四半期報告書-第180期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)
以下に記載する事項は、当四半期報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものです。
なお、以下に記載する事項は、当社グループの今後の計画、見通し等の将来予想に関する記述を含んでおり、かかる将来予想に関する記述は、当社グループが当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、不確実性が内在しているため、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なる可能性があります。
(1) 業績等の概要
(注)1.単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する四半期純損益」を四半期純損益として表示しています(以下、同じ)。
第3四半期連結累計期間(2018年12月に終了した9か月間。以下、当期)の世界経済は、米国で総じて堅調な成長が続く一方、欧州では、ユーロ圏で緩やかな成長が続いた後、昨年秋以降減速し始めました。英国では、EU離脱に関する先行き懸念などから成長が減速しました。中国では、消費や固定資産投資など内需の伸びが緩やかとなり、成長は減速しました。年末にかけて米国の対中国関税引き上げの影響も現れ始めました。国内経済は、個人消費が持ち直し、設備投資も増加するなど、緩やかな回復が続きました。
こうした状況下、当社グループの売上高は、インフラシステムソリューションやストレージ&デバイスソリューションが増収になったものの、エネルギーシステムソリューションがランディス・ギア・グループの連結除外の影響や火力・水力発電システム、送変電・配電等の減収などにより減収、またインダストリアルICTソリューション事業も前年度と同等の売上高となり、全体としては前年同期比1,531億円減少し2兆6,472億円になりました。営業損益は、インダストリアルICTソリューションが増益となったものの、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ストレージ&デバイスソリューション、リテール&プリンティングソリューションは減益・悪化となり、前年同期比473億円減少し82億円になりました。なお、営業損益減少には賞与等削減による緊急対策効果の減少影響142億円が含まれています。継続事業税引前損益は、前年度に営業外損益でランディス・ギア社の株式売却益を計上した影響等により減益となり、営業損益も減益となったため、前年同期比775億円減少し104億円になりました。当期純損益は、東芝メモリ㈱の株式譲渡が完了したことにより計上される相当額の譲渡益計上により、前年同期比9,946億円改善し1兆216億円になりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
(注)単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
①エネルギーシステムソリューション
原子力発電システムは増収となりましたが、ランディス・ギア・グループの連結除外の影響のほか、火力・水力発電システム、送変電・配電等が減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、原子力発電システムが改善しましたが、ランディス・ギア・グループの連結除外の影響のほか、火力・水力発電システム、送変電・配電等が悪化した結果、部門全体として悪化しました。
②インフラシステムソリューション
公共インフラ、ビル・施設、鉄道・産業システムが増収になった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、ビル・施設が増益になりましたが、公共インフラ、鉄道・産業システムが悪化した結果、部門全体として減益になりました。
③リテール&プリンティングソリューション
リテール事業が前年度の国内大口物件の反動などにより減収となり、プリンティング事業も減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、海外リテール事業は増益となりましたがリテール事業全体では減益となり、プリンティング事業も減益になった結果、部門全体として減益になりました。
④ストレージ&デバイスソリューション
半導体が減収になりましたが、HDD他が増収になった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、各事業とも減益となり、部門全体として減益になりました。
⑤インダストリアルICTソリューション
関係会社等の売却の影響があったものの、官公庁向けや製造業向けのシステム案件、関係会社などの売上増により、部門全体として前年同期とほぼ同等の売上高になりました。
損益面では、緊急対策の規模縮小の影響があったものの、システム案件の増益、構造改革による固定費削減などの効果により部門全体として増益になりました。
⑥その他
2018年10月1日付でパソコン事業の譲渡が完了し、第3四半期から連結対象から外れた影響により、減収となりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれています。
(2) 流動性及び資金の財源
①キャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の3,848億円の支出から4,540億円改善し、692億円の収入になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、メモリ事業の売却影響を主因に、前年同期の614億円の支
出から1兆3,976億円改善し、1兆3,362億円の収入になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前年同期の4,462億円の支出から1兆8,516億円改善し、1兆4,054億円の収入になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の3,924億円の収入から9,220億円減少し、5,296億円の支出になりました。
2018年12月末の現金、現金同等物及び制限付き現金の残高は、2018年3月末の5,487億円から8,758億円増加し、1兆4,245億円になりました。
②資本の財源及び資金の流動性
資金調達
当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。
流動性管理
2018年12月末においては、現金及び現金同等物として1兆4,245億円の手許流動性を確保しました。
格付け
