有価証券報告書-第79期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績の状況の分析
①業績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によって深刻な影響を受けました。感染防止と経済活動のバランスに腐心しつつ景気回復に向けた取り組みが各国で進められたものの、歴史的な景気後退からの回復ペースは緩慢なまま推移しました。
当社グループの主力事業である半導体試験装置事業においては、コロナ禍の中でもリモートワークの普及や巣ごもり消費が拡大したことで、データセンターやゲーム機器関連の需要が年間を通じて堅調に推移しました。自動車や産業機器関連では、コロナウイルス封じ込めのための都市封鎖や人的移動制限の影響下、春先から需要停滞が続きましたが、最終製品の生産回復を受け、下期より市況が改善しました。スマートフォン関連領域では、米中摩擦が先鋭化したことで試験装置需要の大幅な調整に遭遇しましたが、その影響を補うべく、端末性能の競争を背景に生じた新規試験装置需要の取り込みに努めました。また半導体の性能進化や信頼性保証ニーズが一段と進展する中、メカトロニクス事業製品やシステムレベルテスト事業製品など、統合的なテスト・ソリューション販売の推進にも取り組みました。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが106円(前期109円)、ユーロが123円(前期121円)となりました。
(売上高)
上半期は、米中対立によってテスタ事業に大きな影響を受けたものの、下期はリモートワーク拡大を背景としたWFH(ワーク・フロム・ホーム)に関連した需要が持続したことに加えて、5Gスマートフォンメーカー間の競争などにより試験装置需要が拡大しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前年度に比べ36,895百万円(13.4%)増加の312,789百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前年度に比べ売上高の増加により、25,101百万円(21.0%)増加の144,498百万円となりました。売上原価率は、採算性の良い製品の売上高占め率が低下したため、前年度に比べ2.9ポイント増加の46.2%となりました。
(販売費および一般管理費)
当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前年度に比べ売上高の増加に伴いサポート人員のリソース強化を行ったものの、費用の伸びを抑えられたことにより、前年度に比べ8,119百万円(8.3%)増加の105,870百万円に留まりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益は、前年度に比べ8,343百万円増加の8,305百万円の利益となりました。これは主に、前年度において固定資産売却により損失が発生したこと、当連結会計年度において事業譲渡益やドイツ子会社の年金制度を統一した確定給付型年金制度へ移行したことに伴う利益など一過性の利益約81億円を計上したことによります。
(営業利益)
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度に比べ12,018百万円(20.5%)増加の70,726百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前年度比1.3ポイント増加の22.6%となりました。
(金融損益)
当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前年度に比べ974百万円減少の1,108百万円の損失となりました。これは主に、ユーロ高ドル安により為替差損が発生したこと、および市場金利の低下により資金運用による受取利息が減少したことによります。
(税引前利益)
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前年度に比べ11,044百万円(18.9%)増加の69,618百万円となりました。
(法人所得税費用)
当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は△0.2%、前年度は8.6%でありました。当社グループの当連結会計年度および前年度の法人所得税に関しては、連結財務諸表の注記16に記載しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べ16,255百万円(30.4%)増加の69,787百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前年度比2.9ポイント増加の22.3%となりました。
②生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績は販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額表示は販売価格(消費税等抜き)によっており、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額表示は消費税等抜きであり、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.販売先が総販売額の10%以上におよぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。
③セグメントの業績
(半導体・部品テストシステム事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の66.2%を占めております。
当部門では、リモートワークの拡大等を背景にHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)用SoC半導体向けで堅調な需要環境が続きました。またスマートフォンの高性能化を背景にディスプレイドライバーICやイメージセンサーの高機能化が促進されたことで、これら品種の試験需要が大きく伸び、受注高の増加に寄与しました。年度末にかけて車載用半導体等で在庫確保の動きが強まったことも、SoC半導体用試験装置の受注高を押し上げました。一方、米中摩擦先鋭化に伴い、スマートフォン関連の一部SoC半導体顧客において昨夏を中心に大幅な需要調整が発生し、当部門の収益悪化の一因となりました。メモリ半導体用試験装置は、データサーバーやゲーム機器用のメモリ半導体の試験需要の伸びを背景に高水準で推移しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて10,049百万円(5.1%)増加の207,203百万円、セグメント利益は前年度に比べて3,538百万円(5.4%)減少の61,617百万円となりました。
(メカトロニクス関連事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の12.8%を占めております。
