有価証券報告書-第112期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが収まらず、2度の緊急事態宣言発出により社会・経済活動は大きく制限されました。年明け以降、感染状況は深刻さを増しており、依然として先行き不透明な状態が続いています。
そのような状況下、当社グループにおきましては、巣ごもり需要の増加による包材関係の受注増加と、昨年10月に行なったシノムラ化学工業株式会社の子会社化が売上高の増加要因となりました。一方で、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な景気低迷の影響や米中関係悪化の影響を受けて、光学用表面保護フィルムの受注が振るわず、連結売上高は前年同期比微増にとどまりました。
損益面では、生産合理化や経費支出の抑制および原材料費の低減により営業利益は増益となりました。また、雇用調整助成金収入や為替差益の計上および持分法による投資損失の減少等もあり、経常利益は増益となりました。更に、シノムラ化学工業株式会社の子会社化に伴う負ののれん発生益の計上、政策保有株式の処分による投資有価証券売却益の計上及び関係会社に対する減損損失の減少等により親会社株主に帰属する当期純利益も改善し、増益となりました。
その結果、当社グループの経営成績は、売上高299億86百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益6億13百万円 (前年同期比238.1%増)、経常利益9億6百万円(前年同期は経常損失1億61百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億38百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(軽包装材料)
食品用包材の分野では、外出自粛の影響を受け、清涼飲料用パウチの受注が減少しましたが、巣ごもり需要の増加に伴い電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」の受注が増加し、増収となりました。
医薬品・医療用包材の分野では、医療機関への外来患者の減少等により、高防湿PTP包装用フィルム「テクニフィルム」、その他の医療用包材の受注が減少し、減収となりました。
洗剤・トイレタリー用包材の分野では、外出自粛の影響で化粧品関連の受注は減少しましたが、ハンドソープ、消毒液、液体洗剤等の詰替え用パウチの受注は好調に推移し、増収となりました。
精密機器その他の包材の分野では、新型コロナウイルスの影響により、エアー緩衝材をはじめ、全般的に受注が減少し、減収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は120億円(前年同期比2.0%増)となりました。
(産業資材)
テープ基材等に使用される紙・布へのラミネート製品については、事業者間の荷動き低下による梱包用テープの需要減少や、自然災害の備えとしての養生用テープの需要一服による受注の落ち込みがありました。
剥離紙については、POP関連その他の受注が減少しましたが、FPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙の受注が増加いたしました。
産業資材全体としては、シノムラ化学工業株式会社の子会社化により売上高が増加し、増収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は89億67百万円(前年同期比22.8%増)となりました。
(機能性材料)
粘着塗工タイプの表面保護フィルム「サニテクト」については、テレワーク導入企業の増加によりパソコン向けの受注が堅調で、増収となりました。
2層押出しタイプの表面保護フィルム「PAC」及び精密塗工タイプの表面保護フィルム「SAT」については、米中関係悪化の影響を受け、偏光板用やスマートフォン関連の受注が落ち込み、減収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は85億81百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
b.財政状態
(資産)
総資産は前連結会計年度末と比べて43億60百万円増加いたしました。これはシノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、現金及び預金が8億5百万円、受取手形及び売掛金が4億72百万円、電子記録債権が8億13百万円、原材料及び貯蔵品が2億33百万円及び有形固定資産が8億5百万円とそれぞれ増加したことや、株式市場の市況改善等により、投資有価証券が6億48百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末と比べて18億43百万円増加いたしました。これはシノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、支払手形及び買掛金が5億38百万円及び退職給付に係る負債が2億55百万円とそれぞれ増加したことや、資金調達により、長期借入金が10億37百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて25億17百万円増加いたしました。これは利益剰余金が9億3百万円増加したことや、シノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、非支配株主持分が9億60百万円増加したことや、投資有価証券の時価の増加により、その他有価証券評価差額金が3億62百万円増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額および長期借入金の返済による支出により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益13億11百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失12億94百万円)、減価償却費および長期借入れによる収入の増加等の要因により、前連結会計年度末に比べ7億91百万円増加し当連結会計年度末には69億27百万円(前年同期比12.9%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