有価証券報告書-第110期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
ア.一般経済情勢及び当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善を背景として、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化など地政学リスクの影響の長期化や米国新政権の政策動向等、依然として不安定な状況が続いています。
国内石油製品販売量は、ガソリン等主燃料は2020年以降のコロナ禍における需要減からの回復が一服し、前年度から減少しました。ジェット燃料は需要の回復が続くものの、当社においては官公庁向け入札案件の減少により前年度から減少しました。
原油価格は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとガザ地区での緊張などの地政学リスクの高まりによる一時的な上昇局面はあったものの、米中の経済指標の弱さから景気減速が意識され、年間を通じて下落基調で推移しました。この結果、ドバイ原油価格は前期比3.8ドル/バレル下落の78.5ドル/バレルとなりました。
円の対米ドルレートは、日米の金融政策の差異を背景に円安ドル高が進行し、7月には160円/ドルに近い水準に到達したものの、8月以降は日米金利差を背景に上昇と下落を繰り返し、結果として、平均レートは前期比8.0円/ドル円安の152.6円/ドルとなりました。
イ.業績
当社グループの当期の売上高は、円安影響などにより、9兆1,902億円(前期比+5.4%)となりました。
売上原価は、8兆5,008億円(前期比+8.0%)となり、販売費及び一般管理費は、5,272億円(前期比+5.3%)となりました。
営業損益は、燃料油セグメントにおける原油価格下落による在庫影響や基礎化学品セグメントにおける数量減少及び製品市況の下落、資源セグメントにおける石炭市況の下落などにより、1,622億円(前期比△53.2%)となりました。
営業外損益は、持分法投資利益の増加などにより、526億円(前期比+35.1%)となりました。その結果、経常損益は2,148億円(前期比△44.3%)となりました。
特別損益は、固定資産の減損損失の計上などにより、△564億円(前期比+21億円)となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、563億円(前期比△43.6%)となり、非支配株主に帰属する当期純損失は20億円(前期比+22.0%)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,041億円(前期比△54.5%)となりました。
セグメント別売上高
(単位:億円)
セグメント別利益又は損失(△)
(単位:億円)
(注)セグメント別利益又は損失(△)は、セグメント別の営業損益と持分法投資損益の合計額です。
(ア)燃料油セグメント
燃料油セグメントについては、売上高は原油価格が下落したものの、円安影響などにより、7兆6,964億円(前期比+8.7%)となりました。セグメント損益は、国内製品マージンが堅調であったものの、海外マージン悪化に伴う輸出利益の減少などにより、1,221億円(前期比△44.4%)となりました。
(イ)基礎化学品セグメント
基礎化学品セグメントについては、製品市況の悪化及び定期修繕や製造装置トラブルに伴う数量減などにより、売上高は5,872億円(前期比△2.4%)、セグメント損益は△80億円(前期比△300億円)となりました。
(ウ)高機能材セグメント
高機能材セグメントについては、機能化学品製造設備の定期修繕に伴う数量減があったものの、潤滑油事業の販売ポートフォリオの改善などにより、売上高は5,034億円(前期比△2.3%)、セグメント損益は282億円(前期比+2.4%)となりました。
(エ)電力・再生可能エネルギーセグメント
電力・再生可能エネルギーセグメントについては、トラブルに伴う調達コストの増加やバイオマス原料コストの増加などにより、売上高は1,276億円(前期比△9.9%)、セグメント損益は△123億円(前期比△47億円)となりました。
(オ)資源セグメント
(石油・天然ガス開発事業・地熱事業)
石油・天然ガス開発事業・地熱事業については、円安影響があったものの、原油価格の下落などにより、売上高は404億円(前期比+5.4%)、セグメント損益は187億円(前期比△2.3%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業については、石炭市況の下落に伴う価格要因などにより、売上高は2,248億円(前期比△32.3%)、セグメント損益は587億円(前期比△40.0%)となりました。
以上の結果、資源セグメントの売上高は2,652億円(前期比△28.4%)、セグメント損益は774億円(前期比△33.9%)となりました。
(カ)その他セグメント
その他セグメントの売上高は105億円(前期比+9.9%)、セグメント損益は12億円(前期比+122.0%)となりました。
②財政状態の状況
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
ア.資産の部
当期末における資産合計は、原油価格の下落等による棚卸資産の減少や前期末の休日影響等による売掛債権の減少などにより、4兆7,756億円(前期末比△2,367億円)となりました。
イ.負債の部
当期末における負債合計は、有利子負債の減少や前期末の休日影響による未払金の減少などにより、3兆379億円(前期末比△1,619億円)となりました。
ウ.純資産の部
当期末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加がありましたが、自己株式の取得や配当金の支払いなどにより、1兆7,377億円(前期末比△748億円)となりました。
以上の結果、自己資本比率は前期末の35.9%から当期末は36.0%(前期末比+0.1ポイント)となりました。また、当期末のネットD/Eレシオは0.6(前期末:0.7)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
