半期報告書-第110期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績の情報
当中間連結会計期間の国内の主な石油製品需要は、乗用車保有台数減少、燃費改善及び物流効率化などにより主燃料については減少しましたが、航空機向けはコロナ以降の復便継続により、前年から増加しました。
原油価格は、地政学リスクに支えられたものの、米国の早期利下げ観測後退や中国景気後退などの経済悪化懸念、原油在庫高やOPECプラスの自主減産縮小方針の発表による供給過剰感が重しとなり、下落基調で推移しました。この結果、ドバイ原油価格の4~9月平均は前年同期比0.5ドル/バレル下落の81.8ドル/バレルとなりました。
ドル円の為替相場は、4~7月は日米の金融政策の差が意識され円安が進行しましたが、8月以降は日銀追加利上げ決定及び予想を下回る米国経済指標などにより、日米金利差が縮小傾向となり円高基調となりました。この結果、対ドル円相場の4~9月平均は1ドル152.6円となりました。
当社グループの当中間連結会計期間の売上高は、円安影響などによる燃料油セグメントにおける販売価格の上昇などにより4兆5,040億円(前年同期比+11.9%)となりました。
営業利益は、燃料油セグメントにおける輸出数量の減少や海外製品マージンの縮小、資源セグメントの石炭市況の下落などにより973億円(前年同期比△52.0%)となりました。
営業外損益は、持分法による投資利益の増加などにより、276億円(前年同期比+17.0%)の利益となりました。その結果、経常利益は1,249億円(前年同期比△44.9%)となりました。
特別損益は、国内子会社の固定資産売却などにより、59億円(前年同期比+336.9%)の利益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前中間純利益の減少により321億円(前年同期比△49.7%)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する中間純利益は994億円(前年同期比△39.7%)となりました。
当中間連結会計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
セグメント別売上高
(単位:億円)
セグメント別利益又は損失(△)(営業損益+持分法投資損益)
(単位:億円)
[燃料油セグメント]
燃料油セグメントの売上高は、円安影響などによる販売価格の上昇などにより、3兆7,507億円(前年同期比+17.6%)となりました。セグメント損益は、国内製品マージンについては、マイナスのタイムラグ影響はあったものの実質マージンの改善により前年と同水準となりましたが、海外製品マージンの縮小や製油所トラブル等による輸出数量の減少などにより、622億円(前年同期比△48.9%)となりました。
[基礎化学品セグメント]
基礎化学品セグメントの売上高は2,946億円(前年同期比+5.2%)となりました。セグメント損益は、製造装置トラブルにより生産数量が減少したことなどにより、34億円(前年同期比△71.6%)となりました。
[高機能材セグメント]
高機能材セグメントは、潤滑油事業の販売ポートフォリオ改善や機能化学品事業の価格改善などにより、売上高は2,508億円(前年同期比+1.0%)、セグメント損益は160億円(前年同期比+19.7%)となりました。
[電力・再生可能エネルギーセグメント]
電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は655億円(前年同期比△9.2%)となりました。セグメント損益は、トラブルに伴う調達コストの増加やバイオマス原料コストの増加などにより、△58億円(前年同期比△54億円)となりました。
[資源セグメント]
(石油・天然ガス開発事業・地熱事業)
石油・天然ガス開発事業・地熱事業は、円安などの好転要因があったものの、生産数量の減少などにより、売上高は217億円(前年同期比△0.6%)、セグメント損益は99億円(前年同期比△5.5%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業は、石炭市況の下落に伴う価格要因などにより、売上高は1,143億円(前年同期比△46.0%)、セグメント損益は328億円(前年同期比△44.6%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は1,360億円(前年同期比△41.7%)、セグメント損益は428億円(前年同期比△38.7%)となりました。
[その他セグメント]
その他セグメントの売上高は、63億円(前年同期比+351.4%)、セグメント損益は8億円(前年同期比△1.6%)となりました。
(2) 財政状態の分析
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
ア.資産の部
資産合計は、季節要因による数量減に伴う売掛債権の減少や棚卸資産の減少などにより、4兆6,870億円(前期末比△3,253億円)となりました。
イ.負債の部
負債合計は、有利子負債の減少や前期末の休日影響による未払金の減少などにより、2兆8,028億円(前期末比△3,970億円)となりました。
ウ.純資産の部
純資産合計は、自己株式の取得や配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社株主に帰属する中間純利益の計上などにより、1兆8,842億円(前期末比+717億円)となりました。
以上の結果、自己資本比率は前期末の35.9%から39.8%へ3.9ポイント改善しました。また当中間連結会計期間末のネットD/Eレシオは、0.6(前期末:0.7)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、299億円となり、前期末に比べ、1,070億円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
