有価証券報告書-第182期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
以下に記載する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて、当社グループが判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
(注)1.単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する当期純損益」を当期純損益として表示しています(以下、同じ)。
2020年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で厳しい状況にありましたが、米国では着実な持ち直しが見られ、中国でも景気の回復が見られました。欧州では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により依然弱い動きとなっています。アジアでも厳しい状況にあり、インドにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスクがあります。国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で、個人消費は弱含みとなっていますが、設備投資は持ち直し、輸出は増加傾向にあります。
2021年度は、米国では、着実な持ち直しが続くことが期待され、欧州では、新型コロナウイルス感染症の影響が続くと見込まれます。また、中国では、緩やかな回復が続くことが期待されます。国内経済も、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、国内外における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。
こうした状況下、当社グループの売上高は、エネルギーシステムソリューションが火力の建設案件の規模差、送変電・配電システム、再生可能エネルギー(太陽光)案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響で減収、インフラシステムソリューションは、新型コロナウイルス感染症による影響等により、社会システム事業、産業システム事業を中心とした規模減の影響で減収、ビルソリューションも新型コロナウイルス感染症の影響等により減収、リテール&プリンティングソリューションも新型コロナウイルス感染症の影響によりリテール事業、プリンティング事業ともに減収、デバイス&ストレージソリューションも新型コロナウイルス感染症による影響等で減収、デジタルソリューションも新型コロナウイルス感染症や、関係会社事業売却の影響で減収、その他がスタフ部門傘下の子会社の業務の一部を外部化し連結除外した影響などで減収となり、全体としては前期比3,355億円減少し3兆544億円になりました。営業損益は、インフラシステムソリューション、デジタルソリューションで増益、その他が改善となったものの、エネルギーシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューションは減益となり、前期比261億円減少し1,044億円になりました。継続事業税引前損益は、前期にLNG事業の譲渡損失を計上した影響やキオクシアホールディングス㈱の持分法投資損益の改善等により改善となり、前期比2,010億円増加し1,535億円になりました。当期純損益は、前期比2,286億円改善し1,140億円になりました。
1)売上高及び営業損益
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
①エネルギーシステムソリューション
原子力発電システムは安全対策工事関連の進捗による影響で増収になったものの、火力・水力発電システムは火力の建設案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響、送変電・配電等は送変電・配電システム、再生可能エネルギー(太陽光)案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響で減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、原子力発電システムは増収により増益、火力・水力発電システムは不採算案件の減少による影響等で増益になったものの、送変電・配電等の不採算案件及び減収の影響、新型コロナウイルス感染症による影響で悪化した結果、部門全体として減益になりました。
②インフラシステムソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響等により、公共インフラは社会システム事業、鉄道・産業システムは産業システム事業を中心とした規模減の影響でそれぞれ減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、固定費の削減等により、部門全体として増益になりました。
③ビルソリューション
昇降機、照明、空調ともに新型コロナウイルス感染症の影響などで減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、昇降機の海外市場及び、照明が改善したものの、昇降機の国内市場及び空調が減益になった結果、部門全体として減益となりました。
④リテール&プリンティングソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響等によりリテール事業、プリンティング事業ともに減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、新型コロナウイルス感染症の影響等によりリテール事業、プリンティング事業ともに減益となった結果、部門全体として減益になりました。
⑤デバイス&ストレージソリューション
半導体は、半導体製造装置の前年度からの期ずれの解消により増収になったものの、HDD他は新型コロナウイルス感染症の影響により減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、半導体は半導体製造装置の増収により増益となったものの、HDD他は減収の影響で減益となり、部門全体として減益になりました。
