四半期報告書-第105期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の国内の石油製品需要は、車両の燃費改善などの構造的要因により、前年を若干下回りました。
ドバイ原油価格は、5月中旬までは70ドル/バレル前後で推移しましたが、米中対立などを受けた世界経済の先行き不透明感の強まりなどを背景に5月下旬以降は下落傾向が続きました。その後、12月にOPECプラスの減産幅拡大などにより上昇傾向となり、4~12月の平均価格では前年同期比7.7ドル/バレル下落の63.5ドル/バレルとなりました。
石油化学原料であるナフサ価格は、前年同期比で118ドル/トン下落の534ドル/トンとなりました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、4月1日に実施した昭和シェル石油株式会社(以下「昭和シェル」という。)との株式交換による経営統合などにより、4兆5,607億円(前年同期比+36.5%)となりました。
営業利益は、燃料油セグメントにおける在庫評価、及び資源セグメントにおける生産量減少や資源価格の下落の影響などにより1,082億円(前年同期比△24.5%)となりました。
営業外損益は、持分法投資損失の計上などにより168億円(前年同期比△328億円)の損失となりました。その結果、経常利益は914億円(前年同期比△42.6%)となりました。
特別損益は、昭和シェル株式の段階取得に係る差益などにより、114億円(前年同期比+94億円)の利益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前四半期純利益の減少により361億円(前年同期比△180億円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は649億円(前年同期比△36.2%)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、昭和シェルと経営統合したことに伴い、第1四半期連結累計期間より、報告セグメントを従来の「石油製品」「石油化学製品」及び「資源」の3つのセグメントから、「燃料油」「基礎化学品」「高機能材」「電力・再生可能エネルギー」及び「資源」の5つのセグメントに再編しています。
[燃料油セグメント]
燃料油セグメントの売上高は、3兆6,304億円(前年同期比+47.4%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、在庫評価影響や持分法投資損失の計上などの減益要因により168億円(前年同期比△61.2%)となりました。
[基礎化学品セグメント]
基礎化学品セグメントの売上高は、通関ナフサ価格が下落したことなどにより3,500億円(前年同期比△3.9%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、スチレンモノマー等製品マージンの縮小などにより180億円(前年同期比△27.3%)となりました。
[高機能材セグメント]
高機能材セグメントの売上高は、2,940億円(前年同期比+11.2%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、持分法投資利益の減少などにより202億円(前年同期比△11.5%)となりました。
[電力・再生可能エネルギーセグメント]
電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は、946億円(前年同期比+469.5%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、△5億円(前年同期比△12億円)となりました。
[資源セグメント]
(石油開発事業・地熱事業)
石油開発事業・地熱事業は、生産量減少や原油価格の下落などにより、売上高は、359億円(前年同期比△38.8%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、122億円(前年同期比△59.2%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業の売上高は、1,531億円(前年同期比△10.3%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、石炭価格の下落などにより223億円(前年同期比△39.7%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は、1,890億円(前年同期比△17.6%)、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、345億円(前年同期比△48.4%)となりました。
[その他セグメント]
その他セグメントの売上高は、28億円(前年同期比△13.3%)となりました。当期は昭和シェルに係る持分法投資利益が含まれていない影響などにより、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、5億円(前年同期比△89.6%)となりました。
(2) 財政状態の分析
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
①資産の部
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、4兆1,261億円(前期末比+1兆2,358億円)となりました。
②負債の部
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、2兆8,300億円(前期末比+8,186億円)となりました。
③純資産の部