ア.営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前中間純利益や減価償却費、運転資本の減少などの資金増加要因が、未払金の減少などの資金減少要因を上回ったことより、2,218億円の収入となりました。
イ.投資活動によるキャッシュ・フロー
製油所設備の維持更新投資などによる有形固定資産の取得などにより、470億円の支出となりました。
ウ.財務活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、2,880億円の支出となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間における当社グループの資金需要及び財務政策について、前連結会計年度から重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は143億円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の国内の主な石油製品需要は、乗用車保有台数減少、燃費改善及び物流効率化などにより主燃料については減少しましたが、航空機向けはコロナ以降の復便継続により、前年から増加しました。
原油価格は、地政学リスクに支えられたものの、米国の早期利下げ観測後退や中国景気後退などの経済悪化懸念、原油在庫高やOPECプラスの自主減産縮小方針の発表による供給過剰感が重しとなり、下落基調で推移しました。この結果、ドバイ原油価格の4~9月平均は前年同期比0.5ドル/バレル下落の81.8ドル/バレルとなりました。
ドル円の為替相場は、4~7月は日米の金融政策の差が意識され円安が進行しましたが、8月以降は日銀追加利上げ決定及び予想を下回る米国経済指標などにより、日米金利差が縮小傾向となり円高基調となりました。この結果、対ドル円相場の4~9月平均は1ドル152.6円となりました。
(原油価格、為替レートの状況) |
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減 | ||
ドバイ原油(ドル/バレル) | 82.3 | 81.8 | △0.5 | △0.6% |
為替レート(円/ドル) | 141.0 | 152.6 | +11.6 | +8.3% |
当社グループの当中間連結会計期間の売上高は、円安影響などによる燃料油セグメントにおける販売価格の上昇などにより4兆5,040億円(前年同期比+11.9%)となりました。
営業利益は、燃料油セグメントにおける輸出数量の減少や海外製品マージンの縮小、資源セグメントの石炭市況の下落などにより973億円(前年同期比△52.0%)となりました。
営業外損益は、持分法による投資利益の増加などにより、276億円(前年同期比+17.0%)の利益となりました。その結果、経常利益は1,249億円(前年同期比△44.9%)となりました。
特別損益は、国内子会社の固定資産売却などにより、59億円(前年同期比+336.9%)の利益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前中間純利益の減少により321億円(前年同期比△49.7%)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する中間純利益は994億円(前年同期比△39.7%)となりました。
当中間連結会計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
セグメント別売上高
(単位:億円)
前中間 | 当中間 | 増減 | ||
連結会計期間 | 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 | |
燃料油 | 31,891 | 37,507 | +5,617 | +17.6% |
基礎化学品 | 2,802 | 2,946 | +144 | +5.2% |
高機能材 | 2,484 | 2,508 | +25 | +1.0% |
電力・再生可能エネルギー | 721 | 655 | △66 | △9.2% |
資源 | 2,333 | 1,360 | △973 | △41.7% |
その他 | 14 | 63 | +49 | +351.4% |
合計 | 40,245 | 45,040 | +4,796 | +11.9% |
セグメント別利益又は損失(△)(営業損益+持分法投資損益)
(単位:億円)
前中間 | 当中間 | 増減 | ||
連結会計期間 | 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 | |
燃料油 (在庫評価影響除き) | 1,217 (1,050) | 622 (628) | △596 (△423) | △48.9% (△40.2%) |
基礎化学品 | 120 | 34 | △86 | △71.6% |
高機能材 | 134 | 160 | +26 | +19.7% |
電力・再生可能エネルギー | △4 | △58 | △54 | ― |
資源 | 698 | 428 | △270 | △38.7% |
その他 | 8 | 8 | △0 | △1.6% |
調整額 | △60 | △58 | +1 | ― |
合計 (在庫評価影響除き) | 2,112 (1,946) | 1,134 (1,140) | △978 (△805) | △46.3% (△41.4%) |
[燃料油セグメント]
燃料油セグメントの売上高は、円安影響などによる販売価格の上昇などにより、3兆7,507億円(前年同期比+17.6%)となりました。セグメント損益は、国内製品マージンについては、マイナスのタイムラグ影響はあったものの実質マージンの改善により前年と同水準となりましたが、海外製品マージンの縮小や製油所トラブル等による輸出数量の減少などにより、622億円(前年同期比△48.9%)となりました。
[基礎化学品セグメント]
基礎化学品セグメントの売上高は2,946億円(前年同期比+5.2%)となりました。セグメント損益は、製造装置トラブルにより生産数量が減少したことなどにより、34億円(前年同期比△71.6%)となりました。
