有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の連結業績は、次のとおりであります。
<連結業績(コアベース)>(単位:億円)
(注)当社グループは、経常的な収益性を示す指標として、営業利益から一過性の収益・費用を除外したコア営業利益を開示しております。一過性の収益・費用には、固定資産売却損益、事業再編に伴う損益(開発品や上市製品の売却損益を除く)、有形固定資産及び無形資産並びにのれんに係る減損損失、損害賠償や和解等に伴う損益の他、非経常的かつ多額の損益が含まれます。
本表では、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費について、一過性の収益・費用を除く実績を示しております。
<主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)>
売上収益
売上収益は、前連結会計年度比2,368億円(12.6%)増収の2兆1,230億円となりました。グローバル主力品エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン:T-DXd/DS-8201)等の伸長及びダトロウェイ(一般名:ダトポタマブ デルクステカン:Dato-DXd/DS-1062)の売上寄与に加えて、円安の進行による為替の増収影響等により、増収となりました。売上収益に係る為替の増収影響は218億円でありました。
コア営業利益
コア営業利益は、前連結会計年度比471億円(15.1%)増益の3,600億円となりました。売上原価は、売上収益の増加に伴い、256億円(6.2%)増加の4,413億円となりました。販売費及び一般管理費は、アストラゼネカとのプロフィット・シェアの増加による費用増等により、1,348億円(18.6%)増加の8,596億円となりました。研究開発費は、5DXd ADCs(トラスツズマブ デルクステカン、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402、イフィナタマブ デルクステカン:I-DXd/DS-7300、ラルドタツグ デルクステカン:R-DXd/DS-6000)及びDS-3939への研究開発投資の増加等により、前連結会計年度比293億円(6.8%)増加の4,621億円となりました。コア営業利益に係る為替の増益影響は147億円でありました。
営業利益
営業利益は、前連結会計年度比1,028億円(31.0%)減益の2,291億円となりました。当期に製造委託先への損失補償等を一過性の費用に計上したことにより、減益となりました。
税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度比922億円(25.9%)減益の2,634億円となりました。為替差損益の改善等により、金融収支が改善したため、営業利益に比べて減益額が縮小いたしました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比359億円(12.1%)減益の2,599億円となりました。法人税等の減少により、税引前利益に比べて減益額が縮小いたしました。
当期包括利益合計額
当期包括利益合計額は、海外子会社の純資産に係る為替換算差額が増加したこと等により、前連結会計年度比201億円(6.9%)増益の3,099億円となりました。
<連結業績(IFRSベース)>(単位:億円)
<グローバル主力品売上収益>(単位:億円)
エンハーツは、既上市国での市場浸透及び上市国の拡大により、前連結会計年度比1,681億円(25.8%)増収の8,195億円となりました。エドキサバンは、日本、欧州等で売上が伸長し、前連結会計年度比237億円(6.9%)増収の3,677億円となりました。
当社グループのユニット別売上収益状況は次のとおりであります。
① ジャパンビジネスユニット(JBU)
ジャパンビジネスユニットの売上収益には、イノベーティブ医薬品事業及びワクチン事業の製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、ダトロウェイ、タリージェ、リクシアナ、エンハーツ等の伸長により、前連結会計年度比89億円(1.9%)増収の4,858億円となりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年8月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性(HER2遺伝子増幅 又は IHC 3+)の進行・再発の固形がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療への使用を可能とする添付文書を改訂し、プロモーションを開始いたしました。
<ジャパンビジネスユニット主力品売上収益>(単位:億円)
② 第一三共ヘルスケアユニット(DSHCU)
第一三共ヘルスケアユニットの売上収益は、クリーンデンタル、ロキソニン等の伸長により、前連結会計年度比41億円(4.7%)増収の907億円となりました。
③ オンコロジービジネスユニット(OBU)
オンコロジービジネスユニットの売上収益には、第一三共Inc.(米国)及び第一三共ヨーロッパGmbHのがん製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、欧米におけるエンハーツ等の伸長及びダトロウェイの売上寄与により、前連結会計年度比1,450億円(31.3%)増収の6,088億円、現地通貨ベースでは、998百万米ドル(32.8%)増収の4,038百万米ドルとなりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年6月、欧州においてダトロウェイ(適応:内分泌療法及び化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性(IHC 0, IHC 1+ 又は IHC 2+/ISH-)の乳がん)を発売いたしました。