当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下「ムーディーズ」という。)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)の3社から格付けを取得しています。当四半期報告書提出日現在の格付状況(長期/短期)は、ムーディーズ:B1(見通しは安定的)/NP、S&P:BB(見通しはポジティブ)/B、R&I:BBB-(格付けの方向性は安定的)/a-2です。
③資産、負債及び資本の状況
総資産は、2018年3月末に比べ1,375億円減少し、4兆3,207億円になりました。
株主資本は、メモリ事業の売却を主因に、2018年3月末に比べ8,033億円増加し、1兆5,864億円になりました。
借入金・社債残高は、2018年3月末に比べ2,437億円減少し、4,487億円になりました。
この結果、2018年12月末の株主資本比率は2018年3月末に比べ19.1ポイント改善し、36.7%になりました。
(注)・四半期連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費並びにのれん減損損失を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。訴訟和解費用等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・当社は、ASU 2016-15「キャッシュ・フロー計算書:特定の現金受領及び現金支払の分類」、ASU 2016-18「キャッシュ・フロー計算書:制限付き現金」及びASU 2017-07「報酬-退職給付:期間年金費用及び期間退職後給付費用の表示の改善」を、当第1四半期連結会計期間から適用しました。これに伴い、前年度の数値の一部を組み替えて表示しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(3) 対処すべき課題
前事業年度の有価証券報告書に記載された「対処すべき課題」は、当四半期報告書提出日現在において、次のとおり変更しています。変更点は下線で示しています。なお、変更点の前後について一部省略しています。また、以下の見出しに付された項目は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目に対応したものです。
◎不正会計問題
(前略)
また、不正会計問題に関連して、国内において当社に対する損害賠償請求訴訟が合計37件提起されており、その訴額の合計は約1,780億円であります。当社としては、今後、訴訟における原告の主張を踏まえて適切に対処していきます。
◎第三者割当増資及びWEC関連資産の譲渡等による債務超過の解消
(前略)
当社取締役会は2017年11月に第三者割当による新株発行による約6,000億円の資金調達を決議し、2017年12月に全額払込が完了しました。この資金調達により、当社は2017年12月及び2018年1月に本件プロジェクトに係る当社親会社保証の責任上限額の全額について早期弁済を実施し、WECに対する代位債権(求償権)を取得しました。当社は、2018年1月に、本代位債権及び当社がウェスチングハウス社グループに関連して保有するその他債権についてNucleus Acquisition LLCとの間で債権譲渡契約を、ウェスチングハウス社グループ持株会社(東芝原子力エナジーホールディングス(米国)社及び東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社の2社)の株式についてBrookfield WEC Holdings LLCとの間で株式譲渡契約を、それぞれ締結しました。当該債権譲渡は、2018年1月に完了しました。また、株式譲渡に関しては、東芝原子力エナジーホールディングス(米国)社株式の譲渡は2018年4月に完了し、東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社株式については、譲渡先をBrookfield WEC Holdings LLCと同じBrookfield Business Partners L.P.傘下であるBrookfield Capital Partners (Bermuda) Ltdに変更した上で、同年7月に譲渡が完了しました。なお、2018年3月にウェスチングハウス社グループの再建計画が連邦破産裁判所において認可されたこと等を受け、関連法規に基づき、両株式の取得価格全額が当期の税務上の損失として認識されました。
上記新株発行による約6,000億円の資本増強に加え、本代位債権を含む債権の譲渡完了及びウェスチングハウス社グループの再建計画認可等に伴いウェスチングハウス社グループ持株会社株式に係る税務上の損失が認識されたことにより、メモリ事業の東芝メモリ㈱への分割に伴う税額影響が低減され、約4,400億円の追加的な資本改善が達成されました。さらに代位債権及びその他債権の譲渡による売却益として税控除後で約1,700億円を計上することで、上記の新株発行、税額影響の軽減と合わせて合計約12,100億円の資本改善を行いました。これにより、当社は2018年3月期に係る連結貸借対照表において債務超過を解消するに至りました。
なお、当社は、2017年10月、WEC及びウェスチングハウスエレクトリック英国ホールディング社(以下「WECUK」という。)との間で、当社が保有するマンジェロッティ社の株式70%をWECUK又はその子会社に譲渡すること、及びWECUKが保有する原子燃料工業㈱(以下「原燃工」という。)の株式52%を東芝エネルギーシステムズ㈱(以下「ESS」という。)が取得することについて合意しました。マンジェロッティ社の株式譲渡は2017年11月に完了し、マンジェロッティ社は当社の連結対象から除外されました。また、原燃工についてはESSが、住友電気工業㈱及び古河電気工業㈱との間で、両社が各々24%を保有する原燃工株式を取得する株式譲渡契約を2018年3月に締結しており、同年6月にすべての株式譲渡が完了し、原燃工は100%連結子会社となりました。
◎メモリ事業
(前略)
本件譲渡と再出資の結果、東芝メモリは当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び東芝メモリは当社の持分法適用会社となりました。
2018年8月、㈱Pangeaは東芝メモリを吸収合併し、㈱Pangeaは東芝メモリ㈱に商号変更しました。
なお、当該吸収合併後の東芝メモリからの配当については、5年間は予定されておりません。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①経営方針・経営戦略等
当社は、2018年11月、今後5年間の全社変革計画「東芝Nextプラン」を策定しました。概要は以下のとおりです。
1.当社グループの目指す姿
