有価証券報告書-第120期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国の製造業においては、第3四半期連結会計期間まではグローバル経済全般の停滞や設備投資の減速による影響に加え、各地の地政学的リスクへの警戒感が高まったこと等を反映して、生産と輸出の水準は低下傾向を示しました。また国内個人消費についても、消費増税の影響があり停滞が続く状況となりました。
一方、海外においては、米国と中国の通商摩擦への警戒感が依然根強いことや中近東における紛争等への懸念が高まったこと等を反映し、主要国における企業の生産活動と個人消費は概ね振るわない推移を示しました。さらに、第4四半期連結会計期間に入ると、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により企業の生産活動と個人消費は大きな影響を受け、景況はさらに悪化しました。
このような事業環境下において当社グループは、厳しさを増す事業環境下への対応力の強化を図るとともに、第8次中期経営計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)で掲げた戦略に沿って、“健全で持続的な成長”を実現するための企業基盤の整備・強化を推進いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高が482億1千2百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益が42億1千4百万円(同24.9%減)、経常利益が42億5千6百万円(同26.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が29億1千8百万円(同28.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症が先端産業市場や機器市場の顧客からの受注動向に影響を及ぼしたものの、その規模は限定的なものでありました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(シール製品事業)
シール製品事業は、先端産業市場・機器市場・プラント市場の各市場に向けた販売がそれぞれ減少し、売上高は320億7千1百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は33億6千万円(同24.5%減)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業は、プラント市場向けが拡大したものの、先端産業市場・機器市場向け販売の減少により、売上高は130億8千9百万円(前年同期比8.6%減)、セグメント利益は5億5千4百万円(同28.7%減)となりました。
(その他事業)
その他事業は、シリコンウエハーリサイクル事業の受託量が減少し、売上高は30億5千1百万円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益は2億9千9百万円(同22.1%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ14億7百万円減少し、481億2千8百万円となりました。流動資産は268億1千1百万円となり、13億5千5百万円減少しました。この主な要因は、受取手形及び売掛金の減少7億5千6百万円、現金及び預金の減少4億6千4百万円等によるものであります。
有形固定資産は158億6千6百万円となり、16億1千万円増加しました。この主な要因は、建物及び構築物の増加13億4千2百万円、機械装置及び運搬具の増加2億3千7百万円等によるものであります。無形固定資産は9億6百万円となり、3億7千2百万円増加しました。この主な要因は、ソフトウエアの増加3億9千4百万円等によるものであります。投資その他の資産は45億4千4百万円となり、20億2千9百万円減少しました。この主な要因は、投資有価証券の減少9億1千万円、投資その他の資産のその他に含まれる差入保証金の減少6億4千2百万円、退職給付に係る資産の減少2億3千7百万円等によるものであります。それらの結果、固定資産は213億1千7百万円となり、4千6百万円減少しました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ19億6千万円減少し、131億9千7百万円となりました。流動負債は105億1千7百万円となり、27億4千4百万円減少しました。この主な要因は、1年内償還予定の社債の減少17億円、支払手形及び買掛金の減少6億7百万円、未払法人税等の減少2億6千7百万円等によるものであります。
固定負債は26億8千万円となり、7億8千4百万円増加しました。この主な要因は、長期借入金の増加10億2千7百万円、退職給付に係る負債の減少1億9千7百万円等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5億5千2百万円増加し、349億3千万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加11億5千8百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億3千5百万円、為替換算調整勘定の減少1億5千1百万円等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億6千5百万円減少し、当連結会計年度末には65億7千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、51億2千1百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益42億7千万円、減価償却費20億9千9百万円、法人税等の支払額14億7千6百万円、仕入債務の減少6億9百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、27億9千9百万円(前年同期比42.8%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得・売却による純支出24億8千7百万円、無形固定資産の取得による支出5億4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、27億6千9百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
