四半期報告書-第115期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/03/14 13:58
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【項目】
35項目
文中の将来予測に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における経済情勢について、わが国経済はインバウンド需要の回復や個人消費等の国内需要にけん引され、緩やかな回復が続いております。米国経済は良好な雇用所得環境から個人消費の拡大が続く等、堅調に推移しているものの、一部の企業では米中貿易摩擦による業績への影響が出始めております。欧州経済については、フランスの政策をめぐる混乱やBrexitに関する不確実性はあるものの、ユーロ圏全体としては引き続き回復基調にあります。一方、中国経済は米中貿易摩擦の影響等により減速傾向にあります。
上記のように、全体としては緩やかな回復傾向にありますが、通商問題の影響等により先行きの見通しには不透明感が強まっております。
このような経済情勢の中、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は223億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億86百万円増加いたしました。これは主に仕掛品が4億24百万円、原材料及び貯蔵品が4憶18百万円、製品が3憶72百万円増加したことによるものであります。固定資産は117億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億41百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が3億29百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、341億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ11憶45百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は80億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加いたしました。これは主にその他が9億15百万円増加したことによるものであります。固定負債は16億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円減少いたしました。
この結果、負債合計は、97億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億46百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は244億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億1百万円減少いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が4億11百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は71.3%(前連結会計年度末は74.9%)となりました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間において、主力のポンプ事業は、国内市場においては、設備更新に伴うメンテナンスサービス需要が堅調に推移しました。また海外市場においては、主に中国・東南アジア市場を中心に新規設備投資需要が拡大しました。その結果、ポンプ事業の売上高は増加いたしました。一方、電子部品事業の売上高は、当社子会社の受注減少及び人手不足による工場稼働率の低下により、減少いたしました。
これらの結果、グループ全体として売上高は161億47百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
利益面につきましては、営業利益は、中国子会社における人件費の増加に加え、中国の修理子会社の架空取引に伴う追加納付税額(源泉税、増値税)、及び過年度の追加納付税額に対する延滞税・加算税等、計約4億円を計上したため、14億9百万円(同18.8%減)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、中国の修理子会社における追加納付税額(企業所得税)、及び過年度の追加納付税額に対する延滞税・加算税、計5億52百万円を計上したため、6億2百万円(同47.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ポンプ事業)
ポンプ事業の売上高は、国内市場においては、メンテナンス関連、定量注入機器ポンプが堅調に推移し、全体として増加いたしました。中国市場においては、ケミカル機器モータポンプ、車両用モータポンプ等が堅調に推移し、全体として増加いたしました。また、米国市場では、冷凍機・空調機器モータポンプ、メンテナンス関連等が増加したものの、ケミカル機器モータポンプが減少したため、全体として減少いたしました。
その結果、売上高は144億8百万円(前年同期比6.7%増)、連結売上高に占める割合は89.2%となりました。一方、営業利益は、中国子会社及びその連結修理子会社3社の架空取引により発生した追加納付税額を計上したため、13億58百万円(同10.5%減)となりました。
(電子部品事業)
電子部品事業の売上高は13億25百万円(前年同期比15.0%減)、連結売上高に占める割合は8.2%となりました。
また、営業利益は、売上の減少及び粗利率の悪化等により18百万円の赤字(前年同期は1億45百万円の黒字)となりました。
(その他)
その他の売上高は、4億12百万円(前年同期比15.3%増)、連結売上高に占める割合は2.6%となりました。
また、営業利益は、販売費及び一般管理費の増加により、70百万円(同1.6%減)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財政上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、あらたに生じた当社グループ(当社及び連結子会社)が事業上及び財務上の対処すべき課題として、当社の連結子会社である大連帝国キャンドモータポンプ有限公司で行われていた売上の前倒し計上などの不適切な会計処理や、その連結修理子会社3社(無錫大帝キャンドモータポンプ修理有限公司、済南大帝キャンドモータポンプ修理有限公司、成都大帝キャンドモータポンプ修理有限公司)で行われていた架空取引を用いた営業奨励金の支払いなどの不適切な取引行為の再発防止と、大連帝国キャンドモータポンプ有限公司及びその連結修理子会社の内部統制の不備の是正があります。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
①当社グループの経営陣並びに社員のコンプライアンス意識の徹底を図ります。
②大連帝国を含む当社グループにおいて、過度の権限集中・固定化をせず、定期的な人事異動を行い、相互牽制が図れるような人材配置を徹底いたします。
③修理子会社は会社清算を行い、アフターサービス拠点としては大連帝国の支店の形式により修理工場を新たに開設することを検討いたします。
④大連帝国において各部門間の透明性が確保できるような組織体制を構築し、不適切な行為の早期発見、早期対応ができるように内部通報制度の見直しを行います。また、大連帝国以外の海外子会社においても、組織体制及び内部通報制度の見直しを検討してまいります。
⑤大連帝国の販売プロセス業務において、発送先、注文書納期の確認を徹底し売上の早期計上を防止いたします。
⑥当社による大連帝国等海外子会社の管理の強化と内部監査の充実を図ります。
なお、当社は、平成20年4月24日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を決議しており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
当社は、「みんなで良くなろう」「誠実に事に当たろう」「積極的にやろう」という社是のもと、1939年の創業以来、鉄道信号機の製造・販売や電気自動車の開発など、常に研究開発型企業として成長を続けてまいりました。この永年にわたって培われた技術の積重ねによって、1960年に独自技術で当社の現在の主力製品である完全無漏洩の「テイコクキャンドモータポンプ」の開発に成功し、それが現在まで続く当社発展の原動力となっております。キャンドモータポンプは、有害な液体や危険な液体を絶対に外部へ漏らさないという構造的特徴を持っており、人や地球環境に最も優しいポンプとして地球環境問題に大きく貢献しております。そして、当社はその製造や製品検査に関する装置の開発など、製造にかかわる技術も自社開発に徹しており、その結果としてこれらについての特許も数多く取得しております。また、当社のキャンドモータポンプは、顧客の多様な要求を満足させるために個別受注生産をしております。その構造的特徴から危険な現場で使用されることも多く、高い信頼性や長期に渡る過酷な使用環境に耐え得るだけの耐久性も要求されるため、その営業・設計には製品に対する深い知識のみならず、顧客の使用条件に対応できる豊富な知識と経験・ノウハウが必要となり、製造には高度な熟練技術を要します。そのため当社では、研究開発から製造、販売、メンテナンスまで一貫したサポート体制を構築しており、顧客との長期的な信頼関係を築くことにより、これらの経験やノウハウを蓄積しております。
このように、当社事業は地道な研究開発や数多くの納入実績に裏打ちされた経験やノウハウ、長期的な視点に基づく設備投資や人材育成、取引先や地域社会との信頼関係など、永年にわたる努力の積重ねの上に成立しております。
当社の企業価値の源泉は、社是のもとこれらを支える豊富な知識と経験を持つ人材であること及び脈々と受け継がれてきた経営資源や社風、そして株主を始めとしたステークホルダーとの信頼関係が企業価値や株主共同の利益を支える基盤であるということが、当社の現状に対する基本認識であります。
当社を支配する者の在り方については、当社は株式公開会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付であっても、それが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、その目的、方法等において、企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれのある買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。その判断にあたっては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並びに過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響等を検討する必要があると認識しております。
現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではなく、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあらかじめ定めるものではありませんが、当社株式の取引や異動の状況を常に注視するとともに、危機対応マニュアルに基づいて社内体制を整え、役割分担・対応方法等を明確にして、当社株式を大量に取得し、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する者が出現した場合に備えております。
具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整えております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、3億78百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。