当期末の現金及び現金同等物は、1,643億円となり、前期末に比べ、274億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
ア.営業活動におけるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益や減価償却費等、運転資本の減少などの資金増加要因が、未払金の減少などの資金減少要因を上回ったことにより、4,767億円の収入となりました。
イ.投資活動におけるキャッシュ・フロー
製油所設備の維持更新投資等による有形固定資産の取得などにより、1,185億円の支出となりました。
ウ.財務活動におけるキャッシュ・フロー
有利子負債の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、3,435億円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額は、資源セグメントは販売金額、その他のセグメントは製品生産額によって記載をしています。
イ.受注実績
当社グループでは主要製品について受注生産を行っていません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.「主な相手先別の販売実績」に該当する販売相手先はないため、記載を省略しています。
3.各セグメントの販売実績は、外部顧客への売上高を記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」における「イ.業績」に記載しています。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア.資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原油・原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いなどによるものです。
設備投資資金については、エネルギー安定供給のための操業維持投資に加え、販売・供給体制の競争力強化を目的とした投資、一歩先のエネルギーや多様な省資源・資源循環ソリューション及びスマートよろずや等の事業ポートフォリオ転換推進投資、石油開発事業等における保有鉱区の開発・安定生産継続に向けた投資等の需要があります。
イ.財務政策
当社グループは、中長期的な成長を維持するために資本効率と財務健全性のバランスを勘案しつつ、必要な運転資金及び設備投資資金を、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパーの発行、及び流動性確保のための特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の維持等、多様なリソースから効果的に組み合わせて調達しています。
なお、国内子会社は、当社が一括して資金調達し、子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。また、海外子会社は金融機関からの借入れの他、子会社間のグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。
また、円滑な資金調達を行うため、当社は格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しています。当連結会計年度末において当社の格付けはR&IがA(方向性:安定的)、JCRがA+(見通し:安定的)となっています。
(特定融資枠契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達や十分な流動性確保、また、災害発生時の円滑な資金調達のため、取引先銀行で作られるシンジケート団と短期借入を実行できる特定融資枠契約2,100億円を締結し、機動的・安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。当連結会計年度末において同契約にかかる借入残高はありません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2030年ビジョン「責任ある変革者」の実現に向けて、事業構造改革投資と人的資本投資の両輪により事業ポートフォリオの転換を進めるため、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ネットD/Eレシオ、自己資本比率を主要な経営指標としています。
2025年3月期の自己資本利益率(ROE)が前期対比で減少している主な要因は、基礎化学品セグメントにおける数量減少及び製品市況の下落、資源セグメントにおける石炭市況の下落などによる、在庫影響除き親会社株主に帰属する当期純利益の減少によるものです。また、同様に実態投下資本利益率(ROIC)の主な増加要因は、燃料油セグメントにおける国内製品マージン堅調などによる在庫影響及びタイムラグ影響を除いた営業利益の増加、自己株式の取得や借入返済に伴う投下資本の減少によるものです。
当社グループの主要な経営指標のトレンドは次のとおりです。
(注)1.各指標は、以下の計算式によって計算しています。
自己資本利益率(ROE):在庫影響除き親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)
※2024年3月期より算定方法を変更しています。その結果、2021年3月期、2022年3月期及び2023年3月期の指標も変更しています。
投下資本利益率(ROIC):(在庫影響除き税後営業利益+持分法投資損益)/(株主資本+有利子負債)
※2024年3月期より算定方法を変更しています。その結果、2023年3月期の指標も変更しています。
実態投下資本利益率(ROIC):計算式は投下資本利益率(ROIC)と同様。ただし、大きな外部環境影響を除いて比較するため、燃料油セグメントのタイムラグ影響、資源セグメントの石炭価格(実績を2026年3月期計画前提である120USD/tへ)等を補正
ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金及び短期運用有価証券)/(純資産-非支配株主持分)
自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産