・2025年6月、ダトロウェイのEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんを対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2025年12月、ペルツズマブとの併用療法についてHER2陽性乳がんの1次治療を対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
<オンコロジービジネスユニット主力品売上収益>(単位:億円)
④ アメリカンリージェントユニット(ARU)
アメリカンリージェントユニットの売上収益はヴェノファー、インジェクタファー等の減収により、前連結会計年度比350億円(16.1%)減収の1,822億円、現地通貨ベースでは、215百万米ドル(15.1%)減収の1,208百万米ドルとなりました。
<アメリカンリージェントユニット主力品売上収益>(単位:億円)
⑤ EUスペシャルティビジネスユニット(EUSBU)
EUスペシャルティビジネスユニットの売上収益には、がん製品を除く第一三共ヨーロッパGmbHの製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、Nilemdo/Nustendi等の伸長により、前連結会計年度比391億円(16.5%)増収の2,766億円、現地通貨ベースでは132百万ユーロ(9.1%)増収の1,582百万ユーロとなりました。
(単位:億円)
⑥ ASCAビジネスユニット(ASCABU)
ASCA(注)ビジネスユニットの売上収益には、海外ライセンシーへの売上収益等が含まれております。
当ユニットの売上収益は、中国、ブラジルにおけるエンハーツの伸長等により、前連結会計年度比398億円(18.8%)増収の2,510億円となりました。
(注)Asia, South & Central Americaの略。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年12月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんを対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年1月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性早期乳がんの術前療法を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
ユニット別売上収益構成比は次のとおりであります。

(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.生産実績について、集計方法に一部誤りがあったため、当連結会計年度より見直ししております。これに伴い、前連結会計年度についても再集計のうえ、前年同期比を算出しております。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは新たに「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」となることを2035年ビジョンとして掲げました。2030年目標である「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を実現し、効率的かつ強靭な組織を構築することで、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTs(注1)を特定し、信頼されるヘルスケア・イノベーターの実現に向けたステージへの移行を可能とするべく、第6期中期経営計画(2026~2030年度)を策定いたしました。2030年度計数目標として、売上収益3兆円以上、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上を目指します。また、期間中のキャッシュ・アロケーションについては、成長投資と株主還元の双方をバランス良く実施することを基本方針としております。
成長投資については、5年間総額2兆9,000億円規模の研究開発投資、また、供給体制強化を中心とした同じく7,000億円規模の設備投資を実施する計画としております。
株主還元については、2025年度はエンハーツ等を中心に業績が好調に推移していることから、年間配当を1株当たり18円増配の78円とし、また、株主還元の強化・充実を図るため、自己株式取得枠(取得総額2,000億円又は取得株数8,000万株を上限)を設定し、以下のとおり、自己株式の取得を実施いたしました。なお、取得した全株式を2026年6月10日に消却いたしました。
また、第6期中期経営計画においては、累進配当及び各年度の調整後DOE(注2)10.0%以上を目標に掲げ、安定的な株主還元を行う方針としております。2026年度については年間配当を1株当たり22円増配の100円とする計画としております。成長投資及び累進配当の株主還元方針を優先しながらも、状況に応じ、機動的に自己株式取得を実施することで、引き続き株主価値の最大化を目指します。
(注)1.Breakthrough Generating Technologyの略。より革新的な医薬品を患者さんに迅速に届けるための第一三共独自の創薬技術
2.株主資本から「その他の資本の構成要素(主に株価・為替により変動する項目)」を除いた「調整後株主資本」をもとに算出したDOE
② 資金調達の方法及び状況
当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本的な考えとしており、手元資金及び外部資金を有効に活用しております。当社グループは、戦略的投資もしくは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、手元流動性残高(現預金及び短期投資債券等)から有利子負債を控除した、ネット・キャッシュを重視しております。
手元資金としては、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。適正な現金及び現金同等物の保有額は、月商の3ヶ月程度を考えており、これを超える部分については企業価値向上に資する事業戦略投資の資金として確保しております。これらは金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の極めて高い短期金融商品で運用しております。