当社グループは、製造業として永年に亘り培ってきた社会インフラから電子デバイスに至る幅広い事業領域の知見や実績と、情報処理やデジタル・AI技術の強みを融合し、世界有数のサイバー・フィジカル・システム(CPS)(注1)テクノロジー企業を目指すことを目標とします。この目標に向かい、当社は「東芝Nextプラン」として、今後5年間の数値目標を設定し、将来の成長に向けた全社変革の施策及び方向性を定めました。
当社グループは今後も新たな製品、サービスやソリューションの創出と提供を通じて、社会課題を解決し、社会のさらなる発展に貢献していく方針です。
(注1)CPSとは、実世界(フィジカル)におけるデータを収集し、サイバー世界でデジタル技術などを用いて分析したり、活用しやすい情報や知識とし、それをフィジカル側にフィードバックすることで、付加価値を創造する仕組みです。
2.内容骨子
(1)ターゲットと4つの改革
当社グループの企業行動の基本的な目的は、企業価値の最大化を通じて、株主価値を向上し、顧客・取引先・従業員の価値も向上させることです。基礎的な収益力を強化する施策と成長に向けた投資を行い、3年後の2021年度には、売上高3.7兆円、ROS 6%以上、ROE約10%の達成を目指します。更に5年後の2023年度には売上高4兆円、ROS 10%、ROE 15%レベルまで向上することを目標に掲げます。
基礎的な収益力を強化する施策として4つの改革を進めます。構造改革として、液化天然ガス(LNG)事業や海外原子力新規建設事業などの非注力事業からの撤退、人員適正化、生産拠点および子会社の再編を推し進めます。調達改革では原価率の低減に向けた各種の施策を実行します。営業改革では、営業活動の効率化、営業体制の強化、プロジェクト受注時における審査の拡充を実施します。プロセス改革として、IT基盤を整備するための投資を行い、グループ全体で業務を効率化して生産性の改善を図ります。
成長に向けた施策として、今後5年間で約8,100億円の設備投資と、約9,300億円の研究開発投資を計画しています。これらの投資により利益を拡大し将来キャッシュ・フローの創出を図るとともに、新規事業も育成します。
(2)事業ポートフォリオと事業別施策
既存事業においては、市場の成長性と競争力の観点で整理を行い、今後成長が見込まれる事業については適正な投資のもと、自律的な成長の実現を目指します。モニタリング対象事業については、事業構造転換により収益を改善させる施策を策定しました。施策の進捗状況については、定期的かつ厳格にモニタリングします。
(3)株主還元の考え方
当社は「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」でお知らせした通り、7,000億円の自己株式の取得につき決定しました。加えて、「東芝Nextプラン」の5年間を通じては、平均配当性向30%(注2)程度を目標とし、配当の継続的な増加を目指してまいります。また、状況に応じた自己株式の取得を組み合わせることにより、株主への還元を強化してまいります。
(注2)当面の間、東芝メモリに係る持分法損益は、当該還元方針の対象外としています。
(4)新規成長分野への集中投資
メガトレンドの流れの中で、破壊的イノベーションによる環境変化をチャンスと捉え、当社グループがもつ独自の技術力と資産を結集し、経営資源を注入することで、新規事業の成長を目指します。リチウムイオン二次電池においては、当社グループが開発したSCiBTMの特性を活かせる成長市場を開拓します。パワーエレクトロニクスにおいては、当社グループのデバイス技術を競争力の源泉に、モビリティ・産業システム市場で差異化を図り、競争優位性を実現します。精密医療においては、ライフサイエンス分野で当社グループが保有する最先端の技術を活かし、がんの超早期発見と個別化治療の実現を目指します。
(5)デジタルトランスフォーメーション
デジタル革命が進む世の中において、当社グループ自身が変革を進め、デジタル文化を組織の隅々まで展開します。当社はIoTアーキテクチャを標準化し、その上に様々な事業領域において実践した知識を結集し、これを広くオープンにして、CPSテクノロジー企業としての成長を目指します。
(6)実行のための仕組み構築
東芝のDNAであるベンチャースピリットを呼び覚まし、その一環として新規事業を創出する新たなインキュベーションの仕組みを導入します。また、デジタルトランスフォーメンションを推進するための人材育成、外部人材の登用を積極的に進めます。
事業運営体制の強化及び意思決定の迅速化のために、事業部の大括り化や階層のシンプル化等の組織見直しを図ります。あわせて、内部統制機能の更なる強化のため、コーポレート部門による統制機能の拡大と強化を図っていきます。また、株主の皆さまと一層の価値共有をするとともに、中長期的な業績向上に対するインセンティブを有効に機能させることを目的に、執行役の業績連動報酬の過半を譲渡制限付株式報酬で支給することとしました。
②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述のとおり、当社は、2021年度に、売上高3.7兆円、ROS 6%以上、ROE約10%、2023年度に売上高4兆円、ROS 10%、ROE 15%レベルまで向上することを経営上の目標としています。
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上、営業利益、ROS、EBITDA、ROEを選定しています。
各指標の2018年度の目標値は以下のとおりです。
売上高:3.6兆円
営業利益:600億円
ROS:1.7%
EBITDA:1,300億円
ROE:▲13%(非継続事業及びメモリ事業売却影響除く)
なお、2018年11月8日に公表した業績予想を、2019年2月13日付で以下のとおり修正しております。
(単位:億円)
(注1)当社は、2018年10月1日付で、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っています。2018年度連結業績予想における「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」には、当該株式併合の影響を考慮しています。
(注2)「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」の今回修正予想は、2019年1月末日までの自己株式取得を加味して算出しています。
<株式会社の支配に関する基本方針>1)基本方針の内容
当社グループが株主の皆様に還元する適正な利潤を獲得し、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を実現するためには、株主の皆様はもちろん、お客様、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことも必要であり、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行う必要があると考えています。
