有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績の状況の分析
①業績
当連結会計年度における世界経済は、保護主義的な通商政策を背景とした貿易摩擦の拡大懸念が長期化したことに加え、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの世界的流行により、その先行き不透明感が一段と強まりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国でのレベルは違いますが、移動制限や都市封鎖が行われており、当社における生産体制についても大きく制約を受けました。また、エンジニアを自由に移動させられないことによるサポート能力の低下、世界中のサプライチェーンが寸断されることによる部材確保問題も発生しました。
この不確実な経済情勢のもと、エレクトロニクス、自動車、産業機器など、広範な領域で最終製品需要や設備投資が減衰し、その影響が半導体需要にも波及しました。2019年の半導体市場は好調だった2018年から一転してマイナス成長となり、その結果、在庫過剰感が強まったメモリ半導体業界を中心に、多くの半導体メーカーで生産調整や製造装置の投資計画の見直しが進められました。
一方で、半導体試験装置の需要は、被測定デバイスの生産量の増減だけではなく、半導体の技術進化にも影響されます。先端プロセスを用い半導体の集積度を高めるほど、半導体の性能は向上し、信頼性担保の重要度も上昇します。その結果、機能試験の複雑化と半導体試験時間の増大が進行し、より多くの試験装置需要へと結びつきます。
当連結会計年度においても、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことにより、半導体試験装置の需要が喚起され、とりわけ先端プロセス用いた5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続しました。
新型コロナウイルスによる今後の影響については、移動制限の影響により生産面で一部の国の制約を受けていますが、操業低下を各国で補うことで、現時点では大きな支障になると見込んでおりません。しかし供給側での問題だけではなく、コロナウイルスによる世界経済の急激な悪化は、やがては半導体市場と半導体製造装置市場にも影響すると考えられます。需要側での影響は現時点では推測困難であり、注意深くモニターし、顧客との情報交換を密に行うことで機動的に対応できるようにします。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが109円(前期110円)、ユーロが121円(前期129円)となりました。
(売上高)
5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで、高水準な試験装置需要が通年継続した一方で、メモリ半導体の在庫過剰感から、メモリ・テスタ市場は大きく縮小しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前年度に比べ6,562百万円(2.3%)減少の275,894百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前年度に比べ売上高の減少により、9,020百万円(7.0%)減少の119,397百万円となりました。売上原価率は、採算性の良い製品の売上高占め率が上昇したため、前年度に比べ2.2ポイント減少の43.3%となりました。
(販売費および一般管理費)
当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前年度に比べ売上高の減少に対し、将来の成長基盤強化として研究開発やサポート人員のリソース強化を行ったため、前年度に比べ4,651百万円(5.0%)増加の97,751百万円となりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益は、前年度に比べ3,761百万円減少の38百万円の損失となりました。これは主に、前年度において当社および国内子会社従業員の年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う清算益2,530百万円など一過性の利益約35億円が含まれていること、当連結会計年度において固定資産売却により損失が発生したことによります。
(営業利益)
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度に比べ5,954百万円(9.2%)減少の58,708百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前年度比1.6ポイント減少の21.3%となりました。
(金融損益)
当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前年度に比べ1,683百万円減少の134百万円の損失となりました。これは主に、事業譲受に含まれていた条件付対価の公正価値の変動により費用が発生したこと、ユーロ安ドル安により為替差益が前年度に比べ減少したことによります。
(税引前利益)
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前年度に比べ7,637百万円(11.5%)減少の58,574百万円となりました。
(法人所得税費用)
当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は8.6%、前年度は13.9%でありました。当社グループの当連結会計年度および前年度の法人所得税に関しては、連結財務諸表の注記16に記載しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べ3,461百万円(6.1%)減少の53,532百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前年度比0.8ポイント減少の19.4%となりました。
②生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績は販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額表示は販売価格(消費税等抜き)によっており、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.「サービス他部門」セグメントの受注の主な増加理由につきましては、「③セグメントの業績」に記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額表示は消費税等抜きであり、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.販売先が総販売額の10%以上におよぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。
