有価証券報告書-第92期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較に当たっては、当該確定後の数値によっている。
①財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,985百万円増加し、142,568百万円となった。
流動資産は、57,479百万円(前連結会計年度末は54,941百万円)となり、2,538百万円増加した。増加の主なものは、現金及び預金(前期比2,459百万円増)である。
固定資産は、85,089百万円(前連結会計年度末は84,642百万円)となり、447百万円増加した。増加の主なものは、建物及び構築物(前期比1,551百万円増)である。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ676百万円減少し、41,464百万円となった。
流動負債は、26,240百万円(前連結会計年度末は34,035百万円)となり、7,794百万円減少した。減少の主なものは、短期借入金(前期比6,384百万円減)である。
固定負債は、15,224百万円(前連結会計年度末は8,106百万円)となり、7,118百万円増加した。増加の主なものは、社債(前期比4,700百万円増)及び長期借入金(前期比1,740百万円増)である。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,662百万円増加し、101,103百万円となった。増加の主なものは、為替換算調整勘定(前期比2,503百万円増)である。
②経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高は、既存事業が堅調に推移したこと、防雪・防風対策製品の研究開発・製造・販売等を手がける「理研興業株式会社」を連結対象会社化したことにより、78,163百万円(前年同期比5.3%増)となった。利益については、長期ビジョン達成に向けた人財・成長への継続的な投資、前述のM&Aに伴うのれんの償却影響があったものの、営業利益は5,685百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益は6,261百万円(前年同期比14.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,975百万円(前年同期比12.2%増)となった。なお、参考として、当連結会計年度におけるEBITDA(※)は9,718百万円(前年同期比13.6%増)となった。
(※)EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
<公共分野>都市環境関連事業:防音壁材は、高速道路向け製品が整備予算縮小の状況下にありながらも、設計対応力が評価されて順調に推移し、売上、利益ともに前年同期を上回る成績を収めた。また、次期以降に計画されている物件に対する受注活動にも積極的に取り組んだ。
交通・標識関連事業:交通安全製品は、積雪地における視程障害対策の電子製品の設置が一巡した影響を受けたが、車線分離標「ポールコーン」が堅調に推移したことや、新製品の遠隔操作対応LED表示板「オプトマーカーICOT」が専用のWebアプリケーションサービスの利便性も評価され、売上は前年同期並みとなった。一方で、将来の成長を見据えた体制強化への投資を進めたことにより利益は前年同期を下回る結果となった。路面標示材、標識関連製品は、品質改良や納期対応力の向上などが評価されたことにより、生活道路や通学路の整備に採用され、売上、利益ともに前年同期を上回る結果となった。
景観関連事業:主力の防護柵は、通学路における安全対策工事が一巡し、防護柵の取替工事に対する予算配分も縮小傾向にあったが、都市部の市街地整備、河川や海岸部の安全対策工事に勾配自在縦格子柵「フレックスロープ」等が採用され、売上は前年同期並みとなった。高欄やシェルター製品についても、大口物件の受注により堅調に推移した。一方で、新規分野として取り組んでいる高速道路向けの正面衝突事故防止対策製品の試行設置が端境期であった影響を受け、事業全体としては、売上、利益ともに前年同期を下回る結果となった。
スポーツ施設関連事業:人工芝は、フィールドホッケーをはじめ環境配慮型製品の提案が受け入れられたことに加えて、物件管理を強化して張替え需要を確実に取り込んだことで、大型グラウンドへの採用が進み、売上、利益ともに大幅に伸長した。
関連グループ会社事業:国内では、路面標示工事や構造物メンテナンス工事において、高速道路での整備予算縮小の影響を受け、売上、利益とも前年同期を下回る結果となった。また、理研興業株式会社を連結対象会社化したことで、防雪・防風対策製品が売上に寄与し、利益面でものれんの償却額を上回る結果となった。欧州においては、弾性車止めが競争激化の影響を受けたものの、仮設型交通安全製品が堅調に推移したことにより、売上、利益ともに前年同期を上回る成績となった。なお、前期に連結対象会社化した、仮設型交通安全製品の製造・販売を手掛けるWEMASグループについては、のれんの償却額を上回る利益を創出した。
