四半期報告書-第105期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/14 15:16
【資料】
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【項目】
47項目
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間の国内の主な石油製品需要は、ほぼ前年並みとなりました。
ドバイ原油価格は、5月中旬までは70ドル/バレル前後で推移しましたが、米中対立等を受けた世界経済の先行き不透明感の強まり等を背景に5月下旬以降は下落傾向が続き、4~9月の平均価格では前年同期比8.9ドル/バレル下落の64.3ドル/バレルとなりました。
石油化学原料であるナフサ価格は、前年同期比で104ドル/トン下落の540ドル/トンとなりました。
(原油価格、ナフサ価格、為替レートの状況)

前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減
ドバイ原油(ドル/バレル)73.264.3△8.9△12.2%
ナフサ価格(ドル/トン)645540△104△16.2%
為替レート(円/ドル)110.3108.6△1.6△1.5%

当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、4月1日に実施した昭和シェル石油株式会社(以下「昭和シェル」という。)との株式交換による経営統合等により、3兆円(前年同期比+41.9%)となりました。
営業利益は、燃料油セグメントにおける在庫評価の影響などにより603億円(前年同期比△54.9%)となりました。
営業外損益は、持分法投資利益の減少などにより72億円(前年同期比△273億円)の損失となりました。その結果、経常利益は531億円(前年同期比△65.5%)となりました。
特別損益は、昭和シェル株式の段階取得に係る差益などにより、158億円(前年同期比+136億円)の利益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は、税金等調整前四半期純利益の減少により213億円(前年同期比△282億円)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は453億円(前年同期比△56.2%)となりました。
[参考]
昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△13.8%、営業利益は、前年同期比△70.8%となりました。

当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、昭和シェルと経営統合したことに伴い、第1四半期連結累計期間より、報告セグメントを従来の「石油製品」「石油化学製品」及び「資源」の3つのセグメントから、「燃料油」「基礎化学品」「高機能材」「電力・再生可能エネルギー」及び「資源」の5つのセグメントに再編しています。
[燃料油セグメント]
燃料油セグメントの売上高は、2兆3,688億円(前年同期比+52.8%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、在庫評価影響などの減益要因により△55億円(前年同期比△749億円)となりました。
[参考]
昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△13.5%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比△1,377億円となりました。

[基礎化学品セグメント]
基礎化学品セグメントの売上高は、通関ナフサ価格が下落したことなどにより2,343億円(前年同期比△2.0%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、スチレンモノマー等製品マージンの縮小などにより143億円(前年同期比△24.6%)となりました。
[高機能材セグメント]
高機能材セグメントの売上高は、1,960億円(前年同期比+14.2%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、持分法投資利益の減少などにより137億円(前年同期比△16.7%)となりました。
[参考]
昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△9.2%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比△24.9%となりました。

[電力・再生可能エネルギーセグメント]
電力・再生可能エネルギーセグメントの売上高は、643億円(前年同期比+504.2%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、4億円(前年同期比+8.8%)となりました。
[参考]
昭和シェルの前年同期を100%連結ベースにした概算値との比較においては、売上高は、前年同期比△11.7%、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、前年同期比+2.2%となりました。

[資源セグメント]
(石油開発事業・地熱事業)
石油開発事業・地熱事業は、原油価格の下落などにより、売上高は、260億円(前年同期比△22.6%)となり、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、86億円(前年同期比△40.7%)となりました。
(石炭事業・その他事業)
石炭事業・その他事業の売上高は、1,096億円(前年同期比+2.2%)となりました。セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、石炭価格の下落などにより178億円(前年同期比△21.1%)となりました。
以上の結果、資源セグメント合計の売上高は、1,356億円(前年同期比△3.7%)、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、264億円(前年同期比△28.8%)となりました。
[その他セグメント]
その他セグメントの売上高は、10億円(前年同期比△25.2%)となりました。当期は昭和シェルに係る持分法投資利益が含まれていない影響などにより、セグメント利益(営業利益+持分法投資損益)は、2億円(前年同期比△98.0%)となりました。
(2) 財政状態の分析
要約連結貸借対照表
(単位:億円)
前連結会計年度当第2四半期
連結会計期間
増減
流動資産12,25417,010+4,756
固定資産16,64922,956+6,308
資産合計28,90339,967+11,064
流動負債11,95816,534+4,576
固定負債8,15610,311+2,156
負債合計20,11426,845+6,731
純資産合計8,78913,122+4,332
負債純資産合計28,90339,967+11,064

①資産の部
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、3兆9,967億円(前期末比+1兆1,064億円)となりました。
②負債の部
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、2兆6,845億円(前期末比+6,731億円)となりました。
③純資産の部
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、4月1日付の株式交換に伴う資本準備金の増加(前期末比+3,411億円)や自己株式の処分などにより、1兆3,122億円(前期末比+4,332億円)となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:億円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
営業活動によるキャッシュ・フロー91△531
投資活動によるキャッシュ・フロー△678△545
財務活動によるキャッシュ・フロー4461,084
現金及び現金同等物に係る換算差額△22△25
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△163△16
現金及び現金同等物の期首残高868907
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額-488
現金及び現金同等物の四半期末残高7061,379

当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,379億円となり、前期末に比べ、472億円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前四半期純利益や減価償却費などを、前期末の休日要因解消による未払石油諸税の支払増加の影響などが上回ったことなどにより531億円の支出となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
主として製油所設備の維持更新投資や石油開発・石炭事業への投資などによる有形固定資産の取得(455億円)により545億円の支出となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
一時的な運転資金需要に対応するための短期借入金やコマーシャル・ペーパーによる資金調達が増加したことなどにより1,084億円の収入となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間における当社グループの資金需要及び財務政策について、前連結会計年度から重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。 当社は、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上のため、安定的かつ持続的成長の実現に努めています。
したがって、当社株式を大量に取得しようとする者の出現等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されるおそれがある場合には、法令・定款で許容される範囲内において適切な措置を講じることを基本方針とします。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は91億円です。 2019年4月、先進技術研究所の名称を次世代技術研究所に変更しました。また、昭和シェルの中央研究所(神奈川県愛甲郡)とソーラーフロンティア株式会社の基礎研究機能(神奈川県厚木市)を同研究所に編入しました。
(7) 従業員数
当第2四半期連結累計期間末日現在における当社グループの従業員数は13,595人となり、前連結会計年度の末日現在と比べ、昭和シェルとの経営統合などにより4,119人増加しました。
セグメントごとの内訳は、主に燃料油セグメントで6,853人、高機能材セグメントで3,214人となります。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)を記載しています。
(8) 生産及び販売の実績
第1四半期連結累計期間より昭和シェルと経営統合したことにより、燃料油セグメントの販売実績が前年同期比52.8%増加し2兆3,688億円となり、生産実績が前年同期比45.4%増加し、1兆3,106億円となりました。それ以外のセグメントについては大きな増減はありません。
(9) 主要な設備の状況
昭和シェルとの経営統合により、昭和四日市石油株式会社や東亜石油株式会社の石油精製設備、昭和シェルの販売設備等が増加しました。