[高機能材セグメント]
高機能材セグメントは、潤滑油事業の販売ポートフォリオ改善や機能化学品事業の価格改善などにより、売上高は2,508億円(前年同期比+1.0%)、セグメント損益は160億円(前年同期比+19.7%)となりました。
[電力・再生可能エネルギーセグメント]
電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は655億円(前年同期比△9.2%)となりました。セグメント損益は、トラブルに伴う調達コストの増加やバイオマス原料コストの増加などにより、△58億円(前年同期比△54億円)となりました。
[資源セグメント]
(石油・天然ガス開発事業・地熱事業)
石油・天然ガス開発事業・地熱事業は、円安などの好転要因があったものの、生産数量の減少などにより、売上高は217億円(前年同期比△0.6%)、セグメント損益は99億円(前年同期比△5.5%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業は、石炭市況の下落に伴う価格要因などにより、売上高は1,143億円(前年同期比△46.0%)、セグメント損益は328億円(前年同期比△44.6%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は1,360億円(前年同期比△41.7%)、セグメント損益は428億円(前年同期比△38.7%)となりました。
[その他セグメント]
その他セグメントの売上高は、63億円(前年同期比+351.4%)、セグメント損益は8億円(前年同期比△1.6%)となりました。
(2) 財政状態の分析
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
前連結会計年度 | 当中間 連結会計期間 | 増減 | |
流動資産 | 29,168 | 25,325 | △3,844 |
固定資産 | 20,955 | 21,546 | +591 |
資産合計 | 50,123 | 46,870 | △3,253 |
流動負債 | 21,925 | 18,558 | △3,367 |
固定負債 | 10,073 | 9,470 | △603 |
負債合計 | 31,998 | 28,028 | △3,970 |
純資産合計 | 18,125 | 18,842 | +717 |
負債純資産合計 | 50,123 | 46,870 | △3,253 |
ア.資産の部
資産合計は、季節要因による数量減に伴う売掛債権の減少や棚卸資産の減少などにより、4兆6,870億円(前期末比△3,253億円)となりました。
イ.負債の部
負債合計は、有利子負債の減少や前期末の休日影響による未払金の減少などにより、2兆8,028億円(前期末比△3,970億円)となりました。
ウ.純資産の部
純資産合計は、自己株式の取得や配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社株主に帰属する中間純利益の計上などにより、1兆8,842億円(前期末比+717億円)となりました。
以上の結果、自己資本比率は前期末の35.9%から39.8%へ3.9ポイント改善しました。また当中間連結会計期間末のネットD/Eレシオは、0.6(前期末:0.7)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
前中間連結会計期間 | 当中間連結会計期間 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,069 | 2,218 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △582 | △470 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △843 | △2,880 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 32 | △44 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 676 | △1,176 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 1,031 | 1,369 |
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | - | 0 |
連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | - | 106 |
現金及び現金同等物の中間期末残高 | 1,707 | 299 |
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、299億円となり、前期末に比べ、1,070億円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
ア.営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前中間純利益や減価償却費、運転資本の減少などの資金増加要因が、未払金の減少などの資金減少要因を上回ったことより、2,218億円の収入となりました。
イ.投資活動によるキャッシュ・フロー
製油所設備の維持更新投資などによる有形固定資産の取得などにより、470億円の支出となりました。
ウ.財務活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、2,880億円の支出となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間における当社グループの資金需要及び財務政策について、前連結会計年度から重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は143億円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。