半期報告書-第83期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2024/08/07 15:12
【資料】
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【項目】
38項目
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析及び検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
セグメントの名称前中間連結会計当中間連結会計前年同期比較
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
化粧品事業117,02181.1126,73179.69,7108.3
コスメタリー事業26,24618.231,25019.65,00319.1
その他1,0270.71,1510.712312.0
売上高計144,295100.0159,133100.014,83710.3

区分前中間連結会計当中間連結会計前年同期比較
金額
(百万円)
売上比
(%)
金額
(百万円)
売上比
(%)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
営業利益10,4207.213,7488.63,32731.9
経常利益14,0629.718,88211.94,82034.3
親会社株主に帰属する中間純利益8,6976.011,6107.32,91233.5

(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年1月1日から2024年6月30日まで)における日本経済は、緩やかな回復基調であったものの、一時的な足踏みが見られました。円安を背景としたインバウンド需要が順調に回復し、物価高による実質賃金の低迷等により弱含んでいた個人消費も、徐々に下げ止まりの傾向がみられます。一方で、海外経済の減速により輸出は横ばいの状態が続く他、原材料・エネルギー価格等の上昇や、人手不足の深刻化による供給面の制約が、不安材料となりました。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済においては、中国では、消費回復の弱さや不動産不況の継続により、成長率は鈍化傾向にあります。それ以外のアジア経済は、一部地域で景気の減速が見られたものの、底堅い内需や輸出の回復により、全体では堅調に推移いたしました。
米国においては、失業率が緩やかに上昇し消費者マインドが悪化したものの、インフレ率の上昇は引き続き鈍化傾向にあり、個人消費は底堅く推移したため、景気は緩やかな減速にとどまりました。
日本の化粧品市場においては、百貨店、化粧品専門店に加え、ドラッグストアなどのマス市場においても内需が伸長し、インバウンドの増加も化粧品需要の回復を後押しいたしました。
アジアの化粧品市場においては、中国では、景気不安から消費者の節約志向が高まり、個人消費が低迷するとともに、中国国産ブランドの台頭により競争環境が激化し、厳しい事業環境が続いております。
それ以外のアジア各国については、一部地域では弱さがみられるものの、全体では回復基調となりました。
米国の化粧品市場は、底堅い個人消費に支えられ、売上高の伸びは減速しつつも総じて堅調に推移いたしました。
このような市場環境の中、当社グループは中長期ビジョン「VISION2026」を推進しており、「世界で存在感のある 企業への進化」を目指し、グローバルな事業展開の促進、事業領域および顧客層の拡大、デジタルコミュニケーションの強化、成長を支える経営基盤の構築に取り組んでまいりました。
なお、約3年に及ぶコロナ禍の影響により、中国市場をはじめ、国内外の事業環境が大きく変化いたしました。これを踏まえ、当社グループは次期ビジョンの策定に取り組んでおり、今年度のできるだけ早い時期に開示する予定であります。
① 財政状態
当中間連結会計期間末の流動比率は407.3%、前連結会計年度末に比べ41.7ポイント増加、当座比率は269.4%であり、前連結会計年度末に比べ17.0ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ8,487百万円の増加となりました。商品及び製品の増加6,567百万円、原材料及び貯蔵品の増加3,935百万円、土地の増加1,920百万円、リース資産の増加936百万円、ソフトウエアの増加1,077百万円、現金及び預金の減少4,581百万円等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ4,990百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の増加1,412百万円、未払法人税等の増加1,627百万円、未払金の減少4,827百万円、未払費用の減少2,855百万円等によるものであります。
なお、有利子負債残高は11,020百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
② 経営成績
当中間連結会計期間における当社グループの業績については、中国において減収となりましたが、日本では全てのセグメントにおいて売上が伸長いたしました。加えて、欧米を中心に展開する「タルト」が実績を牽引したことにより、売上高は前年同期比10.3%増の159,133百万円(為替の影響を除くと前年同期比6.2%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は36.4%となりました。
利益については、利益率の高い中国のトラベルリテール事業の減収や、プロダクトミックスの変化による原価率の増加が影響したものの、日本とタルトの増収が貢献し、販管費率が低下した結果、営業利益は13,748百万円(前年同期比31.9%増)となりました。経常利益は、為替差益の増加により18,882百万円(同34.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は11,610百万円(同33.5%増)となりました。
a.化粧品事業
化粧品事業では、ハイプレステージにおいて「コスメデコルテ」が日本国内で順調に推移いたしましたが、中国において、前述の厳しい市場環境に加え、市場在庫のコントロールを含む事業改革を推進した結果、減収となりました。それ以外のブランドでは、㈱アルビオンの「エレガンス」がインバウンド需要により大きく伸長いたしました。欧米で展開する「タルト」は、主力商品のコンシーラーや新商品のリップ、マスカラ等で売上を伸ばしました。
プレステージの主力ブランドの「雪肌精」は化粧水のリニューアル販売が好調に推移し、「ONE BY KOSÉ」は新商品が売上増加に貢献いたしました。また、「エスプリーク」も、ベースメイク商品の売上が伸長いたしました。
これらの結果、化粧品事業の売上高は126,731百万円(前年同期比8.3%増)となり、営業利益は12,233百万円(同4.9%増)となりました。
b.コスメタリー事業
コスメタリー事業においては、コーセーコスメポート㈱の主要ブランド、「ソフティモ」、「クリアターン」、「サンカット」が順調に推移し、また「メイク キープ シリーズ」および「ファシオ」の売上が好調であったため、売上高は31,250百万円(前年同期比19.1%増)、営業利益は3,900百万円(同238.2%増)となりました。
c.その他
その他の事業は、OEM生産の受注が増加したため、売上高は1,151百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は573百万円(同30.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物は、前中間連結会計期間より3,811百万円減少し99,297百万円(前年同期比3.7%減)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,358百万円の収入(同80.7%減)となりました。主な要因は、税金等調整前中間純利益18,684百万円、非資金費用である減価償却費4,435百万円、売上債権の減少511百万円、棚卸資産の増加8,623百万円、仕入債務の減少189百万円、返金負債の減少231百万円、その他の負債の減少8,105百万円及び法人税等の支払い2,858百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,561百万円の支出(同44.4%増)となりました。主な要因は、定期預金の預入による支出16,191百万円、定期預金の払戻による収入15,123百万円、有形固定資産の取得による支出4,692百万円、無形固定資産の取得による支出1,024百万円、投資有価証券の取得による支出890百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,289百万円の支出(同21.2%減)となりました。主な要因は、配当金の支払い3,994百万円、非支配株主への配当金の支払い219百万円等であります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間に支出した研究開発費の総額は3,259百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備
当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
(8) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。