に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比183億7千万円(11.0%)増加の1,852億7千万円となりました。
負債は、仕入債務が減少したものの、借入金が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比133億2千5百万円(17.9%)増加の877億5千9百万円となりました。
純資産は、自己株式の消却を行ったことにより利益剰余金が減少したものの、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比50億4千5百万円(5.5%)増加の975億1千万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)当面の対処すべき課題の内容
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
2)株式会社の支配に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は31億4千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備の計画
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次の通りであります。
(注)完成後の生産能力については合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウィルス感染症による社会経済活動の制限緩和が続いたことにより持ち直しの動きがあったものの、ウクライナ問題や中国のゼロコロナ政策の影響による資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱が長期化していることなどから、世界的なインフレの加速と同時に金融引き締めによる景気の減速が懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組むとともに販売価格の改定に取り組みました。機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進んだことや、販売価格の改定が進んだことに加え、急激な円安により為替換算の影響を大きく受けたことなどから、1,598億4千9百万円(前年同期比19.6%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加が寄与したものの、原油価格の高騰などにより印刷インキの原材料高が想定以上に進行していることや、米州では物流コストや人件費、欧州ではそれらに加え、電気・ガスといったユーティリティコストも著しく増加するなど、販売価格の改定が原材料価格及び諸費用の上昇に追い付かない状況が続いております。以上のことから、営業利益は32億7千万円(前年同期比47.7%減少)となりました。経常利益は36億9千6百万円(前年同期比48.2%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことから、30億9千万円(前年同期比35.5%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
第1四半期 連結会計期間 | 第2四半期 連結会計期間 | 第3四半期 連結会計期間 | 第3四半期 連結累計期間 | |
2022年12月期 | 116.20円 | 129.57円 | 138.37円 | 128.05円 |
2021年12月期 | 105.90円 | 109.49円 | 110.11円 | 108.50円 |
(注)第3四半期連結累計期間の期中平均為替レートは、1月~9月の単純平均レートを記載しております。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(単位:百万円) |
売上高 | 営業利益又は営業損失(△) | ||||||||
前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | (※)実質 | 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
印刷インキ・ 機材(日本) | 36,804 | 37,909 | 1,105 | 3.0% | 3.0% | 1,153 | 342 | △810 | △70.3% |
印刷インキ (アジア) | 27,592 | 35,233 | 7,641 | 27.7% | 11.1% | 1,719 | 987 | △731 | △42.6% |
印刷インキ (米州) | 40,095 | 55,433 | 15,338 | 38.3% | 16.6% | 1,465 | 807 | △658 | △44.9% |
印刷インキ (欧州) | 11,876 | 14,403 | 2,526 | 21.3% | 15.6% | △2 | △341 | △339 | - |
機能性材料 | 10,234 | 11,437 | 1,202 | 11.8% | 5.2% | 1,434 | 1,169 | △264 | △18.5% |
報告セグメント計 | 126,603 | 154,417 | 27,814 | 22.0% | 10.5% | 5,770 | 2,965 | △2,805 | △48.6% |
その他 | 14,294 | 10,595 | △3,699 | △25.9% | △25.9% | 285 | 258 | △26 | △9.3% |
調整額 | △7,260 | △5,163 | 2,097 | - | - | 201 | 46 | △154 | - |
合計 | 133,637 | 159,849 | 26,211 | 19.6% | 8.8% | 6,256 | 3,270 | △2,986 | △47.7% |
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
感染症による社会経済活動の制限緩和により観光地への行楽客の増加や、大型イベントが再開されるなか、パッケージ関連では、グラビアインキは内食関連の需要が堅調に推移したことに加え、レジャー消費やコンビニエンスストア、飲料関係の需要の高まりもあり好調に推移しました。フレキソインキは日用品や加工食品、青果物関係が堅調だったことに加え、紙袋関係の需要も回復が続くなど全体として堅調に推移しました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響による広告需要の低迷が長引いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに低調に推移しました。以上のことから、印刷インキ全体では前年同期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料、機械販売ともに販売が低調であったことから、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は379億9百万円(前年同期比3.0%増加)となりました。
利益面では、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、印刷情報関連の印刷インキ及び機材販売が低調に推移したことなどから、営業利益は3億4千2百万円(前年同期比70.3%減少)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、ベトナムなどで拡販が進みました。印刷情報関連では、インドでは感染症の影響による需要減からの回復が続きました。一方、ロックダウンの影響を受けた中国ではゼロコロナ政策の継続により、全般的に販売は低調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから352億3千3百万円(前年同期比27.7%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加に加え、販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響を大きく受けたことから、営業利益は9億8千7百万円(前年同期比42.6%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、第2四半期まではフレキソインキ及びグラビアインキが好調に推移したものの、第3四半期ではやや伸び悩みました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが好調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、554億3千3百万円(前年同期比38.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、物流コストや人件費を中心に経費の増加が大きく影響したこともあり、営業利益は8億7百万円(前年同期比44.9%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことや販売価格の改定が進んだことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、144億3百万円(前年同期比21.3%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、ユーティリティコストが大きく増加したことや、物流コスト・人件費などの経費も増加したことにより3億4千1百万円の営業損失(前年同期は2百万円の営業損失)となりました。
機能性材料
インクジェットインキは販売が堅調に推移し前年同期を上回った一方、カラーフィルター用顔料分散液はパネルディスプレイの需要減の影響もあり、販売が伸び悩み前年同期を下回りました。トナーは、海外向けの販売が好調に推移したことなどから前年同期を上回りました。これらの結果に加え、円安による為替換算の影響を大きく受けたことなどから、売上高は114億3千7百万円(前年同期比11.8%増加)となりました。
利益面では、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加したものの、原材料高の影響を受けたことから、営業利益は11億6千9百万円(前年同期比18.5%減少)となりました。
(2)財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、売上高の増加に伴う売上債権や棚卸資産の増加、無形固定資産の増加に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比183億7千万円(11.0%)増加の1,852億7千万円となりました。
負債は、仕入債務が減少したものの、借入金が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比133億2千5百万円(17.9%)増加の877億5千9百万円となりました。
純資産は、自己株式の消却を行ったことにより利益剰余金が減少したものの、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比50億4千5百万円(5.5%)増加の975億1千万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)当面の対処すべき課題の内容
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
2)株式会社の支配に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は31億4千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備の計画
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次の通りであります。
2022年9月30日現在 |
会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金調達 方法 | 着手及び完了予定 | ||
総額 | 既支払額 | 着手 | 完了 | |||||
SAKATA INX VIETNAM CO.,LTD. | ハノイ工場 (BAC NINH,VIETNAM) | 印刷インキ(アジア) | 製造設備 | 百万VND 172,638 | 百万VND 13,850 | 自己資金 | 2022年 9月 | 2023年 10月 |
(注)完成後の生産能力については合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。