⑥デジタルソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響や、関係会社事業売却の影響などにより、部門全体として減収になりました。
損益面では、固定費削減による改善、限界利益率の向上による増益などにより部門全体として増益になりました。
⑦その他部門
スタフ部門傘下の子会社の業務の一部を外部化し連結除外した影響、新型コロナウイルス感染症の影響などで減収になり、部門全体として減収になりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高2,441億円が含まれています。また、当社グループのエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューションにおいては売上高が第4四半期に集中する傾向があります。
2)継続事業税引前損益
営業外損益は、前期に計上したLNG事業の譲渡損失、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の改善等の影響により、前期に比べ2,271億円増加し、491億円になりました。この結果、継続事業税引前損益は、前期に比べ2,010億円増加し、1,535億円になりました。
3)当期純損益
法人税等は、前期に比べ214億円減少し、△138億円になりました。非継続事業からの非支配持分控除前当期純損益は、前期に比べ61億円増益の△77億円になりました。非支配持分帰属損益は、180億円の利益控除になり、前期に比べ控除額が1億円減少しました。これらの結果、当期純損益は、前期に比べ2,286億円増加し、1,140億円になり、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純損益は、前期に比べ487円64銭増加し、251円25銭になりました。
4)キャッシュ・フローの状況
要約連結キャッシュ・フロー計算書
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期のLNG事業の譲渡等による影響により2,872億円改善し、前期の1,421億円の支出から1,451億円の収入になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の1,226億円の支出から160億円減少し、1,066億円の支出になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前期の2,647億円の支出から3,032億円改善し、385億円の収入になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の自己株式の取得による支出3,009億円の影響や新規借入等があり、前期の6,872億円の支出から7,850億円増加し、978億円の収入になりました。
その他に為替の影響によるキャッシュの増加が122億円あり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期の3,770億円から1,485億円増加し、5,255億円になりました。
5)生産、受注及び販売の実績
当社グループの受注高及び受注残高については、前期に比べて増加しました。なお、未充足の履行義務に配分した取引価格の総額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記12.」をご参照ください。
生産規模については、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、事業の種類別セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
販売規模については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」の売上高をご参照ください。
受注については、当連結会計年度の実績をセグメント毎に示すと次のとおりです。エネルギーシステムソリューション及びインフラシステムソリューションの受注高の前期比の減少は、前期に大型案件の受注があったことを主因としております。
(注)1.セグメント毎の受注高及び受注残高は、上表のセグメントにおいて受注生産方式にて事業を行っている事業部門の社内管理上の経営数値であり、これらを正確に把握することは困難であるため概算値で示しています。
2.受注残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記12.」で公表している残存履行義務とは異なります。
3.受注高については、当連結会計年度に受注した額のみを記載しており、当期より前に受注した案件が当期に解除された場合でも受注高からは控除しておりません。
4.セグメント間取引については消去していません。
6)資産、負債及び資本の状況
要約連結貸借対照表
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
総資産は、新規借入等の影響により、2020年3月末に比べ1,172億円増加し、3兆5,006億円になりました。
株主資本は、当期純損益及び包括損益の改善による影響により、2020年3月末に比べ2,247億円増加し、1兆1,645億円になりました。
借入金・社債及びリース債務残高は、2020年3月末に比べ1,225億円増加し、5,177億円になりました。
この結果、2021年3月末の株主資本比率は2020年3月末に比べ5.5ポイント増加し、33.3%になりました。
(注) ・連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。訴訟和解費用等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・事業の種類別セグメントの業績を現組織ベースで表示しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた企業会計の基準及び会計慣行に従っています。連結財務諸表を作成するために資産・負債及び収益・費用の計上並びに偶発資産・負債の開示において、種々の見積り及び仮定を前提としています。
①繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上しており、繰延税金資産の帳簿価額は、入手可能な証拠に基づいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されています。そのような場合には、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理であり、将来の不確実な経済条件の変動によって、追加の評価性引当金の計上、あるいは過去に計上した評価性引当金の取り崩しが必要となる場合があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は貸借対照表日時点で適用されている税制や税率に基づいており、それらの改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。
②未払退職及び年金費用
当社及び一部の子会社の期間純退職及び年金費用は最新の統計数値に基づく割引率、退職率、死亡率及び年金資産の期待収益等の前提条件に基づき算定しており、算定に影響を与える特に重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。
当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。そのため、運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化した場合、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。
③長期性資産
有形固定資産及び耐用年数が明らかな無形資産は見積耐用年数、契約期間、または見積利用期間にわたり定額法により償却しています。これらの資産について資産の帳簿価額を回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、割引前予想キャッシュ・フローに基づいて減損の有無を評価しています。減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合には、減損損失を計上する可能性があります。
④のれん
のれんは1年に1回減損テストを実施しています。減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として計上しています。また、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。
⑤有価証券の減損
当社グループは、市場価格のない持分証券については減損の兆候の有無の判断において考慮する定性的な評価を行っています。その結果、公正価値の下落が認められる場合、その下落分について評価損を計上する可能性があります。また、負債証券及びその他の投資については、公正価値の下落が一時的でないか否かの評価を、市場価格の下落の程度とその期間、被投資会社の財政状態及び今後の見通し並びに当該有価証券の今後の保有方針等の観点から定期的に行っています。一時的でない公正価値の下落が発生している場合には、その下落分について評価損を計上する可能性があります。
⑥偶発債務
当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。国内においても、複数の訴訟や損害賠償請求を受けており、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることが出来る場合には、合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。見積りを行う際には、訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟や関連する要因等を考慮していますが、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。その場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループが現在知りうるかぎり、これらの争訟は当社グループの財政状態及び経営成績に直ちに重大な影響を及ぼすものではないと当社グループは考えています。
上記以外の事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記1.会計処理の原則及び手続並びに連結財務諸表の表示方法、2.主要な会計方針の要約」に記載しています。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、2018年11月、今後5年間の全社変革計画「東芝Nextプラン」を策定しました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 経営方針(対処すべき課題)」に記載のとおりです。
当社は、「東芝Nextプラン」の実施にあたり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、ROS(売上高営業利益率)、EBITDA(営業利益と減価償却費を合算して算出)、ROE(株主資本利益率)を選定しました。これらの指標を設定した理由は以下のとおりです。
2018年11月に、以下のとおり2018年度の見通し及び2019年度以降の経営数値目標を公表しました。
合わせてTSR(株主にとっての総合投資利回り)の拡大を図ります。
<2018年度見通し及び東芝Nextプランの経営数値目標(2018年11月時点)>(単位:億円)
これに対する2018年度、2019年度及び2020年度の実績、並びに2021年度の見通しは以下のとおりです。なお、2023年度の経営数値目標については「2 事業等のリスク」に記載のとおり、2022年度から2024年度注記経営計画策定の中で見直しを行い、2021年10月に公表を予定しています。
