有価証券報告書-第58期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/28 16:02
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、営業外収益の部に独立掲記しておりました「スクラップ売却益」を「売上高」へと変更しており、表示方法の変更の内容を組替え後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行なっております。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度の経営環境は、年度前半は前年度から引き続き電子機器工業界全般の活況がありましたが、年度後半には世界的な保護貿易主義の風潮の高まりから、不透明感が漂い、予断を許さない状況が続いております。そのような状況の中でも、車載関連、半導体関連および通信機器関連の堅調な需要動向に支えられ、前連結会計年度に比べ増収となっております。
収益面では、当連結会計年度において推進しております現地生産化の一環として、上海地区の工場の移転等による一時的な稼働率の低下もありながら、高付加価値製品へのユーザーニーズの変化への対応や、省人化設備の設置推進による原価低減効果の発現により、前連結会計年度から増益となり、利益率も向上しております。
このようなことから、当連結会計年度の売上高は24,514百万円(前年同期比5.4%増)となり、営業利益は4,176百万円(同10.6%増)、経常利益は4,326百万円(同16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,228百万円(同21.6%増)となっております。
次に、セグメント別の状況ですが、「日本」では車載関連、高速通信インフラ向けの堅調な需要に支えられ、増収となっております。収益的には管理部門を含む全社的な原価低減・費用削減効果に支えられ増益となっております。この地区での売上高(セグメント間取引消去額を含む。以下同じ。)は17,714百万円(前年同期比7.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は3,222百万円(前年同期比19.0%増)となっております。
日本を除く「アジア」では、現地工場の移転等もあり一時的費用増や稼働率の低下、年度後半の中国市場における不透明感の拡大により、収益の伸びが物足りない部分もありますが、前連結会計年度に比べ増収増益となっております。また、順次行っている最新鋭の省人化設備の導入効果も発現してきているところであります。この地区での売上高は11,302百万円(同3.9%増)となったものの、セグメント利益は751百万円(同2.5%増)と物足りない結果となっております。
北米地区の売上高は1,354百万円(同4.0%増)、セグメント利益は36百万円(同24.0%減)となっております。事情での競争激化に伴い、特に収益において厳しい状況となっております。
欧州地区の売上高は、1,501百万円(同0.7%減)、セグメント利益は158百万円(同6.2%減)となっております。年後半の世界経済の減速の影響もうけ、物足りない結果となりました。
(財政状態)
a. 資産の部
当連結会計年度末の資産合計は、56,703百万円(前連結会計年度末比902百万円減)となりました。
流動資産合計は28,221百万円(同1,285百万円増)となりました。主な変動要因は、棚卸資産(同953百万円増)および有価証券(同533百万円増)であります。
固定資産合計は28,481百万円(同2,187百万円減)となっております。このうち、有形固定資産合計は22,694百万円(同975百万円増)となり、株式市況の変化などで投資有価証券(同2,801百万円減)の変動を含む投資その他の資産合計は5,703百万円(同3,162百万円減)となっております。
b. 負債の部
当連結会計年度末の負債合計は4,716百万円(前連結会計年度末比448百万円減)となりました。
流動負債合計は3,735百万円(同168百万円増)となりました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金(同47百万円増)、未払費用(同44百万円増)および賞与引当金(同58百万円増)であります。
固定負債合計は980百万円(同616百万円減)となりました。これは、主に繰延税金負債(同687百万円減)の変動によるものであります。
c. 純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は51,986百万円(前連結会計年度末比453百万円減)となりました。株主資本合計が50,579百万円(同2,188百万円増)、その他の包括利益累計額合計が1,406百万円(同2,642百万円減)となっております。主な変動項目は、その他有価証券評価差額金(同1,747百万円減)および為替換算調整勘定(同865百万円減)であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ251百万円増加し、当連結会計年度末現在9,042百万円となっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業活動の安定と利益向上を主因として、4,553百万円の収入(前年同期比370百万円の収入の減少)となっております。主なキャッシュ・イン項目は、税金等調整前当期純利益4,313百万円および減価償却費2,412百万円であり、主なキャッシュ・アウト項目は、たな卸資産の増加額1,019百万円および法人税等の支払額1,049百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,452百万円の支出(同2,601百万円の減少)となりました。有価証券や投資有価証券の売却及び償還により流入したキャッシュ(612百万円)を、新たに投資しキャッシュ・アウトさせた(固定資産3,818百万円及び投資有価証券833百万円)ことが主な変動要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,037百万円の支出(同226百万円の減少)となりました。配当金の支払1,035百万円を行っております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
日本17,655,407+12.7
アジア7,789,889+26.6
北米--
欧州--
合計25,445,296+16.6

(注) 金額は販売価格で換算しており、消費税等は含んでおりません。
b. 受注実績
当社グループは一部の受注に見込み分を上乗せした見込み生産が主体であります。従いまして、当該事項の記載は省略しております。
c. 販売実績
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
日本10,669,438+8.2
アジア10,992,595+3.8
北米1,354,943+4.0
欧州1,497,794△0.9
合計24,514,771+5.4

(注) 1 数量については、取扱い品目が多岐にわたり記載が困難なため省略しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には、消費税等は含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用に数値は反映されております。これらの見積もりについては、継続的に評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (財政状態)」に記載のとおりであります。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当社グループを取巻く営業環境は、活況が見られた需要を確保していくことに注力してまいりました。このような状況のもと、顧客重視の考え方を更に徹底させ、製品開発から生産現場に至るまでキメ細かな見直しを行ない、評価の高い当社の得意としている高機能製品の市場の浸透および評価の安定化を積極的に進めております。これらの製品は、今後の成長にも資するものとして定着を図ってきた製品でもあります。このようなことから、当連結会計年度の連結売上高は24,514百万円となっております。
(売上原価ならびに販売費及び一般管理費、営業利益)
活況な営業環境にあっては、需要に対する安定供給体制の確保を優先して進めております。原価低減やコスト削減もあわせて進めておりますが、将来を見据えた投資等も同時に行っているため固定的費用の削減幅が小さいものもあります。このような状況から、当連結会計年度の売上原価は15,647百万円となり、販売費及び一般管理費は4,690百万円となっております。このようなことから、当連結会計年度の営業利益は4,176百万円となりました。
(営業外損益および経常利益)
営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益純額は、150百万円の利益となりました。この結果、経常利益は4,326百万円となっております。
(法人税等および親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計としては、1,085百万円を計上しております。
親会社株主に帰属する当期純利益は3,228百万円となりました。この結果、1株当たり当期純利益は186円87銭となっております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための原材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに生産設備等の新設、更新に係る投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や設備投資の調達に関し、国内においては営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金で賄うことを基本としております。海外においては、現地において事業基盤を築き安定した営業活動を行うため、自己資金および当社グループ内から借入を基本とし、資金需要に即時に対応できる体制を確保しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,042百万円であります。