有価証券報告書-第103期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 15:06
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(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
ア. 一般経済情勢及び当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や雇用拡大に向けた企業マインドの改善や、欧米経済の堅調な推移による内外需の好調を背景に、企業収益は高水準を維持しました。
国内石油製品は、ガソリンについては車両の燃費改善など構造的要因により若干の需要減となる一方で、中間留分は国内の景気回復や小口配送需要の増加により軽油の需要が伸長したほか、寒波到来により灯油も前期需要を上回る結果となりました。石油化学原料も好調なアジア経済を背景にエチレン装置が高稼働を維持した結果、前期を上回る需要となりましたが、電力向けの重油は再生可能エネルギー等の電源の多様化が進展した結果、需要が大きく減少しました。この結果、石油製品全体ではほぼ前期並みの需要となりました。
ドバイ原油価格は、OPEC協調減産延長への期待と中東での地政学リスクの高まりを受け、11月以降は60ドル/バレルを上回る水準で推移しました。この結果、平均価格では前期比8.9ドル/バレル上昇の55.9ドル/バレルとなりました。
石油化学製品需要は、アジア圏を中心に堅調に推移し、国内生産は前期比増加しました。石油化学原料であるナフサの平均価格は、前期比82ドル/トン上昇の520ドル/トンとなりました。
円の対米ドルレートは、4~12月は概ね1ドル110円台から115円台の範囲で安定して推移していましたが、1月以降は米政権の強硬な貿易姿勢やシリア情勢緊迫化などから円高が進み、平均レートは前期比2.5円/ドル円安の111.9円/ドルとなりました。
イ. 業績
このような環境下、当社グループの当期の売上高は、主に原油の輸入価格の上昇による石油セグメントでの増収により3兆7,307億円(前期比+16.9%)となりました。
売上原価は、円建て原油価格及びナフサ価格の上昇などにより3兆2,368億円(前期比+16.8%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,926億円(前期比+2.9%)となりました。
営業利益は、資源価格上昇による資源セグメントでの増益や国内石油製品のマージン改善による石油製品セグメントの増益などから2,013億円(前期比+48.9%)となりました。
営業外損益は、その他セグメントに含まれる昭和シェル石油㈱の増益による持分法投資利益の増加などにより250億円(前期比+428.0%)の利益となりました。その結果、経常利益は2,263億円(前期比+61.7%)となりました。
特別損益は、資源セグメントにおいて関係会社株式売却益を計上する一方で、確定拠出年金制度への移行に伴う損失などを計上したことにより、前期比28億円損失減の142億円の損失となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前当期純利益の増加により454億円(前期比+129億円)となりましたが、当期に売却した関係会社株式に係る過年度損失計上額が、当期に税務上損金算入可能となったことによる税金費用の減額などにより、税金等調整前当期純利益に対する負担率は21.4%となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は資源セグメントでの増益などにより45億円(前期比+90.8%)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,623億円(前期比+84.1%)となりました。
ウ. 事業の経過及び成果
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。
セグメント別売上高
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
(平成29年3月期)(平成30年3月期)増減額増減率
石油製品24,38228,708+4,326+17.7%
石油化学製品4,6125,007+395+8.6%
資源2,2732,894+621+27.3%
その他636698+62+9.8%
合計31,90337,307+5,403+16.9%

セグメント別営業利益
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
(平成29年3月期)(平成30年3月期)増減額増減率
石油製品
(在庫評価影響除き)
770
(460)
886
(575)
+116
(+115)
+15.1%
(+25.0%)
石油化学製品400422+23+5.7%
資源166668+502+302.3%
その他5173+22+43.4%
調整額△34△36△2-
合計
(在庫評価影響除き)
1,352
(1,021)
2,013
(1,702)
+661
(+680)
+48.9%
(+66.6%)