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、4月1日付の株式交換に伴う資本剰余金の増加(前期末比+3,411億円)や自己株式の処分、市場買付による自己株式の取得などにより、1兆2,961億円(前期末比+4,172億円)となりました。
(3) 経営戦略等
当社は、2019年11月14日に統合新社として中期経営計画を策定し、公表しました。
当中期経営計画策定に当たり、最初に2050年の事業環境シナリオの想定を行いました。エネルギーを主力事業とする当社にとって、気候変動問題は経営及び事業持続性に大きな影響を及ぼします。パリ協定の目標期限でもある2050年までのシナリオを複数想定したうえで、比較的「確度」の高い2030年をマイルストーンとして、当社のありたい姿=ビジョンを検討しました。
2030年の事業環境においては、先進国で石油需要の減少とエネルギー多様化の進展が見込まれる一方、新興国で堅調な経済成長、エネルギー需要の増加が見込まれます。また、技術革新が進展し、EV、ロボットなどの新技術向けの新たな素材需要が増加し、デジタル変革がより一層進むと考えられます。更に、ライフスタイルの変化・社会の要請により、消費者のエコロジー意識の向上と合わせて、社会全体が循環型へ移行することも見込まれます。国内においては高齢化、過疎化の更なる進展といった社会構造への対応が求められ、企業の社会的責任に対する要請・期待はますます高まっていきます。
これらを踏まえ、当社は以下の2030年に向けた基本方針・重点課題を設定した上で、中期経営計画を策定しました。
①2030年のビジョン
ア. 2030年に向けた基本方針
基本方針1. レジリエントな事業ポートフォリオの実現
(ア) 収益基盤事業の構造改革
・燃料油事業の収益追求(シナジー最大化、製油所信頼性向上)
・ニソン製油所の収益貢献化
(イ) 成長事業の拡大
・事業規模・領域拡大(中計期間のM&A1,000億円規模)
・高機能材事業営業比率2030年30%へ
・海外再エネなどの総電源開発量2030年5GWへ
・ソーラー事業の業態転換
(ウ) 次世代事業の創出
・社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減などを見据えた新たな事業の創出
基本方針2. 社会の要請に適応したビジネスプラットフォームの構築
(ア) 地球環境・社会との調和
・GHG削減の取り組み(2030年:17年比▲15%)
(イ) ガバナンスの進化
・取締役会の役割機能強化
(ウ) デジタル変革の加速
・デジタル技術活用による新たな価値創造
イ. 定量目標
「成長性」「収益安定性(市況変動の影響)」「環境負荷」など、複眼的視点からポートフォリオを検討し、結果として化石燃料事業への過度な依存を軽減します。
*在庫評価影響除き
ウ. GHGの削減目標
GHG削減は「環境」「社会」「経済」の各分野への同時貢献を念頭に推進するという基本認識の下、3つの指標を用いて当社の関連活動を加速します。
(ア) 目標値
・自社Scope1+2削減量 2030年目標値(2017年比):▲200万t-CO2(▲15%)
(イ) モニタリング指標
・供給エネルギー低炭素度 2050年の目安(2017年比):▲30%
※ただし、社会の低炭素化や技術進展の動向を踏まえて、目安の見直しを随時行う
・全社収益の炭素脱却度:2050年の事業環境を見極め、収益目標と炭素脱却度を設定
②. 中期経営計画(2020~2022年度)の概要
ア. 経営目標
※ 2022年度の主要前提:原油60$/BBL、ナフサ550$/t、石炭72$/t、為替105円/$
イ. セグメント別営業利益+持分(在庫評価影響除き)
燃料油セグメントにおける統合シナジーの拡大、ニソン製油所の収益改善に加えて、潤滑油を中心とした高機能材セグメントの事業拡大及び海外再エネ電源開発の拡大などにより、2022年度には2,600億円の営業利益(持分利益含む)を目指します。
(単位:億円)
ウ. キャッシュバランス
当期純利益4,800億円の確保に加えて、資産売却なども実施することで、1兆300億円(3年間累計)のキャッシュインを確保します。
また、株主還元後2,000億円のフリーキャッシュは、成長分野への戦略投資、財務体質強化、22年度以降の株主還元の原資として、収支状況などを総合的に勘案の上、最終的な配分を決定します。
(単位:億円)
エ. 投資計画
本中期経営計画期間中は、収益基盤事業の構造改革を推進すべく、燃料油事業の安定操業に向けた操業維持投資や事業基盤強化投資に一定の金額を配分します。
一方、事業ポートフォリオの変革に向け、機能化学品、潤滑油、電子材料など、高機能材事業群の事業領域拡大を目的とした成長戦略投資を積極的に行っていく方針です。
また、成長分野においてはM&Aについても慎重かつ大胆に検討します。
(単位:億円)
③ 株主還元
ア. 2019~2021年度
総還元性向50%以上の株主還元を実施します。
・2018年10月公表のとおり、一株当たり配当金160円を下限とし、株主還元額の10%以上を自己株式取得に充てる
・なお、取得した自己株式については消却を予定
イ. 2022年度以降
一株当たり配当金160円を下限として、収益水準に応じた増配・機動的な自己株式取得などの更なる株主還元を検討します。
・成長への戦略投資、財務体質強化など、キャッシュバランスを総合的に勘案の上、2021年度中に最終方針を決定
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア.資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用及び税金の支払いなどによるものです。営業費用の主なものは、人件費、物流費、作業費、研究開発費などです。
設備投資資金については、維持更新投資に加え、販売・供給体制の競争力強化を目的とした投資、成長分野・海外成長市場への進出による事業拡大のための投資、及び石油開発事業などにおける保有鉱区の安定生産継続と探鉱開発による埋蔵量確保に向けた投資などの需要があります。