2.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金として連結貸借対照表に計上されている金額及びリース債務の金額を使用しています。
3.2021年3月期及び2022年3月期の実態投下資本利益率(ROIC)については、主要な経営指標に含んでいなかったため記載していません。
①経営成績の状況
ア.一般経済情勢及び当社グループを取り巻く環境
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用や所得環境の改善を背景として、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化など地政学リスクの影響の長期化や米国新政権の政策動向等、依然として不安定な状況が続いています。
国内石油製品販売量は、ガソリン等主燃料は2020年以降のコロナ禍における需要減からの回復が一服し、前年度から減少しました。ジェット燃料は需要の回復が続くものの、当社においては官公庁向け入札案件の減少により前年度から減少しました。
原油価格は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとガザ地区での緊張などの地政学リスクの高まりによる一時的な上昇局面はあったものの、米中の経済指標の弱さから景気減速が意識され、年間を通じて下落基調で推移しました。この結果、ドバイ原油価格は前期比3.8ドル/バレル下落の78.5ドル/バレルとなりました。
円の対米ドルレートは、日米の金融政策の差異を背景に円安ドル高が進行し、7月には160円/ドルに近い水準に到達したものの、8月以降は日米金利差を背景に上昇と下落を繰り返し、結果として、平均レートは前期比8.0円/ドル円安の152.6円/ドルとなりました。
イ.業績
当社グループの当期の売上高は、円安影響などにより、9兆1,902億円(前期比+5.4%)となりました。
売上原価は、8兆5,008億円(前期比+8.0%)となり、販売費及び一般管理費は、5,272億円(前期比+5.3%)となりました。
営業損益は、燃料油セグメントにおける原油価格下落による在庫影響や基礎化学品セグメントにおける数量減少及び製品市況の下落、資源セグメントにおける石炭市況の下落などにより、1,622億円(前期比△53.2%)となりました。
営業外損益は、持分法投資利益の増加などにより、526億円(前期比+35.1%)となりました。その結果、経常損益は2,148億円(前期比△44.3%)となりました。
特別損益は、固定資産の減損損失の計上などにより、△564億円(前期比+21億円)となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、563億円(前期比△43.6%)となり、非支配株主に帰属する当期純損失は20億円(前期比+22.0%)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,041億円(前期比△54.5%)となりました。
セグメント別売上高
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
| (2024年3月期) | (2025年3月期) | 増減額 | 増減率 | |
| 燃料油 | 70,808 | 76,964 | +6,156 | +8.7% |
| 基礎化学品 | 6,016 | 5,872 | △144 | △2.4% |
| 高機能材 | 5,154 | 5,034 | △120 | △2.3% |
| 電力・再生可能エネルギー | 1,415 | 1,276 | △139 | △9.9% |
| 資源 | 3,705 | 2,652 | △1,052 | △28.4% |
| その他・調整額 | 95 | 105 | +9 | +9.9% |
| 合計 | 87,192 | 91,902 | +4,710 | +5.4% |
セグメント別利益又は損失(△)
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
| (2024年3月期) | (2025年3月期) | 増減額 | 増減率 | |
| 燃料油 (在庫評価影響除き) | 2,197 (1,672) | 1,221 (1,520) | △975 (△152) | △44.4% (△9.1%) |
| 基礎化学品 | 220 | △80 | △300 | - |
| 高機能材 | 276 | 282 | +7 | +2.4% |
| 電力・再生可能エネルギー | △76 | △123 | △47 | - |
| 資源 | 1,169 | 774 | △396 | △33.9% |
| その他 | 5 | 12 | +6 | +122.0% |
| 調整額 | △161 | △238 | △77 | - |
| 合計 (在庫評価影響除き) | 3,630 (3,106) | 1,848 (2,147) | △1,782 (△959) | △49.1% (△30.9%) |
(注)セグメント別利益又は損失(△)は、セグメント別の営業損益と持分法投資損益の合計額です。
(ア)燃料油セグメント
燃料油セグメントについては、売上高は原油価格が下落したものの、円安影響などにより、7兆6,964億円(前期比+8.7%)となりました。セグメント損益は、国内製品マージンが堅調であったものの、海外マージン悪化に伴う輸出利益の減少などにより、1,221億円(前期比△44.4%)となりました。
(イ)基礎化学品セグメント
基礎化学品セグメントについては、製品市況の悪化及び定期修繕や製造装置トラブルに伴う数量減などにより、売上高は5,872億円(前期比△2.4%)、セグメント損益は△80億円(前期比△300億円)となりました。
(ウ)高機能材セグメント
高機能材セグメントについては、機能化学品製造設備の定期修繕に伴う数量減があったものの、潤滑油事業の販売ポートフォリオの改善などにより、売上高は5,034億円(前期比△2.3%)、セグメント損益は282億円(前期比+2.4%)となりました。
(エ)電力・再生可能エネルギーセグメント
電力・再生可能エネルギーセグメントについては、トラブルに伴う調達コストの増加やバイオマス原料コストの増加などにより、売上高は1,276億円(前期比△9.9%)、セグメント損益は△123億円(前期比△47億円)となりました。
