有価証券報告書-第77期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用情勢の改善、設備投資の増加などを背景に緩やかな景気回復の基調が続きました。化粧品業界におきましては、2018年度の経済産業省化粧品出荷統計(1月~12月)によりますと、販売個数・販売金額ともに前年と比べ増加いたしました。また、当社グループが主に事業展開している海外経済につきましては、アジアでは各国で多少のバラツキはあるものの、総じてみれば緩やかに回復しており、米国では景気回復が続きました。
このような市場環境の中、当社グループは、当期より新たな中期経営計画「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化」をスタートさせ、企業の成長を支える強い経営基盤をベースとしながら、そのリソースを最大限に活用し、独自の価値創造を絶えず行っていくことにより、グローバルかつボーダレスな成長を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,792百万円増加し、300,162百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円増加し、75,321百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26,234百万円増加し、224,841百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、日本及びアジアでの販売が好調だった結果、売上高は前年同期比9.8%増の332,995百万円(為替の影響を除くと9.9%増)となり、6期連続で過去最高を更新いたしました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は27.9%となりました。
利益につきましては、積極的な販売費の投入による増収効果に加え、一般管理費の効率的な運用等により、営業利益は52,408百万円(前年同期比8.3%増)、経常利益は53,976百万円(同11.3%増)となりました。また、中国生産子会社株式の売却益及びリンメルブランドのライセンス契約終了に伴う受取補償金等により、親会社株主に帰属する当期純利益は37,004百万円(同20.9%増)となり、いずれも過去最高となりました。
1)化粧品事業
化粧品事業につきましては、ハイプレステージ領域において、国内外で過去最高の売上を記録した「コスメデコルテ」が牽引したことに加え、専門店チャネルへの新業態提案を推進した㈱アルビオン、メイクブランドを中心に展開する米国タルト社が堅調に推移いたしました。プレステージ領域におきましては、国内では、薬用美白美容液や薬用シワ改善クリームを発売した高効能特化型ブランド「ONE BY KOSÉ」が大幅に伸長したほか、中価格帯の新スキンケアブランド「ルシェリ」等の育成に取り組みました。海外では、重点グローバルブランドの販売が好調だった韓国と中国が業績を牽引するなど、アジア各国が伸長いたしました。また、国内外における免税チャネルの売上も年間を通じて高成長が継続いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は254,965百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は51,401百万円(同10.8%増)となりました。
2)コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、コーセーコスメポート㈱が展開する日やけ止めブランド「サンカット」やボタニカルヘアケアシリーズ「サロンスタイル ビオリス」などが好調に推移したほか、セルフメイクブランド「ヴィセ」、ヘアケアブランド「スティーブンノル ニューヨーク」、ネイルブランド「ネイルホリック」等も伸長いたしました。
これらの結果、売上高は74,632百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は5,043百万円(同13.4%減)となりました。
3)その他
その他の事業につきましては、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加した結果、売上高は3,398百万円(前年同期比37.4%増)、営業利益は1,537百万円(同45.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より380百万円増加し64,264百万円(前年同期比0.6%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,989百万円の収入(同5.5%減)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益54,949百万円、非資金費用である減価償却費8,018百万円、たな卸資産の増加10,377百万円、売上債権の増加3,795百万円、その他の資産の増加1,388百万円、仕入債務の増加2,668百万円、その他負債の増加440百万円及び法人税等の支払い17,469百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、20,669百万円の支出(同99.3%増)となりました。主な要因は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入678百万円、有形固定資産の取得による支出15,191百万円、定期預金の純増に伴う支出2,659百万円、無形固定資産の取得による支出1,910百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,426百万円の支出(同36.4%減)となりました。主な要因は配当金の支払い10,189百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、以下に掲げる会計方針は連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えますので、特に記述いたします。
a. 収益の認識基準
当社グループでは、化粧品等は製商品の出荷時点、役務の提供については当該役務を提供した時点で収益を認識しております。
b. 返品調整引当金の計上基準
返品調整引当金は、取引先との間の商慣習により生じる返品について翌期以降に発生する損失見込額を引当計上しております。
c. たな卸資産の評価基準等及び廃棄判断の基準