<民間分野>住建関連事業:主力のメッシュフェンスは、機械式駐車場周りの新製品が好評を博したものの、住宅着工数減少の影響を受けるなど前年同期並みに推移した。一方、めかくし塀は、新色や高強度タイプのラインナップが好評を博すなど、好調に推移した。また、防音めかくし塀は、工場、物流倉庫等における近隣騒音対策需要に対し、優れた防音性能と景観性の両立が評価され、前年同期を上回った。事業全体の利益は、事業の拡大に向けた投資の影響を十分に補うには至らず、低調に推移した。
総合物流・アグリ関連事業:梱包結束用バンドは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対応した製品提案を強化したが、汎用品が需要低迷の影響を受け、売上は前年同期を大きく下回る結果となった。一方で、ストレッチフィルム包装機は、物流現場の人手不足による省人化ニーズの高まりを背景に、大きく売上を伸ばした。また、アグリ関連製品は、農業資材の需要が底堅く推移し、獣害対策製品も堅調であったことから、前年同期を上回る結果となった。事業の利益については、新規の生産設備稼働による減価償却費の増加影響はあったものの、好調な成績を収めた。
関連グループ会社事業:アルミ樹脂積層複合板は、ビル解体市場の活況により、防音パネルが好調に推移するとともに、主力汎用製品である「アートパネル」がホームセンター、コンビニエンスストアなどの新たなユーザーの獲得により拡大し、売上、利益ともに大幅な伸長となった。組立パイプシステム製品は、食品メーカーや物流センターの需要が増加し、好調な成績を収めた。デジタルピッキングシステム製品は、無線タイプが売上を伸ばし、利益も順調に推移した。戸建て向け外構製品は、住宅着工数減少、競争激化の影響を受け、売上、利益ともに前年同期を下回ったが、新製品の開発及び上市を進め、業績の回復に向けた取り組みを行った。
この結果、公共分野の売上高は41,589百万円(前期比7.1%増)、営業利益は2,728百万円(前期比46.8%増)、民間分野の売上高は36,573百万円(前期比3.3%増)、営業利益は3,883百万円(前期比4.4%減)となった。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ540百万円減少(前期比3.4%減)し、15,302百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益6,395百万円に加え、売上債権の減少等による資金増加の一方、仕入債務の減少や法人税等の支払による資金の減少により、7,994百万円の収入となった(前期は6,211百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得等により4,326百万円の支出となった(前期は3,397百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払や自己株式の取得等により4,634百万円の支出となった(前期は2,382百万円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当社及び連結子会社は主として見込み生産を行っており、受注生産は殆ど行っていない。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)主な販売先について、総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が100分の10未満につき、記載を省略している。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び②経営成績」に記載のとおりである。
当期のわが国経済は、米国の通商政策の影響が一部の産業にみられるものの、国内の雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いた。一方で、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格及びエネルギーコストの上昇懸念に加え、原油由来の原材料調達リスクが高まるなど、為替変動や物価上昇、景気の下振れリスクも重なって、世界的に先行きの不透明感が一層高まる状況となった。
このような経営環境下において、当社グループは、「中期経営計画2027」に基づき、変化する事業環境を的確に捉えつつ、中長期的な企業価値の向上を視野に入れた経営に一層注力し、長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」の実現に向けて、これまでの諸施策の効果が早期に現れるよう取り組んでいる。当社事業に関連する公共投資の動向や顧客ニーズの変化に対応した既存事業の着実な成長に取り組むとともに、新たにグループへ迎え入れた各社との相乗効果の発揮、加えて、欧州及び東南アジアを中心とした海外市場における事業拡大にも戦略的にスピードを上げて取り組み、グローバルな事業基盤の強化を図っている。さらに、成長戦略の一環として、交通安全分野ではIoTセンサや遠隔操作対応LED表示板「オプトマーカーICOT(アイコット)」によるインフラ遠隔監視・防災DXや、自動運転を見据えた実証実験への参画、物流・店舗管理分野で普及が進むRFIDの誤認識を防ぐ電波制御技術の確立にも注力した。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、メーカーとして「複合技術を活かした安全・安心、環境保全に貢献するモノづくり」のための材料費、研究開発費、営業活動費、一般管理費等がある。
