四半期報告書-第145期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中、社会・経済活動の段階的な再開やさらなる経済対策の効果などにより、全体としては持ち直しの動きが続いたものの、ロシアによるウクライナ侵攻により、サプライチェーンのさらなる混乱や物価の上昇、急激な為替変動などが懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組むとともに販売価格の改定に取り組みました。機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進み、米州及びアジアを中心に販売価格の改定も進んだことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、490億8百万円(前年同期比13.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加による利益増加はあったものの、サプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化に加え、地政学リスクの高まりによる原油価格の上昇などにより印刷インキの原材料高が一段と進行したことや米州及び欧州で物価の上昇による経費の増加があったことなどから、営業利益は14億9千5百万円(前年同期比46.0%減少)となりました。経常利益は前年同期に発生した為替差損が為替差益に転じたことなどから、22億5千2百万円(前年同期比21.0%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、13億9千2百万円(前年同期比24.1%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
パッケージ関連では、変異株による感染拡大により外出を控える動きも見られたものの、グラビアインキは内食関連の需要にも支えられ前年同期を上回りました。フレキソインキは通販や加工食品関係が堅調であったことや、底堅い家飲み需要に支えられ前年同期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響による広告需要の低迷が続いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに前年同期を下回りました。以上のことから、印刷インキ全体では前年同期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料、機械販売ともに販売が低調であったことから、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は119億8千万円(前年同期比2.3%増加)となりました。
利益面では、パッケージ関連で販売価格の改定が寄与したものの、印刷情報関連の印刷インキ及び機材販売が低調に推移したことに加え、原材料高が一段と進んだことなどから、営業利益は9千万円(前年同期比77.4%減少)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、インド、ベトナム、タイなどで拡販が進みました。印刷情報関連では、インドで感染症の影響による需要減からの回復が続くなど、全体として拡販が進みました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから106億5百万円(前年同期比20.1%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果は寄与したものの、原材料高の影響が一層顕著となったことなどから営業利益は4億1千7百万円(前年同期比39.2%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、フレキソインキ及びグラビアインキが堅調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、162億7千5百万円(前年同期比28.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、感染症などの影響に伴う物流の停滞及び需給バランスの悪化による原材料高が続いたことに加え、輸送コストの急激な増加や人件費の増加など、全般的に経費が増加したこともあり、営業利益は5億3千8百万円(前年同期比45.5%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことなどから、43億7千3百万円(前年同期12.8%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、輸送コストや、電気・ガスといったユーティリティコストなどの経費が増加したことにより1億9百万円の営業損失(前年同期は5千7百万円の営業利益)となりました。
機能性材料
インクジェットインキ及びカラーフィルター用顔料分散液は、販売が堅調に推移し、前年同期を上回りました。トナーは、海外向けの販売が好調に推移したことなどから、前年同期を上回りました。これらの結果、売上高は37億7百万円(前年同期比10.8%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加したことなどから、営業利益は4億3千9百万円(前年同期比2.9%増加)となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、売上高の増加に伴う売上債権や棚卸資産の増加、有形固定資産の増加に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比94億4千7百万円(5.7%)増加の1,763億4千6百万円となりました。
負債は、仕入債務が減少したものの、借入金が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比45億5千4百万円(6.1%)増加の789億8千9百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比48億9千2百万円(5.3%)増加の973億5千7百万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)当面の対処すべき課題の内容
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
2)株式会社の支配に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は9億8千1百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備の計画
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次の通りであります。
(注)完成後の生産能力については合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。
(1)経営成績
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にある中、社会・経済活動の段階的な再開やさらなる経済対策の効果などにより、全体としては持ち直しの動きが続いたものの、ロシアによるウクライナ侵攻により、サプライチェーンのさらなる混乱や物価の上昇、急激な為替変動などが懸念される状況で推移しました。
このような状況の中で、当社グループはコア事業である印刷インキ事業において、各拠点での拡販に注力するとともに、環境配慮型・サステナブル製品の開発・積極展開、TPM活動の継続と深化による生産性向上などに取り組みました。また、印刷インキの主要原材料につきましては、原油価格の上昇や中国における環境規制の強化に加え、感染症などの影響に伴うサプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化により、供給不足が生じ、価格の高騰が続きました。このため、製品の安定供給を最優先として、グループ会社間の連携強化やグローバル調達などによるサプライチェーンの安定化に取り組むとともに販売価格の改定に取り組みました。機能性材料事業では、インクジェットインキをはじめとして、トナー、カラーフィルター用顔料分散液などの従来製品の拡販に加え、社会トレンドを捉えた高付加価値製品の開発に取り組みました。