たな卸資産の評価基準及び評価方法は主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、たな卸資産は滞留期間・将来の出荷可能性等を勘案し、一定の基準に基づき廃棄判断をしております。
d. 退職給付費用の計上基準
親会社及び国内連結子会社は、2003年4月1日よりキャッシュ・バランス型の企業年金制度に移行いたしました。2001年3月期の退職給付会計適用以後は、退職給付債務の現在価値を毎期見積り、将来給付予想額を支払可能とする勤務費用・利息費用から年金資産の期待運用収益を減じた金額を費用計上しております。また、年金資産の運用利差損益及び給付債務予測額の差異等により発生した未認識数理計算上の差異等は、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の流動比率は310.5%、当座比率は210.5%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ12.5ポイントの増加、1.8ポイントの減少となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ29,792百万円の増加となりました。現金及び預金の増加10,748百万円、受取手形及び売掛金の増加3,370百万円、有価証券の減少8,274百万円等により当座資産は5,844百万円増加し、たな卸資産の増加9,841百万円等によりその他の流動資産が12,277百万円増加いたしました。有形固定資産の増加8,885百万円、無形固定資産の減少714百万円、投資その他の資産の増加3,499百万円により固定資産が11,670百万円増加いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円の増加となりました。電子記録債務の増加3,236百万円、未払費用の増加1,293百万円、未払消費税等の減少1,240百万円等により流動負債が3,313百万円増加いたしました。固定負債は、リース債務の増加352百万円、役員退職慰労引当金の増加333百万円、退職給付に係る負債の減少517百万円等により244百万円の増加となりました。
なお、有利子負債残高は1,666百万円、デット・エクイティ・レシオは0.01倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、332,995百万円(前年同期比9.8%増、29,596百万円増)であり、過去最高となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ254,965百万円(同11.0%増、25,362百万円増)、74,632百万円(同4.6%増、3,308百万円増)となりました。その他の事業の売上高は3,398百万円(同37.4%増、924百万円増)となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い88,608百万円(前年同期比8.7%増、7,061百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、191,979百万円(同10.7%増、18,535百万円増)となりました。売上拡大のため積極的に広告宣伝費及び販売促進費を投下し、一般管理費の効率的な運用を図り、販売費及び一般管理費の売上高比率は0.5ポイント増加いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、1,568百万円の利益(前年同期比1,462.5%増、1,467百万円増)となりました。前連結会計年度は為替差損を計上しましたが、当連結会計年度は為替差益を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、973百万円の利益(前期266百万円の損失)となりました。関係会社株式売却益925百万円、事業整理益796百万円を特別利益に計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より380百万円増加し64,264百万円(前年同期比0.6%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内外ともに化粧品市場では、インターネットなどによる新たな販売方法が拡大しております。交通インフラの発展に伴い、国境を跨いでの人の移動も活発化しており、居住者以外の方に対する化粧品売上が増加しております。またインターネットなどによる情報が消費者へ与える影響力が増し、消費者の嗜好も多様化しております。化粧品市場は変化の過渡期であり、市場変化に対するタイムリーな対策の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼしております。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。
当連結会計年度の売上高営業利益率は前年同期より0.3ポイント減少し15.7%となりました。また、総資産事業利益率も前年同期より0.2ポイント減少し18.6%、自己資本当期純利益率は前年同期より1.2ポイント増加し18.8%となりました。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(化粧品事業)
セグメント資産は、現金及び預金の増加4,558百万円、売掛金及び受取手形の増加1,561百万円、たな卸資産の増加3,994百万円、有形固定資産の増加6,522百万円等により、前連結会計年度末に比べ18,796百万円増加の198,495百万円となりました。
(コスメタリー事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少1,782百万円、売掛金及び受取手形の増加1,049百万円、たな卸資産の増加5,599百万円、有形固定資産の増加1,727百万円等により、前連結会計年度末に比べ6,659百万円増加の51,637百万円となりました。
(その他)
セグメント資産は、売掛金の増加445百万円等により、前連結会計年度末に比べ844百万円増加の4,666百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用情勢の改善、設備投資の増加などを背景に緩やかな景気回復の基調が続きました。化粧品業界におきましては、2018年度の経済産業省化粧品出荷統計(1月~12月)によりますと、販売個数・販売金額ともに前年と比べ増加いたしました。また、当社グループが主に事業展開している海外経済につきましては、アジアでは各国で多少のバラツキはあるものの、総じてみれば緩やかに回復しており、米国では景気回復が続きました。
