有価証券報告書-第161期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/16 13:48
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178項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業業績の回復などを背景に緩やかな回復基調となりました。一方で、さまざまな社会情勢を背景とする物価上昇などにより個人消費は力強さに欠け、年度後半には米国の通商政策による混乱など、依然として先行きが見通せない状況となっております。
当社グループの事業と関連性の深い建設業界では、大阪・関西万博の開催が控える中、訪日外国人客数の回復による店舗・宿泊施設向け需要や職場環境の改善志向を背景とするオフィスリニューアル需要が堅調に推移しました。一方、建設コストの高止まりや人手不足による供給制約などが相俟って、住宅・非住宅を問わず建築着工量は弱含みで推移し、今後の需要動向も楽観の許されない状況となっております。
このような経営環境の下、当社グループは長期ビジョンの実現に向けた4ヶ年(2022年3月期~2025年3月期)の中期経営計画『SHINKA Plus ONE』を推進しました。『SHINKA Plus ONE』では、3大設備投資案件(カーペット用ナイロン紡糸設備・タイルカーペットリサイクルプラント・広化東リフロア新3号ライン)を中心とする成長戦略を展開し、新製品開発力の強化並びに製造原価の低減、安定供給体制の構築、環境負荷低減への取り組みなど、様々な実行戦略を推進いたしました。その結果、最終年度となる当期は、中期経営指標の全5項目(連結売上高1,000億円以上、連結営業利益40億円以上、連結ROE7.0%以上、リサイクル率85%以上、産業廃棄物排出量40%以上削減 ※2019年度比)を達成しました。一方で、減価償却費を上回るコストダウンの実現や国内市場におけるシェアの向上、グローバル事業の拡大など、『SHINKA Plus ONE』において達成途上にあるテーマは、2026年3月期よりスタートする新中期経営計画『SHINKA Plus ONE 2.0』においてその取り組みを深め、さらなる進化を目指してまいります。
これらの結果、当連結会計年度における連結売上高は105,709百万円(前期比3.2%増)となりました。利益面では、製造原価の低減や販管費の縮減に努めてまいりましたが、各種原材料価格の上昇、並びに人件費や製品の大型改廃に伴う販売促進費の増加などにより、営業利益は4,376百万円(前期比12.1%減)、経常利益は4,665百万円(前期比11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,507百万円(前期比4.9%減)となりました。
⦅プロダクト事業⦆
プロダクト事業におきましては、当期に新発売した高付加価値製品を中心に販促活動に注力いたしました。また、各種原材料価格や物流費の上昇などを背景に一部製品の上代価格改定(2024年12月)を実施し、収益改善にも努めました。
ビニル系床材では、当期に発売したワックスメンテナンスが長期間不要なビニル床シート見本帳「シートコレクションNW」や広化東リフロア新3号ラインを活用した防滑性ビニル床シート「NS800 ファイン・インレイド」(特許取得)を中心とした販促活動に注力いたしました。また、ピールアップ施工で既設の床に「重ねて貼れる」当社独自の住宅用床タイル「クラシアルタイル」を2024年12月に新発売するなど、ビニル系床材全体の売上高は前年を上回る結果となりました。
カーペットでは、大型設備投資(ナイロン紡糸設備・タイルカーペットリサイクルプラント)を活用した環境配慮型タイルカーペット「GA-3600 サスティブバック」や、中・高級グレードのロールカーペットが年度を通じて好調に推移したことに加え、7月に発売したグラフィックタイルカーペット「GXシリーズ」を中心とする販促活動に注力した結果、カーペット全体の売上高は前年を上回りました。
壁装材では、機能性を拡充した汎用タイプビニル壁紙「東リウォールVS」や全点不燃認定壁紙「DECOPOWER」などの主力シリーズを刷新しました。また、5月に発売した上質な空間を提供する新ブランド見本帳「TOLI GRAND WALL COLLECTION(TOLIグランウォールコレクション)」がお客様から高い評価を頂くなど、壁装材市場における競争力を高めた結果、壁装材全体の売上高は前年を上回りました。
カーテンでは、住宅向けカーテン「フフル」や教育・医療施設向けカーテン「コントラクトカーテン」の販促活動に注力しましたが、オーダーカーテン需要が弱含みで推移し、売上高は前年を下回りました。
これらの結果、プロダクト事業の売上高は63,905百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は2,942百万円(前期比16.9%減)となりました。
⦅インテリア卸及び工事事業⦆
インテリア卸及び工事事業では、国内建設業における時間外労働上限規制の適用や高止まりする建設コストへの対応など、生産性の向上と質の高いサービスへのニーズが高まる中、仕入れ価格の上昇に応じた販売価格への転嫁を進めつつ、東リブランド新製品を中心とするきめ細かい商品提案に注力し、売上高は前年を上回りました。
東璃(上海)貿易有限公司では、中国経済の低迷が長期化する中、各エリア代理店との連携や提案営業の強化に注力いたしました。住宅着工床面積の低迷や住宅価格が継続的に下落するなど厳しい市場環境が続きましたが、当期(2024年1月~12月)における同社の売上高は前年並みを維持しました。
また、北米市場の売上拡大を目指して7月に営業を開始した米国現地法人「TOLI North America Corporation」では、従来の東部・中部エリアに加えて西部エリアでの代理店開拓を推進し、北米市場におけるTOLIブランドの浸透に注力いたしました。
これらの結果、インテリア卸及び工事事業の売上高は68,121百万円(前期比2.1%増)、セグメント利益は2,241百万円(前期比14.8%増)となりました。
(注)セグメントの業績は、セグメント間の取引を含めて表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ1,434百万円減少し、8,026百万円(前期末9,460百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,469百万円の収入(前期 5,288百万円の収入)となりました。仕入債務の減少及び棚卸資産の増加等により、前期に比べ収入が減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,769百万円の支出(前期 3,895百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出の増加等により、前期に比べ支出が増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、842百万円の収入(前期 1,567百万円の支出)となりました。借入れによる収入の増加等により、前期の支出から収入へと転じております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)対前期増減率(%)
プロダクト事業52,6945.0
インテリア卸及び工事事業--
合計52,6945.0