外部からの資金調達については、直接金融又は間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境を考慮した上で当社にとって有利なものを機動的に選択しております。直接金融としては、国内社債発行登録枠として4,000億円及びコマーシャル・ペーパー発行枠として1,500億円を有しております。2016年には超低金利の環境を活かし償還年限が20年、30年の超長期無担保社債を計1,000億円、2025年には償還年限が最短3年、最長10年の無担保社債を計2,000億円発行しました。間接金融としては、当社は当期末時点で金融機関借入はございませんが、取引先金融機関とは引き続き良好な取引関係を維持しております。また、複数の銀行との間で当座貸越契約を設定し、緊急時の流動性担保の手段も確保しております。
なお、円滑な外部資金調達を行うため、当社は株式会社格付投資情報センター(R&I)と、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)の2社から格付を取得しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりであります。
なお、連結子会社は、原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、親会社もしくは現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスやグループ・ファイナンスの活用により、資金調達の集約と資金効率化、流動性の確保を図っております。
③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
(ⅰ)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末から5,493億円増加し、4兆54億円となりました。現金及び現金同等物が1,900億円減少した一方で、棚卸資産が1,775億円、繰延税金資産が1,603億円、並びに営業債権及びその他の債権が1,220億円それぞれ増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末から5,085億円増加し、2兆3,412億円となりました。その他の非流動負債が165億円減少した一方で、社債及び借入金(非流動負債)が1,991億円、及び引当金(非流動負債)が1,515億円増加いたしました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末から408億円増加し、1兆6,642億円となりました。自己株式の取得(4,720万株、1,505億円)及び配当金の支払いによる減少等があった一方で、当期利益の計上による増加等により増加いたしました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は41.5%となり、前連結会計年度末より5.4%減少いたしました。
第6期中期経営計画においては、成長投資と株主還元へのバランスを重視したキャッシュ・アロケーションを行う方針であります。成長投資として、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTsを特定するための研究開発、設備投資を優先し、株主還元としては累進配当を導入し、安定的な配当を行って参ります。
(ⅱ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,509億円減少の4,890億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、777億円の収入(前連結会計年度は538億円の収入)となりました。税引前利益2,634億円、減価償却費及び償却費775億円等の非資金項目の他、ラルドタツグ デルクステカン(R-DXd/DS-6000)の戦略的提携の契約一時金の収入があった一方で、運転資金の増加等がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,482億円の支出(前連結会計年度は3,342億円の収入)となりました。投資の売却や定期預金の払戻による収入があった一方で、定期預金の預入や設備投資による支出等がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得、及び配当金の支払等により、979億円の支出(前連結会計年度は3,778億円の支出)となりました。

(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年度における計数目標として、売上収益3兆円以上(うち、がん領域において2兆3,000億円以上)、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上、株主資本配当率(調整後DOE)10%以上を目指しております。
当連結会計年度においては、売上収益2兆1,230億円、営業利益2,291億円、EPS140.4円、DOE8.7%となりました。
なお、目標達成に向けた主な取組課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり行った重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の連結業績は、次のとおりであります。
<連結業績(コアベース)>(単位:億円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | ||
| 売上収益 | 18,863 | 21,230 | 2,368 12.6% | |
| 売上原価 | (注) | 4,157 | 4,413 | 256 6.2% |
| 販売費及び一般管理費 | (注) | 7,248 | 8,596 | 1,348 18.6% |
| 研究開発費 | (注) | 4,329 | 4,621 | 293 6.8% |
| コア営業利益 | (注) | 3,128 | 3,600 | 471 15.1% |
| 一過性の収益 | (注) | 222 | 221 | △1 △0.3% |