<2018年度、2019年度及び2020年度実績並びに2021年度の見通し(2021年5月時点)>(単位:億円)
(注) 東芝Nextプランの経営数値目標は数値目標であり、達成を保証するものではありません。
2020年度の売上高は新型コロナウイルス感染症の拡大により対2019年度で減収となりました。減収による限界利益の低減に対して、これまで行ってきた基礎収益力の強化及び固定費の絞り込みによってカバーしましたが、営業利益は対2019年度で減益となりました。一方、キオクシアホールディングスの持分法損益の改善や、2019年度はLNG事業の売却による損失を計上していたことから、営業外損益は対2019年度で大幅に改善し、ROEも10%を超える結果となりました。
なお、売上高及び営業損益の状況の詳細は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」に記載のとおりであり、経営方針については「1 経営方針、経営慣行及び対処すべき課題」を、事業上のリスクについては「2 事業等のリスク」をご覧ください。
3)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業領域であるエネルギーシステム、インフラシステム、ビル、リテール&プリンティング、デバイス&ストレージ、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。詳細は、「2 事業等のリスク」に記載しています。
4)資本の財源及び資金の流動性
資金調達
当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。当期末の直接調達枠は、コマーシャル・ペーパーの発行枠を6,000億円、国内普通社債の発行枠を3,000億円保有しています。
流動性管理
2021年3月末においては、現金及び現金同等物として5,255億円、コミットメントライン未使用枠の2,580億円を合わせ、7,835億円の手元流動性を確保しました。
格付け
当社は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)、㈱日本格付研究所(以下「JCR」という。)の3社から格付けを取得しています。当有価証券報告書提出日現在の格付状況(長期/短期)は、S&P: BB+(見通しは安定的)/B、R&I: BBB(格付けの方向性はポジティブ)/a-2、JCR: BBB+(見通しは安定的)/J-2です。
なお、当期末(2021年3月31日)現在における、2021年度(2022年3月期)の設備の新設・改修等に係る投資計画は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
| 売上高 | 30,544(△ 3,355) |
| 営業損益 | 1,044(△ 261) |
| 継続事業税引前損益 | 1,535(+ 2,010) |
| 当期純損益 | 1,140(+ 2,286) |
(注)1.単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
2.「当社株主に帰属する当期純損益」を当期純損益として表示しています(以下、同じ)。
2020年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で厳しい状況にありましたが、米国では着実な持ち直しが見られ、中国でも景気の回復が見られました。欧州では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により依然弱い動きとなっています。アジアでも厳しい状況にあり、インドにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスクがあります。国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で、個人消費は弱含みとなっていますが、設備投資は持ち直し、輸出は増加傾向にあります。
2021年度は、米国では、着実な持ち直しが続くことが期待され、欧州では、新型コロナウイルス感染症の影響が続くと見込まれます。また、中国では、緩やかな回復が続くことが期待されます。国内経済も、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、国内外における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。
こうした状況下、当社グループの売上高は、エネルギーシステムソリューションが火力の建設案件の規模差、送変電・配電システム、再生可能エネルギー(太陽光)案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響で減収、インフラシステムソリューションは、新型コロナウイルス感染症による影響等により、社会システム事業、産業システム事業を中心とした規模減の影響で減収、ビルソリューションも新型コロナウイルス感染症の影響等により減収、リテール&プリンティングソリューションも新型コロナウイルス感染症の影響によりリテール事業、プリンティング事業ともに減収、デバイス&ストレージソリューションも新型コロナウイルス感染症による影響等で減収、デジタルソリューションも新型コロナウイルス感染症や、関係会社事業売却の影響で減収、その他がスタフ部門傘下の子会社の業務の一部を外部化し連結除外した影響などで減収となり、全体としては前期比3,355億円減少し3兆544億円になりました。営業損益は、インフラシステムソリューション、デジタルソリューションで増益、その他が改善となったものの、エネルギーシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューションは減益となり、前期比261億円減少し1,044億円になりました。継続事業税引前損益は、前期にLNG事業の譲渡損失を計上した影響やキオクシアホールディングス㈱の持分法投資損益の改善等により改善となり、前期比2,010億円増加し1,535億円になりました。当期純損益は、前期比2,286億円改善し1,140億円になりました。
1)売上高及び営業損益