イ.財務政策
当社グループは、中長期的な成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を、財務体質とのバランスを勘案しつつ、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行及び特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の活用、更に資本増強などを効果的に組み合わせて調達していきます。
なお、国内子会社は、当社が一括して資金調達し、子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。また、海外子会社は、各々の子会社が現地通貨を借入にて調達するほか、子会社間のグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。
また、円滑な資金調達を行うため、当社は格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しています。当第3四半期連結会計期間末において当社の格付けはR&IがA(方向性:安定的)、JCRがA+(見通し:安定的)となっています。
(特定融資契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達や十分な流動性確保、また、災害発生時の円滑な資金調達のため、取引先銀行で作られるシンジケート団と、2020年3月までの契約期間において短期借入を実行できる特定融資枠契約を締結し、機動的、安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。当該契約の極度額は合計で2,500億円であり、当第3四半期連結会計期間末において同契約にかかる借入残高はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。 当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は142億円です。
2019年4月、先進技術研究所の名称を次世代技術研究所に変更しました。また、昭和シェルの中央研究所(神奈川県愛甲郡)とソーラーフロンティア株式会社の基礎研究機能(神奈川県厚木市)を同研究所に編入しました。
(7) 従業員数
当第3四半期連結累計期間末日現在における当社グループの従業員数は13,584人となり、前連結会計年度の末日現在と比べ、昭和シェルとの経営統合などにより4,108人増加しました。
セグメントごとの内訳は、主に燃料油セグメントで6,862人、高機能材セグメントで3,209人となります。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)を記載しています。
(8) 生産及び販売の実績
第1四半期連結累計期間より昭和シェルと経営統合したことにより、燃料油セグメントの販売実績が前年同期比47.4%増加し3兆6,304億円となり、生産実績が前年同期比34.2%増加し、1兆9,241億円となりました。それ以外のセグメントについては著しい増減はありません。
(9) 主要な設備の状況
昭和シェルとの経営統合により、昭和四日市石油株式会社や東亜石油株式会社の石油精製設備、昭和シェルの販売設備等が増加しました。
当第3四半期連結累計期間の国内の石油製品需要は、車両の燃費改善などの構造的要因により、前年を若干下回りました。
ドバイ原油価格は、5月中旬までは70ドル/バレル前後で推移しましたが、米中対立などを受けた世界経済の先行き不透明感の強まりなどを背景に5月下旬以降は下落傾向が続きました。その後、12月にOPECプラスの減産幅拡大などにより上昇傾向となり、4~12月の平均価格では前年同期比7.7ドル/バレル下落の63.5ドル/バレルとなりました。
石油化学原料であるナフサ価格は、前年同期比で118ドル/トン下落の534ドル/トンとなりました。
| (原油価格、ナフサ価格、為替レートの状況) |
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
| ドバイ原油(ドル/バレル) | 71.3 | 63.5 | △7.7 | △10.8% |
| ナフサ価格(ドル/トン) | 652 | 534 | △118 | △18.1% |
| 為替レート(円/ドル) | 111.1 | 108.7 | △2.5 | △2.2% |
当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、4月1日に実施した昭和シェル石油株式会社(以下「昭和シェル」という。)との株式交換による経営統合などにより、4兆5,607億円(前年同期比+36.5%)となりました。
営業利益は、燃料油セグメントにおける在庫評価、及び資源セグメントにおける生産量減少や資源価格の下落の影響などにより1,082億円(前年同期比△24.5%)となりました。
営業外損益は、持分法投資損失の計上などにより168億円(前年同期比△328億円)の損失となりました。その結果、経常利益は914億円(前年同期比△42.6%)となりました。
特別損益は、昭和シェル株式の段階取得に係る差益などにより、114億円(前年同期比+94億円)の利益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前四半期純利益の減少により361億円(前年同期比△180億円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は649億円(前年同期比△36.2%)となりました。
| [参考] 昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△12.2%、営業利益は、前年同期比△43.8%となりました。 |