これは主に、配当金の支払額17億5千4百万円、社債の償還による支出17億円、リース債務の返済による支出2億8千5百万円、長期借入金の純収入9億9千万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高と各利益とも前連結会計年度より下回る結果にとどまりました。当連結会計年度につきましては、前連結会計年度に比べて厳しい事業環境下にあることが予想されましたが、特に第3四半期連結会計期間以降においては、想定よりも実体経済は厳しい状況になったと捉えております。前年同期に比べ営業利益を押し下げた要因としては、売上高の減少があります。これは、世界的な半導体設備投資と半導体テバイスの生産の冷え込み、米中通商問題に端を発する世界的な設備投資意欲の減退、主要国における自動車販売の不振、さらには、台風等による天災の影響を受けた結果と認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与えた要因として、収益拡大をけん引してきた先端産業市場において、第3四半期連結会計期間からの半導体生産量の冷え込み、半導体設備投資の縮小と回復の遅れを反映し、売上高は前期比11.8%減の157億円となったことと、機器市場向けにおいて、世界の設備投資が前連結会計年度までの盛り上がりの反動と米中通商摩擦等により減速したことに加え、主要国における自動車販売の影響を受け売上高は6.6%減の169億円になったことであります。
グループの資本の財源及び資金の流動性については、ROE等の資本効率改善に対する市場からの要求も認識しております。今後も健全性と資本効率の双方を意識した財務運営を図り、生み出されたキャッシュにつきましては、事業領域の拡張、生産効率と品質の向上、さらには事業体制の強化などに活用してまいります。
当社グループの経営上の目標の達成状況につきましては、「総資産当期純利益率(ROA)」及び「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「総資産当期純利益率(ROA)」は6.0%(前年同期比2.2ポイント悪化)、「自己資本利益率(ROE)」は8.8%(前年同期比3.6ポイント悪化)になりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(シール製品事業)
シール製品事業につきましては、事業環境の悪化により各市場において販売が減少いたしました。また、一部製品において競争環境に変化があり、収益性に影響を及ぼしました。これらの結果、前連結会計年度に比べ売上高は減少しました。
また、生産拠点の効率化や品質保証体制の強化の他、グループ全体の戦略投資負担の増加を反映したことにより、前連結会計年度に比べセグメント利益は減少となりました。
セグメント資産につきましては、281億8千8百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業につきましては、当連結会計年度は、“NV・S8”で戦略製品と位置付け、今後もその業容の拡大を計画しているふっ素樹脂特殊タンク製品が主に海外の化学品メーカー向けで伸長しました。しかしながら、先端産業市場と機器市場における事業環境悪化の影響は大きく、前連結会計年度に比べ売上高・利益とも減少となりました。
セグメント資産につきましては、93億1千4百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、主力のシリコンウエハーリサイクル事業が、第2四半期連結会計期間までは堅調に推移したものの、第3四半期連結会計期間より顧客の調達方針変更による影響を受けて減少しました。この結果、売上高・利益とも前連結会計年度に比べ減少となりました。
セグメント資産につきましては、23億4千7百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、第8次中期経営計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)の終了期を1年切り上げ、2021年3月期を開始期とし、2023年3月期を終了とする3か年中期経営計画「New Frontier 2022」“NF2022”を開始しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が足許の事業環境に与えている影響は大きく、かつその収束が見通せない状況であることから、“NF2022”で定めた諸戦略の実行を進める一方で、現時点では詳細な業績見通しが見込めないことから、しかるべき時期に収束後の環境変化への対応策を含めて改めて業績見通しを公表する予定といたしました。
なお、翌連結会計年度(2021年3月期)における業績予想及び配当予想につきましても、現時点で事業環境の先行きが見通せず、合理的な業績予想の算出ができないため、公表を見送ることにいたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度はエラストマー製品等のシール製品事業、ふっ素樹脂製品等の機能樹脂製品事業、シリコンウエハーリサイクル等のその他事業にて設備投資を実施するなどの既存事業の成長に向けた投資を着実に推進しました。
このように、当社グループにおける主な資金需要は、健全で持続的な成長を実現するための成長投資と考えており、これらの投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金等により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は、主に設備投資に係る資金調達であります。