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
| セグメント | 売上高 | 営業損益 |
| エネルギーシステムソリューション | 4,932(△ 756: 87%) | 108(△210) |
| インフラシステムソリューション | 6,709(△ 641: 91%) | 491(+ 14) |
| ビルソリューション | 5,452(△ 249: 96%) | 237(△ 54) |
| リテール&プリンティングソリューション | 4,106(△ 798: 84%) | 20(△125) |
| デバイス&ストレージソリューション | 7,113(△ 343: 95%) | 125(△ 9) |
| デジタルソリューション | 2,217(△ 307: 88%) | 199(+ 31) |
| その他 | 2,456(△ 759: 76%) | △215(+ 83) |
| 消去 | △2,441(+ 498: ―) | 79(+ 9) |
| 合計 | 30,544(△3,355: 90%) | 1,044(△261) |
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
①エネルギーシステムソリューション
原子力発電システムは安全対策工事関連の進捗による影響で増収になったものの、火力・水力発電システムは火力の建設案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響、送変電・配電等は送変電・配電システム、再生可能エネルギー(太陽光)案件の規模差や新型コロナウイルス感染症による影響で減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、原子力発電システムは増収により増益、火力・水力発電システムは不採算案件の減少による影響等で増益になったものの、送変電・配電等の不採算案件及び減収の影響、新型コロナウイルス感染症による影響で悪化した結果、部門全体として減益になりました。
②インフラシステムソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響等により、公共インフラは社会システム事業、鉄道・産業システムは産業システム事業を中心とした規模減の影響でそれぞれ減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、固定費の削減等により、部門全体として増益になりました。
③ビルソリューション
昇降機、照明、空調ともに新型コロナウイルス感染症の影響などで減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、昇降機の海外市場及び、照明が改善したものの、昇降機の国内市場及び空調が減益になった結果、部門全体として減益となりました。
④リテール&プリンティングソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響等によりリテール事業、プリンティング事業ともに減収となった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、新型コロナウイルス感染症の影響等によりリテール事業、プリンティング事業ともに減益となった結果、部門全体として減益になりました。
⑤デバイス&ストレージソリューション
半導体は、半導体製造装置の前年度からの期ずれの解消により増収になったものの、HDD他は新型コロナウイルス感染症の影響により減収になった結果、部門全体として減収になりました。
損益面では、半導体は半導体製造装置の増収により増益となったものの、HDD他は減収の影響で減益となり、部門全体として減益になりました。
⑥デジタルソリューション
新型コロナウイルス感染症の影響や、関係会社事業売却の影響などにより、部門全体として減収になりました。
損益面では、固定費削減による改善、限界利益率の向上による増益などにより部門全体として増益になりました。
⑦その他部門
スタフ部門傘下の子会社の業務の一部を外部化し連結除外した影響、新型コロナウイルス感染症の影響などで減収になり、部門全体として減収になりました。
なお、上記の事業の種類別の売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高2,441億円が含まれています。また、当社グループのエネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューションにおいては売上高が第4四半期に集中する傾向があります。
2)継続事業税引前損益
営業外損益は、前期に計上したLNG事業の譲渡損失、キオクシアホールディングスの持分法投資損益の改善等の影響により、前期に比べ2,271億円増加し、491億円になりました。この結果、継続事業税引前損益は、前期に比べ2,010億円増加し、1,535億円になりました。
3)当期純損益
法人税等は、前期に比べ214億円減少し、△138億円になりました。非継続事業からの非支配持分控除前当期純損益は、前期に比べ61億円増益の△77億円になりました。非支配持分帰属損益は、180億円の利益控除になり、前期に比べ控除額が1億円減少しました。これらの結果、当期純損益は、前期に比べ2,286億円増加し、1,140億円になり、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純損益は、前期に比べ487円64銭増加し、251円25銭になりました。
4)キャッシュ・フローの状況
要約連結キャッシュ・フロー計算書
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,451(+ 2,872) |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,066(+ 160) |
| フリー・キャッシュ・フロー | 385(+ 3,032) |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 978(+ 7,850) |