また、当社株式の買付の提案を受けた場合に、その買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、当社グループの実情、その他当社の企業価値を構成する要素が十分に把握される必要があると考えます。
当社取締役会は、上記の要素に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資さない当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による当社株式の大量取得行為に関しては、必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
以上の考え方に基づき、当社は、2006年6月に当社株式の大量取得行為に関する対応策(いわゆる買収防衛策)を導入し、2009年6月及び2012年6月に更新してまいりましたが、経営環境等の変化、金融商品取引法整備の浸透の状況、株主の皆様の意見等を考慮しながら慎重に検討した結果、当該対応策を更新しないことといたしました。
なお、当該対応策終了後も弊社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じるとともに、引き続き企業価値及び株主共同の利益の確保及び向上に努めてまいります。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
「(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「東芝Nextプラン」を実施していきます。
(5) 研究開発活動
当期における研究開発費は1,216億円でした。
なお、当四半期連結会計期間において、研究開発活動の状況(研究開発体制)に重要な変更があり、その内容は次のとおりです。
当社は、2018年10月1付で、当社の電力・社会システム技術開発センターを、当社完全子会社である東芝エネルギーシステムズ㈱及び東芝インフラシステムズ㈱へ、吸収分割により、それぞれの研究開発領域毎に承継いたしました。
電力・社会システム技術開発センターは、エネルギーシステムソリューション及びインフラシステムソリューションにおける、将来事業創出のための先端研究並びに既存事業推進のための研究開発及び設計支援機能を担っていました。本分割により、東芝エネルギーシステムズ㈱、東芝インフラシステムズ㈱の担当事業領域における、研究開発及び設計支援機能をさらに強化し、ひいては事業価値全体の向上を図ります。一方、新規の事業領域や基礎研究に関する先端研究については、当社の研究開発本部主導にて、当社グループ内外のリソースによる最適なタスクフォース形成等を通じた研究活動推進により、注力、強化を図ります。
(6) 従業員数
東芝病院の譲渡に伴う減員(約500人)等により、当社の従業員数は前連結会計年度末に比べ減少し、2018年12月31日現在の従業員数は2,702人となりました。また、東芝メモリ㈱の譲渡に伴う減員(約10,600人)、東芝クライアントソリューション㈱の譲渡に伴う減員(約2,300人)、東芝セキュリティ㈱の譲渡に伴う減員(約800人)、東芝病院の譲渡に伴う減員(約500人)等により、当社グループの従業員数は全体として前連結会計年度末に比べ減少し、2018年12月31日現在の従業員数は129,629人となりました。
なお、従業員数は、正規従業員及び期間の定めのある雇用契約に基づく労働者のうち1年以上働いている又は働くことが見込まれる従業員の合計数で、2018年12月31日付退職者が含まれています。
(7) 生産、受注及び販売の実績
2018年6月1日、当社は東芝メモリ㈱の全株式を譲渡したため、同社は当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、当社グループの営む事業内容からメモリ事業が除外され、当社グループのメモリ事業に係る生産、受注及び販売の実績はなくなりました。
2018年10月1日、当社は、当社が保有する東芝クライアントソリューション㈱の発行済株式の80.1%を譲渡したため、同社は当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、当社グループの営む事業内容からパソコン事業が除外され、当社グループのパソコン事業に係る生産、受注及び販売の実績はなくなりました。
(8) 主要な設備等
当第3四半期連結累計期間において、事業の異動に伴うもの以外の主要な設備の重要な異動はありません。
前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、改修等に係る設備投資計画について、以下のとおり変更しました。「東芝Nextプラン」策定に伴い、今後の成長が見込まれる再生可能エネルギー発電事業を強化します。変更点は下線で示しています。設備投資の資金は、自己資金等をもって充当する予定です。
(注) ※1.無形固定資産を含む発注ベースであり、既発注のものが含まれています。
※2.支払ベース。
3.金額には消費税等は含めておりません。
なお、2018年度の設備の新設・改修等の計画のうち、主なものは以下のとおりです。変更点は下線で示しています。
なお、以下に記載する事項は、当社グループの今後の計画、見通し等の将来予想に関する記述を含んでおり、かかる将来予想に関する記述は、当社グループが当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、不確実性が内在しているため、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なる可能性があります。
(1) 業績等の概要
| 売上高 | 26,472(△ 1,531) |
| 営業損益 | 82(△ 473) |
| 継続事業税引前損益 | 104(△ 775) |
| 四半期純損益 | 10,216(+ 9,946) |
(注)1.単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する四半期純損益」を四半期純損益として表示しています(以下、同じ)。
第3四半期連結累計期間(2018年12月に終了した9か月間。以下、当期)の世界経済は、米国で総じて堅調な成長が続く一方、欧州では、ユーロ圏で緩やかな成長が続いた後、昨年秋以降減速し始めました。英国では、EU離脱に関する先行き懸念などから成長が減速しました。中国では、消費や固定資産投資など内需の伸びが緩やかとなり、成長は減速しました。年末にかけて米国の対中国関税引き上げの影響も現れ始めました。国内経済は、個人消費が持ち直し、設備投資も増加するなど、緩やかな回復が続きました。