は20億40百万円(前年同期比64.2%増)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益13億11百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失12億94百万円)や、減価償却費7億57百万円(前年同期比13.7%減)、たな卸資産の減少額3億70百万円(前年同期比478.0%増)等の増加要因がありましたが、シノムラ化学工業株式会社の株式取得(子会社化)に伴う負ののれん発生益4億12百万円(前年同期は実績なし)等の減少要因に相殺されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5億84百万円(前年同期比0.7%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出4億57百万円(前年同期比11.6%減)や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億46百万円(前年同期は実績なし)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億78百万円(前年同期は財務活動の結果得られた資金2億88百万円)となりました。これは短期借入金の純減少額11億10百万円(前年同期は短期借入金の純増加額8億40百万円)や長期借入金の返済による支出7億69百万円(前年同期比15.7%増)等の減少要因がありましたが、長期借入れによる収入14億28百万円(前年同期比320.2%増)等の増加要因に相殺されたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は軽微と判断していますが、感染拡大の収束が遅れた場合には、見積られた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。
a.有形固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損損失の認識の要否の判定をしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、見積りの金額に影響を及ぼす可能性があります。
b.退職給付に係る負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前述したとおり前連結会計年度と比較すると、売上高は僅かな増加にとどまりましたが、損益面は改善し、増益となりました。この結果を損益勘定別に分析・検討すると次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高に関する分析・検討内容につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 において、セグメント別に記載したとおりであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は6億13百万円、前年同期比238.1%の増益となりましたが、その主な要因は軽包装材料及び産業資材の両セグメントにおいて収益性が改善したことによるものです。
軽包装材料セグメントにおいては、新型コロナウイルスの影響で受注が減少した商材が多い中、清涼飲料用パウチを除く食品包材やハンドソープ、消毒液等の詰替え用パウチの売上増加が新型コロナウイルスによる減収を上回り、前年同期比2.0%の増収となりました。中でも電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」の受注が特に好調で、設備の増強によって生産能力を引き上げたことも奏功し、需要の高まりに応えることができました。また、原材料価格の低下が通期にわたって持続したことも重なり、収益性を回復させることができました。その結果、当セグメントの営業利益は3億97百万円、前年同期比56.3%の増益となりました。
産業資材セグメントにおいては、これまで市場の停滞が続く中、掛川工場WEST竣工に伴う償却負担の増加を吸収し切れず営業損失の計上が続いておりましたが、前期末に行った同工場の減損処理と償却進行によって減価償却費が軽減したこと、奈良工場の生産を他工場に移管し、当セグメントの生産コストを削減したこと、当期に行ったシノムラ化学工業株式会社の子会社化により、同社の営業利益を取り込んだことなどにより、収益性を改善いたしました。これら経営努力による改善の他、原材料価格の低下が通期にわたって持続したという事業環境の変化もあって、営業損失を縮小することができました。その結果、当セグメントの営業損失は2億36百万円、前年同期比3億11百万円の損失減少となりました。
機能性材料セグメントにおいては、「サニテクト」の受注が好調であったものの「SAT」の減収幅が大きく、全体で前年同期比14.5%の減収となりましたが、これは、新型コロナウイルス感染拡大と米中関係悪化の影響によるところが当セグメントにとっては少なくなかったからであります。しかしながら、パソコン向けの需要増加により、「サニテクトNSタイプ」の売上が伸長したことに加え、各工場の生産合理化によるコスト削減、海外顧客や海外拠点への訪問・打合せをリモート会議に切替えたことに伴う販管費の削減、並びに通期にわたる原材料価格の低下等によって、減益幅を相当程度縮小することができました。その結果、当セグメントの営業利益は4億66百万円、前年同期比4.2%の減益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は9億6百万円となりました。前年同期は1億61百万円の経常損失を計上したため、10億68百万円の増益になりますが、営業利益の増益分を差し引くと、営業外損益が前年同期比で6億36百万円改善したことになります。この主な要因は、前期末に長鼎電子材料(蘇州)有限公司が行った減損処理に伴って、同社に係る持分法による投資損失が5億77百万円減少したこと、及び新型コロナウイルスの影響に伴う受注の減少に対応するため当期に休業を行ったことにより雇用調整助成金収入が1億2百万円発生したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は13億11百万円となりました。