また、持続的な成長を支えるための人的資本投資の需要に加え、設備資金需要として、製品開発や生産性向上への有形固定資産投資等があり、さらに、欧州・東南アジアを中心とした海外事業拡大及び国内事業強化領域の進化を、スピードをもって実行するためのM&A投資資金需要等がある。
財政政策
当社グループは、営業活動による安定的なキャッシュ・フローの創出を基盤としている。一方で、成長投資の機動的な実行及び資本効率の向上の観点から、金融機関からの借入等を適切に活用し、最適な資本構成の維持に努めている。また、株主還元については、累進配当及び自己株式取得を組み合わせた総還元性向100%以上を基本としつつ、財務健全性とのバランスを確保する。なお、本報告書提出時点において格付投資情報センターにて「A-」の格付を取得している。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な経営指標と位置付けている本来の事業活動の成果を示す「営業利益」の向上に努めている。加えて、事業のキャッシュ創出力及び収益力を総合的に把握する観点から、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重要指標として活用し、安定的なキャッシュ・フロー創出と成長投資の原資確保を図る。さらに、資本コストや株価を意識した経営の強化に向け、ROE(自己資本利益率)を重要指標とし、「積水樹脂グループビジョン2030」の目標であるROE8%の早期達成に取り組んでいる。加えて、株主還元を充実させていくことも経営の最重点課題と考えており、業績や将来の資金需要などを総合的に考慮しつつ、「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向については40%以上の維持を目指す。また、自己株式の取得や消却に関しても、株主の皆様への有効な利益還元と捉え、事業環境や財務状況などを考慮しながら必要に応じて適切に実施し、2027年3月期までは剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向については100%以上の維持を目指す。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較に当たっては、当該確定後の数値によっている。
①財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,985百万円増加し、142,568百万円となった。
流動資産は、57,479百万円(前連結会計年度末は54,941百万円)となり、2,538百万円増加した。増加の主なものは、現金及び預金(前期比2,459百万円増)である。
固定資産は、85,089百万円(前連結会計年度末は84,642百万円)となり、447百万円増加した。増加の主なものは、建物及び構築物(前期比1,551百万円増)である。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ676百万円減少し、41,464百万円となった。
流動負債は、26,240百万円(前連結会計年度末は34,035百万円)となり、7,794百万円減少した。減少の主なものは、短期借入金(前期比6,384百万円減)である。
固定負債は、15,224百万円(前連結会計年度末は8,106百万円)となり、7,118百万円増加した。増加の主なものは、社債(前期比4,700百万円増)及び長期借入金(前期比1,740百万円増)である。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,662百万円増加し、101,103百万円となった。増加の主なものは、為替換算調整勘定(前期比2,503百万円増)である。
②経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高は、既存事業が堅調に推移したこと、防雪・防風対策製品の研究開発・製造・販売等を手がける「理研興業株式会社」を連結対象会社化したことにより、78,163百万円(前年同期比5.3%増)となった。利益については、長期ビジョン達成に向けた人財・成長への継続的な投資、前述のM&Aに伴うのれんの償却影響があったものの、営業利益は5,685百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益は6,261百万円(前年同期比14.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,975百万円(前年同期比12.2%増)となった。なお、参考として、当連結会計年度におけるEBITDA(※)は9,718百万円(前年同期比13.6%増)となった。
(※)EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