こうした状況下、当社グループの売上高は、インフラシステムソリューションやストレージ&デバイスソリューションが増収になったものの、エネルギーシステムソリューションがランディス・ギア・グループの連結除外の影響や火力・水力発電システム、送変電・配電等の減収などにより減収、またインダストリアルICTソリューション事業も前年度と同等の売上高となり、全体としては前年同期比1,531億円減少し2兆6,472億円になりました。営業損益は、インダストリアルICTソリューションが増益となったものの、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ストレージ&デバイスソリューション、リテール&プリンティングソリューションは減益・悪化となり、前年同期比473億円減少し82億円になりました。なお、営業損益減少には賞与等削減による緊急対策効果の減少影響142億円が含まれています。継続事業税引前損益は、前年度に営業外損益でランディス・ギア社の株式売却益を計上した影響等により減益となり、営業損益も減益となったため、前年同期比775億円減少し104億円になりました。当期純損益は、東芝メモリ㈱の株式譲渡が完了したことにより計上される相当額の譲渡益計上により、前年同期比9,946億円改善し1兆216億円になりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
| セグメント | 売上高 | 営業損益 |
| エネルギーシステムソリューション | 4,511 (△ 1,568: 74%) | △ 217 (△142) |
| インフラシステムソリューション | 8,637 (+ 331:104%) | 103 (△ 10) |
| リテール&プリンティングソリューション | 3,616 (△ 177: 95%) | 156 (△ 32) |
| ストレージ&デバイスソリューション | 6,909 (+ 299:105%) | 126 (△363) |
| インダストリアルICTソリューション | 1,762 (△ 7:100%) | 16 (+ 42) |
| その他 | 3,319 (△ 511: 87%) | △ 144 (+ 29) |
| 消去 | △2,282 (+ 102: ― ) | 42 (+ 3) |
| 合 計 | 26,472 (△ 1,531: 95%) | 82 (△473) |
(注)単位:億円、( )内 前年同期比較、△はマイナスを表示
①エネルギーシステムソリューション
原子力発電システムは増収となりましたが、ランディス・ギア・グループの連結除外の影響のほか、火力・水力発電システム、送変電・配電等が減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、原子力発電システムが改善しましたが、ランディス・ギア・グループの連結除外の影響のほか、火力・水力発電システム、送変電・配電等が悪化した結果、部門全体として悪化しました。
②インフラシステムソリューション
公共インフラ、ビル・施設、鉄道・産業システムが増収になった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、ビル・施設が増益になりましたが、公共インフラ、鉄道・産業システムが悪化した結果、部門全体として減益になりました。
③リテール&プリンティングソリューション
リテール事業が前年度の国内大口物件の反動などにより減収となり、プリンティング事業も減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、海外リテール事業は増益となりましたがリテール事業全体では減益となり、プリンティング事業も減益になった結果、部門全体として減益になりました。
④ストレージ&デバイスソリューション
半導体が減収になりましたが、HDD他が増収になった結果、部門全体として増収になりました。
損益面では、各事業とも減益となり、部門全体として減益になりました。
⑤インダストリアルICTソリューション
関係会社等の売却の影響があったものの、官公庁向けや製造業向けのシステム案件、関係会社などの売上増により、部門全体として前年同期とほぼ同等の売上高になりました。
損益面では、緊急対策の規模縮小の影響があったものの、システム案件の増益、構造改革による固定費削減などの効果により部門全体として増益になりました。
⑥その他
2018年10月1日付でパソコン事業の譲渡が完了し、第3四半期から連結対象から外れた影響により、減収となりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれています。
(2) 流動性及び資金の財源
①キャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の3,848億円の支出から4,540億円改善し、692億円の収入になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、メモリ事業の売却影響を主因に、前年同期の614億円の支
出から1兆3,976億円改善し、1兆3,362億円の収入になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前年同期の4,462億円の支出から1兆8,516億円改善し、1兆4,054億円の収入になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の3,924億円の収入から9,220億円減少し、5,296億円の支出になりました。
2018年12月末の現金、現金同等物及び制限付き現金の残高は、2018年3月末の5,487億円から8,758億円増加し、1兆4,245億円になりました。
②資本の財源及び資金の流動性
資金調達
当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。
流動性管理
2018年12月末においては、現金及び現金同等物として1兆4,245億円の手許流動性を確保しました。
格付け
当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下「ムーディーズ」という。)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)の3社から格付けを取得しています。当四半期報告書提出日現在の格付状況(長期/短期)は、ムーディーズ:B1(見通しは安定的)/NP、S&P:BB(見通しはポジティブ)/B、R&I:BBB-(格付けの方向性は安定的)/a-2です。
③資産、負債及び資本の状況
総資産は、2018年3月末に比べ1,375億円減少し、4兆3,207億円になりました。
株主資本は、メモリ事業の売却を主因に、2018年3月末に比べ8,033億円増加し、1兆5,864億円になりました。
借入金・社債残高は、2018年3月末に比べ2,437億円減少し、4,487億円になりました。
この結果、2018年12月末の株主資本比率は2018年3月末に比べ19.1ポイント改善し、36.7%になりました。
