有価証券報告書-第79期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における日本経済は、昨年4-6月期に発出された緊急事態宣言解除後の経済活動再開、GoToキャンペーンなどの政策が功を奏し回復傾向にありました。しかしながら、10-12月期では新型コロナウイルス感染症の再拡大、さらに2021年1-3月期において2回目となる緊急事態宣言発出により経済回復は鈍化いたしました。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済(2020年1月1日から2020年12月31日まで)においては、中国の景気は緩やかに回復しており、それ以外のアジア各国では厳しい状況にあるものの、下げ止まりや持ち直しの動きがみられます。米国では依然厳しい環境下ながらも経済活動が再開しております。
日本の化粧品市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大によりインバウンド需要が大幅に減少いたしましたが、日本人需要については外出自粛による消費意識の低下はあるものの、緩やかな回復傾向にあります。
アジア・米国の化粧品市場においては、中国では経済活動の正常化が進み、Eコマースやトラベルリテールを中心に大きく成長しております。それ以外のアジアについては、引き続き厳しい状況にあるものの、下げ止まりの状況となっております。米国では、感染症拡大が鈍化する中、個人消費は回復傾向にあります。
しかしながら足元の景況感では、日本では首都圏を中心として緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置適用に伴う、外出自粛や休業、時短営業による個人消費の低迷、中国以外のアジア各国・米国・欧州では、ロックダウンや渡航制限の影響を大きく受けており、今後も感染の動向などに注視しなければならない状況が続いております。
このような市場環境の中、当社グループにおいては、過去の苦しい局面においてピンチをチャンスに変えてきた経験・ノウハウを有しており、今後もグローバル・ボーダレスに事業を拡大していくためにリスクに強い企業に進化すべく、課題に取り組み、改革を進めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ220百万円減少し、308,386百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,316百万円減少し、67,087百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,096百万円増加し、241,299百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績については、中国での販売が好調だったものの、日本および中国以外の各国で感染拡大の影響を大きく受け、売上高は前年同期比14.7%減の279,389百万円(為替の影響を除くと14.2%減)となりました。なお、連結売上高に占める欧米亜売上高の割合は40.1%となりました。利益については、全社的なコストコントロールを実施したものの、上述の理由による売上高減少により、営業利益は13,294百万円(前年同期比67.0%減)となりました。経常利益は助成金収入により18,745百万円(同54.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,986百万円(同55.1%減)となりました。
1)化粧品事業
化粧品事業につきましては、中国では「コスメデコルテ」がすべてのチャネルで好調に推移いたしました。日本では、コスメデコルテの「リフトディメンション」、コーセーの薬用保湿美容液「ONE BY KOSÉ セラム ヴェール」、㈱コーセーとマルホ㈱の技術・知見を結集した高機能スキンケア「カルテHD」などが好調に推移いたしましたが、それ以外の主要ブランドが総じてマイナス成長となりました。また、インバウンド売上が大きく減少したこともあり、売上高は218,482百万円(前年同期比13.3%減)、営業利益は18,669百万円(同58.2%減)となりました。
2)コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、コロナ禍で需要が高まっている「メイク キープ ミスト」や「リップ ジェル マジック」、ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」などが売上に貢献いたしました。また、コーセーコスメポート㈱の「グレイスワン」や「コエンリッチ」が好調に推移いたしましたが、クレンジング市場、ヘアケア市場での苦戦により、売上高は58,434百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は63百万円(前期は211百万円の営業利益)となりました。
3)その他
その他の事業につきましては、OEM生産の受注が減少したため、売上高は2,472百万円(前年同期比36.9%減)、営業利益は973百万円(同24.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より9,767百万円増加し80,051百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23,280百万円の収入(同37.2%減)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益19,508百万円、非資金費用である減価償却費10,379百万円、たな卸資産の減少3,752百万円、売上債権の増加1,196百万円、その他の資産の減少5,530百万円、仕入債務の減少522百万円及び法人税等の支払い5,430百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,850百万円の支出(同69.2%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出8,657百万円、定期預金の減少による純収入3,804百万円及び無形固定資産の取得による支出2,081百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,363百万円の支出(同35.7%減)となりました。主な要因は短期借入金の純増額6,872百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出4,930百万円及び配当金の支払い9,289百万円等であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計上の見積り及び見積りに用いた重要な仮定は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](重要な会計上の見積り)に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の流動比率は332.8%、当座比率は231.8%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ9.8ポイントの減少、4.0ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ220百万円の減少となりました。