| 一過性の費用 | (注) | 31 | 1,530 | 1,499 - |
| 営業利益 | 3,319 | 2,291 | △1,028 △31.0% | |
| 税引前利益 | 3,556 | 2,634 | △922 △25.9% | |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 2,958 | 2,599 | △359 △12.1% | |
| 当期包括利益合計額 | 2,898 | 3,099 | 201 6.9% | |
(注)当社グループは、経常的な収益性を示す指標として、営業利益から一過性の収益・費用を除外したコア営業利益を開示しております。一過性の収益・費用には、固定資産売却損益、事業再編に伴う損益(開発品や上市製品の売却損益を除く)、有形固定資産及び無形資産並びにのれんに係る減損損失、損害賠償や和解等に伴う損益の他、非経常的かつ多額の損益が含まれます。
本表では、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費について、一過性の収益・費用を除く実績を示しております。
<主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)>
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 米ドル/円 | 152.57 | 150.78 |
| ユーロ/円 | 163.74 | 174.79 |
売上収益
売上収益は、前連結会計年度比2,368億円(12.6%)増収の2兆1,230億円となりました。グローバル主力品エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン:T-DXd/DS-8201)等の伸長及びダトロウェイ(一般名:ダトポタマブ デルクステカン:Dato-DXd/DS-1062)の売上寄与に加えて、円安の進行による為替の増収影響等により、増収となりました。売上収益に係る為替の増収影響は218億円でありました。
コア営業利益
コア営業利益は、前連結会計年度比471億円(15.1%)増益の3,600億円となりました。売上原価は、売上収益の増加に伴い、256億円(6.2%)増加の4,413億円となりました。販売費及び一般管理費は、アストラゼネカとのプロフィット・シェアの増加による費用増等により、1,348億円(18.6%)増加の8,596億円となりました。研究開発費は、5DXd ADCs(トラスツズマブ デルクステカン、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402、イフィナタマブ デルクステカン:I-DXd/DS-7300、ラルドタツグ デルクステカン:R-DXd/DS-6000)及びDS-3939への研究開発投資の増加等により、前連結会計年度比293億円(6.8%)増加の4,621億円となりました。コア営業利益に係る為替の増益影響は147億円でありました。
営業利益
営業利益は、前連結会計年度比1,028億円(31.0%)減益の2,291億円となりました。当期に製造委託先への損失補償等を一過性の費用に計上したことにより、減益となりました。
税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度比922億円(25.9%)減益の2,634億円となりました。為替差損益の改善等により、金融収支が改善したため、営業利益に比べて減益額が縮小いたしました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比359億円(12.1%)減益の2,599億円となりました。法人税等の減少により、税引前利益に比べて減益額が縮小いたしました。
当期包括利益合計額
当期包括利益合計額は、海外子会社の純資産に係る為替換算差額が増加したこと等により、前連結会計年度比201億円(6.9%)増益の3,099億円となりました。
<連結業績(IFRSベース)>(単位:億円)
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |
| 売上収益 | 18,863 | 21,230 | 2,368 12.6% |
| 売上原価 | 4,158 | 6,690 | 2,532 60.9% |
| 販売費及び一般管理費 | 7,312 | 7,806 | 495 6.8% |
| 研究開発費 | 4,360 | 4,660 | 300 6.9% |
| その他の収益 | 287 | 221 | △66 △23.1% |
| その他の費用 | 1 | 3 | 2 201.1% |
| 営業利益 | 3,319 | 2,290 | △1,028 △31% |
| 税引前利益 | 3,556 | 2,634 | △922 △25.9% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 2,958 | 2,598 | △359 △12.1% |
| 当期包括利益合計額 | 2,898 | 3,099 | 201 6.9% |
<グローバル主力品売上収益>(単位:億円)
| 一般名 (主な製品名) | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 |
| トラスツズマブ デルクステカン (エンハーツ) 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体) | 6,514 | 8,195 | 1,681 25.8% |
| エドキサバン (リクシアナ) 抗凝固剤 | 3,440 | 3,677 | 237 6.9% |
エンハーツは、既上市国での市場浸透及び上市国の拡大により、前連結会計年度比1,681億円(25.8%)増収の8,195億円となりました。エドキサバンは、日本、欧州等で売上が伸長し、前連結会計年度比237億円(6.9%)増収の3,677億円となりました。
当社グループのユニット別売上収益状況は次のとおりであります。
① ジャパンビジネスユニット(JBU)