(注)・四半期連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費並びにのれん減損損失を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。訴訟和解費用等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・当社は、ASU 2016-15「キャッシュ・フロー計算書:特定の現金受領及び現金支払の分類」、ASU 2016-18「キャッシュ・フロー計算書:制限付き現金」及びASU 2017-07「報酬-退職給付:期間年金費用及び期間退職後給付費用の表示の改善」を、当第1四半期連結会計期間から適用しました。これに伴い、前年度の数値の一部を組み替えて表示しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(3) 対処すべき課題
前事業年度の有価証券報告書に記載された「対処すべき課題」は、当四半期報告書提出日現在において、次のとおり変更しています。変更点は下線で示しています。なお、変更点の前後について一部省略しています。また、以下の見出しに付された項目は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目に対応したものです。
◎不正会計問題
(前略)
また、不正会計問題に関連して、国内において当社に対する損害賠償請求訴訟が合計37件提起されており、その訴額の合計は約1,780億円であります。当社としては、今後、訴訟における原告の主張を踏まえて適切に対処していきます。
◎第三者割当増資及びWEC関連資産の譲渡等による債務超過の解消
(前略)
当社取締役会は2017年11月に第三者割当による新株発行による約6,000億円の資金調達を決議し、2017年12月に全額払込が完了しました。この資金調達により、当社は2017年12月及び2018年1月に本件プロジェクトに係る当社親会社保証の責任上限額の全額について早期弁済を実施し、WECに対する代位債権(求償権)を取得しました。当社は、2018年1月に、本代位債権及び当社がウェスチングハウス社グループに関連して保有するその他債権についてNucleus Acquisition LLCとの間で債権譲渡契約を、ウェスチングハウス社グループ持株会社(東芝原子力エナジーホールディングス(米国)社及び東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社の2社)の株式についてBrookfield WEC Holdings LLCとの間で株式譲渡契約を、それぞれ締結しました。当該債権譲渡は、2018年1月に完了しました。また、株式譲渡に関しては、東芝原子力エナジーホールディングス(米国)社株式の譲渡は2018年4月に完了し、東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社株式については、譲渡先をBrookfield WEC Holdings LLCと同じBrookfield Business Partners L.P.傘下であるBrookfield Capital Partners (Bermuda) Ltdに変更した上で、同年7月に譲渡が完了しました。なお、2018年3月にウェスチングハウス社グループの再建計画が連邦破産裁判所において認可されたこと等を受け、関連法規に基づき、両株式の取得価格全額が当期の税務上の損失として認識されました。
上記新株発行による約6,000億円の資本増強に加え、本代位債権を含む債権の譲渡完了及びウェスチングハウス社グループの再建計画認可等に伴いウェスチングハウス社グループ持株会社株式に係る税務上の損失が認識されたことにより、メモリ事業の東芝メモリ㈱への分割に伴う税額影響が低減され、約4,400億円の追加的な資本改善が達成されました。さらに代位債権及びその他債権の譲渡による売却益として税控除後で約1,700億円を計上することで、上記の新株発行、税額影響の軽減と合わせて合計約12,100億円の資本改善を行いました。これにより、当社は2018年3月期に係る連結貸借対照表において債務超過を解消するに至りました。
なお、当社は、2017年10月、WEC及びウェスチングハウスエレクトリック英国ホールディング社(以下「WECUK」という。)との間で、当社が保有するマンジェロッティ社の株式70%をWECUK又はその子会社に譲渡すること、及びWECUKが保有する原子燃料工業㈱(以下「原燃工」という。)の株式52%を東芝エネルギーシステムズ㈱(以下「ESS」という。)が取得することについて合意しました。マンジェロッティ社の株式譲渡は2017年11月に完了し、マンジェロッティ社は当社の連結対象から除外されました。また、原燃工についてはESSが、住友電気工業㈱及び古河電気工業㈱との間で、両社が各々24%を保有する原燃工株式を取得する株式譲渡契約を2018年3月に締結しており、同年6月にすべての株式譲渡が完了し、原燃工は100%連結子会社となりました。
◎メモリ事業
(前略)
本件譲渡と再出資の結果、東芝メモリは当社連結対象から外れて、㈱Pangea及び東芝メモリは当社の持分法適用会社となりました。
2018年8月、㈱Pangeaは東芝メモリを吸収合併し、㈱Pangeaは東芝メモリ㈱に商号変更しました。
なお、当該吸収合併後の東芝メモリからの配当については、5年間は予定されておりません。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①経営方針・経営戦略等
当社は、2018年11月、今後5年間の全社変革計画「東芝Nextプラン」を策定しました。概要は以下のとおりです。
1.当社グループの目指す姿
当社グループは、製造業として永年に亘り培ってきた社会インフラから電子デバイスに至る幅広い事業領域の知見や実績と、情報処理やデジタル・AI技術の強みを融合し、世界有数のサイバー・フィジカル・システム(CPS)(注1)テクノロジー企業を目指すことを目標とします。この目標に向かい、当社は「東芝Nextプラン」として、今後5年間の数値目標を設定し、将来の成長に向けた全社変革の施策及び方向性を定めました。
当社グループは今後も新たな製品、サービスやソリューションの創出と提供を通じて、社会課題を解決し、社会のさらなる発展に貢献していく方針です。
(注1)CPSとは、実世界(フィジカル)におけるデータを収集し、サイバー世界でデジタル技術などを用いて分析したり、活用しやすい情報や知識とし、それをフィジカル側にフィードバックすることで、付加価値を創造する仕組みです。
2.内容骨子
(1)ターゲットと4つの改革