(オ)資源セグメント
(石油・天然ガス開発事業・地熱事業)
石油・天然ガス開発事業・地熱事業については、円安影響があったものの、原油価格の下落などにより、売上高は404億円(前期比+5.4%)、セグメント損益は187億円(前期比△2.3%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業については、石炭市況の下落に伴う価格要因などにより、売上高は2,248億円(前期比△32.3%)、セグメント損益は587億円(前期比△40.0%)となりました。
以上の結果、資源セグメントの売上高は2,652億円(前期比△28.4%)、セグメント損益は774億円(前期比△33.9%)となりました。
(カ)その他セグメント
その他セグメントの売上高は105億円(前期比+9.9%)、セグメント損益は12億円(前期比+122.0%)となりました。
②財政状態の状況
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
| 前連結会計年度 (2024年3月期) | 当連結会計年度 (2025年3月期) | 増減 | |
| 流動資産 | 29,168 | 26,499 | △2,670 |
| 固定資産 | 20,955 | 21,257 | +303 |
| 資産合計 | 50,123 | 47,756 | △2,367 |
| 流動負債 | 21,925 | 20,974 | △951 |
| 固定負債 | 10,073 | 9,405 | △668 |
| 負債合計 | 31,998 | 30,379 | △1,619 |
| 純資産合計 | 18,125 | 17,377 | △748 |
| 負債純資産合計 | 50,123 | 47,756 | △2,367 |
ア.資産の部
当期末における資産合計は、原油価格の下落等による棚卸資産の減少や前期末の休日影響等による売掛債権の減少などにより、4兆7,756億円(前期末比△2,367億円)となりました。
イ.負債の部
当期末における負債合計は、有利子負債の減少や前期末の休日影響による未払金の減少などにより、3兆379億円(前期末比△1,619億円)となりました。
ウ.純資産の部
当期末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加がありましたが、自己株式の取得や配当金の支払いなどにより、1兆7,377億円(前期末比△748億円)となりました。
以上の結果、自己資本比率は前期末の35.9%から当期末は36.0%(前期末比+0.1ポイント)となりました。また、当期末のネットD/Eレシオは0.6(前期末:0.7)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
| 前連結会計年度 (2024年3月期) | 当連結会計年度 (2025年3月期) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,774 | 4,767 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △658 | △1,185 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,805 | △3,435 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 27 | 18 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 338 | 166 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 1,031 | 1,369 |
| 連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | - | 2 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | - | 106 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,369 | 1,643 |
当期末の現金及び現金同等物は、1,643億円となり、前期末に比べ、274億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
ア.営業活動におけるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益や減価償却費等、運転資本の減少などの資金増加要因が、未払金の減少などの資金減少要因を上回ったことにより、4,767億円の収入となりました。
イ.投資活動におけるキャッシュ・フロー
製油所設備の維持更新投資等による有形固定資産の取得などにより、1,185億円の支出となりました。
ウ.財務活動におけるキャッシュ・フロー
有利子負債の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、3,435億円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 燃料油 | 3,748,763 | 93.7 |
| 基礎化学品 | 475,859 | 91.0 |
| 高機能材 | 327,004 | 107.7 |
| 電力・再生可能エネルギー | - | - |
| 資源 | 186,848 | 74.8 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 4,738,476 | 93.3 |
(注)上記の金額は、資源セグメントは販売金額、その他のセグメントは製品生産額によって記載をしています。
イ.受注実績
当社グループでは主要製品について受注生産を行っていません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 燃料油 | 7,696,391 | 108.7 |
| 基礎化学品 | 587,195 | 97.6 |
| 高機能材 | 503,366 | 97.7 |
| 電力・再生可能エネルギー | 127,573 | 90.1 |