当部門では、メモリ半導体用試験装置の需要が伸長する中、同装置と事業関連性の高いデバイス・インタフェース製品の販売が伸びました。またプローブ・カード事業譲渡益として約25億円を当事業のセグメント利益に計上しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて3,712百万円(10.2%)増加の40,005百万円、セグメント利益は前年度497百万円の損失から5,452百万円改善し4,955百万円となりました。
(サービス他部門)
当部門は当連結会計年度において売上高の21.3%を占めております。
当部門では、半導体市場の好調を背景として、当社グループに対するサービス需要が堅調に推移しました。また当社グループは2020年1月に米Essai社を買収していますが、同社の連結効果に加え、同社製品を含めた各種システムレベルテスト機器需要が半導体の高性能化や信頼性強化を背景に好調に推移したことで、大幅な増収を達成しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて24,227百万円(57.0%)増加の66,753百万円、セグメント利益は前年度に比べて7,453百万円(3.5倍)増加の10,419百万円となりました。
④地域別売上高
当連結会計年度の海外売上比率は95.5%(前連結会計年度94.6%)となりました。
(日本)
当連結会計年度の日本における売上高は、前年度に比べ768百万円(5.2%)減少の14,021百万円となりました。
(日本以外のアジア)
当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前年度に比べ24,082百万円(10.2%)増加の260,602百万円となりました。これは主に、中国と韓国において、DRAM向けとフラッシュ向けメモリ半導体用テストシステムが好調だったことによります。
(米州)
当連結会計年度の米州における売上高は、システムレベルテスト事業の大幅な伸びにより前年度に比べ11,643百万円(62.9%)増加の、30,164百万円となりました。
(欧州)
当連結会計年度の欧州における売上高は、前年度に比べ1,938百万円(32.0%)増加の、8,002百万円となりました。
(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析
①流動性および資金源
当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入により資金を調達することが可能であります。
また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金および現金同等物は前年度末より21,461百万円増加の149,164百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、67,830百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ1,355百万円の収入の増加となりました。これは税引前利益69,618百万円、営業債務およびその他の債務の増加(11,048百万円)、営業債権およびその他の債権の増加(△9,365百万円)、法人所得税の支払額(△9,159百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、16,831百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ21,988百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得(△12,415百万円)と資本性金融商品(PDF Solutions社株式)の取得(△6,817百万円)および事業譲渡による収入(3,295百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、30,415百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ12,499百万円の支出の増加となりました。これは主に、配当金の支払(△15,594百万円)と自己株式の取得による支出(△14,028百万円)によるものであります。
③資産、負債および資本
当連結会計年度末の資産は、前年度末に比べ66,864百万円増加し、422,641百万円となりました。この主な要因は、現金および現金同等物が21,461百万円、営業債権およびその他の債権が10,602百万円、繰延税金資産が9,891百万円、その他の金融資産が7,344百万円、有形固定資産が6,541百万円、それぞれ増加したことなどによります。
負債は、前年度末に比べ17,947百万円増加し、142,272百万円となりました。この主な要因は、営業債務およびその他の債務が11,898百万円、その他の流動負債が3,999百万円増加したことなどによります。
資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末に比べ48,917百万円増加し、280,369百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加によります。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末に比べ1.2ポイント増加の66.3%となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大については、見積りおよび仮定に重要な影響はないと判断しております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
重要な会計方針および見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。)の注3、注4および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載しております。
①業績
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| 売上高 | 275,894 | 312,789 | 36,895 | 13.4 |
| 売上原価 販売費および一般管理費 その他の損益 | △119,397 △97,751 △38 | △144,498 △105,870 8,305 | △25,101 △8,119 8,343 | 21.0 8.3 - |
| 営業利益 | 58,708 | 70,726 | 12,018 | 20.5 |
| 営業利益率 | 21.3% | 22.6% | 1.3% | - |
| 金融損益 | △134 | △1,108 | △974 | 8.3倍 |
| 税引前利益 | 58,574 | 69,618 | 11,044 | 18.9 |
| 法人所得税費用 | △5,042 | 169 | 5,211 | - |