(ア)石油製品セグメント
石油製品セグメントにおいては、国内の供給・販売体制の競争力強化及び海外市場への事業拡大を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(燃料油事業)
供給においては、需給環境や販売状況を踏まえた原油処理を行い、供給コスト削減と安定供給に努めました。
また、競争力ある生産体制の構築に向けて千葉製油所・工場は平成29年10月に一事業所化を実現しました。なお、愛知製油所では揮発油留分の付加価値向上のための改質ガソリンキシレン回収装置が完成しました。
販売においては、出光カード会員が350万件を突破、㈱イエローハットとのジョイント店舗である「アポロハット」が200店を達成するなど、SSネットワークの強化を図り顧客利便性の向上に努めました。
また、昭和シェル石油㈱とのブライターエナジーアライアンスの下、平成29年10月から出荷基地の相互利用を開始し、平成30年4月より法人向けカードの相互乗り入れを開始するなど着実にシナジーの創出を進めています。
海外においては、ベトナムにおいてIdemitsu Q8 Petroleum LLC社が外資として初のSSの運営を開始しました。なお、ニソン製油所・石油化学コンプレックスも平成30年5月に製品出荷を開始しています。また、豪州では独立系燃料油販売会社Trinity社を買収するなど需要が伸長する成長市場での活動を拡大させています。このような環太平洋地域等の海外成長市場での燃料油の供給から販売に至る事業基盤構築のため、シンガポール現地法人 出光アジア(IDEMITSU INTERNATIONAL(ASIA) PTE. LTD.)を中心に海外拠点の事業拡充を進めました。
(潤滑油事業)
潤滑油販売数量は、好調なアジア・北米を中心とした海外販売量の伸長を背景に国内・海外合計で120万KLを超え、過去最高を更新しました。グローバルマーケットでの強固な販売・供給体制の構築に向け販売体制の見直しと海外生産能力の増強検討を進めました。
以上の結果、石油製品セグメントの売上高は、原油の輸入価格が上昇したことなどにより2兆8,708億円(前期比+17.7%)となりました。営業利益は、高度化法等による需給バランスの適正化に伴う製品マージンの改善などの増益要因により886億円(前期比+15.1%)となりました。なお、営業利益に含まれる在庫評価益は311億円です。
(イ)石油化学製品セグメント
石油化学製品セグメントにおいては、基礎化学品事業の更なるコスト競争力強化と、機能化学品事業の構造改革による収益力向上を基本戦略として、次のような取り組みを行いました。
(基礎化学品事業)
基礎化学品事業においては、三井化学㈱と共同運営している千葉ケミカル製造有限責任事業組合のエチレン装置の改修により原料選択の多様化を図りました。また、良好な市場環境下でエチレン装置、芳香族装置等の主要装置の安定稼働を維持することにより、コンビナート各社、自社誘導品へのオレフィン・芳香族の安定供給を実施しました。
(機能化学品事業)
エンジニアリングプラスチック事業においては、前期までに台湾FCFC社(Formosa Chemicals & Fibre Corporation)へ生産体制の集約を完了したポリカーボネート樹脂(商品名:タフロン®)と千葉事業所の生産能力の増強を行ったシンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名:ザレック®)等を中心に国内外への増販を図りました。
粘接着基材事業では、ホットメルト接着材の粘着付与剤として需要伸長が期待できる水添石油樹脂(商品名:アイマーブ®)において、台湾FPCC社(Formosa Petrochemical Corporation)と共同で新プラントを建設しています。また、従来の結晶性ポリプロピレン樹脂と比べて大幅に融点が低く軟質特性を有する機能性軟質ポリプロピレン(商品名:エルモーデュ®)については、従来からの衛生材向け接着基剤、不織布の改質材などに加え新たな用途開拓に国内外で取り組みました。
以上の結果、石油化学製品セグメントの売上高は、ナフサ価格が上昇したことなどにより5,007億円(前期比+8.6%)となりました。営業利益は、スチレンモノマー等の製品マージンの拡大や販売増などにより422億円(前期比+5.7%)となりました。
(ウ)資源セグメント
資源セグメントは、安定生産の継続、徹底したコスト削減と生産性向上による保有資産の価値向上と資産ポートフォリオ見直しを基本方針として、次のような取り組みを行いました。
(石油開発事業・地熱事業)
資産ポートフォリオの再構築のため、英領北海資産を譲渡しました。また、ベトナム沖において発見したガス田について開発に向けた具体的な検討を進めました。
既存油田の安定操業・生産とともに操業改善活動を行った結果、ノルウェー領北海、英領北海において原油換算で日量3.7万バレルの原油・ガスを生産しました。
地熱事業においては、平成29年3月に商業運転を開始したバイナリー発電を含め、大分県滝上地区で順調な操業を継続するとともに、事業拡大に向けて秋田県小安地域にて掘削井の能力把握のための仮噴気試験を実施しました。その他、北海道阿女鱒岳地域と福島県での調査活動を進めています。
石油開発事業・地熱事業の売上高は、原油価格が上昇した影響などにより808億円(前期比+9.8%)となりました。営業利益は272億円(前期比+220.6%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業においては、日本企業唯一のオペレーターシップを活かし競争力ある鉱山経営を行い、その結果、豪州・インドネシアの自社炭合計で過去最大の13.4百万トンを生産しました。また、低炭素ソリューションの提供のため、当社、郵船商事㈱、日本郵船㈱の3社で石炭ボイラ制御最適化システム「ULTY-V plus」を共同開発し、販売を開始しました。
ウラン事業においては、カナダ シガーレイク鉱山において生産したウラン精鉱の販売をしています。
石炭事業・その他事業の売上高は、石炭事業で石炭価格が大幅に上昇した影響などにより2,086億円(前期比+35.7%)となりました。営業利益は396億円(前期比+387.9%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は2,894億円(前期比+27.3%)、営業利益は668億円(前期比+302.3%)となりました。
(エ)その他セグメント
その他セグメントのうち、電子材料事業、アグリバイオ事業、ガス事業、再生可能エネルギー事業においては、次のような取り組みを行いました。
(電子材料事業)
有機EL材料分野においては、需要伸長が見込まれる中国での顧客対応強化のため上海市に現地法人を設立しました。また、高性能な有機EL材料の開発促進のため、中国BOE Technology Group Co.,Ltd.社と戦略的提携関係の構築に基本合意、 韓国LG Chem社とは有機EL材料関連分野における特許の相互利用に関する提携契約を締結、東レ㈱とは有機EL材料に関わる技術提携に合意しました。
(アグリバイオ事業)
農業緑化資材においては、販売会社である出光アグリ㈱を通じ先進的生産団体への生物農薬の拡販活動に取り組んでいます。
家畜用補助飼料においては、牛、鳥、豚の胃腸を健康に保つ「ルミナップ®」「クロストップ®」「モルッカ」について、国内での大型農場を中心とした採用拡大、海外の販路拡大に向けた取り組みを進めました。
(ガス事業)
兵庫製油所跡地(兵庫県姫路市)において、天然ガス発電事業の検討及び準備を進めるために、大阪ガス㈱との共同出資により姫路天然ガス発電㈱を平成28年4月に設立し、事業化検討を実施しています。
カナダのアルタガス社(AltaGas Ltd.)と共同出資で設立したAltaGas Idemitsu Joint Venture Limited Partnershipを通じて株式を保有するペトロガスエナジー社(Petrogas Energy Corp.)では、米国西海岸にあるファンデール基地(ワシントン州)から日本・アジア向けのLPG(液化石油ガス)の輸出強化に引き続き取り組みました。
(再生可能エネルギー事業)
再生可能エネルギーへの取り組みとして、北九州市門司区、兵庫県姫路市、福島県いわき市において太陽光発電所(メガソーラー、発電能力計 15,210kW)を運転しています。バイオマス発電は、土佐グリーンパワー㈱(当社出資比率50%、発電出力6,250kW)及び㈱福井グリーンパワー(当社出資比率10%、発電出力7,000kW級)が稼働中です。また、風力発電は、二又風力開発㈱(当社出資比率40%、発電出力51,000kW)が稼働中です。
以上の結果、その他セグメントの売上高は698億円(前期比+9.8%)、営業利益は73億円(前期比+43.4%)となりました。
② 財政状態の状況
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
前連結会計年度
(平成29年3月期)
当連結会計年度
(平成30年3月期)
増減
流動資産9,59812,230+2,632
固定資産16,81916,973+154
資産合計26,41629,203+2,786
流動負債11,45011,627+177
固定負債8,7678,516△251
負債合計20,21720,143△74
純資産合計6,1999,059+2,860
負債純資産合計26,41629,203+2,786