| 資源 | 265,246 | 71.6 |
| その他 | 10,452 | 109.9 |
| 合計 | 9,190,225 | 105.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.「主な相手先別の販売実績」に該当する販売相手先はないため、記載を省略しています。
3.各セグメントの販売実績は、外部顧客への売上高を記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」における「イ.業績」に記載しています。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア.資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原油・原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いなどによるものです。
設備投資資金については、エネルギー安定供給のための操業維持投資に加え、販売・供給体制の競争力強化を目的とした投資、一歩先のエネルギーや多様な省資源・資源循環ソリューション及びスマートよろずや等の事業ポートフォリオ転換推進投資、石油開発事業等における保有鉱区の開発・安定生産継続に向けた投資等の需要があります。
イ.財務政策
当社グループは、中長期的な成長を維持するために資本効率と財務健全性のバランスを勘案しつつ、必要な運転資金及び設備投資資金を、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパーの発行、及び流動性確保のための特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の維持等、多様なリソースから効果的に組み合わせて調達しています。
なお、国内子会社は、当社が一括して資金調達し、子会社に融通するグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。また、海外子会社は金融機関からの借入れの他、子会社間のグループ金融を通じて運転資金及び設備投資資金を調達しています。
また、円滑な資金調達を行うため、当社は格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しています。当連結会計年度末において当社の格付けはR&IがA(方向性:安定的)、JCRがA+(見通し:安定的)となっています。
(特定融資枠契約)
当社グループは、運転資金の効率的な調達や十分な流動性確保、また、災害発生時の円滑な資金調達のため、取引先銀行で作られるシンジケート団と短期借入を実行できる特定融資枠契約2,100億円を締結し、機動的・安定的な資金調達が可能な体制を敷いています。当連結会計年度末において同契約にかかる借入残高はありません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、2030年ビジョン「責任ある変革者」の実現に向けて、事業構造改革投資と人的資本投資の両輪により事業ポートフォリオの転換を進めるため、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ネットD/Eレシオ、自己資本比率を主要な経営指標としています。
2025年3月期の自己資本利益率(ROE)が前期対比で減少している主な要因は、基礎化学品セグメントにおける数量減少及び製品市況の下落、資源セグメントにおける石炭市況の下落などによる、在庫影響除き親会社株主に帰属する当期純利益の減少によるものです。また、同様に実態投下資本利益率(ROIC)の主な増加要因は、燃料油セグメントにおける国内製品マージン堅調などによる在庫影響及びタイムラグ影響を除いた営業利益の増加、自己株式の取得や借入返済に伴う投下資本の減少によるものです。
当社グループの主要な経営指標のトレンドは次のとおりです。
| 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | 2025年 3月期 | |
| 自己資本利益率(ROE)(%) | 2.6 | 9.2 | 14.2 | 11.3 | 7.1 |
| 投下資本利益率(ROIC)(%) (全社計) | 2.8 | 6.8 | 6.2 | 8.4 | 6.0 |
| 実態投下資本利益率(ROIC)(%) (既存事業計) | - | - | 3.4 | 4.8 | 6.5 |
| ネットD/Eレシオ(倍) | 1.0 | 0.9 | 0.9 | 0.7 | 0.6 |
| 自己資本比率(%) | 29.1 | 30.7 | 33.2 | 35.9 | 36.0 |
(注)1.各指標は、以下の計算式によって計算しています。
自己資本利益率(ROE):在庫影響除き親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)
※2024年3月期より算定方法を変更しています。その結果、2021年3月期、2022年3月期及び2023年3月期の指標も変更しています。
投下資本利益率(ROIC):(在庫影響除き税後営業利益+持分法投資損益)/(株主資本+有利子負債)
※2024年3月期より算定方法を変更しています。その結果、2023年3月期の指標も変更しています。
実態投下資本利益率(ROIC):計算式は投下資本利益率(ROIC)と同様。ただし、大きな外部環境影響を除いて比較するため、燃料油セグメントのタイムラグ影響、資源セグメントの石炭価格(実績を2026年3月期計画前提である120USD/tへ)等を補正
ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金及び短期運用有価証券)/(純資産-非支配株主持分)
自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産
2.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及び長期借入金として連結貸借対照表に計上されている金額及びリース債務の金額を使用しています。
3.2021年3月期及び2022年3月期の実態投下資本利益率(ROIC)については、主要な経営指標に含んでいなかったため記載していません。