有価証券報告書-第117期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界的に大規模な経済・社会活動の制限が実施され、当社グループも大きな影響を受けました。国内外の緊急事態宣言、ロックダウン等により、個人消費や企業収益の先行きは未だに不透明で、取り巻く事業環境も予断を許さない状況であります。
このような状況のなか、当社グループは中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」を推進し、重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいりました。
①中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出
・研究開発組織の再編
・スタートアップ企業との協業プログラム推進
・顧客課題に対する提案・新規創出営業の推進、グループ社内提案制度の活用
②グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
・日本本社(海外事業本部)、販売子会社NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.とあわせ、新たにNICHIBAN EUROPE GmbHを設立し、タイ(東南アジア・南アジア・中東地域)・ドイツ(欧州地域)を含む全世界に対する新規開拓活動の推進
・重点地域における戦略的パートナー探索・選別(業務提携・M&A)
③事業推進体制の見直しと収益改革
・不採算品の価格改定、物流コスト管理見直し
・SDGsへの取り組み・脱溶剤推進
④事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用
・戦略的データ活用と社内業務生産性向上に向けた、新基幹システムの導入開始
⑤将来の持続的成長を担う人財育成
・社員エンゲージメント向上・組織マネジメント力強化の取り組み推進
・中期人財育成体系の再整備
以上の取り組みを実施いたしました結果、売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるインバウンド需要の消失および在宅勤務の増加に伴うオフィス勤務等でのテープ需要低迷により、前年同期比5.8%減の415億2千8百万円となりました。
営業利益は、活動制限・自粛による旅費交通費および広告宣伝費の減少等の影響もあり、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上高の減少等により、前年同期比32.8%減の20億円となりました。
経常利益は、営業利益の減少により、前年同期比33.1%減の20億7千万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、これらの影響により、前年同期比22.9%減の13億5千万円となりました。
自己資本当期純利益率は前年同期比1.2ポイント低下の3.6%となりました。
(連結業績の概要)

(営業利益の増減)

(セグメント別売上高、前期比)

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
メディカル事業
(ヘルスケアフィールド)
ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、鎮痛消炎剤“ロイヒつぼ膏TM”シリーズのインバウンド需要が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により消失いたしましたが、テレビコマーシャルやキャンペーン等の販促活動を積極的に実施し、国内需要拡大に注力いたしました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズの売上は、テレビコマーシャルやキャンペーンの効果に加え、気温の低下やコロナ禍の消毒による手荒れ・あかぎれの増加により前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を大きく下回りました。
(医療材フィールド)
医療機関向け医療材料市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による来院患者数および手術件数の減少に伴い、医療機関向けの消耗品使用量が減少し、依然として厳しい販売環境でありました。また、医療機関への訪問や学会等の対面活動は依然として制限され、Web面談を活用し、従来の営業スタイルを変えての活動となりました。
このような状況のなか、止血製品シリーズ“セサブリックTM”の売上は、感染対策の増加に伴い、前年同期を上回り、フィールド全体としての売上は前年並みを維持いたしました。
以上の結果、ヘルスケアフィールドと医療材フィールドを合わせましたメディカル事業全体(海外事業を含む)の売上高は、176億9千2百万円(前期比10.3%減)となり、営業利益は、売上高の減少により固定費負担率が大きく上昇し、前年同期を大きく下回り、36億2千9百万円(前期比26.8%減)となりました。
(主要製品別 前期比推移)

テープ事業
(オフィスホームフィールド)
文具事務用品市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による在宅勤務の継続により、オフィス向け需要が減少を続けており、依然として厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、SDGsをキーワードに販売活動を推進し、キッチン雑貨ブランド“ディアキチTMワザアリTMテープ”シリーズの売上は、全国自治体の食品ロスイベントを通じて認知度を拡大したことにより、前年同期並みを維持いたしました。また、「セロテープⓇ」の売上は、官公庁等ユーザーに天然素材を使用した環境配慮製品であることを啓蒙活動したことにより、前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を下回りました。
(工業品フィールド)
産業用テープ市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や半導体不足による自動車メーカーの生産調整で、工業塗装用マスキングテープが低調に推移するなど、全体として厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、食品スーパー向けの売上は外出自粛要請により、中食・内食化需要が高まり、お弁当・お惣菜の蓋固定に使用する「セロテープⓇフードパックテープTM」は好調に推移いたしました。また、レジ袋有料化に伴うお買い上げシール需要増加により、「セロテープⓇ別注印刷品」の売上は、前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を下回りました。
以上の結果、オフィスホームフィールドと工業品フィールドを合わせましたテープ事業全体(海外事業を含む)の売上高は238億3千5百万円(前期比2.1%減)となりましたが、営業利益は、継続的に行ってきた価格改定による原価率の改善や活動制限・自粛による経費削減の影響により営業費用が大きく減少したため、22億6千6百万円(前期比36.1%増)となりました。
(主要製品別 前期比推移)