(注)金額は販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)対前期増減率(%)
プロダクト事業7,3369.7
インテリア卸及び工事事業58,2561.5
内部取引消去△26,229△1.1
合計39,3644.9

(注)1 金額は仕入価格によっております。
2 セグメント間の取引を含めて表示しております。
c.受注実績
各事業は概ね見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)対前期増減率(%)
プロダクト事業63,9052.4
インテリア卸及び工事事業68,1212.1
内部取引消去△26,316△1.2
合計105,7093.2

(注)セグメント間の取引を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
<資 産>当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ193百万円減少し、52,734百万円となりました。これは主に、仕入債務の支払や有形固定資産の取得による支出に伴う現金及び預金の減少等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,407百万円増加し、41,329百万円となりました。これは主に、製造設備増強に伴い建設仮勘定や建物及び構築物が増加したことによるものです。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,213百万円増加し、94,063百万円となりました。
<負 債>当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,304百万円減少し、32,761百万円となりました。これは主に、仕入債務の支払等に伴う支払手形及び買掛金の減少によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,901百万円増加し、12,924百万円となりました。これは主に、長期借入金が増加したことによるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ597百万円増加し、45,685百万円となりました。
<純資産>当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,616百万円増加し、48,377百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
b.経営成績の分析
<売上高>当連結会計年度における売上高は、新設住宅着工戸数が弱含みで推移したことにより、新築住宅市場では販売数量ベースでやや厳しい状況が続きました。一方、旺盛なインバウンド需要を背景とする店舗・宿泊施設や、職場環境の改善志向によるオフィスリニューアルなどが好調に推移いたしました。そのような中、ビニル系床材やカーペット分野を中心として新製品を発売し、新製品発表会を始めとする対面での販促活動に注力したことに加え、2024年12月に一部製品の上代価格改定を実施したことにより売上高は伸長いたしました。
<利 益>利益面につきましては、当社グループの主要な原材料である塩ビ樹脂やナイロン原糸をはじめとする各種原材料価格やエネルギーコストの高止まり状況が続き、サプライチェーン全体における労務費が上昇するなど、事業活動におけるコスト上昇圧力がより強まることとなりました。そのような中、製造原価の低減、高付加価値製品や新製品を中心とする販促活動、一部製品の上代価格改定などにより収益改善に努めました。一方、減価償却費の上昇に加え、人手不足を背景とする物流コストの上昇や大型製品改廃に関わる販売促進費、人的投資にかかる人件費など、さまざまなコストが増加した結果、利益面では前年を下回りました。
なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
<今後の見通し>今後の見通しにつきましては、国内経済は緩やかな回復が期待される一方、継続的な物価上昇による個人消費への影響に加え、米国の通商政策や国際金融市場の動向等が経済社会全体へ与える影響は大きく、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
また、当社グループの事業環境は、住宅・非住宅共に新設の建築着工量は力強さに欠け、高止まりを続ける原材料価格やさまざまなコスト上昇圧力など、収益環境は依然楽観の許されない状況が続くと認識しております。
そのような中、新中期経営計画の初年度にあたる2026年3月期は、新製品を中心とする販促活動を推進し、インテリア事業のシェアアップによる売上拡大を目指してまいります。一方、利益面では、大型設備投資による製造原価低減や上代価格改定による収益改善を図るものの、一時的な減価償却費の上昇や大型の新製品改廃に伴う販売促進費、人的資本への投資など、成長戦略の実行に伴うさまざまな費用の増加を見込んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は次のとおりであります。
2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期
自己資本比率 (%)47.547.950.051.1
時価ベースの自己資本比率 (%)16.719.427.229.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)1.82.51.74.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍)81.556.582.234.4

(注) 自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、何れも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であり、これらの資金調達は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により行っております。また、当社と一部の関係会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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