前年同期は12億94百万円の損失を計上したため、26億5百万円の増益となりますが、経常利益の増益分を差し引くと、特別損益が前年同期比で15億37百万円改善したことになります。この主な要因は、前期末に掛川工場WEST及び株式会社ペンリードの収益性低下に伴う減損損失を計6億91百万円計上したのに対し、当期は株式会社ペンリードの解散決定に伴う減損損失を60百万円計上したため、減損損失が6億30百万円減少したこと、2020年10月にシノムラ化学工業株式会社の株式を取得し、子会社化したことに伴って、当期に負ののれん発生益を4億12百万円計上したこと、前期末に長鼎電子材料(蘇州)有限公司の銀行借入に対する保証2億50百万円を債務保証引当金に繰り入れたこと、同社に対する貸付金1億91百万円を貸倒引当金に繰り入れたこと、及び当期は政策保有株式の縮減に伴う株式売却により、投資有価証券売却益が55百万円増加したことによるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、資金の流動性維持、健全性の高い財務基盤の構築を図ることを財務の基本方針としております。資金調達の方法といたしましては、必要な運転資金及び設備投資資金を内部留保と金融機関からの借入によって賄っております。当連結会計年度においては、長期借入金14億円を資金調達し手元流動性の確保を行いました。
今後も継続して設備投資を実施していくため、投資金額の抑制を図り資金負担を軽減するとともに、営業活動により得られるキャッシュ・フローの拡大、資本効率の向上を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが収まらず、2度の緊急事態宣言発出により社会・経済活動は大きく制限されました。年明け以降、感染状況は深刻さを増しており、依然として先行き不透明な状態が続いています。
そのような状況下、当社グループにおきましては、巣ごもり需要の増加による包材関係の受注増加と、昨年10月に行なったシノムラ化学工業株式会社の子会社化が売上高の増加要因となりました。一方で、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な景気低迷の影響や米中関係悪化の影響を受けて、光学用表面保護フィルムの受注が振るわず、連結売上高は前年同期比微増にとどまりました。
損益面では、生産合理化や経費支出の抑制および原材料費の低減により営業利益は増益となりました。また、雇用調整助成金収入や為替差益の計上および持分法による投資損失の減少等もあり、経常利益は増益となりました。更に、シノムラ化学工業株式会社の子会社化に伴う負ののれん発生益の計上、政策保有株式の処分による投資有価証券売却益の計上及び関係会社に対する減損損失の減少等により親会社株主に帰属する当期純利益も改善し、増益となりました。
その結果、当社グループの経営成績は、売上高299億86百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益6億13百万円 (前年同期比238.1%増)、経常利益9億6百万円(前年同期は経常損失1億61百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失13億38百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
| セグメント別 | 売上高 | 構成比 | 前年同期比 | |||
| 軽包装材料 | 12,000百万円 | 40.0% | 2.0%増 | |||
| 産業資材 | 8,967百万円 | 29.9% | 22.8%増 | |||
| 機能性材料 | 8,581百万円 | 28.6% | 14.5%減 | |||
| その他 | 437百万円 | 1.5% | 26.8%減 | |||
| 合計 | 29,986百万円 | 100.0% | 1.0%増 |
(軽包装材料)
食品用包材の分野では、外出自粛の影響を受け、清涼飲料用パウチの受注が減少しましたが、巣ごもり需要の増加に伴い電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」の受注が増加し、増収となりました。
医薬品・医療用包材の分野では、医療機関への外来患者の減少等により、高防湿PTP包装用フィルム「テクニフィルム」、その他の医療用包材の受注が減少し、減収となりました。
洗剤・トイレタリー用包材の分野では、外出自粛の影響で化粧品関連の受注は減少しましたが、ハンドソープ、消毒液、液体洗剤等の詰替え用パウチの受注は好調に推移し、増収となりました。
精密機器その他の包材の分野では、新型コロナウイルスの影響により、エアー緩衝材をはじめ、全般的に受注が減少し、減収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は120億円(前年同期比2.0%増)となりました。
(産業資材)
テープ基材等に使用される紙・布へのラミネート製品については、事業者間の荷動き低下による梱包用テープの需要減少や、自然災害の備えとしての養生用テープの需要一服による受注の落ち込みがありました。
剥離紙については、POP関連その他の受注が減少しましたが、FPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙の受注が増加いたしました。
産業資材全体としては、シノムラ化学工業株式会社の子会社化により売上高が増加し、増収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は89億67百万円(前年同期比22.8%増)となりました。
(機能性材料)
粘着塗工タイプの表面保護フィルム「サニテクト」については、テレワーク導入企業の増加によりパソコン向けの受注が堅調で、増収となりました。
2層押出しタイプの表面保護フィルム「PAC」及び精密塗工タイプの表面保護フィルム「SAT」については、米中関係悪化の影響を受け、偏光板用やスマートフォン関連の受注が落ち込み、減収となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は85億81百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
b.財政状態
(資産)