また、海外事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、先行き不透明な状況が続きましたが、リモート商談およびオンラインによる製品告知など、新たな営業スタイルの構築を検討しながら活動を実施いたしました。
このような状況のなか、中国市場におきまして、手術後の傷あとケア専用テープ「アトファインTM」の展開を進めるとともに、越境ECサイトへの取り組みを強化し“ロイヒつぼ膏TM”シリーズの販売を拡大いたしました。さらに、アジアおよび欧州に重点を置き、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズや止血製品“セサブリックTM”シリーズなどのメディカル事業製品と、「PanfixTMセルローステープ」や塗装用和紙マスキングテープなどのテープ事業製品の販売チャネルの構築と製品育成に注力するとともに、ドイツ・デュッセルドルフに販売子会社NICHIBAN EUROPE GmbHを設立し、より現地に密着した営業活動の展開を開始いたしました。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは需要見込による生産方式をとっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し、612億1千4百万円となりました。流動資産は7億7千6百万円の増加、固定資産は6億8千5百万円の増加となりました。
流動資産の増加は、メディカル事業における減収・減産等により、棚卸資産が13億5千9百万円減少したものの、営業利益の計上等により現金及び預金が20億2千1百万円増加したこと等によるものです。また、固定資産の増加は、ニチバンメディカル(株)における医療機器製造設備および建屋の新設等により建設仮勘定が10億1千万円、基幹システム刷新等に伴い無形固定資産が4億8千万円増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
メディカル事業
当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前年同期と比べ2億5千1百万円減少し、263億2千5百万円となりました。
テープ事業
当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前年同期と比べ7億2千1百万円減少し、204億3千1百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ6億2百万円増加し、231億3千6百万円となりました。流動負債は、4億4千6百万円の増加、固定負債は、1億5千5百万円の増加となりました。
流動負債の増加は、旧大阪工場の土壌汚染洗浄費用、固定資産撤去費用およびメディカル事業におけるテレビコマーシャルの費用の請求等により未払費用が6億9千万円増加したこと等によるものです。また、固定負債の増加は、退職給付に係る負債が2億2千6百万円増加したこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ8億5千9百万円増加し、380億7千8百万円となりました。これは利益剰余金が6億6千6百万円増加したこと等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より0.1ポイント低下し、62.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ20億7千1百万円(18.4%)増加し、133億4千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億6千1百万円(2.8%)増加し、59億1千1百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益19億円の計上、減価償却費23億4千2百万円の計上、メディカル事業における減収・減産等によるたな卸資産の減少額13億5千9百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ16億8千6百万円(122.2%)増加し、30億6千7百万円となりました。これはニチバンメディカル(株)における医療機器製造設備および建屋の新設等による有形固定資産の取得による支出18億9千6百万円、基幹システム刷新等に伴う無形固定資産の取得による支出6億1百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億4千4百万円(15.7%)減少し、7億7千2百万円となりました。これは配当金の支払6億8千4百万円等によるものです。
当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化および設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。
資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。
なお、資金調達の柔軟性および機動性を確保するため、取引銀行と40億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高40億円)を締結しております。
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入のほか製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、テープ安城工場、メディカル安城工場および製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設または更新によるものです。
2021年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界的に大規模な経済・社会活動の制限が実施され、当社グループも大きな影響を受けました。国内外の緊急事態宣言、ロックダウン等により、個人消費や企業収益の先行きは未だに不透明で、取り巻く事業環境も予断を許さない状況であります。
このような状況のなか、当社グループは中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」を推進し、重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいりました。
①中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出
・研究開発組織の再編
・スタートアップ企業との協業プログラム推進
・顧客課題に対する提案・新規創出営業の推進、グループ社内提案制度の活用
②グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
・日本本社(海外事業本部)、販売子会社NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.とあわせ、新たにNICHIBAN EUROPE GmbHを設立し、タイ(東南アジア・南アジア・中東地域)・ドイツ(欧州地域)を含む全世界に対する新規開拓活動の推進
・重点地域における戦略的パートナー探索・選別(業務提携・M&A)
③事業推進体制の見直しと収益改革
・不採算品の価格改定、物流コスト管理見直し
・SDGsへの取り組み・脱溶剤推進
④事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用
・戦略的データ活用と社内業務生産性向上に向けた、新基幹システムの導入開始
⑤将来の持続的成長を担う人財育成
・社員エンゲージメント向上・組織マネジメント力強化の取り組み推進
・中期人財育成体系の再整備
以上の取り組みを実施いたしました結果、売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるインバウンド需要の消失および在宅勤務の増加に伴うオフィス勤務等でのテープ需要低迷により、前年同期比5.8%減の415億2千8百万円となりました。
営業利益は、活動制限・自粛による旅費交通費および広告宣伝費の減少等の影響もあり、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上高の減少等により、前年同期比32.8%減の20億円となりました。
経常利益は、営業利益の減少により、前年同期比33.1%減の20億7千万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、これらの影響により、前年同期比22.9%減の13億5千万円となりました。
自己資本当期純利益率は前年同期比1.2ポイント低下の3.6%となりました。
(連結業績の概要)