| 当期利益 | 53,532 | 69,787 | 16,255 | 30.4 |
| 当期利益の帰属: 親会社の所有者 | 53,532 | 69,787 | 16,255 | 30.4 |
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によって深刻な影響を受けました。感染防止と経済活動のバランスに腐心しつつ景気回復に向けた取り組みが各国で進められたものの、歴史的な景気後退からの回復ペースは緩慢なまま推移しました。
当社グループの主力事業である半導体試験装置事業においては、コロナ禍の中でもリモートワークの普及や巣ごもり消費が拡大したことで、データセンターやゲーム機器関連の需要が年間を通じて堅調に推移しました。自動車や産業機器関連では、コロナウイルス封じ込めのための都市封鎖や人的移動制限の影響下、春先から需要停滞が続きましたが、最終製品の生産回復を受け、下期より市況が改善しました。スマートフォン関連領域では、米中摩擦が先鋭化したことで試験装置需要の大幅な調整に遭遇しましたが、その影響を補うべく、端末性能の競争を背景に生じた新規試験装置需要の取り込みに努めました。また半導体の性能進化や信頼性保証ニーズが一段と進展する中、メカトロニクス事業製品やシステムレベルテスト事業製品など、統合的なテスト・ソリューション販売の推進にも取り組みました。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが106円(前期109円)、ユーロが123円(前期121円)となりました。
(売上高)
上半期は、米中対立によってテスタ事業に大きな影響を受けたものの、下期はリモートワーク拡大を背景としたWFH(ワーク・フロム・ホーム)に関連した需要が持続したことに加えて、5Gスマートフォンメーカー間の競争などにより試験装置需要が拡大しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前年度に比べ36,895百万円(13.4%)増加の312,789百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前年度に比べ売上高の増加により、25,101百万円(21.0%)増加の144,498百万円となりました。売上原価率は、採算性の良い製品の売上高占め率が低下したため、前年度に比べ2.9ポイント増加の46.2%となりました。
(販売費および一般管理費)
当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前年度に比べ売上高の増加に伴いサポート人員のリソース強化を行ったものの、費用の伸びを抑えられたことにより、前年度に比べ8,119百万円(8.3%)増加の105,870百万円に留まりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益は、前年度に比べ8,343百万円増加の8,305百万円の利益となりました。これは主に、前年度において固定資産売却により損失が発生したこと、当連結会計年度において事業譲渡益やドイツ子会社の年金制度を統一した確定給付型年金制度へ移行したことに伴う利益など一過性の利益約81億円を計上したことによります。
(営業利益)
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度に比べ12,018百万円(20.5%)増加の70,726百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前年度比1.3ポイント増加の22.6%となりました。
(金融損益)
当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前年度に比べ974百万円減少の1,108百万円の損失となりました。これは主に、ユーロ高ドル安により為替差損が発生したこと、および市場金利の低下により資金運用による受取利息が減少したことによります。
(税引前利益)
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前年度に比べ11,044百万円(18.9%)増加の69,618百万円となりました。
(法人所得税費用)
当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は△0.2%、前年度は8.6%でありました。当社グループの当連結会計年度および前年度の法人所得税に関しては、連結財務諸表の注記16に記載しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べ16,255百万円(30.4%)増加の69,787百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前年度比2.9ポイント増加の22.3%となりました。
②生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績は販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体・部品テストシステム事業部門 | 227,188 | 18.0 | 60,687 | 49.1 |
| メカトロニクス関連事業部門 | 42,092 | 16.1 | 14,800 | 16.4 |
| サービス他部門 | 62,503 | 5.8 | 33,335 | △11.3 |
| 内部取引消去 | △1,172 | - | - | - |
| 合計 | 330,611 | 14.9 | 108,822 | 19.6 |
(注)金額表示は販売価格(消費税等抜き)によっており、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体・部品テストシステム事業部門 | 207,203 | 5.1 |
| メカトロニクス関連事業部門 | 40,005 | 10.2 |
| サービス他部門 | 66,753 | 57.0 |
| 内部取引消去 | △1,172 | - |
| 合計 | 312,789 | 13.4 |
(注)1.金額表示は消費税等抜きであり、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.販売先が総販売額の10%以上におよぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。
③セグメントの業績
(半導体・部品テストシステム事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の66.2%を占めております。