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、昭和シェルと経営統合したことに伴い、第1四半期連結累計期間より、報告セグメントを従来の「石油製品」「石油化学製品」及び「資源」の3つのセグメントから、「燃料油」「基礎化学品」「高機能材」「電力・再生可能エネルギー」及び「資源」の5つのセグメントに再編しています。
[燃料油セグメント]
燃料油セグメントの売上高は、3兆6,304億円(前年同期比+47.4%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、在庫評価影響や持分法投資損失の計上などの減益要因により168億円(前年同期比△61.2%)となりました。
| [参考] 昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△10.7%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比△80.8%となりました。 |
[基礎化学品セグメント]
基礎化学品セグメントの売上高は、通関ナフサ価格が下落したことなどにより3,500億円(前年同期比△3.9%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、スチレンモノマー等製品マージンの縮小などにより180億円(前年同期比△27.3%)となりました。
[高機能材セグメント]
高機能材セグメントの売上高は、2,940億円(前年同期比+11.2%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、持分法投資利益の減少などにより202億円(前年同期比△11.5%)となりました。
| [参考] 昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△9.6%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比△19.5%となりました。 |
[電力・再生可能エネルギーセグメント]
電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は、946億円(前年同期比+469.5%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、△5億円(前年同期比△12億円)となりました。
| [参考] 昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△10.6%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比+80億円となりました。 |
[資源セグメント]
(石油開発事業・地熱事業)
石油開発事業・地熱事業は、生産量減少や原油価格の下落などにより、売上高は、359億円(前年同期比△38.8%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、122億円(前年同期比△59.2%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業の売上高は、1,531億円(前年同期比△10.3%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、石炭価格の下落などにより223億円(前年同期比△39.7%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は、1,890億円(前年同期比△17.6%)、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、345億円(前年同期比△48.4%)となりました。
[その他セグメント]
その他セグメントの売上高は、28億円(前年同期比△13.3%)となりました。当期は昭和シェルに係る持分法投資利益が含まれていない影響などにより、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、5億円(前年同期比△89.6%)となりました。
(2) 財政状態の分析
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当第3四半期 連結会計期間 | 増減 | |
| 流動資産 | 12,254 | 18,406 | +6,151 |
| 固定資産 | 16,649 | 22,855 | +6,206 |
| 資産合計 | 28,903 | 41,261 | +12,358 |
| 流動負債 | 11,958 | 18,415 | +6,457 |
| 固定負債 | 8,156 | 9,885 | +1,729 |
| 負債合計 | 20,114 | 28,300 | +8,186 |
| 純資産合計 | 8,789 | 12,961 | +4,172 |
| 負債純資産合計 | 28,903 | 41,261 | +12,358 |
①資産の部
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、4兆1,261億円(前期末比+1兆2,358億円)となりました。
②負債の部
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、2兆8,300億円(前期末比+8,186億円)となりました。
③純資産の部
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、4月1日付の株式交換に伴う資本剰余金の増加(前期末比+3,411億円)や自己株式の処分、市場買付による自己株式の取得などにより、1兆2,961億円(前期末比+4,172億円)となりました。