ジャパンビジネスユニットの売上収益には、イノベーティブ医薬品事業及びワクチン事業の製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、ダトロウェイ、タリージェ、リクシアナ、エンハーツ等の伸長により、前連結会計年度比89億円(1.9%)増収の4,858億円となりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年8月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性(HER2遺伝子増幅 又は IHC 3+)の進行・再発の固形がんの承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療への使用を可能とする添付文書を改訂し、プロモーションを開始いたしました。
<ジャパンビジネスユニット主力品売上収益>(単位:億円)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 |
| リクシアナ 抗凝固剤 | 1,330 | 1,418 | 87 6.6% |
| タリージェ 疼痛治療剤 | 556 | 654 | 97 17.5% |
| プラリア 骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制剤 | 422 | 458 | 35 8.3% |
| エンハーツ 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体) | 310 | 377 | 66 21.4% |
| エフィエント 抗血小板剤 | 315 | 352 | 37 11.7% |
| ビムパット 抗てんかん剤 | 304 | 285 | △19 △6.2% |
| ランマーク がん骨転移による骨病変治療剤 | 201 | 195 | △6 △3.1% |
| ベルソムラ 不眠症治療薬 | 99 | 186 | 87 87.9% |
| カナリア 2型糖尿病治療剤 | 156 | 145 | △10 △6.6% |
| ダトロウェイ 抗悪性腫瘍剤 (抗TROP2抗体薬物複合体) | 3 | 131 | 128 - |
| エムガルティ 片頭痛発作の発症抑制薬 | 107 | 128 | 21 19.4% |
| ロキソニン 消炎鎮痛剤 | 123 | 119 | △5 △3.7% |
| ミネブロ 高血圧症治療剤 | 96 | 111 | 14 14.9% |
| イナビル 抗インフルエンザウイルス薬 | 199 | 16 | △183 △92.0% |
② 第一三共ヘルスケアユニット(DSHCU)
第一三共ヘルスケアユニットの売上収益は、クリーンデンタル、ロキソニン等の伸長により、前連結会計年度比41億円(4.7%)増収の907億円となりました。
③ オンコロジービジネスユニット(OBU)
オンコロジービジネスユニットの売上収益には、第一三共Inc.(米国)及び第一三共ヨーロッパGmbHのがん製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、欧米におけるエンハーツ等の伸長及びダトロウェイの売上寄与により、前連結会計年度比1,450億円(31.3%)増収の6,088億円、現地通貨ベースでは、998百万米ドル(32.8%)増収の4,038百万米ドルとなりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年6月、欧州においてダトロウェイ(適応:内分泌療法及び化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性(IHC 0, IHC 1+ 又は IHC 2+/ISH-)の乳がん)を発売いたしました。
・2025年6月、ダトロウェイのEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんを対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2025年12月、ペルツズマブとの併用療法についてHER2陽性乳がんの1次治療を対象とした米国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
<オンコロジービジネスユニット主力品売上収益>(単位:億円)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |
| エンハーツ 抗悪性腫瘍剤 (抗 HER2 抗体薬物複合体) | 4,516 | 5,611 | 1,095 24.2% | |
| エンハーツ(米) | 3,020 | 3,863 | 842 27.9% | |
| エンハーツ(欧) | 1,496 | 1,748 | 252 16.9% | |
| ダトロウェイ 抗悪性腫瘍剤 (抗 TROP2 抗体薬物複合体) | 11 | 344 | 333 - | |
| ダトロウェイ(米) | 11 | 332 | 321 - | |
| ダトロウェイ(欧) | - | 12 | 12 - | |
| ヴァンフリタ 抗悪性腫瘍剤 (FLT3阻害剤) | 45 | 82 | 36 79.8% | |
| TURALIO 抗腫瘍剤 | 66 | 52 | △14 △21.3% | |
④ アメリカンリージェントユニット(ARU)
アメリカンリージェントユニットの売上収益はヴェノファー、インジェクタファー等の減収により、前連結会計年度比350億円(16.1%)減収の1,822億円、現地通貨ベースでは、215百万米ドル(15.1%)減収の1,208百万米ドルとなりました。
<アメリカンリージェントユニット主力品売上収益>(単位:億円)
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 |
| インジェクタファー 鉄欠乏性貧血治療剤 | 534 | 439 | △95 △17.8% |
| ヴェノファー 鉄欠乏性貧血治療剤 | 620 | 438 | △181 △29.2% |
⑤ EUスペシャルティビジネスユニット(EUSBU)
EUスペシャルティビジネスユニットの売上収益には、がん製品を除く第一三共ヨーロッパGmbHの製品売上収益が含まれております。
