訂正有価証券報告書-第114期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2019/03/14 13:38
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117項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では、良好な雇用所得環境を背景に個人消費は回復傾向にあります。加えて企業収益の改善により設備投資は拡大基調にあること等から、景気回復が続いております。欧州については、製造業の輸出拡大や個人消費の回復等が続いており、景気は堅調に推移しております。また、中国では、金融・財政の引き締めや環境規制の強化等による影響はあるものの、個人消費の回復が景気の下支えとなり安定成長が続いております。しかし、米中貿易摩擦の拡大懸念等、保護主義の台頭による世界経済下振れリスクが顕在化してきており、先行きに不透明感があります。
わが国経済は、好調な企業業績による設備投資の拡大や、雇用所得環境の改善による個人消費の回復等から景気は緩やかな回復が続いているものの、貿易摩擦の強まり等による景気の下振れリスクが懸念されます。
このような状況の中で、当社グループは、「原点回帰」をスローガンとし、キャンドモータポンプ市場の更なる拡大を目指し、国内、欧米、中国等、グローバルな営業を展開いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は210億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億24百万円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が3億8百万円増加したものの、現金及び預金が5億43百万円減少したことによるものであります。固定資産は121億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億92百万円増加いたしました。これは主にのれんが6億68百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、332億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億67百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は65億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億66百万円減少いたしました。これは主にその他が8億25百万円減少したことによるものであります。固定負債は18億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億16百万円増加いたしました。
この結果、負債合計は、84億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億50百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は248億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億17百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が11億72百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループの当連結会計年度の売上高は207億89百万円(前期比7.7%増)となりました。
利益面につきましては、売上の増加並びに粗利率が改善した結果、営業利益は23億円(同38.0%増)、経常利益は23億41百万円(同35.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億96百万円(同29.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ポンプ事業)
ポンプ事業は、国内市場では、冷凍機・空調機器モータポンプ及び電力関連機器モータポンプが減少したものの、ケミカル機器モータポンプ、メンテナンス関連等が増加いたしました。中国市場においては、主にケミカル機器モータポンプ、機関車用モータポンプを中心に増加いたしました。一方米国市場では、前期の受注不振の影響等からケミカル機器モータポンプ等が減少いたしました。
その結果、売上高は182億42百万円(前期比9.7%増)、連結売上高に占める割合は87.7%となりました。また、営業利益は、人件費及びHYDRODYNE(INDIA)PVT.LTD.社ののれん償却等の費用が増加したものの、売上の増加並びに粗利率の改善等により20億22百万円(同37.4%増)となりました。
(電子部品事業)
電子部品事業は、売上高は20億57百万円(前期比5.6%減)、連結売上高に占める割合は9.9%となりました。
しかし、粗利率の改善等により、営業利益は1億93百万円(同43.3%増)となりました。
(その他)
その他は、売上高は4億89百万円(前期比1.9%減)、連結売上高に占める割合は2.4%となりました。
また、営業利益は、粗利率の改善等により、84百万円(同42.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フロー34億6百万円の資金獲得があったものの、投資活動によるキャッシュ・フロー26億76百万円及び財務活動によるキャッシュ・フロー13億46百万円の資金支出により、前連結会計年度末に比べ5億67百万円減少し、84億84百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、34億6百万円(前連結会計年度は22億98百万円の獲得)となりました。これは、主として法人税等の支払額4億86百万円があったものの、税金等調整前当期純利益23億71百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、26億76百万円(前連結会計年度は16億98百万円の使用)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出16億82百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、13億46百万円(前連結会計年度は9億82百万円の使用)となりました。これは、主として自己株式の取得による支出7億99百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
ポンプ事業18,600,69316.9
電子部品事業2,057,419△5.6
報告セグメント計20,658,11214.2
その他346,645△6.9
合計21,004,75713.7

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
ポンプ事業19,118,53522.86,987,31714.3
電子部品事業2,069,434△1.8170,6557.6
報告セグメント計21,187,97019.97,157,97214.2
その他535,47212.6115,07666.3
合計21,723,44219.77,273,04914.7

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
ポンプ事業18,242,4819.7
電子部品事業2,057,355△5.6
報告セグメント計20,299,8367.9
その他489,587△1.9
合計20,789,4247.7

(注)1.主な販売先への販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
三菱電機株式会社2,327,39012.12,221,93610.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や当社グループの状況に応じ合理的と考えられる方法で、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、当社グループの報告セグメントであるポンプ事業において、日本では、当社の主力顧客である石油化学メーカーが好調な業績を背景に、老朽化した設備の更新や、より高付加価値な化学製品に移行するための設備投資を進めており、この需要の取り込みを積極的に行った結果、受注、売上ともに堅調に推移いたしました。
アメリカにおいては、シールポンプからキャンドモータポンプへの置換提案を進める他、冷凍機向けのポンプではノックダウン式の生産体制に変更する事で納期短縮が可能となりシェア拡大を図りました。
また、足許では原油価格が上昇し、シェールガスを原料としたエチレンプラント建設計画が動いてきていることから、数年後にはシェール由来のエチレンを原料とした川下分野の化学プラント建設が期待されます。当社のポンプは主に川下分野で使用されることから、今後の受注獲得を見込んでおります。
アジアにおいては、中国石油化学市場が前期から堅調な回復軌道に入っており、受注は堅調な状態が続いております。今後も堅調な受注が続く見込みであることから機械設備の更新等、生産体制の整備を進めてまいります。
電子部品事業は、自動車業界の系列化の影響を受け、足許では減収を見込んでおりますが、今後はEV化の進展による受注の拡大を期待しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当社グループの当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10億5百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は84億84百万円となっております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益体質の強化・安定化の基盤となる売上高営業利益率12%以上を目標としております。
当連結会計年度においては、新工場建設による生産効率化、並びに日本やアジアを中心に粗利率が改善したことから売上高営業利益率は11.1%となりました。今後も積極的な生産性向上、調達原価低減努力等による利益率の改善に努めてまいります。