| 為替変動の現金及び現金同等物への影響額 | 122(+ 188) |
| 現金及び現金同等物純増減額 | 1,485(+11,070) |
| 現金及び現金同等物期首残高 | 3,770(△ 9,585) |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 5,255(+ 1,485) |
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期のLNG事業の譲渡等による影響により2,872億円改善し、前期の1,421億円の支出から1,451億円の収入になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期の1,226億円の支出から160億円減少し、1,066億円の支出になりました。
これらの結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは、前期の2,647億円の支出から3,032億円改善し、385億円の収入になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期の自己株式の取得による支出3,009億円の影響や新規借入等があり、前期の6,872億円の支出から7,850億円増加し、978億円の収入になりました。
その他に為替の影響によるキャッシュの増加が122億円あり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期の3,770億円から1,485億円増加し、5,255億円になりました。
5)生産、受注及び販売の実績
当社グループの受注高及び受注残高については、前期に比べて増加しました。なお、未充足の履行義務に配分した取引価格の総額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記12.」をご参照ください。
生産規模については、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、事業の種類別セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
販売規模については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」の売上高をご参照ください。
受注については、当連結会計年度の実績をセグメント毎に示すと次のとおりです。エネルギーシステムソリューション及びインフラシステムソリューションの受注高の前期比の減少は、前期に大型案件の受注があったことを主因としております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日) | |||
| 受注高(億円) | 前年同期比(%) | 受注残高(億円) | 前年同期比(%) | |
| エネルギーシステムソリューション | 5,017 | 77 | 12,763 | 101 |
| インフラシステムソリューション | 4,870 | 82 | 6,086 | 101 |
| ビルソリューション(昇降機) | 2,327 | 104 | 1,174 | 103 |
| デジタルソリューション | 2,437 | 105 | 1,093 | 125 |
| 合計 | 14,651 | 86 | 21,116 | 102 |
(注)1.セグメント毎の受注高及び受注残高は、上表のセグメントにおいて受注生産方式にて事業を行っている事業部門の社内管理上の経営数値であり、これらを正確に把握することは困難であるため概算値で示しています。
2.受注残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記12.」で公表している残存履行義務とは異なります。
3.受注高については、当連結会計年度に受注した額のみを記載しており、当期より前に受注した案件が当期に解除された場合でも受注高からは控除しておりません。
4.セグメント間取引については消去していません。
6)資産、負債及び資本の状況
要約連結貸借対照表
| 現金及び現金同等物 | 5,255(+ 1,485) |
| 受取手形、売掛金及び契約資産 | 8,986(△ 722) |
| 棚卸資産 | 4,758(△ 65) |
| その他の流動資産 | 2,310(+ 230) |
| 長期受取債権 | 42(△ 31) |
| 投資等 | 5,298(+ 244) |
| 有形固定資産 | 4,557(+ 354) |
| オペレーティング・リース使用権資産 | 1,197(△ 358) |
| その他の資産 | 2,603(+ 35) |
| 資産計 | 35,006(+ 1,172) |
| 短期借入金 | 160(△ 466) |
| 支払手形及び買掛金 | 4,819(△ 202) |
| 短期オペレーティング・リース債務 | 388(△ 57) |
| その他の流動負債 | 7,183(△ 704) |
| 未払退職及び年金費用 | 2,954(△ 1,362) |
| 長期オペレーティング・リース債務 | 845(△ 297) |
| 長期借入金及びその他の固定負債 | 5,612(+ 1,979) |
| 株主資本 | 11,645(+ 2,247) |
| 非支配持分 | 1,400(+ 34) |
| 負債・資本計 | 35,006(+ 1,172) |
(注)単位:億円、( )内 前期比較、△はマイナスを表示
総資産は、新規借入等の影響により、2020年3月末に比べ1,172億円増加し、3兆5,006億円になりました。
株主資本は、当期純損益及び包括損益の改善による影響により、2020年3月末に比べ2,247億円増加し、1兆1,645億円になりました。
借入金・社債及びリース債務残高は、2020年3月末に比べ1,225億円増加し、5,177億円になりました。
この結果、2021年3月末の株主資本比率は2020年3月末に比べ5.5ポイント増加し、33.3%になりました。