売上高は、印刷インキや機能性材料の拡販が進み、米州及びアジアを中心に販売価格の改定も進んだことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、490億8百万円(前年同期比13.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加による利益増加はあったものの、サプライチェーンの混乱及び需給バランスの悪化に加え、地政学リスクの高まりによる原油価格の上昇などにより印刷インキの原材料高が一段と進行したことや米州及び欧州で物価の上昇による経費の増加があったことなどから、営業利益は14億9千5百万円(前年同期比46.0%減少)となりました。経常利益は前年同期に発生した為替差損が為替差益に転じたことなどから、22億5千2百万円(前年同期比21.0%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、13億9千2百万円(前年同期比24.1%減少)となりました。
(参考)USドルの期中平均為替レート
第1四半期 連結会計期間 | |
2022年12月期 | 116.20円 |
2021年12月期 | 105.90円 |
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(単位:百万円) |
売上高 | 営業利益又は営業損失(△) | ||||||||
前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | (※)実質 | 前期 | 当期 | 増減額 | 増減率 | |
印刷インキ・ 機材(日本) | 11,713 | 11,980 | 266 | 2.3% | 2.3% | 398 | 90 | △308 | △77.4% |
印刷インキ (アジア) | 8,832 | 10,605 | 1,773 | 20.1% | 11.1% | 687 | 417 | △269 | △39.2% |
印刷インキ (米州) | 12,676 | 16,275 | 3,599 | 28.4% | 16.2% | 988 | 538 | △449 | △45.5% |
印刷インキ (欧州) | 3,876 | 4,373 | 496 | 12.8% | 9.1% | 57 | △109 | △166 | - |
機能性材料 | 3,346 | 3,707 | 360 | 10.8% | 6.7% | 427 | 439 | 12 | 2.9% |
報告セグメント計 | 40,445 | 46,942 | 6,497 | 16.1% | 9.6% | 2,558 | 1,377 | △1,180 | △46.2% |
その他 | 5,066 | 3,632 | △1,433 | △28.3% | △28.3% | 150 | 118 | △32 | △21.4% |
調整額 | △2,288 | △1,566 | 721 | - | - | 63 | 0 | △63 | - |
合計 | 43,223 | 49,008 | 5,784 | 13.4% | 7.4% | 2,772 | 1,495 | △1,276 | △46.0% |
(※)実質増減率:海外連結子会社の為替換算の影響を除いた増減率
印刷インキ・機材(日本)
パッケージ関連では、変異株による感染拡大により外出を控える動きも見られたものの、グラビアインキは内食関連の需要にも支えられ前年同期を上回りました。フレキソインキは通販や加工食品関係が堅調であったことや、底堅い家飲み需要に支えられ前年同期を上回りました。印刷情報関連では、デジタル化の影響に加え、感染症の影響による広告需要の低迷が続いていることなどから、新聞インキ、オフセットインキともに前年同期を下回りました。以上のことから、印刷インキ全体では前年同期を上回りました。機材につきましては、印刷製版用材料、機械販売ともに販売が低調であったことから、前年同期を下回りました。これらの結果、売上高は119億8千万円(前年同期比2.3%増加)となりました。
利益面では、パッケージ関連で販売価格の改定が寄与したものの、印刷情報関連の印刷インキ及び機材販売が低調に推移したことに加え、原材料高が一段と進んだことなどから、営業利益は9千万円(前年同期比77.4%減少)となりました。
印刷インキ(アジア)
主力であるパッケージ関連のグラビアインキは、インドネシア、インド、ベトナム、タイなどで拡販が進みました。印刷情報関連では、インドで感染症の影響による需要減からの回復が続くなど、全体として拡販が進みました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから106億5百万円(前年同期比20.1%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果は寄与したものの、原材料高の影響が一層顕著となったことなどから営業利益は4億1千7百万円(前年同期比39.2%減少)となりました。
印刷インキ(米州)
主力のパッケージ関連では、旺盛な需要を背景として、フレキソインキ及びグラビアインキが堅調に推移しました。メタルインキは環境負荷の観点からアルミ缶に対する需要が高まっており、好調に推移しました。印刷情報関連であるオフセットインキは、UVインキなどが堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことや円安による為替換算の影響を受けたことなどから、162億7千5百万円(前年同期比28.4%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、感染症などの影響に伴う物流の停滞及び需給バランスの悪化による原材料高が続いたことに加え、輸送コストの急激な増加や人件費の増加など、全般的に経費が増加したこともあり、営業利益は5億3千8百万円(前年同期比45.5%減少)となりました。
印刷インキ(欧州)
パッケージ関連を中心として拡販に取り組んだ結果、販売は堅調に推移しました。売上高は、販売数量が増加したことに加え、販売価格の改定が進んだことなどから、43億7千3百万円(前年同期12.8%増加)となりました。
利益面では、販売数量の増加や販売価格の改定効果が寄与したものの、原材料高の影響に加え、輸送コストや、電気・ガスといったユーティリティコストなどの経費が増加したことにより1億9百万円の営業損失(前年同期は5千7百万円の営業利益)となりました。
機能性材料
インクジェットインキ及びカラーフィルター用顔料分散液は、販売が堅調に推移し、前年同期を上回りました。トナーは、海外向けの販売が好調に推移したことなどから、前年同期を上回りました。これらの結果、売上高は37億7百万円(前年同期比10.8%増加)となりました。
利益面では、原材料高の影響を受けたものの、デジタル印刷材料の販売が全般的に増加したことなどから、営業利益は4億3千9百万円(前年同期比2.9%増加)となりました。
(2)財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したものの、売上高の増加に伴う売上債権や棚卸資産の増加、有形固定資産の増加に加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比94億4千7百万円(5.7%)増加の1,763億4千6百万円となりました。
負債は、仕入債務が減少したものの、借入金が増加したことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、前連結会計年度末比45億5千4百万円(6.1%)増加の789億8千9百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の増加に加え、その他の包括利益累計額が増加したことなどから、前連結会計年度末比48億9千2百万円(5.3%)増加の973億5千7百万円となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)当面の対処すべき課題の内容
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
2)株式会社の支配に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の株式会社の支配に関する基本方針について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は9億8千1百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備の計画
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は、次の通りであります。
2022年3月31日現在 |
会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金調達 方法 | 着手及び完了予定 | ||
総額 | 既支払額 | 着手 | 完了 | |||||
SAKATA INX VIETNAM CO.,LTD. | ハノイ工場 (BAC NINH,VIETNAM) | 印刷インキ(アジア) | 製造設備 | 百万VND 172,638 | 百万VND - | 自己資金 | 2022年 8月 | 2023年 8月 |
(注)完成後の生産能力については合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。