(営業利益の増減)

(セグメント別売上高、前期比)

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
メディカル事業
(ヘルスケアフィールド)
ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、鎮痛消炎剤“ロイヒつぼ膏TM”シリーズのインバウンド需要が新型コロナウイルス感染症拡大の影響により消失いたしましたが、テレビコマーシャルやキャンペーン等の販促活動を積極的に実施し、国内需要拡大に注力いたしました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズの売上は、テレビコマーシャルやキャンペーンの効果に加え、気温の低下やコロナ禍の消毒による手荒れ・あかぎれの増加により前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を大きく下回りました。
(医療材フィールド)
医療機関向け医療材料市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による来院患者数および手術件数の減少に伴い、医療機関向けの消耗品使用量が減少し、依然として厳しい販売環境でありました。また、医療機関への訪問や学会等の対面活動は依然として制限され、Web面談を活用し、従来の営業スタイルを変えての活動となりました。
このような状況のなか、止血製品シリーズ“セサブリックTM”の売上は、感染対策の増加に伴い、前年同期を上回り、フィールド全体としての売上は前年並みを維持いたしました。
以上の結果、ヘルスケアフィールドと医療材フィールドを合わせましたメディカル事業全体(海外事業を含む)の売上高は、176億9千2百万円(前期比10.3%減)となり、営業利益は、売上高の減少により固定費負担率が大きく上昇し、前年同期を大きく下回り、36億2千9百万円(前期比26.8%減)となりました。
(主要製品別 前期比推移)

テープ事業
(オフィスホームフィールド)
文具事務用品市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による在宅勤務の継続により、オフィス向け需要が減少を続けており、依然として厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、SDGsをキーワードに販売活動を推進し、キッチン雑貨ブランド“ディアキチTMワザアリTMテープ”シリーズの売上は、全国自治体の食品ロスイベントを通じて認知度を拡大したことにより、前年同期並みを維持いたしました。また、「セロテープⓇ」の売上は、官公庁等ユーザーに天然素材を使用した環境配慮製品であることを啓蒙活動したことにより、前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を下回りました。
(工業品フィールド)
産業用テープ市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響や半導体不足による自動車メーカーの生産調整で、工業塗装用マスキングテープが低調に推移するなど、全体として厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、食品スーパー向けの売上は外出自粛要請により、中食・内食化需要が高まり、お弁当・お惣菜の蓋固定に使用する「セロテープⓇフードパックテープTM」は好調に推移いたしました。また、レジ袋有料化に伴うお買い上げシール需要増加により、「セロテープⓇ別注印刷品」の売上は、前年同期を上回りましたが、フィールド全体としての売上は前年同期を下回りました。
以上の結果、オフィスホームフィールドと工業品フィールドを合わせましたテープ事業全体(海外事業を含む)の売上高は238億3千5百万円(前期比2.1%減)となりましたが、営業利益は、継続的に行ってきた価格改定による原価率の改善や活動制限・自粛による経費削減の影響により営業費用が大きく減少したため、22億6千6百万円(前期比36.1%増)となりました。
(主要製品別 前期比推移)