(3) 経営戦略等
当社は、2019年11月14日に統合新社として中期経営計画を策定し、公表しました。
当中期経営計画策定に当たり、最初に2050年の事業環境シナリオの想定を行いました。エネルギーを主力事業とする当社にとって、気候変動問題は経営及び事業持続性に大きな影響を及ぼします。パリ協定の目標期限でもある2050年までのシナリオを複数想定したうえで、比較的「確度」の高い2030年をマイルストーンとして、当社のありたい姿=ビジョンを検討しました。
2030年の事業環境においては、先進国で石油需要の減少とエネルギー多様化の進展が見込まれる一方、新興国で堅調な経済成長、エネルギー需要の増加が見込まれます。また、技術革新が進展し、EV、ロボットなどの新技術向けの新たな素材需要が増加し、デジタル変革がより一層進むと考えられます。更に、ライフスタイルの変化・社会の要請により、消費者のエコロジー意識の向上と合わせて、社会全体が循環型へ移行することも見込まれます。国内においては高齢化、過疎化の更なる進展といった社会構造への対応が求められ、企業の社会的責任に対する要請・期待はますます高まっていきます。
これらを踏まえ、当社は以下の2030年に向けた基本方針・重点課題を設定した上で、中期経営計画を策定しました。
①2030年のビジョン
ア. 2030年に向けた基本方針
基本方針1. レジリエントな事業ポートフォリオの実現
(ア) 収益基盤事業の構造改革
・燃料油事業の収益追求(シナジー最大化、製油所信頼性向上)
・ニソン製油所の収益貢献化
(イ) 成長事業の拡大
・事業規模・領域拡大(中計期間のM&A1,000億円規模)
・高機能材事業営業比率2030年30%へ
・海外再エネなどの総電源開発量2030年5GWへ
・ソーラー事業の業態転換
(ウ) 次世代事業の創出
・社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減などを見据えた新たな事業の創出
基本方針2. 社会の要請に適応したビジネスプラットフォームの構築
(ア) 地球環境・社会との調和
・GHG削減の取り組み(2030年:17年比▲15%)
(イ) ガバナンスの進化
・取締役会の役割機能強化
(ウ) デジタル変革の加速
・デジタル技術活用による新たな価値創造
イ. 定量目標
「成長性」「収益安定性(市況変動の影響)」「環境負荷」など、複眼的視点からポートフォリオを検討し、結果として化石燃料事業への過度な依存を軽減します。
| 営業利益+持分 | 2019年度見通 | 2030年度 | 2019年度比 |
| 1,680億円* | 3,000億円 | +1,320億円 | |
| 3事業 営業利益比率 (燃料・開発・石炭) | 60% | 50%未満 | ▲10% |
| 高機能材事業 営業利益比率 | 18% | 30%以上 | +12% |
| 総電源開発量累計 (内 海外) | 1.0GW (0.2GW) | 5GW以上 (4GW以上) | +4GW |
*在庫評価影響除き
ウ. GHGの削減目標
GHG削減は「環境」「社会」「経済」の各分野への同時貢献を念頭に推進するという基本認識の下、3つの指標を用いて当社の関連活動を加速します。
(ア) 目標値
・自社Scope1+2削減量 2030年目標値(2017年比):▲200万t-CO2(▲15%)
(イ) モニタリング指標
・供給エネルギー低炭素度 2050年の目安(2017年比):▲30%
※ただし、社会の低炭素化や技術進展の動向を踏まえて、目安の見直しを随時行う
・全社収益の炭素脱却度:2050年の事業環境を見極め、収益目標と炭素脱却度を設定
②. 中期経営計画(2020~2022年度)の概要
ア. 経営目標
| 2022年度 (中計最終年度) | 中計期間累計 (3年間) | |
| 当期利益 | 1,750 億円 | 4,800 億円 |
| 営業利益+持分 | 2,600 億円 | 7,200 億円 |
| ROE | 10%以上 | |
| FCF | 4,000億円 | |
※ 2022年度の主要前提:原油60$/BBL、ナフサ550$/t、石炭72$/t、為替105円/$
イ. セグメント別営業利益+持分(在庫評価影響除き)
燃料油セグメントにおける統合シナジーの拡大、ニソン製油所の収益改善に加えて、潤滑油を中心とした高機能材セグメントの事業拡大及び海外再エネ電源開発の拡大などにより、2022年度には2,600億円の営業利益(持分利益含む)を目指します。
(単位:億円)
| セグメント | 2019年度 見通 | 2022年度 計画 | 2019年度比 | 2019年度対比の主な増減要因 |
| 燃料油 | 590 | 1,230 | +640 | 統合シナジーの最大化、海外販売の拡大、ニソン製油所の収益改善 |
| 基礎化学 | 450 | 410 | ▲40 | 製品市況の下落(アロマなど) |
| 高機能材 | 310 | 500 | +190 | 潤滑油・機能化学品事業などの領域拡大、電子材料事業の強化 |
| 電力・再生可能エネルギー | ▲40 | 140 | +180 | 海外再エネ電源開発の拡大、国内電力事業の基盤拡大 |
| 資源 | 420 | 410 | ▲10 | ベトナムガス田の生産開始、石炭市況の下落 |
| その他 | ▲50 | ▲90 | ▲40 | 新規ビジネス開発費などの増加 |
| 合計 | 1,680 | 2,600 | +920 |
ウ. キャッシュバランス
当期純利益4,800億円の確保に加えて、資産売却なども実施することで、1兆300億円(3年間累計)のキャッシュインを確保します。
また、株主還元後2,000億円のフリーキャッシュは、成長分野への戦略投資、財務体質強化、22年度以降の株主還元の原資として、収支状況などを総合的に勘案の上、最終的な配分を決定します。
(単位:億円)
| 3年間累計 | 内訳 | |
| キャッシュイン | 10,300 | 当期利益4,800、償却費など4,500、資産売却など1,000 |