このような市場環境の中、当社グループは、当期より新たな中期経営計画「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化」をスタートさせ、企業の成長を支える強い経営基盤をベースとしながら、そのリソースを最大限に活用し、独自の価値創造を絶えず行っていくことにより、グローバルかつボーダレスな成長を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,792百万円増加し、300,162百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円増加し、75,321百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26,234百万円増加し、224,841百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、日本及びアジアでの販売が好調だった結果、売上高は前年同期比9.8%増の332,995百万円(為替の影響を除くと9.9%増)となり、6期連続で過去最高を更新いたしました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は27.9%となりました。
利益につきましては、積極的な販売費の投入による増収効果に加え、一般管理費の効率的な運用等により、営業利益は52,408百万円(前年同期比8.3%増)、経常利益は53,976百万円(同11.3%増)となりました。また、中国生産子会社株式の売却益及びリンメルブランドのライセンス契約終了に伴う受取補償金等により、親会社株主に帰属する当期純利益は37,004百万円(同20.9%増)となり、いずれも過去最高となりました。
1)化粧品事業
化粧品事業につきましては、ハイプレステージ領域において、国内外で過去最高の売上を記録した「コスメデコルテ」が牽引したことに加え、専門店チャネルへの新業態提案を推進した㈱アルビオン、メイクブランドを中心に展開する米国タルト社が堅調に推移いたしました。プレステージ領域におきましては、国内では、薬用美白美容液や薬用シワ改善クリームを発売した高効能特化型ブランド「ONE BY KOSÉ」が大幅に伸長したほか、中価格帯の新スキンケアブランド「ルシェリ」等の育成に取り組みました。海外では、重点グローバルブランドの販売が好調だった韓国と中国が業績を牽引するなど、アジア各国が伸長いたしました。また、国内外における免税チャネルの売上も年間を通じて高成長が継続いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は254,965百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は51,401百万円(同10.8%増)となりました。
2)コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、コーセーコスメポート㈱が展開する日やけ止めブランド「サンカット」やボタニカルヘアケアシリーズ「サロンスタイル ビオリス」などが好調に推移したほか、セルフメイクブランド「ヴィセ」、ヘアケアブランド「スティーブンノル ニューヨーク」、ネイルブランド「ネイルホリック」等も伸長いたしました。
これらの結果、売上高は74,632百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は5,043百万円(同13.4%減)となりました。
3)その他
その他の事業につきましては、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加した結果、売上高は3,398百万円(前年同期比37.4%増)、営業利益は1,537百万円(同45.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より380百万円増加し64,264百万円(前年同期比0.6%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,989百万円の収入(同5.5%減)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益54,949百万円、非資金費用である減価償却費8,018百万円、たな卸資産の増加10,377百万円、売上債権の増加3,795百万円、その他の資産の増加1,388百万円、仕入債務の増加2,668百万円、その他負債の増加440百万円及び法人税等の支払い17,469百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、20,669百万円の支出(同99.3%増)となりました。主な要因は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入678百万円、有形固定資産の取得による支出15,191百万円、定期預金の純増に伴う支出2,659百万円、無形固定資産の取得による支出1,910百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,426百万円の支出(同36.4%減)となりました。主な要因は配当金の支払い10,189百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
化粧品事業 | 254,262 | 117.9 |
コスメタリー事業 | 61,116 | 117.0 |
その他 | 2,095 | 104.0 |
合計 | 317,474 | 117.6 |
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
化粧品事業 | 254,965 | 111.0 |
コスメタリー事業 | 74,632 | 104.6 |
その他 | 3,398 | 137.4 |
合計 | 332,995 | 109.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、以下に掲げる会計方針は連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えますので、特に記述いたします。
a. 収益の認識基準
当社グループでは、化粧品等は製商品の出荷時点、役務の提供については当該役務を提供した時点で収益を認識しております。