総資産は前連結会計年度末と比べて43億60百万円増加いたしました。これはシノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、現金及び預金が8億5百万円、受取手形及び売掛金が4億72百万円、電子記録債権が8億13百万円、原材料及び貯蔵品が2億33百万円及び有形固定資産が8億5百万円とそれぞれ増加したことや、株式市場の市況改善等により、投資有価証券が6億48百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末と比べて18億43百万円増加いたしました。これはシノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、支払手形及び買掛金が5億38百万円及び退職給付に係る負債が2億55百万円とそれぞれ増加したことや、資金調達により、長期借入金が10億37百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べて25億17百万円増加いたしました。これは利益剰余金が9億3百万円増加したことや、シノムラ化学工業株式会社を子会社化したこともあり、非支配株主持分が9億60百万円増加したことや、投資有価証券の時価の増加により、その他有価証券評価差額金が3億62百万円増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額および長期借入金の返済による支出により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益13億11百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失12億94百万円)、減価償却費および長期借入れによる収入の増加等の要因により、前連結会計年度末に比べ7億91百万円増加し当連結会計年度末には69億27百万円(前年同期比12.9%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は20億40百万円(前年同期比64.2%増)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益13億11百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失12億94百万円)や、減価償却費7億57百万円(前年同期比13.7%減)、たな卸資産の減少額3億70百万円(前年同期比478.0%増)等の増加要因がありましたが、シノムラ化学工業株式会社の株式取得(子会社化)に伴う負ののれん発生益4億12百万円(前年同期は実績なし)等の減少要因に相殺されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5億84百万円(前年同期比0.7%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出4億57百万円(前年同期比11.6%減)や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億46百万円(前年同期は実績なし)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億78百万円(前年同期は財務活動の結果得られた資金2億88百万円)となりました。これは短期借入金の純減少額11億10百万円(前年同期は短期借入金の純増加額8億40百万円)や長期借入金の返済による支出7億69百万円(前年同期比15.7%増)等の減少要因がありましたが、長期借入れによる収入14億28百万円(前年同期比320.2%増)等の増加要因に相殺されたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 軽包装材料(千円) | 11,807,802 | 101.9 |
| 産業資材 (千円) | 8,806,911 | 118.7 |
| 機能性材料(千円) | 7,430,961 | 87.5 |
| 報告セグメント計(千円) | 28,045,675 | 102.0 |
| その他(千円) | 164,662 | 49.7 |
| 合計(千円) | 28,210,338 | 101.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 軽包装材料(千円) | 44,805 | 132.9 |
| 産業資材 (千円) | 5,892 | 92.6 |
| 機能性材料(千円) | 1,108,912 | 79.8 |
| 報告セグメント計(千円) | 1,159,610 | 81.1 |
| その他(千円) | 534,194 | 227.9 |
| 合計(千円) | 1,693,804 | 101.8 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 軽包装材料 | 12,295,765 | 104.5 | 2,778,551 | 111.9 |
| 産業資材 | 9,138,463 | 124.0 | 916,161 | 148.2 |
| 機能性材料 | 8,880,755 | 87.9 | 977,838 | 144.2 |
| 報告セグメント計 | 30,314,984 | 103.7 | 4,672,550 | 123.6 |
| その他 | 382,501 | 58.3 | 29,971 | 35.4 |
| 合計 | 30,697,486 | 102.7 | 4,702,522 | 121.7 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 製品 | ||
| 軽包装材料(千円) | 11,952,832 | 102.0 |
| 産業資材 (千円) | 8,961,603 | 122.9 |
| 機能性材料(千円) | 7,417,322 | 86.2 |
| 報告セグメント計(千円) | 28,331,758 | 102.6 |
| その他(千円) | 184,334 | 60.7 |
| 小計(千円) | 28,516,093 | 102.1 |
| 商品 | ||
| 軽包装材料(千円) | 47,729 | 130.8 |
| 産業資材 (千円) | 5,881 | 80.0 |
| 機能性材料(千円) | 1,163,734 | 80.8 |
| 報告セグメント計(千円) | 1,217,344 | 82.0 |