<公共分野>都市環境関連事業:防音壁材は、高速道路向け製品が整備予算縮小の状況下にありながらも、設計対応力が評価されて順調に推移し、売上、利益ともに前年同期を上回る成績を収めた。また、次期以降に計画されている物件に対する受注活動にも積極的に取り組んだ。
交通・標識関連事業:交通安全製品は、積雪地における視程障害対策の電子製品の設置が一巡した影響を受けたが、車線分離標「ポールコーン」が堅調に推移したことや、新製品の遠隔操作対応LED表示板「オプトマーカーICOT」が専用のWebアプリケーションサービスの利便性も評価され、売上は前年同期並みとなった。一方で、将来の成長を見据えた体制強化への投資を進めたことにより利益は前年同期を下回る結果となった。路面標示材、標識関連製品は、品質改良や納期対応力の向上などが評価されたことにより、生活道路や通学路の整備に採用され、売上、利益ともに前年同期を上回る結果となった。
景観関連事業:主力の防護柵は、通学路における安全対策工事が一巡し、防護柵の取替工事に対する予算配分も縮小傾向にあったが、都市部の市街地整備、河川や海岸部の安全対策工事に勾配自在縦格子柵「フレックスロープ」等が採用され、売上は前年同期並みとなった。高欄やシェルター製品についても、大口物件の受注により堅調に推移した。一方で、新規分野として取り組んでいる高速道路向けの正面衝突事故防止対策製品の試行設置が端境期であった影響を受け、事業全体としては、売上、利益ともに前年同期を下回る結果となった。
スポーツ施設関連事業:人工芝は、フィールドホッケーをはじめ環境配慮型製品の提案が受け入れられたことに加えて、物件管理を強化して張替え需要を確実に取り込んだことで、大型グラウンドへの採用が進み、売上、利益ともに大幅に伸長した。
関連グループ会社事業:国内では、路面標示工事や構造物メンテナンス工事において、高速道路での整備予算縮小の影響を受け、売上、利益とも前年同期を下回る結果となった。また、理研興業株式会社を連結対象会社化したことで、防雪・防風対策製品が売上に寄与し、利益面でものれんの償却額を上回る結果となった。欧州においては、弾性車止めが競争激化の影響を受けたものの、仮設型交通安全製品が堅調に推移したことにより、売上、利益ともに前年同期を上回る成績となった。なお、前期に連結対象会社化した、仮設型交通安全製品の製造・販売を手掛けるWEMASグループについては、のれんの償却額を上回る利益を創出した。
<民間分野>住建関連事業:主力のメッシュフェンスは、機械式駐車場周りの新製品が好評を博したものの、住宅着工数減少の影響を受けるなど前年同期並みに推移した。一方、めかくし塀は、新色や高強度タイプのラインナップが好評を博すなど、好調に推移した。また、防音めかくし塀は、工場、物流倉庫等における近隣騒音対策需要に対し、優れた防音性能と景観性の両立が評価され、前年同期を上回った。事業全体の利益は、事業の拡大に向けた投資の影響を十分に補うには至らず、低調に推移した。
総合物流・アグリ関連事業:梱包結束用バンドは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対応した製品提案を強化したが、汎用品が需要低迷の影響を受け、売上は前年同期を大きく下回る結果となった。一方で、ストレッチフィルム包装機は、物流現場の人手不足による省人化ニーズの高まりを背景に、大きく売上を伸ばした。また、アグリ関連製品は、農業資材の需要が底堅く推移し、獣害対策製品も堅調であったことから、前年同期を上回る結果となった。事業の利益については、新規の生産設備稼働による減価償却費の増加影響はあったものの、好調な成績を収めた。
関連グループ会社事業:アルミ樹脂積層複合板は、ビル解体市場の活況により、防音パネルが好調に推移するとともに、主力汎用製品である「アートパネル」がホームセンター、コンビニエンスストアなどの新たなユーザーの獲得により拡大し、売上、利益ともに大幅な伸長となった。組立パイプシステム製品は、食品メーカーや物流センターの需要が増加し、好調な成績を収めた。デジタルピッキングシステム製品は、無線タイプが売上を伸ばし、利益も順調に推移した。戸建て向け外構製品は、住宅着工数減少、競争激化の影響を受け、売上、利益ともに前年同期を下回ったが、新製品の開発及び上市を進め、業績の回復に向けた取り組みを行った。
この結果、公共分野の売上高は41,589百万円(前期比7.1%増)、営業利益は2,728百万円(前期比46.8%増)、民間分野の売上高は36,573百万円(前期比3.3%増)、営業利益は3,883百万円(前期比4.4%減)となった。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ540百万円減少(前期比3.4%減)し、15,302百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益6,395百万円に加え、売上債権の減少等による資金増加の一方、仕入債務の減少や法人税等の支払による資金の減少により、7,994百万円の収入となった(前期は6,211百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得等により4,326百万円の支出となった(前期は3,397百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払や自己株式の取得等により4,634百万円の支出となった(前期は2,382百万円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 公共分野 | 42,240 | 6.3 |