現金及び預金の増加5,834百万円、受取手形及び売掛金の増加1,048百万円等により当座資産が6,882百万円増加し、流動資産は592百万円増加いたしました。有形固定資産の減少3,130百万円、無形固定資産の減少621百万円、投資その他の資産の増加2,938百万円により固定資産は813百万円減少いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,316百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の増加537百万円、電子記録債務の減少2,042百万円、短期借入金の増加6,872百万円、未払費用の減少1,228百万円、未払消費税等の減少1,537百万円等により流動負債が1,932百万円増加いたしました。固定負債は、退職給付に係る負債の減少4,346百万円等により3,248百万円の減少となりました。
なお、有利子負債残高は8,533百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、279,389百万円(前年同期比14.7%減、48,335百万円減)となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ218,482百万円(同13.3%減、33,412百万円減)、58,434百万円(同18.7%減、13,478百万円減)となりました。その他の事業の売上高は2,472百万円(同36.9%減、1,444百万円減)となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の売上原価は、77,465百万円(前年同期比12.7%減、11,238百万円減)となりました。
販売費及び一般管理費は、188,629百万円(同5.1%減、10,159百万円減)となりました。販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、売上高の減少額が上回ったため、販売費及び一般管理費の売上高比率は6.8ポイント増加いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、5,451百万円の利益(前年同期比677.7%増、4,750百万円増)となりました。当連結会計年度は助成金収入3,436百万円(前年同期比3,404百万円増)を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、763百万円の利益(前期566百万円の損失)となりました。固定資産売却益1,084百万円を特別利益に計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より9,767百万円増加し80,051百万円(前年同期比13.9%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社グループは「VISION 2026」実現に向け、生産設備の新設及び更新、新規市場進出のための投資、デジタルトランスフォーメーション推進への投資などを実施してまいります。それぞれの投資のタイミングにつきましては、資金残高及び資金調達のバランスを検証し、優先順位をつけて実施してまいります。
自己資金による事業運営、設備投資、株式投資、配当などを行っておりますが、金融機関とは28,000百万円のコミットメントラインを締結しており、事業運営上必要な投資などへの資金につきましては、外部調達も可能となっております。
当社グループの財務状況、安定した業績については、金融機関及び金融市場からの評価は高く、自己資金が不足した場合においても外部調達は可能と判断しております。また、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による資金需要に備え、金融機関とのコミットメントラインを増額いたしました。
利益配分につきましては安定配当を基本としておりますが、今後の事業拡大のための内部資金の確保に配慮しつつ、財政状態、業績、配当性向などを勘案し、配当金額を決定しております。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
化粧品市場においては、国内外におけるEコマース売上規模の拡大、交通インフラの発展や、経済成長に伴う所得水準の上昇により、中国をはじめトラベルリテール事業の売上も増加しました。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による消費マインドや、雇用・所得環境の悪化の改善、経済回復時期も不透明なため、市場変化に対するタイムリーな対応の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが想定されます。
c. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の前連結会計年度、当連結会計年度推移と「VISION 2026」でのそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです。
当連結会計年度の数値は、全て前連結会計年度を下回りました。その要因は、経営成績が前連結会計年度を下回ったことによります。当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況で述べたとおりであります。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(化粧品事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少9,062百万円、売掛金及び受取手形の増加761百万円、たな卸資産の減少3,210百万円、有形固定資産の減少1,234百万円、無形固定資産の減少1,050百万円等により、前連結会計年度末に比べ12,782百万円減少の191,543百万円となりました。
(コスメタリー事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少108百万円、売掛金及び受取手形の増加379百万円、有形固定資産の減少2,301百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,431百万円減少の46,272百万円となりました。
(その他)
セグメント資産は、現金及び預金の減少469百万円、有形固定資産の減少345百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,565百万円減少の3,770百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における日本経済は、昨年4-6月期に発出された緊急事態宣言解除後の経済活動再開、GoToキャンペーンなどの政策が功を奏し回復傾向にありました。しかしながら、10-12月期では新型コロナウイルス感染症の再拡大、さらに2021年1-3月期において2回目となる緊急事態宣言発出により経済回復は鈍化いたしました。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済(2020年1月1日から2020年12月31日まで)においては、中国の景気は緩やかに回復しており、それ以外のアジア各国では厳しい状況にあるものの、下げ止まりや持ち直しの動きがみられます。米国では依然厳しい環境下ながらも経済活動が再開しております。