当部門では、リモートワークの拡大等を背景にHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)用SoC半導体向けで堅調な需要環境が続きました。またスマートフォンの高性能化を背景にディスプレイドライバーICやイメージセンサーの高機能化が促進されたことで、これら品種の試験需要が大きく伸び、受注高の増加に寄与しました。年度末にかけて車載用半導体等で在庫確保の動きが強まったことも、SoC半導体用試験装置の受注高を押し上げました。一方、米中摩擦先鋭化に伴い、スマートフォン関連の一部SoC半導体顧客において昨夏を中心に大幅な需要調整が発生し、当部門の収益悪化の一因となりました。メモリ半導体用試験装置は、データサーバーやゲーム機器用のメモリ半導体の試験需要の伸びを背景に高水準で推移しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて10,049百万円(5.1%)増加の207,203百万円、セグメント利益は前年度に比べて3,538百万円(5.4%)減少の61,617百万円となりました。
(メカトロニクス関連事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の12.8%を占めております。
当部門では、メモリ半導体用試験装置の需要が伸長する中、同装置と事業関連性の高いデバイス・インタフェース製品の販売が伸びました。またプローブ・カード事業譲渡益として約25億円を当事業のセグメント利益に計上しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて3,712百万円(10.2%)増加の40,005百万円、セグメント利益は前年度497百万円の損失から5,452百万円改善し4,955百万円となりました。
(サービス他部門)
当部門は当連結会計年度において売上高の21.3%を占めております。
当部門では、半導体市場の好調を背景として、当社グループに対するサービス需要が堅調に推移しました。また当社グループは2020年1月に米Essai社を買収していますが、同社の連結効果に加え、同社製品を含めた各種システムレベルテスト機器需要が半導体の高性能化や信頼性強化を背景に好調に推移したことで、大幅な増収を達成しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて24,227百万円(57.0%)増加の66,753百万円、セグメント利益は前年度に比べて7,453百万円(3.5倍)増加の10,419百万円となりました。
④地域別売上高
当連結会計年度の海外売上比率は95.5%(前連結会計年度94.6%)となりました。
(日本)
当連結会計年度の日本における売上高は、前年度に比べ768百万円(5.2%)減少の14,021百万円となりました。
(日本以外のアジア)
当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前年度に比べ24,082百万円(10.2%)増加の260,602百万円となりました。これは主に、中国と韓国において、DRAM向けとフラッシュ向けメモリ半導体用テストシステムが好調だったことによります。
(米州)
当連結会計年度の米州における売上高は、システムレベルテスト事業の大幅な伸びにより前年度に比べ11,643百万円(62.9%)増加の、30,164百万円となりました。
(欧州)
当連結会計年度の欧州における売上高は、前年度に比べ1,938百万円(32.0%)増加の、8,002百万円となりました。
(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析
①流動性および資金源
当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入により資金を調達することが可能であります。
また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金および現金同等物は前年度末より21,461百万円増加の149,164百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、67,830百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ1,355百万円の収入の増加となりました。これは税引前利益69,618百万円、営業債務およびその他の債務の増加(11,048百万円)、営業債権およびその他の債権の増加(△9,365百万円)、法人所得税の支払額(△9,159百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、16,831百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ21,988百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得(△12,415百万円)と資本性金融商品(PDF Solutions社株式)の取得(△6,817百万円)および事業譲渡による収入(3,295百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、30,415百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ12,499百万円の支出の増加となりました。これは主に、配当金の支払(△15,594百万円)と自己株式の取得による支出(△14,028百万円)によるものであります。
③資産、負債および資本
当連結会計年度末の資産は、前年度末に比べ66,864百万円増加し、422,641百万円となりました。この主な要因は、現金および現金同等物が21,461百万円、営業債権およびその他の債権が10,602百万円、繰延税金資産が9,891百万円、その他の金融資産が7,344百万円、有形固定資産が6,541百万円、それぞれ増加したことなどによります。
負債は、前年度末に比べ17,947百万円増加し、142,272百万円となりました。この主な要因は、営業債務およびその他の債務が11,898百万円、その他の流動負債が3,999百万円増加したことなどによります。
資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末に比べ48,917百万円増加し、280,369百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加によります。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末に比べ1.2ポイント増加の66.3%となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大については、見積りおよび仮定に重要な影響はないと判断しております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
重要な会計方針および見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。)の注3、注4および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載しております。