ア.資産の部
当期末における資産合計は、原油の輸入価格の上昇及び月末休日要因に伴う売掛債権・たな卸資産の増加などにより、2兆9,203億円(前期末比+2,786億円)となりました。
イ.負債の部
有利子負債に関しては、フリーキャッシュフローの増加等により返済を進め8,936億円(前期末比△1,587億円)と大幅な削減となりましたが、負債合計では原油価格の上昇による買掛債務の増加や月末休日による未払揮発油税の増加などの影響により2兆143億円(前期末比△74億円)となりました。
ウ.純資産の部
当期末の純資産合計は、公募増資の実施に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ597億円増加したことに加え、1,623億円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより9,059億円(前期末比+2,860億円)となり、財務体質は大幅に改善しました。
以上の結果、自己資本比率は前期末の22.1%から当期末は29.7%と7.6ポイント改善しました。
③ キャッシュ・フローの状況
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
前連結会計年度
(平成29年3月期)
当連結会計年度
(平成30年3月期)
営業活動によるキャッシュ・フロー5351,368
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,148△899
財務活動によるキャッシュ・フロー1,361△519
現金及び現金同等物に係る換算差額△368
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△287△43
現金及び現金同等物の期首残高1,188901
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の
増減額(△は減少)
-10
現金及び現金同等物の期末残高901868