日本の化粧品市場においては、新型コロナウイルス感染症拡大によりインバウンド需要が大幅に減少いたしましたが、日本人需要については外出自粛による消費意識の低下はあるものの、緩やかな回復傾向にあります。
アジア・米国の化粧品市場においては、中国では経済活動の正常化が進み、Eコマースやトラベルリテールを中心に大きく成長しております。それ以外のアジアについては、引き続き厳しい状況にあるものの、下げ止まりの状況となっております。米国では、感染症拡大が鈍化する中、個人消費は回復傾向にあります。
しかしながら足元の景況感では、日本では首都圏を中心として緊急事態宣言発出やまん延防止等重点措置適用に伴う、外出自粛や休業、時短営業による個人消費の低迷、中国以外のアジア各国・米国・欧州では、ロックダウンや渡航制限の影響を大きく受けており、今後も感染の動向などに注視しなければならない状況が続いております。
このような市場環境の中、当社グループにおいては、過去の苦しい局面においてピンチをチャンスに変えてきた経験・ノウハウを有しており、今後もグローバル・ボーダレスに事業を拡大していくためにリスクに強い企業に進化すべく、課題に取り組み、改革を進めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ220百万円減少し、308,386百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,316百万円減少し、67,087百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,096百万円増加し、241,299百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績については、中国での販売が好調だったものの、日本および中国以外の各国で感染拡大の影響を大きく受け、売上高は前年同期比14.7%減の279,389百万円(為替の影響を除くと14.2%減)となりました。なお、連結売上高に占める欧米亜売上高の割合は40.1%となりました。利益については、全社的なコストコントロールを実施したものの、上述の理由による売上高減少により、営業利益は13,294百万円(前年同期比67.0%減)となりました。経常利益は助成金収入により18,745百万円(同54.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,986百万円(同55.1%減)となりました。
1)化粧品事業
化粧品事業につきましては、中国では「コスメデコルテ」がすべてのチャネルで好調に推移いたしました。日本では、コスメデコルテの「リフトディメンション」、コーセーの薬用保湿美容液「ONE BY KOSÉ セラム ヴェール」、㈱コーセーとマルホ㈱の技術・知見を結集した高機能スキンケア「カルテHD」などが好調に推移いたしましたが、それ以外の主要ブランドが総じてマイナス成長となりました。また、インバウンド売上が大きく減少したこともあり、売上高は218,482百万円(前年同期比13.3%減)、営業利益は18,669百万円(同58.2%減)となりました。
2)コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、コロナ禍で需要が高まっている「メイク キープ ミスト」や「リップ ジェル マジック」、ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」などが売上に貢献いたしました。また、コーセーコスメポート㈱の「グレイスワン」や「コエンリッチ」が好調に推移いたしましたが、クレンジング市場、ヘアケア市場での苦戦により、売上高は58,434百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は63百万円(前期は211百万円の営業利益)となりました。
3)その他
その他の事業につきましては、OEM生産の受注が減少したため、売上高は2,472百万円(前年同期比36.9%減)、営業利益は973百万円(同24.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より9,767百万円増加し80,051百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23,280百万円の収入(同37.2%減)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益19,508百万円、非資金費用である減価償却費10,379百万円、たな卸資産の減少3,752百万円、売上債権の増加1,196百万円、その他の資産の減少5,530百万円、仕入債務の減少522百万円及び法人税等の支払い5,430百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,850百万円の支出(同69.2%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出8,657百万円、定期預金の減少による純収入3,804百万円及び無形固定資産の取得による支出2,081百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,363百万円の支出(同35.7%減)となりました。主な要因は短期借入金の純増額6,872百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出4,930百万円及び配当金の支払い9,289百万円等であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
化粧品事業 | 163,840 | 71.5 |
コスメタリー事業 | 36,421 | 72.1 |
その他 | 1,621 | 51.1 |
合計 | 201,884 | 71.4 |
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
化粧品事業 | 218,482 | 86.7 |
コスメタリー事業 | 58,434 | 81.3 |
その他 | 2,472 | 63.1 |