(注) ・連結財務諸表は、米国会計基準に準拠して作成しています。但し、当社グループの営業損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したものであり、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となる損益を示しています。訴訟和解費用等は、当社グループの営業損益には含まれていません。
・事業の種類別セグメントの業績を現組織ベースで表示しています。
・なお、以上の定性的情報は、特記のない限り前年同期との比較で記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた企業会計の基準及び会計慣行に従っています。連結財務諸表を作成するために資産・負債及び収益・費用の計上並びに偶発資産・負債の開示において、種々の見積り及び仮定を前提としています。
①繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上しており、繰延税金資産の帳簿価額は、入手可能な証拠に基づいて50%超の可能性で回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されています。そのような場合には、繰延税金資産に対する評価性引当金を計上しています。評価性引当金の計上は、見積りを含む本質的に不確実な処理であり、将来の不確実な経済条件の変動によって、追加の評価性引当金の計上、あるいは過去に計上した評価性引当金の取り崩しが必要となる場合があります。また、繰延税金資産、評価性引当金の計上は貸借対照表日時点で適用されている税制や税率に基づいており、それらの改正が行われた場合には影響を受ける可能性があります。
②未払退職及び年金費用
当社及び一部の子会社の期間純退職及び年金費用は最新の統計数値に基づく割引率、退職率、死亡率及び年金資産の期待収益等の前提条件に基づき算定しており、算定に影響を与える特に重要な仮定は、割引率と年金資産の期待収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される高格付けで確定利付の社債及び確定利付の国債の利回りなどを考慮して決定しています。期待収益率は、保有している年金資産の構成、運用手法から想定されるリスク、過去の運用実績、年金資産運用の基本方針及び市場の動向等を考慮して決定しています。
当社グループは、年金制度の積立状況(退職給付債務と年金資産の公正価値の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果控除後、資本の部の「その他の包括損益累計額」に含めて報告しています。そのため、運用収益の悪化による年金資産の公正価値の減少や、割引率の低下、昇給率やその他の年金数理計算に使用する前提とする比率の変動による退職給付債務の増加に伴い年金制度の積立状況が悪化した場合、当社グループの株主資本は悪影響を受け、また、その他費用として計上される期間純退職及び年金費用が増加する可能性があります。
③長期性資産
有形固定資産及び耐用年数が明らかな無形資産は見積耐用年数、契約期間、または見積利用期間にわたり定額法により償却しています。これらの資産について資産の帳簿価額を回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、割引前予想キャッシュ・フローに基づいて減損の有無を評価しています。減損の兆候があり、かつ資産の帳簿価額を回収できない可能性がある等の場合には、減損損失を計上する可能性があります。
④のれん
のれんは1年に1回減損テストを実施しています。減損テストにおいて、報告単位の帳簿価額がその公正価値を上回る場合に、当該報告単位に割り当てられたのれんの総額を上限として、その上回る額を減損額として計上しています。また、1年に1回の減損テストに加えて、事業環境の変化等による企業価値の下落を示唆する状況が発生した場合で、帳簿価額の合計額が公正価値を上回っている場合は、減損を認識することになります。したがって、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込み、加重平均資本コストの割引率の変動によっては、減損を計上する可能性があります。
⑤有価証券の減損
当社グループは、市場価格のない持分証券については減損の兆候の有無の判断において考慮する定性的な評価を行っています。その結果、公正価値の下落が認められる場合、その下落分について評価損を計上する可能性があります。また、負債証券及びその他の投資については、公正価値の下落が一時的でないか否かの評価を、市場価格の下落の程度とその期間、被投資会社の財政状態及び今後の見通し並びに当該有価証券の今後の保有方針等の観点から定期的に行っています。一時的でない公正価値の下落が発生している場合には、その下落分について評価損を計上する可能性があります。
⑥偶発債務
当社グループは全世界において事業活動を展開しており、訴訟やその他の法的手続に関与し、当局による調査を受けています。国内においても、複数の訴訟や損害賠償請求を受けており、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることが出来る場合には、合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。見積りを行う際には、訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟や関連する要因等を考慮していますが、通常の想定を超えた金額の支払が命じられる可能性も皆無ではありません。その場合、その決定の内容によっては当社グループの事業、業績や財政状態に悪影響を与える可能性がありますが、当社グループが現在知りうるかぎり、これらの争訟は当社グループの財政状態及び経営成績に直ちに重大な影響を及ぼすものではないと当社グループは考えています。
上記以外の事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記1.会計処理の原則及び手続並びに連結財務諸表の表示方法、2.主要な会計方針の要約」に記載しています。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、2018年11月、今後5年間の全社変革計画「東芝Nextプラン」を策定しました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 経営方針(対処すべき課題)」に記載のとおりです。