また、海外事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、先行き不透明な状況が続きましたが、リモート商談およびオンラインによる製品告知など、新たな営業スタイルの構築を検討しながら活動を実施いたしました。
このような状況のなか、中国市場におきまして、手術後の傷あとケア専用テープ「アトファインTM」の展開を進めるとともに、越境ECサイトへの取り組みを強化し“ロイヒつぼ膏TM”シリーズの販売を拡大いたしました。さらに、アジアおよび欧州に重点を置き、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズや止血製品“セサブリックTM”シリーズなどのメディカル事業製品と、「PanfixTMセルローステープ」や塗装用和紙マスキングテープなどのテープ事業製品の販売チャネルの構築と製品育成に注力するとともに、ドイツ・デュッセルドルフに販売子会社NICHIBAN EUROPE GmbHを設立し、より現地に密着した営業活動の展開を開始いたしました。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| メディカル事業 | 17,569 | △18.2 |
| テープ事業 | 19,596 | △5.1 |
| 合計 | 37,166 | △11.8 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは需要見込による生産方式をとっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| メディカル事業 | 17,692 | △10.3 |
| テープ事業 | 23,835 | △2.1 |
| 合計 | 41,528 | △5.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| ピップ株式会社 | 4,523 | 10.3 | 3,930 | 9.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14億6千2百万円増加し、612億1千4百万円となりました。流動資産は7億7千6百万円の増加、固定資産は6億8千5百万円の増加となりました。
流動資産の増加は、メディカル事業における減収・減産等により、棚卸資産が13億5千9百万円減少したものの、営業利益の計上等により現金及び預金が20億2千1百万円増加したこと等によるものです。また、固定資産の増加は、ニチバンメディカル(株)における医療機器製造設備および建屋の新設等により建設仮勘定が10億1千万円、基幹システム刷新等に伴い無形固定資産が4億8千万円増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
メディカル事業
当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前年同期と比べ2億5千1百万円減少し、263億2千5百万円となりました。
テープ事業
当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前年同期と比べ7億2千1百万円減少し、204億3千1百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ6億2百万円増加し、231億3千6百万円となりました。流動負債は、4億4千6百万円の増加、固定負債は、1億5千5百万円の増加となりました。
流動負債の増加は、旧大阪工場の土壌汚染洗浄費用、固定資産撤去費用およびメディカル事業におけるテレビコマーシャルの費用の請求等により未払費用が6億9千万円増加したこと等によるものです。また、固定負債の増加は、退職給付に係る負債が2億2千6百万円増加したこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ8億5千9百万円増加し、380億7千8百万円となりました。これは利益剰余金が6億6千6百万円増加したこと等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より0.1ポイント低下し、62.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ20億7千1百万円(18.4%)増加し、133億4千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億6千1百万円(2.8%)増加し、59億1千1百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益19億円の計上、減価償却費23億4千2百万円の計上、メディカル事業における減収・減産等によるたな卸資産の減少額13億5千9百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ16億8千6百万円(122.2%)増加し、30億6千7百万円となりました。これはニチバンメディカル(株)における医療機器製造設備および建屋の新設等による有形固定資産の取得による支出18億9千6百万円、基幹システム刷新等に伴う無形固定資産の取得による支出6億1百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億4千4百万円(15.7%)減少し、7億7千2百万円となりました。これは配当金の支払6億8千4百万円等によるものです。
当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化および設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。
資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。
なお、資金調達の柔軟性および機動性を確保するため、取引銀行と40億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高40億円)を締結しております。
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入のほか製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、テープ安城工場、メディカル安城工場および製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設または更新によるものです。
2021年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。