| その他(千円) | 252,784 | 86.2 |
| 小計(千円) | 1,470,129 | 82.7 |
| 合計(千円) | 29,986,222 | 101.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は軽微と判断していますが、感染拡大の収束が遅れた場合には、見積られた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。
a.有形固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損損失の認識の要否の判定をしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、見積りの金額に影響を及ぼす可能性があります。
b.退職給付に係る負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前述したとおり前連結会計年度と比較すると、売上高は僅かな増加にとどまりましたが、損益面は改善し、増益となりました。この結果を損益勘定別に分析・検討すると次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高に関する分析・検討内容につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 において、セグメント別に記載したとおりであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は6億13百万円、前年同期比238.1%の増益となりましたが、その主な要因は軽包装材料及び産業資材の両セグメントにおいて収益性が改善したことによるものです。
軽包装材料セグメントにおいては、新型コロナウイルスの影響で受注が減少した商材が多い中、清涼飲料用パウチを除く食品包材やハンドソープ、消毒液等の詰替え用パウチの売上増加が新型コロナウイルスによる減収を上回り、前年同期比2.0%の増収となりました。中でも電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」の受注が特に好調で、設備の増強によって生産能力を引き上げたことも奏功し、需要の高まりに応えることができました。また、原材料価格の低下が通期にわたって持続したことも重なり、収益性を回復させることができました。その結果、当セグメントの営業利益は3億97百万円、前年同期比56.3%の増益となりました。
産業資材セグメントにおいては、これまで市場の停滞が続く中、掛川工場WEST竣工に伴う償却負担の増加を吸収し切れず営業損失の計上が続いておりましたが、前期末に行った同工場の減損処理と償却進行によって減価償却費が軽減したこと、奈良工場の生産を他工場に移管し、当セグメントの生産コストを削減したこと、当期に行ったシノムラ化学工業株式会社の子会社化により、同社の営業利益を取り込んだことなどにより、収益性を改善いたしました。これら経営努力による改善の他、原材料価格の低下が通期にわたって持続したという事業環境の変化もあって、営業損失を縮小することができました。その結果、当セグメントの営業損失は2億36百万円、前年同期比3億11百万円の損失減少となりました。
機能性材料セグメントにおいては、「サニテクト」の受注が好調であったものの「SAT」の減収幅が大きく、全体で前年同期比14.5%の減収となりましたが、これは、新型コロナウイルス感染拡大と米中関係悪化の影響によるところが当セグメントにとっては少なくなかったからであります。しかしながら、パソコン向けの需要増加により、「サニテクトNSタイプ」の売上が伸長したことに加え、各工場の生産合理化によるコスト削減、海外顧客や海外拠点への訪問・打合せをリモート会議に切替えたことに伴う販管費の削減、並びに通期にわたる原材料価格の低下等によって、減益幅を相当程度縮小することができました。その結果、当セグメントの営業利益は4億66百万円、前年同期比4.2%の減益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は9億6百万円となりました。前年同期は1億61百万円の経常損失を計上したため、10億68百万円の増益になりますが、営業利益の増益分を差し引くと、営業外損益が前年同期比で6億36百万円改善したことになります。この主な要因は、前期末に長鼎電子材料(蘇州)有限公司が行った減損処理に伴って、同社に係る持分法による投資損失が5億77百万円減少したこと、及び新型コロナウイルスの影響に伴う受注の減少に対応するため当期に休業を行ったことにより雇用調整助成金収入が1億2百万円発生したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は13億11百万円となりました。前年同期は12億94百万円の損失を計上したため、26億5百万円の増益となりますが、経常利益の増益分を差し引くと、特別損益が前年同期比で15億37百万円改善したことになります。この主な要因は、前期末に掛川工場WEST及び株式会社ペンリードの収益性低下に伴う減損損失を計6億91百万円計上したのに対し、当期は株式会社ペンリードの解散決定に伴う減損損失を60百万円計上したため、減損損失が6億30百万円減少したこと、2020年10月にシノムラ化学工業株式会社の株式を取得し、子会社化したことに伴って、当期に負ののれん発生益を4億12百万円計上したこと、前期末に長鼎電子材料(蘇州)有限公司の銀行借入に対する保証2億50百万円を債務保証引当金に繰り入れたこと、同社に対する貸付金1億91百万円を貸倒引当金に繰り入れたこと、及び当期は政策保有株式の縮減に伴う株式売却により、投資有価証券売却益が55百万円増加したことによるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、資金の流動性維持、健全性の高い財務基盤の構築を図ることを財務の基本方針としております。資金調達の方法といたしましては、必要な運転資金及び設備投資資金を内部留保と金融機関からの借入によって賄っております。当連結会計年度においては、長期借入金14億円を資金調達し手元流動性の確保を行いました。
今後も継続して設備投資を実施していくため、投資金額の抑制を図り資金負担を軽減するとともに、営業活動により得られるキャッシュ・フローの拡大、資本効率の向上を図ってまいります。