当社グループの企業行動の基本的な目的は、企業価値の最大化を通じて、株主価値を向上し、顧客・取引先・従業員の価値も向上させることです。基礎的な収益力を強化する施策と成長に向けた投資を行い、3年後の2021年度には、売上高3.7兆円、ROS 6%以上、ROE約10%の達成を目指します。更に5年後の2023年度には売上高4兆円、ROS 10%、ROE 15%レベルまで向上することを目標に掲げます。
基礎的な収益力を強化する施策として4つの改革を進めます。構造改革として、液化天然ガス(LNG)事業や海外原子力新規建設事業などの非注力事業からの撤退、人員適正化、生産拠点および子会社の再編を推し進めます。調達改革では原価率の低減に向けた各種の施策を実行します。営業改革では、営業活動の効率化、営業体制の強化、プロジェクト受注時における審査の拡充を実施します。プロセス改革として、IT基盤を整備するための投資を行い、グループ全体で業務を効率化して生産性の改善を図ります。
成長に向けた施策として、今後5年間で約8,100億円の設備投資と、約9,300億円の研究開発投資を計画しています。これらの投資により利益を拡大し将来キャッシュ・フローの創出を図るとともに、新規事業も育成します。
(2)事業ポートフォリオと事業別施策
既存事業においては、市場の成長性と競争力の観点で整理を行い、今後成長が見込まれる事業については適正な投資のもと、自律的な成長の実現を目指します。モニタリング対象事業については、事業構造転換により収益を改善させる施策を策定しました。施策の進捗状況については、定期的かつ厳格にモニタリングします。
(3)株主還元の考え方
当社は「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」でお知らせした通り、7,000億円の自己株式の取得につき決定しました。加えて、「東芝Nextプラン」の5年間を通じては、平均配当性向30%(注2)程度を目標とし、配当の継続的な増加を目指してまいります。また、状況に応じた自己株式の取得を組み合わせることにより、株主への還元を強化してまいります。
(注2)当面の間、東芝メモリに係る持分法損益は、当該還元方針の対象外としています。
(4)新規成長分野への集中投資
メガトレンドの流れの中で、破壊的イノベーションによる環境変化をチャンスと捉え、当社グループがもつ独自の技術力と資産を結集し、経営資源を注入することで、新規事業の成長を目指します。リチウムイオン二次電池においては、当社グループが開発したSCiBTMの特性を活かせる成長市場を開拓します。パワーエレクトロニクスにおいては、当社グループのデバイス技術を競争力の源泉に、モビリティ・産業システム市場で差異化を図り、競争優位性を実現します。精密医療においては、ライフサイエンス分野で当社グループが保有する最先端の技術を活かし、がんの超早期発見と個別化治療の実現を目指します。
(5)デジタルトランスフォーメーション
デジタル革命が進む世の中において、当社グループ自身が変革を進め、デジタル文化を組織の隅々まで展開します。当社はIoTアーキテクチャを標準化し、その上に様々な事業領域において実践した知識を結集し、これを広くオープンにして、CPSテクノロジー企業としての成長を目指します。
(6)実行のための仕組み構築
東芝のDNAであるベンチャースピリットを呼び覚まし、その一環として新規事業を創出する新たなインキュベーションの仕組みを導入します。また、デジタルトランスフォーメンションを推進するための人材育成、外部人材の登用を積極的に進めます。
事業運営体制の強化及び意思決定の迅速化のために、事業部の大括り化や階層のシンプル化等の組織見直しを図ります。あわせて、内部統制機能の更なる強化のため、コーポレート部門による統制機能の拡大と強化を図っていきます。また、株主の皆さまと一層の価値共有をするとともに、中長期的な業績向上に対するインセンティブを有効に機能させることを目的に、執行役の業績連動報酬の過半を譲渡制限付株式報酬で支給することとしました。
②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述のとおり、当社は、2021年度に、売上高3.7兆円、ROS 6%以上、ROE約10%、2023年度に売上高4兆円、ROS 10%、ROE 15%レベルまで向上することを経営上の目標としています。
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上、営業利益、ROS、EBITDA、ROEを選定しています。
各指標の2018年度の目標値は以下のとおりです。
売上高:3.6兆円
営業利益:600億円
ROS:1.7%
EBITDA:1,300億円
ROE:▲13%(非継続事業及びメモリ事業売却影響除く)
なお、2018年11月8日に公表した業績予想を、2019年2月13日付で以下のとおり修正しております。
(単位:億円)
| 売上高 | 営業利益 | 継続事業税引前当期純利益 | 当社株主に帰属する当期純利益 | 1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 | |
| 前回発表予想(A) | 36,000 | 600 | ▲400 | 9,200 | 1,411円79銭 |
| 今回修正予想(B) | 36,200 | 200 | ▲1,100 | 8,700 | 1,404円31銭 |
| 増減額(B-A) | 200 | ▲400 | ▲700 | ▲500 | - |
| 増減率(%) | 0.6 | ▲66.7 | - | ▲5.4 | - |
(注1)当社は、2018年10月1日付で、普通株式10株につき1株の割合で株式併合を行っています。2018年度連結業績予想における「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」には、当該株式併合の影響を考慮しています。
(注2)「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」の今回修正予想は、2019年1月末日までの自己株式取得を加味して算出しています。
<株式会社の支配に関する基本方針>1)基本方針の内容
当社グループが株主の皆様に還元する適正な利潤を獲得し、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を実現するためには、株主の皆様はもちろん、お客様、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことも必要であり、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行う必要があると考えています。
また、当社株式の買付の提案を受けた場合に、その買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、各事業分野の有機的結合により実現され得るシナジー効果、当社グループの実情、その他当社の企業価値を構成する要素が十分に把握される必要があると考えます。