合計 | 279,389 | 85.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計上の見積り及び見積りに用いた重要な仮定は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](重要な会計上の見積り)に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の流動比率は332.8%、当座比率は231.8%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ9.8ポイントの減少、4.0ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ220百万円の減少となりました。現金及び預金の増加5,834百万円、受取手形及び売掛金の増加1,048百万円等により当座資産が6,882百万円増加し、流動資産は592百万円増加いたしました。有形固定資産の減少3,130百万円、無形固定資産の減少621百万円、投資その他の資産の増加2,938百万円により固定資産は813百万円減少いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,316百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の増加537百万円、電子記録債務の減少2,042百万円、短期借入金の増加6,872百万円、未払費用の減少1,228百万円、未払消費税等の減少1,537百万円等により流動負債が1,932百万円増加いたしました。固定負債は、退職給付に係る負債の減少4,346百万円等により3,248百万円の減少となりました。
なお、有利子負債残高は8,533百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、279,389百万円(前年同期比14.7%減、48,335百万円減)となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ218,482百万円(同13.3%減、33,412百万円減)、58,434百万円(同18.7%減、13,478百万円減)となりました。その他の事業の売上高は2,472百万円(同36.9%減、1,444百万円減)となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の売上原価は、77,465百万円(前年同期比12.7%減、11,238百万円減)となりました。
販売費及び一般管理費は、188,629百万円(同5.1%減、10,159百万円減)となりました。販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、売上高の減少額が上回ったため、販売費及び一般管理費の売上高比率は6.8ポイント増加いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、5,451百万円の利益(前年同期比677.7%増、4,750百万円増)となりました。当連結会計年度は助成金収入3,436百万円(前年同期比3,404百万円増)を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、763百万円の利益(前期566百万円の損失)となりました。固定資産売却益1,084百万円を特別利益に計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より9,767百万円増加し80,051百万円(前年同期比13.9%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社グループは「VISION 2026」実現に向け、生産設備の新設及び更新、新規市場進出のための投資、デジタルトランスフォーメーション推進への投資などを実施してまいります。それぞれの投資のタイミングにつきましては、資金残高及び資金調達のバランスを検証し、優先順位をつけて実施してまいります。
自己資金による事業運営、設備投資、株式投資、配当などを行っておりますが、金融機関とは28,000百万円のコミットメントラインを締結しており、事業運営上必要な投資などへの資金につきましては、外部調達も可能となっております。
当社グループの財務状況、安定した業績については、金融機関及び金融市場からの評価は高く、自己資金が不足した場合においても外部調達は可能と判断しております。また、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による資金需要に備え、金融機関とのコミットメントラインを増額いたしました。
利益配分につきましては安定配当を基本としておりますが、今後の事業拡大のための内部資金の確保に配慮しつつ、財政状態、業績、配当性向などを勘案し、配当金額を決定しております。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
化粧品市場においては、国内外におけるEコマース売上規模の拡大、交通インフラの発展や、経済成長に伴う所得水準の上昇により、中国をはじめトラベルリテール事業の売上も増加しました。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による消費マインドや、雇用・所得環境の悪化の改善、経済回復時期も不透明なため、市場変化に対するタイムリーな対応の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが想定されます。
c. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の前連結会計年度、当連結会計年度推移と「VISION 2026」でのそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 「VISION 2026」 | |
総資産事業利益率(ROA) | 13.4% | 4.5% | 18%以上 |
自己資本当期純利益率(ROE) | 12.3% | 5.3% | 15%以上 |
売上高営業利益率 | 12.3% | 4.8% | 16%以上 |
当連結会計年度の数値は、全て前連結会計年度を下回りました。その要因は、経営成績が前連結会計年度を下回ったことによります。当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況で述べたとおりであります。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(化粧品事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少9,062百万円、売掛金及び受取手形の増加761百万円、たな卸資産の減少3,210百万円、有形固定資産の減少1,234百万円、無形固定資産の減少1,050百万円等により、前連結会計年度末に比べ12,782百万円減少の191,543百万円となりました。
(コスメタリー事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少108百万円、売掛金及び受取手形の増加379百万円、有形固定資産の減少2,301百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,431百万円減少の46,272百万円となりました。
(その他)
セグメント資産は、現金及び預金の減少469百万円、有形固定資産の減少345百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,565百万円減少の3,770百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。