当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、868億円となり、前期末に比べ、33億円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
ア.営業活動におけるキャッシュ・フロー
原油の輸入価格の上昇及び月末休日要因などにより必要運転資金は増加したものの、資源セグメントや石油製品セグメントでの増益などにより1,368億円の収入となりました。
イ.投資活動におけるキャッシュ・フロー
設備投資による有形固定資産の取得(581億円)や長期貸付金の増加(222億円)などにより、899億円の支出となりました。
ウ.財務活動におけるキャッシュ・フロー
新株式発行により1,186億円を調達した一方で、有利子負債の返済(1,543億円)や配当金の支払い(123億円)などにより、519億円の支出となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
石油製品1,531,290117.3
石油化学製品450,875120.5
資源220,240134.7
その他16,262101.3

(注)1.上記の金額は、製造会社は製品生産額、資源部門については、販売金額によって記載をしています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
イ. 受注実績
当社グループでは主要製品について受注生産を行っていません。
ウ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
石油製品2,870,802117.7
石油化学製品500,664108.6
資源289,386127.3
その他69,837109.8
合計3,730,690116.9

(注)1.「主な相手先別の販売実績」に該当する販売相手先はないため、記載を省略しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.各部門の販売実績は、外部顧客への売上高を記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績の分析
経営成績の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」における「イ.業績」及び「ウ.事業の経過及び成果」に記載しています。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア.資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払い等によるものです。営業費用の主なものは、人件費、物流費、作業費、研究開発費等です。
設備資金については、各事業分野別に以下の資金需要があります。
(ア)燃料油事業・基礎化学品事業については、販売・供給体制の再構築と競争力強化を目的とした投資や海外 成長市場への進出による事業拡大のための投資
(イ)石油開発事業・石炭事業・ウラン事業については、保有鉱区の安定生産の継続と探鉱開発による埋蔵量確 保に向けた投資
(ウ)潤滑油事業・機能化学品事業・電子材料事業・アグリバイオ事業については、環境配慮型商品の開発強化 やグローバル展開による事業拡大に向けた投資
イ.財務政策
当社グループは、中長期的な成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を、財務体質とのバランスを勘案しつつ、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入、コマーシャル・ペーパーや社債の発行及び特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の活用、更に資本増強等を効果的に組み合わせて調達していきます。
当期末の短期借入金の残高は1,429億円、長期借入金の残高は5,462億円、社債(1年以内償還分を含む)の残高は650億円、コマーシャル・ペーパーの残高は1,380億円となりました。
国内子会社は、当社が一括して資金調達し子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。海外子会社の運転資金及び設備投資資金については、各々の子会社が現地通貨を借入にて調達するほか、子会社間のグループ金融を通じて調達しています。
なお、当社は、平成29年7月20日に実施しました公募による新株式発行(4,800万株)により1,195億円を調達しました。新株式発行により調達した資金のうち522億円を戦略投資資金に充当する予定です。また、残額は昭和シェル石油㈱の株式取得を行った際に金融機関より借入れた短期借入金の返済に充当しました。
(特定融資枠契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達及び十分な流動性確保並びに、災害発生時の円滑な資金調達のため、取引先銀行5行で作られるシンジケート団と、平成31年3月までの契約期間において短期借入を実行できる特定融資枠契約(災害型コミットメントライン契約)を締結し、機動的・安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。なお、当連結会計年度末において同契約にかかる借入残高はありません。
特定融資枠契約の極度額 1,000億円
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、レジリエントな事業ポートフォリオの実現と持続的な成長を目指しています。この経営の基本戦略を達成するため、自己資本利益率(ROE)、ネットD/Eレシオ、自己資本比率を主要な経営指標と考えています。
なお、前期と比較し当期の指標がそれぞれ改善している主な理由は、以下のとおりです。
(ア)資源価格上昇による資源セグメントでの増益や石油製品セグメントの増益
(イ)上記による親会社株主に帰属する当期純利益の増加と、平成29年7月の公募増資による純資産の増加
(ウ)フリーキャッシュフローと公募増資での調達資金の一部を原資とした有利子負債の削減
当社グループの主要な経営指標のトレンドは次のとおりです。
平成26年
3月期
平成27年
3月期
平成28年
3月期
平成29年
3月期
平成30年
3月期
自己資本利益率(ROE)(%)5.4--16.322.3
ネットD/Eレシオ(倍)1.31.51.61.60.9
自己資本比率(%)23.521.520.822.129.7

(注)1.各指標は、以下の計算式によって計算しています。
自己資本利益率(ROE):当期純利益/自己資本(期首期末平均)
ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金及び短期運用有価証券)/(純資産-非支配株主持分)
自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産
2.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金として連結貸借対照表に計上されている金額及びリース債務の金額を使用しています。
3.平成27年3月期及び平成28年3月期の自己資本利益率(ROE)については、親会社株主に帰属する
当期純損失を計上しているため記載していません。