b. 返品調整引当金の計上基準
返品調整引当金は、取引先との間の商慣習により生じる返品について翌期以降に発生する損失見込額を引当計上しております。
c. たな卸資産の評価基準等及び廃棄判断の基準
たな卸資産の評価基準及び評価方法は主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、たな卸資産は滞留期間・将来の出荷可能性等を勘案し、一定の基準に基づき廃棄判断をしております。
d. 退職給付費用の計上基準
親会社及び国内連結子会社は、2003年4月1日よりキャッシュ・バランス型の企業年金制度に移行いたしました。2001年3月期の退職給付会計適用以後は、退職給付債務の現在価値を毎期見積り、将来給付予想額を支払可能とする勤務費用・利息費用から年金資産の期待運用収益を減じた金額を費用計上しております。また、年金資産の運用利差損益及び給付債務予測額の差異等により発生した未認識数理計算上の差異等は、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の流動比率は310.5%、当座比率は210.5%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ12.5ポイントの増加、1.8ポイントの減少となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ29,792百万円の増加となりました。現金及び預金の増加10,748百万円、受取手形及び売掛金の増加3,370百万円、有価証券の減少8,274百万円等により当座資産は5,844百万円増加し、たな卸資産の増加9,841百万円等によりその他の流動資産が12,277百万円増加いたしました。有形固定資産の増加8,885百万円、無形固定資産の減少714百万円、投資その他の資産の増加3,499百万円により固定資産が11,670百万円増加いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円の増加となりました。電子記録債務の増加3,236百万円、未払費用の増加1,293百万円、未払消費税等の減少1,240百万円等により流動負債が3,313百万円増加いたしました。固定負債は、リース債務の増加352百万円、役員退職慰労引当金の増加333百万円、退職給付に係る負債の減少517百万円等により244百万円の増加となりました。
なお、有利子負債残高は1,666百万円、デット・エクイティ・レシオは0.01倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、332,995百万円(前年同期比9.8%増、29,596百万円増)であり、過去最高となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ254,965百万円(同11.0%増、25,362百万円増)、74,632百万円(同4.6%増、3,308百万円増)となりました。その他の事業の売上高は3,398百万円(同37.4%増、924百万円増)となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い88,608百万円(前年同期比8.7%増、7,061百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、191,979百万円(同10.7%増、18,535百万円増)となりました。売上拡大のため積極的に広告宣伝費及び販売促進費を投下し、一般管理費の効率的な運用を図り、販売費及び一般管理費の売上高比率は0.5ポイント増加いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、1,568百万円の利益(前年同期比1,462.5%増、1,467百万円増)となりました。前連結会計年度は為替差損を計上しましたが、当連結会計年度は為替差益を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、973百万円の利益(前期266百万円の損失)となりました。関係会社株式売却益925百万円、事業整理益796百万円を特別利益に計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より380百万円増加し64,264百万円(前年同期比0.6%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内外ともに化粧品市場では、インターネットなどによる新たな販売方法が拡大しております。交通インフラの発展に伴い、国境を跨いでの人の移動も活発化しており、居住者以外の方に対する化粧品売上が増加しております。またインターネットなどによる情報が消費者へ与える影響力が増し、消費者の嗜好も多様化しております。化粧品市場は変化の過渡期であり、市場変化に対するタイムリーな対策の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼしております。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。
当連結会計年度の売上高営業利益率は前年同期より0.3ポイント減少し15.7%となりました。また、総資産事業利益率も前年同期より0.2ポイント減少し18.6%、自己資本当期純利益率は前年同期より1.2ポイント増加し18.8%となりました。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(化粧品事業)
セグメント資産は、現金及び預金の増加4,558百万円、売掛金及び受取手形の増加1,561百万円、たな卸資産の増加3,994百万円、有形固定資産の増加6,522百万円等により、前連結会計年度末に比べ18,796百万円増加の198,495百万円となりました。
(コスメタリー事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少1,782百万円、売掛金及び受取手形の増加1,049百万円、たな卸資産の増加5,599百万円、有形固定資産の増加1,727百万円等により、前連結会計年度末に比べ6,659百万円増加の51,637百万円となりました。
(その他)
セグメント資産は、売掛金の増加445百万円等により、前連結会計年度末に比べ844百万円増加の4,666百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。