当社取締役会は、上記の要素に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資さない当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による当社株式の大量取得行為に関しては、必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
以上の考え方に基づき、当社は、2006年6月に当社株式の大量取得行為に関する対応策(いわゆる買収防衛策)を導入し、2009年6月及び2012年6月に更新してまいりましたが、経営環境等の変化、金融商品取引法整備の浸透の状況、株主の皆様の意見等を考慮しながら慎重に検討した結果、当該対応策を更新しないことといたしました。
なお、当該対応策終了後も弊社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じるとともに、引き続き企業価値及び株主共同の利益の確保及び向上に努めてまいります。
2)基本方針の実現に資する特別な取組み
「(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「東芝Nextプラン」を実施していきます。
(5) 研究開発活動
当期における研究開発費は1,216億円でした。
なお、当四半期連結会計期間において、研究開発活動の状況(研究開発体制)に重要な変更があり、その内容は次のとおりです。
当社は、2018年10月1付で、当社の電力・社会システム技術開発センターを、当社完全子会社である東芝エネルギーシステムズ㈱及び東芝インフラシステムズ㈱へ、吸収分割により、それぞれの研究開発領域毎に承継いたしました。
電力・社会システム技術開発センターは、エネルギーシステムソリューション及びインフラシステムソリューションにおける、将来事業創出のための先端研究並びに既存事業推進のための研究開発及び設計支援機能を担っていました。本分割により、東芝エネルギーシステムズ㈱、東芝インフラシステムズ㈱の担当事業領域における、研究開発及び設計支援機能をさらに強化し、ひいては事業価値全体の向上を図ります。一方、新規の事業領域や基礎研究に関する先端研究については、当社の研究開発本部主導にて、当社グループ内外のリソースによる最適なタスクフォース形成等を通じた研究活動推進により、注力、強化を図ります。
(6) 従業員数
東芝病院の譲渡に伴う減員(約500人)等により、当社の従業員数は前連結会計年度末に比べ減少し、2018年12月31日現在の従業員数は2,702人となりました。また、東芝メモリ㈱の譲渡に伴う減員(約10,600人)、東芝クライアントソリューション㈱の譲渡に伴う減員(約2,300人)、東芝セキュリティ㈱の譲渡に伴う減員(約800人)、東芝病院の譲渡に伴う減員(約500人)等により、当社グループの従業員数は全体として前連結会計年度末に比べ減少し、2018年12月31日現在の従業員数は129,629人となりました。
なお、従業員数は、正規従業員及び期間の定めのある雇用契約に基づく労働者のうち1年以上働いている又は働くことが見込まれる従業員の合計数で、2018年12月31日付退職者が含まれています。
(7) 生産、受注及び販売の実績
2018年6月1日、当社は東芝メモリ㈱の全株式を譲渡したため、同社は当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、当社グループの営む事業内容からメモリ事業が除外され、当社グループのメモリ事業に係る生産、受注及び販売の実績はなくなりました。
2018年10月1日、当社は、当社が保有する東芝クライアントソリューション㈱の発行済株式の80.1%を譲渡したため、同社は当社の連結子会社から除外されました。これに伴い、当社グループの営む事業内容からパソコン事業が除外され、当社グループのパソコン事業に係る生産、受注及び販売の実績はなくなりました。
(8) 主要な設備等
当第3四半期連結累計期間において、事業の異動に伴うもの以外の主要な設備の重要な異動はありません。
前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、改修等に係る設備投資計画について、以下のとおり変更しました。「東芝Nextプラン」策定に伴い、今後の成長が見込まれる再生可能エネルギー発電事業を強化します。変更点は下線で示しています。設備投資の資金は、自己資金等をもって充当する予定です。
| セグメントの名称 | 設備投資計画額 (変更前) ※1 | 設備投資計画額 (変更後) ※1 | 主な内容・目的 |
| エネルギーシステムソリューション | 170億円 | 360億円 | 再生可能エネルギー発電事業の強化 |
| インフラシステムソリューション | 620億円 | 710億円 | 二次電池製造建屋および二次電池製造設備等 |
| リテール&プリンティングソリューション | 100億円 | 100億円 | ― |
| ストレージ&デバイスソリューション | 230億円 | 280億円 | パワー半導体増産投資 |
| インダストリアルICTソリューション | 40億円 | 40億円 | ― |
| その他 | 190億円 | 160億円 | ― |
| 合計 | 1,350億円 | 1,650億円 | ― |
| 投融資計画合計額 ※2 | 150億円 | 50億円 |
| 設備投資・投融資計画合計額 | 1,500億円 | 1,700億円 |
(注) ※1.無形固定資産を含む発注ベースであり、既発注のものが含まれています。
※2.支払ベース。
3.金額には消費税等は含めておりません。
なお、2018年度の設備の新設・改修等の計画のうち、主なものは以下のとおりです。変更点は下線で示しています。
| 会社名 事業所名 | 所在地名 | セグメントの名称 | 設備の内容 | 完成後の増加能力等 |
| 東芝インフラシステムズ㈱ | 神奈川県横浜市他 | インフラシステムソリューション | 二次電池製造建屋及び製造設備等 | 二次電池生産能力等 |
| 東芝キヤリア㈱ | 静岡県富士市 | インフラシステムソリューション | 新技術棟建屋建設 | 研究開発力強化 |
| 東芝キヤリア中国社 | 中国杭州 | インフラシステムソリューション | 新拠点建屋建設 | 海外生産開発拠点強化 |
| 加賀東芝エレクトロニクス㈱ | 石川県能美市 | ストレージ&デバイスソリューション | パワー半導体製造設備 | パワー半導体生産能力 |
| 原子燃料工業㈱ | 大阪府泉南郡熊取町他 | エネルギーシステムソリューション | 原子炉等規制法対応建屋等 | 法規制対応の設備投資のため製造能力に変更なし |
| ㈱シグマパワー有明 | 福岡県大牟田市 | エネルギーシステムソリューション | 再生可能エネルギー発電事業の強化に向けたバイオマス発電所の新規建設 | 再生可能エネルギー発電事業の強化 |