手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。
当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は254.9%(前連結会計年度212.4%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.6倍となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各国における経済活動が停滞し、深刻な影響が生じております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大による業績の大幅な悪化による手許資金減少、或いは生産会社の稼働停止や主要顧客の稼働停止等不測の事態に備え、主要取引銀行との間で30億円のコミットメントラインの締結を行っております。このように、リスクに対応するとともに、今後の事業展開においても、感染症をめぐる市場の変化や、回復後に訪れるであろう変化の芽を的確に捉え、スピーディーに対応してまいりたいと考えております。2021年3月期の新規の設備投資は、事業基盤の再構築を目指し、キャッシュ・フローを重視しながら、次なる飛躍に繋げてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。
a. 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
b. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国の製造業においては、第3四半期連結会計期間まではグローバル経済全般の停滞や設備投資の減速による影響に加え、各地の地政学的リスクへの警戒感が高まったこと等を反映して、生産と輸出の水準は低下傾向を示しました。また国内個人消費についても、消費増税の影響があり停滞が続く状況となりました。
一方、海外においては、米国と中国の通商摩擦への警戒感が依然根強いことや中近東における紛争等への懸念が高まったこと等を反映し、主要国における企業の生産活動と個人消費は概ね振るわない推移を示しました。さらに、第4四半期連結会計期間に入ると、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により企業の生産活動と個人消費は大きな影響を受け、景況はさらに悪化しました。
このような事業環境下において当社グループは、厳しさを増す事業環境下への対応力の強化を図るとともに、第8次中期経営計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)で掲げた戦略に沿って、“健全で持続的な成長”を実現するための企業基盤の整備・強化を推進いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績につきましては、売上高が482億1千2百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益が42億1千4百万円(同24.9%減)、経常利益が42億5千6百万円(同26.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が29億1千8百万円(同28.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症が先端産業市場や機器市場の顧客からの受注動向に影響を及ぼしたものの、その規模は限定的なものでありました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(シール製品事業)
シール製品事業は、先端産業市場・機器市場・プラント市場の各市場に向けた販売がそれぞれ減少し、売上高は320億7千1百万円(前年同期比4.5%減)、セグメント利益は33億6千万円(同24.5%減)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業は、プラント市場向けが拡大したものの、先端産業市場・機器市場向け販売の減少により、売上高は130億8千9百万円(前年同期比8.6%減)、セグメント利益は5億5千4百万円(同28.7%減)となりました。
(その他事業)
その他事業は、シリコンウエハーリサイクル事業の受託量が減少し、売上高は30億5千1百万円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益は2億9千9百万円(同22.1%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ14億7百万円減少し、481億2千8百万円となりました。流動資産は268億1千1百万円となり、13億5千5百万円減少しました。この主な要因は、受取手形及び売掛金の減少7億5千6百万円、現金及び預金の減少4億6千4百万円等によるものであります。
有形固定資産は158億6千6百万円となり、16億1千万円増加しました。この主な要因は、建物及び構築物の増加13億4千2百万円、機械装置及び運搬具の増加2億3千7百万円等によるものであります。無形固定資産は9億6百万円となり、3億7千2百万円増加しました。この主な要因は、ソフトウエアの増加3億9千4百万円等によるものであります。投資その他の資産は45億4千4百万円となり、20億2千9百万円減少しました。この主な要因は、投資有価証券の減少9億1千万円、投資その他の資産のその他に含まれる差入保証金の減少6億4千2百万円、退職給付に係る資産の減少2億3千7百万円等によるものであります。それらの結果、固定資産は213億1千7百万円となり、4千6百万円減少しました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ19億6千万円減少し、131億9千7百万円となりました。流動負債は105億1千7百万円となり、27億4千4百万円減少しました。この主な要因は、1年内償還予定の社債の減少17億円、支払手形及び買掛金の減少6億7百万円、未払法人税等の減少2億6千7百万円等によるものであります。