| 民間分野 | 36,510 | 4.7 |
| 合計 | 78,751 | 5.6 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当社及び連結子会社は主として見込み生産を行っており、受注生産は殆ど行っていない。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 公共分野 | 41,589 | 7.1 |
| 民間分野 | 36,573 | 3.3 |
| 合計 | 78,163 | 5.3 |
(注)主な販売先について、総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が100分の10未満につき、記載を省略している。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び②経営成績」に記載のとおりである。
当期のわが国経済は、米国の通商政策の影響が一部の産業にみられるものの、国内の雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いた。一方で、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格及びエネルギーコストの上昇懸念に加え、原油由来の原材料調達リスクが高まるなど、為替変動や物価上昇、景気の下振れリスクも重なって、世界的に先行きの不透明感が一層高まる状況となった。
このような経営環境下において、当社グループは、「中期経営計画2027」に基づき、変化する事業環境を的確に捉えつつ、中長期的な企業価値の向上を視野に入れた経営に一層注力し、長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」の実現に向けて、これまでの諸施策の効果が早期に現れるよう取り組んでいる。当社事業に関連する公共投資の動向や顧客ニーズの変化に対応した既存事業の着実な成長に取り組むとともに、新たにグループへ迎え入れた各社との相乗効果の発揮、加えて、欧州及び東南アジアを中心とした海外市場における事業拡大にも戦略的にスピードを上げて取り組み、グローバルな事業基盤の強化を図っている。さらに、成長戦略の一環として、交通安全分野ではIoTセンサや遠隔操作対応LED表示板「オプトマーカーICOT(アイコット)」によるインフラ遠隔監視・防災DXや、自動運転を見据えた実証実験への参画、物流・店舗管理分野で普及が進むRFIDの誤認識を防ぐ電波制御技術の確立にも注力した。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、メーカーとして「複合技術を活かした安全・安心、環境保全に貢献するモノづくり」のための材料費、研究開発費、営業活動費、一般管理費等がある。
また、持続的な成長を支えるための人的資本投資の需要に加え、設備資金需要として、製品開発や生産性向上への有形固定資産投資等があり、さらに、欧州・東南アジアを中心とした海外事業拡大及び国内事業強化領域の進化を、スピードをもって実行するためのM&A投資資金需要等がある。
財政政策
当社グループは、営業活動による安定的なキャッシュ・フローの創出を基盤としている。一方で、成長投資の機動的な実行及び資本効率の向上の観点から、金融機関からの借入等を適切に活用し、最適な資本構成の維持に努めている。また、株主還元については、累進配当及び自己株式取得を組み合わせた総還元性向100%以上を基本としつつ、財務健全性とのバランスを確保する。なお、本報告書提出時点において格付投資情報センターにて「A-」の格付を取得している。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な経営指標と位置付けている本来の事業活動の成果を示す「営業利益」の向上に努めている。加えて、事業のキャッシュ創出力及び収益力を総合的に把握する観点から、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重要指標として活用し、安定的なキャッシュ・フロー創出と成長投資の原資確保を図る。さらに、資本コストや株価を意識した経営の強化に向け、ROE(自己資本利益率)を重要指標とし、「積水樹脂グループビジョン2030」の目標であるROE8%の早期達成に取り組んでいる。加えて、株主還元を充実させていくことも経営の最重点課題と考えており、業績や将来の資金需要などを総合的に考慮しつつ、「積水樹脂グループビジョン2030」期間中(2030年3月期まで)は累進配当を基本方針として実施し、連結配当性向については40%以上の維持を目指す。また、自己株式の取得や消却に関しても、株主の皆様への有効な利益還元と捉え、事業環境や財務状況などを考慮しながら必要に応じて適切に実施し、2027年3月期までは剰余金の配当と自己株式の取得を合わせた総還元性向については100%以上の維持を目指す。