当ユニットの売上収益は、Nilemdo/Nustendi等の伸長により、前連結会計年度比391億円(16.5%)増収の2,766億円、現地通貨ベースでは132百万ユーロ(9.1%)増収の1,582百万ユーロとなりました。
| 製品名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 |
| リクシアナ 抗凝固剤 | 1,790 | 1,930 | 140 7.8% |
| Nilemdo / Nustendi 高コレステロール血症治療剤 | 369 | 627 | 258 69.8% |
| オルメサルタン 高血圧症治療剤 | 183 | 183 | 0 0.2% |
⑥ ASCAビジネスユニット(ASCABU)
ASCA(注)ビジネスユニットの売上収益には、海外ライセンシーへの売上収益等が含まれております。
当ユニットの売上収益は、中国、ブラジルにおけるエンハーツの伸長等により、前連結会計年度比398億円(18.8%)増収の2,510億円となりました。
(注)Asia, South & Central Americaの略。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2025年12月、エンハーツの化学療法未治療のHER2低発現又はHER2超低発現の乳がんを対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年1月、エンハーツのHER2陽性胃がんの2次治療を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
・2026年3月、エンハーツのHER2陽性早期乳がんの術前療法を対象とした中国における承認を取得し、プロモーションを開始いたしました。
ユニット別売上収益構成比は次のとおりであります。

(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品事業 | 1,267,455 | 110.3 |
| 合計 | 1,267,455 | 110.3 |
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.生産実績について、集計方法に一部誤りがあったため、当連結会計年度より見直ししております。これに伴い、前連結会計年度についても再集計のうえ、前年同期比を算出しております。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品事業 | 2,123,045 | 112.6 |
| 合計 | 2,123,045 | 112.6 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| マッケソン社 | 203,461 | 10.8 | 269,418 | 12.7 |
| センコラ社 | 207,389 | 11.0 | 251,034 | 11.8 |
| アルフレッサ ホールディングス 株式会社及びそのグループ会社 | 221,814 | 11.8 | 232,433 | 10.9 |
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは新たに「Trusted healthcare innovator transforming the lives of people through our science and technology」となることを2035年ビジョンとして掲げました。2030年目標である「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を実現し、効率的かつ強靭な組織を構築することで、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTs(注1)を特定し、信頼されるヘルスケア・イノベーターの実現に向けたステージへの移行を可能とするべく、第6期中期経営計画(2026~2030年度)を策定いたしました。2030年度計数目標として、売上収益3兆円以上、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上を目指します。また、期間中のキャッシュ・アロケーションについては、成長投資と株主還元の双方をバランス良く実施することを基本方針としております。
成長投資については、5年間総額2兆9,000億円規模の研究開発投資、また、供給体制強化を中心とした同じく7,000億円規模の設備投資を実施する計画としております。
株主還元については、2025年度はエンハーツ等を中心に業績が好調に推移していることから、年間配当を1株当たり18円増配の78円とし、また、株主還元の強化・充実を図るため、自己株式取得枠(取得総額2,000億円又は取得株数8,000万株を上限)を設定し、以下のとおり、自己株式の取得を実施いたしました。なお、取得した全株式を2026年6月10日に消却いたしました。
| 取得期間 | 取得総額 | 取得株数 | |
| 2025年4月決議 | 2025年5月1日~2026年3月24日 | 918億円 | 3,146万株 |
また、第6期中期経営計画においては、累進配当及び各年度の調整後DOE(注2)10.0%以上を目標に掲げ、安定的な株主還元を行う方針としております。2026年度については年間配当を1株当たり22円増配の100円とする計画としております。成長投資及び累進配当の株主還元方針を優先しながらも、状況に応じ、機動的に自己株式取得を実施することで、引き続き株主価値の最大化を目指します。
(注)1.Breakthrough Generating Technologyの略。より革新的な医薬品を患者さんに迅速に届けるための第一三共独自の創薬技術
2.株主資本から「その他の資本の構成要素(主に株価・為替により変動する項目)」を除いた「調整後株主資本」をもとに算出したDOE
② 資金調達の方法及び状況
当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本的な考えとしており、手元資金及び外部資金を有効に活用しております。当社グループは、戦略的投資もしくは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、手元流動性残高(現預金及び短期投資債券等)から有利子負債を控除した、ネット・キャッシュを重視しております。