固定負債は26億8千万円となり、7億8千4百万円増加しました。この主な要因は、長期借入金の増加10億2千7百万円、退職給付に係る負債の減少1億9千7百万円等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5億5千2百万円増加し、349億3千万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加11億5千8百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億3千5百万円、為替換算調整勘定の減少1億5千1百万円等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億6千5百万円減少し、当連結会計年度末には65億7千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、51億2千1百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益42億7千万円、減価償却費20億9千9百万円、法人税等の支払額14億7千6百万円、仕入債務の減少6億9百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、27億9千9百万円(前年同期比42.8%増)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得・売却による純支出24億8千7百万円、無形固定資産の取得による支出5億4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、27億6千9百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
これは主に、配当金の支払額17億5千4百万円、社債の償還による支出17億円、リース債務の返済による支出2億8千5百万円、長期借入金の純収入9億9千万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| シール製品事業(百万円) | 11,869 | 94.7 |
| 機能樹脂製品事業(百万円) | 7,091 | 107.4 |
| その他事業(百万円) | 2,731 | 91.3 |
| 合計(百万円) | 21,692 | 98.0 |
(注)1 上記の金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| シール製品事業(百万円) | 11,040 | 94.7 |
| 機能樹脂製品事業(百万円) | 4,553 | 69.0 |
| その他事業(百万円) | 226 | 89.2 |
| 合計(百万円) | 15,819 | 85.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| シール製品事業 | 31,422 | 92.2 | 3,583 | 84.7 |
| 機能樹脂製品事業 | 12,724 | 80.3 | 3,236 | 89.9 |
| その他事業 | 2,992 | 85.9 | 225 | 79.4 |
| 合 計 | 47,140 | 88.2 | 7,045 | 86.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| シール製品事業(百万円) | 32,071 | 95.5 |
| 機能樹脂製品事業(百万円) | 13,089 | 91.4 |
| その他事業(百万円) | 3,051 | 91.5 |
| 合計(百万円) | 48,212 | 94.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高と各利益とも前連結会計年度より下回る結果にとどまりました。当連結会計年度につきましては、前連結会計年度に比べて厳しい事業環境下にあることが予想されましたが、特に第3四半期連結会計期間以降においては、想定よりも実体経済は厳しい状況になったと捉えております。前年同期に比べ営業利益を押し下げた要因としては、売上高の減少があります。これは、世界的な半導体設備投資と半導体テバイスの生産の冷え込み、米中通商問題に端を発する世界的な設備投資意欲の減退、主要国における自動車販売の不振、さらには、台風等による天災の影響を受けた結果と認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与えた要因として、収益拡大をけん引してきた先端産業市場において、第3四半期連結会計期間からの半導体生産量の冷え込み、半導体設備投資の縮小と回復の遅れを反映し、売上高は前期比11.8%減の157億円となったことと、機器市場向けにおいて、世界の設備投資が前連結会計年度までの盛り上がりの反動と米中通商摩擦等により減速したことに加え、主要国における自動車販売の影響を受け売上高は6.6%減の169億円になったことであります。
グループの資本の財源及び資金の流動性については、ROE等の資本効率改善に対する市場からの要求も認識しております。今後も健全性と資本効率の双方を意識した財務運営を図り、生み出されたキャッシュにつきましては、事業領域の拡張、生産効率と品質の向上、さらには事業体制の強化などに活用してまいります。
当社グループの経営上の目標の達成状況につきましては、「総資産当期純利益率(ROA)」及び「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「総資産当期純利益率(ROA)」は6.0%(前年同期比2.2ポイント悪化)、「自己資本利益率(ROE)」は8.8%(前年同期比3.6ポイント悪化)になりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(シール製品事業)