| キャッシュアウト | 8,300 | 投資6,300(うちM&A財源1,000) 、株主還元2,000 |
| 株主還元後 フリーキャッシュ | 2,000 | 成長分野への戦略投資、財務体質強化、 22年度以降の株主還元 |
エ. 投資計画
本中期経営計画期間中は、収益基盤事業の構造改革を推進すべく、燃料油事業の安定操業に向けた操業維持投資や事業基盤強化投資に一定の金額を配分します。
一方、事業ポートフォリオの変革に向け、機能化学品、潤滑油、電子材料など、高機能材事業群の事業領域拡大を目的とした成長戦略投資を積極的に行っていく方針です。
また、成長分野においてはM&Aについても慎重かつ大胆に検討します。
(単位:億円)
| 投資区分 | 位置付け | 3年間累計 |
| 成長・戦略 | 更なる収益拡大を追求した収益基盤事業・成長事業・次世代事業への投資 | 1,900 |
| 事業基盤強化 | 原料多様化、定期修繕短縮、BCP対応など安定操業、競争力強化に資する投資 | 700 |
| 操業維持 | メンテナンスなどの維持更新投資 | 2,700 |
| M&A財源 | 高機能材事業(機能化学品など)の成長分野におけるM&A財源 | 1,000 |
| 合計 | 6,300 |
③ 株主還元
ア. 2019~2021年度
総還元性向50%以上の株主還元を実施します。
・2018年10月公表のとおり、一株当たり配当金160円を下限とし、株主還元額の10%以上を自己株式取得に充てる
・なお、取得した自己株式については消却を予定
イ. 2022年度以降
一株当たり配当金160円を下限として、収益水準に応じた増配・機動的な自己株式取得などの更なる株主還元を検討します。
・成長への戦略投資、財務体質強化など、キャッシュバランスを総合的に勘案の上、2021年度中に最終方針を決定
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア.資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用及び税金の支払いなどによるものです。営業費用の主なものは、人件費、物流費、作業費、研究開発費などです。
設備投資資金については、維持更新投資に加え、販売・供給体制の競争力強化を目的とした投資、成長分野・海外成長市場への進出による事業拡大のための投資、及び石油開発事業などにおける保有鉱区の安定生産継続と探鉱開発による埋蔵量確保に向けた投資などの需要があります。
イ.財務政策
当社グループは、中長期的な成長を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金を、財務体質とのバランスを勘案しつつ、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行及び特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の活用、更に資本増強などを効果的に組み合わせて調達していきます。
なお、国内子会社は、当社が一括して資金調達し、子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。また、海外子会社は、各々の子会社が現地通貨を借入にて調達するほか、子会社間のグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。
また、円滑な資金調達を行うため、当社は格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しています。当第3四半期連結会計期間末において当社の格付けはR&IがA(方向性:安定的)、JCRがA+(見通し:安定的)となっています。
(特定融資契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達や十分な流動性確保、また、災害発生時の円滑な資金調達のため、取引先銀行で作られるシンジケート団と、2020年3月までの契約期間において短期借入を実行できる特定融資枠契約を締結し、機動的、安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。当該契約の極度額は合計で2,500億円であり、当第3四半期連結会計期間末において同契約にかかる借入残高はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。 当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は142億円です。
2019年4月、先進技術研究所の名称を次世代技術研究所に変更しました。また、昭和シェルの中央研究所(神奈川県愛甲郡)とソーラーフロンティア株式会社の基礎研究機能(神奈川県厚木市)を同研究所に編入しました。
(7) 従業員数
当第3四半期連結累計期間末日現在における当社グループの従業員数は13,584人となり、前連結会計年度の末日現在と比べ、昭和シェルとの経営統合などにより4,108人増加しました。
セグメントごとの内訳は、主に燃料油セグメントで6,862人、高機能材セグメントで3,209人となります。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)を記載しています。
(8) 生産及び販売の実績
第1四半期連結累計期間より昭和シェルと経営統合したことにより、燃料油セグメントの販売実績が前年同期比47.4%増加し3兆6,304億円となり、生産実績が前年同期比34.2%増加し、1兆9,241億円となりました。それ以外のセグメントについては著しい増減はありません。
(9) 主要な設備の状況
昭和シェルとの経営統合により、昭和四日市石油株式会社や東亜石油株式会社の石油精製設備、昭和シェルの販売設備等が増加しました。