当社は、「東芝Nextプラン」の実施にあたり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高、営業利益、ROS(売上高営業利益率)、EBITDA(営業利益と減価償却費を合算して算出)、ROE(株主資本利益率)を選定しました。これらの指標を設定した理由は以下のとおりです。
| 売上高 | すべての利益の源泉となるものであり、事業規模も表すことができる指標として採用しました。 |
| 営業利益 | 本業の利益水準を計る指標として採用しました。 |
| ROS | 本業の収益効率性を計る基準として採用しました。 |
| EBITDA | 減価償却費等の非現金費用を除外することにより、実態に近い収益性を把握できる指標として採用しました。 |
| ROE | 資本効率性を計る基準であり、株主の目線から株主価値の向上の達成度を把握することができると考え、採用しました。 |
2018年11月に、以下のとおり2018年度の見通し及び2019年度以降の経営数値目標を公表しました。
合わせてTSR(株主にとっての総合投資利回り)の拡大を図ります。
<2018年度見通し及び東芝Nextプランの経営数値目標(2018年11月時点)>(単位:億円)
| 2018年度見通し | 2019年度目標 | 2021年度目標 | 2023年度目標 | |
| 売上高 | 36,000 | 34,000 | 37,000 | 40,000 |
| 営業利益 (ROS%) | 600 (1.7%) | 1,400 (4%以上) | 2,400 (6%以上) | 8%以上 10%目指す |
| EBITDA | 1,300 | 2,200 | 3,400 | - |
| ROE | ▲13% ※非継続事業/メモリ売却影響除く | 6%以上 | 10%以上 | 約15% |
これに対する2018年度、2019年度及び2020年度の実績、並びに2021年度の見通しは以下のとおりです。なお、2023年度の経営数値目標については「2 事業等のリスク」に記載のとおり、2022年度から2024年度注記経営計画策定の中で見直しを行い、2021年10月に公表を予定しています。
<2018年度、2019年度及び2020年度実績並びに2021年度の見通し(2021年5月時点)>(単位:億円)
| 2018年度実績 | 2019年度実績 | 2020年度実績 | 2021年度見通し | |
| 売上高 | 36,935 | 33,899 | 30,544 | 32,500 |
| 営業利益 (ROS%) | 354 (1.0%) | 1,305 (3.8%) | 1,044 (3.4%) | 1,700 (5.2%) |
| EBITDA | 1,139 | 2,101 | 1,896 | 2,650 |
| ROE | ▲3% ※非継続事業/メモリ売却影響除く | ▲9.6% | 10.8% | 9.8% |
(注) 東芝Nextプランの経営数値目標は数値目標であり、達成を保証するものではありません。
2020年度の売上高は新型コロナウイルス感染症の拡大により対2019年度で減収となりました。減収による限界利益の低減に対して、これまで行ってきた基礎収益力の強化及び固定費の絞り込みによってカバーしましたが、営業利益は対2019年度で減益となりました。一方、キオクシアホールディングスの持分法損益の改善や、2019年度はLNG事業の売却による損失を計上していたことから、営業外損益は対2019年度で大幅に改善し、ROEも10%を超える結果となりました。
なお、売上高及び営業損益の状況の詳細は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)売上高及び営業損益」に記載のとおりであり、経営方針については「1 経営方針、経営慣行及び対処すべき課題」を、事業上のリスクについては「2 事業等のリスク」をご覧ください。
3)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業領域であるエネルギーシステム、インフラシステム、ビル、リテール&プリンティング、デバイス&ストレージ、デジタルソリューションの各事業は、高度で先進的な技術が事業遂行上必要である上に、グローバルな激しい競争があります。詳細は、「2 事業等のリスク」に記載しています。
4)資本の財源及び資金の流動性
資金調達
当社グループは、金利上昇局面への対応及び事業に必要な基本的資産である固定資産の手当てとして、安定的な長期資金をバランスよく調達・確保するよう配慮しています。固定資産については、株主資本・固定負債を含めた長期資金で賄えるよう、長期資金比率の適正化を図っています。
資金調達の直接・間接調達の比率については、資金調達環境等を十分鑑み、バランスの取れた資金構成の維持を基本方針としています。当期末の直接調達枠は、コマーシャル・ペーパーの発行枠を6,000億円、国内普通社債の発行枠を3,000億円保有しています。
流動性管理
2021年3月末においては、現金及び現金同等物として5,255億円、コミットメントライン未使用枠の2,580億円を合わせ、7,835億円の手元流動性を確保しました。
格付け
当社は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下「S&P」という。)、㈱格付投資情報センター(以下「R&I」という。)、㈱日本格付研究所(以下「JCR」という。)の3社から格付けを取得しています。当有価証券報告書提出日現在の格付状況(長期/短期)は、S&P: BB+(見通しは安定的)/B、R&I: BBB(格付けの方向性はポジティブ)/a-2、JCR: BBB+(見通しは安定的)/J-2です。
なお、当期末(2021年3月31日)現在における、2021年度(2022年3月期)の設備の新設・改修等に係る投資計画は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しています。