シール製品事業につきましては、事業環境の悪化により各市場において販売が減少いたしました。また、一部製品において競争環境に変化があり、収益性に影響を及ぼしました。これらの結果、前連結会計年度に比べ売上高は減少しました。
また、生産拠点の効率化や品質保証体制の強化の他、グループ全体の戦略投資負担の増加を反映したことにより、前連結会計年度に比べセグメント利益は減少となりました。
セグメント資産につきましては、281億8千8百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業につきましては、当連結会計年度は、“NV・S8”で戦略製品と位置付け、今後もその業容の拡大を計画しているふっ素樹脂特殊タンク製品が主に海外の化学品メーカー向けで伸長しました。しかしながら、先端産業市場と機器市場における事業環境悪化の影響は大きく、前連結会計年度に比べ売上高・利益とも減少となりました。
セグメント資産につきましては、93億1千4百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、主力のシリコンウエハーリサイクル事業が、第2四半期連結会計期間までは堅調に推移したものの、第3四半期連結会計期間より顧客の調達方針変更による影響を受けて減少しました。この結果、売上高・利益とも前連結会計年度に比べ減少となりました。
セグメント資産につきましては、23億4千7百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、第8次中期経営計画「New Valqua Stage Eight」(NV・S8)の終了期を1年切り上げ、2021年3月期を開始期とし、2023年3月期を終了とする3か年中期経営計画「New Frontier 2022」“NF2022”を開始しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が足許の事業環境に与えている影響は大きく、かつその収束が見通せない状況であることから、“NF2022”で定めた諸戦略の実行を進める一方で、現時点では詳細な業績見通しが見込めないことから、しかるべき時期に収束後の環境変化への対応策を含めて改めて業績見通しを公表する予定といたしました。
なお、翌連結会計年度(2021年3月期)における業績予想及び配当予想につきましても、現時点で事業環境の先行きが見通せず、合理的な業績予想の算出ができないため、公表を見送ることにいたしました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度はエラストマー製品等のシール製品事業、ふっ素樹脂製品等の機能樹脂製品事業、シリコンウエハーリサイクル等のその他事業にて設備投資を実施するなどの既存事業の成長に向けた投資を着実に推進しました。
このように、当社グループにおける主な資金需要は、健全で持続的な成長を実現するための成長投資と考えており、これらの投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金等により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は、主に設備投資に係る資金調達であります。
手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。
当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は254.9%(前連結会計年度212.4%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.6倍となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。
| 第116期 2016年3月期 | 第117期 2017年3月期 | 第118期 2018年3月期 | 第119期 2019年3月期 | 第120期 2020年3月期 | |
| 流動比率(%) | 190.4 | 215.1 | 235.1 | 212.4 | 254.9 |
| 自己資本比率(%) | 62.8 | 62.7 | 65.3 | 66.2 | 69.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 60.2 | 69.3 | 102.8 | 78.5 | 64.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) | 1.4 | 1.4 | 1.1 | 0.7 | 0.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 43.7 | 42.5 | 64.7 | 100.8 | 71.6 |
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各国における経済活動が停滞し、深刻な影響が生じております。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大による業績の大幅な悪化による手許資金減少、或いは生産会社の稼働停止や主要顧客の稼働停止等不測の事態に備え、主要取引銀行との間で30億円のコミットメントラインの締結を行っております。このように、リスクに対応するとともに、今後の事業展開においても、感染症をめぐる市場の変化や、回復後に訪れるであろう変化の芽を的確に捉え、スピーディーに対応してまいりたいと考えております。2021年3月期の新規の設備投資は、事業基盤の再構築を目指し、キャッシュ・フローを重視しながら、次なる飛躍に繋げてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。
a. 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
b. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。