手元資金としては、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。適正な現金及び現金同等物の保有額は、月商の3ヶ月程度を考えており、これを超える部分については企業価値向上に資する事業戦略投資の資金として確保しております。これらは金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の極めて高い短期金融商品で運用しております。
外部からの資金調達については、直接金融又は間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境を考慮した上で当社にとって有利なものを機動的に選択しております。直接金融としては、国内社債発行登録枠として4,000億円及びコマーシャル・ペーパー発行枠として1,500億円を有しております。2016年には超低金利の環境を活かし償還年限が20年、30年の超長期無担保社債を計1,000億円、2025年には償還年限が最短3年、最長10年の無担保社債を計2,000億円発行しました。間接金融としては、当社は当期末時点で金融機関借入はございませんが、取引先金融機関とは引き続き良好な取引関係を維持しております。また、複数の銀行との間で当座貸越契約を設定し、緊急時の流動性担保の手段も確保しております。
なお、円滑な外部資金調達を行うため、当社は株式会社格付投資情報センター(R&I)と、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)の2社から格付を取得しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりであります。
| 格付会社 | 長期格付け | 短期格付け |
| 格付投資情報センター(R&I) | AA/安定的 | a-1+ |
| ムーディーズ・ジャパン(Moody's) | A2/安定的 | - |
なお、連結子会社は、原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、親会社もしくは現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスやグループ・ファイナンスの活用により、資金調達の集約と資金効率化、流動性の確保を図っております。
③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
(ⅰ)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末から5,493億円増加し、4兆54億円となりました。現金及び現金同等物が1,900億円減少した一方で、棚卸資産が1,775億円、繰延税金資産が1,603億円、並びに営業債権及びその他の債権が1,220億円それぞれ増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末から5,085億円増加し、2兆3,412億円となりました。その他の非流動負債が165億円減少した一方で、社債及び借入金(非流動負債)が1,991億円、及び引当金(非流動負債)が1,515億円増加いたしました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末から408億円増加し、1兆6,642億円となりました。自己株式の取得(4,720万株、1,505億円)及び配当金の支払いによる減少等があった一方で、当期利益の計上による増加等により増加いたしました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は41.5%となり、前連結会計年度末より5.4%減少いたしました。
第6期中期経営計画においては、成長投資と株主還元へのバランスを重視したキャッシュ・アロケーションを行う方針であります。成長投資として、がん事業を拡大するとともに、持続的成長に向けた新たなBGTsを特定するための研究開発、設備投資を優先し、株主還元としては累進配当を導入し、安定的な配当を行って参ります。(ⅱ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,509億円減少の4,890億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、777億円の収入(前連結会計年度は538億円の収入)となりました。税引前利益2,634億円、減価償却費及び償却費775億円等の非資金項目の他、ラルドタツグ デルクステカン(R-DXd/DS-6000)の戦略的提携の契約一時金の収入があった一方で、運転資金の増加等がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,482億円の支出(前連結会計年度は3,342億円の収入)となりました。投資の売却や定期預金の払戻による収入があった一方で、定期預金の預入や設備投資による支出等がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があった一方で、自己株式の取得、及び配当金の支払等により、979億円の支出(前連結会計年度は3,778億円の支出)となりました。

(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年度における計数目標として、売上収益3兆円以上(うち、がん領域において2兆3,000億円以上)、営業利益6,000億円以上、EPS260円以上、株主資本配当率(調整後DOE)10%以上を目指しております。
当連結会計年度においては、売上収益2兆1,230億円、営業利益2,291億円、EPS140.4円、DOE8.7%となりました。
なお、目標達成に向けた主な取組課題と実績については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり行った重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。