③セグメントの業績
(半導体・部品テストシステム事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の71.5%を占めております。
当部門では、最終需要が低調に推移した影響で、全体としては受注高、売上高ともに伸び悩みました。とりわけディスプレイ関連の試験装置の受注が大きく減少しました。一方、スマートフォンの基幹半導体であるアプリケーション・プロセッサやベースバンド・プロセッサを手掛ける大手半導体メーカー複数社が、5G向け次世代品の開発・量産準備を積極的に展開したことで、スマートフォン用SoC向けの試験装置に対する需要は好調でした。またデータセンター投資が回復に転じたことで、ロジック半導体を中心とするHPC(High-Performance Computing)向けのSoCテストシステム受注が伸びたほか、年度後半にはメモリ・テストシステムに対する顧客の投資意欲も回復しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて14,563百万円(6.9%)減少の197,154百万円、セグメント利益は前年度に比べて97百万円(0.1%)増加の65,155百万円となりました。
(メカトロニクス関連事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の13.2%を占めております。
当部門では、顧客の投資スケジュールの兼ね合いから、ナノテクノロジー製品の受注が伸び悩みました。またメモリ半導体市況の悪化が長期化している影響を受け、メモリ・テストと事業関連性の高い試験装置周辺機器の売上が振るいませんでした。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて2,936百万円(7.5%)減少の36,293百万円、セグメント利益は前年度712百万円の損失から215百万円改善し497百万円の損失となりました。
(サービス他部門)
当部門は当連結会計年度において売上高の15.4%を占めております。
当部門では、サービス事業の需要が安定的に推移したことに加え、2019年2月に米Astronics社より譲り受けたシステムレベルテスト事業の受注が好調だったことと、2020年1月に買収した米Essai社が連結業績に加わったことにより、業容が大きく拡大しております。さらにSSD(Solid State Drive)の普及が進展する中、SSDテストシステムの需要も拡大しました。一方で事業譲受や買収に伴う一時的費用として、当部門の無形資産償却費が増加しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて11,012百万円(34.9%)増加の42,526百万円、セグメント利益は前年度に比べて1,276百万円(30.1%)減少の2,966百万円となりました。
④地域別売上高
当連結会計年度の海外売上比率は94.6%(前連結会計年度94.7%)となりました。
(日本)
当連結会計年度の日本における売上高は、前年度に比べ92百万円(0.6%)減少の14,789百万円となりました。
(日本以外のアジア)
当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前年度に比べ10,352百万円(4.2%)減少の236,520百万円となりました。これは主に、台湾において、ディスプレイ・ドライバIC用テストシステム等のSoC半導体用テストシステムおよびDRAM向けメモリ半導体用テストシステムが低調だったことによります。一方で、中国においてはスマートフォンの基幹部品であるアプリケーション・プロセッサ向けSoC半導体用テストシステムが好調に推移しました。
(米州)
当連結会計年度の米州における売上高は、前年度に比べ4,942百万円(36.4%)増加の、18,521百万円となりました。
(欧州)
当連結会計年度の欧州における売上高は、前年度に比べ1,060百万円(14.9%)減少の、6,064百万円となりました。
(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析
①流動性および資金源
当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入により資金を調達することが可能であります。
また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。
当社は2012年5月25日に、総額25,000百万円の国内無担保社債を発行し、このうち、10,000百万円は、2015年5月に、残りの15,000百万円は、2017年5月に償還しました。
また、当社は2014年3月14日に、総額30,000百万円のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しました。本新株予約権付社債はゼロ・クーポンで発行され、2019年2月28日までに、その全額について新株予約権の行使請求が行われ、普通株式への転換が完了しました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金および現金同等物は前年度末より7,760百万円増加の127,703百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税引前利益58,574百万円、営業債権およびその他の債権の減少(6,125百万円)、棚卸資産の増加(△1,907百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果、66,475百万円の収入となりました。前連結会計年度の44,792百万円の収入と比べ21,683百万円の増加となった主な要因は、営業債権およびその他の債権の減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、子会社の取得による支出(△29,665百万円)、有形固定資産の取得(△8,141百万円)等により、38,819百万円の支出となりました。前連結会計年度の15,915百万円の支出と比べ22,904百万円の支出の増加となった主な要因は、子会社の取得による支出によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(△16,427百万円)等により、17,916百万円の支出となりました。前連結会計年度の13,724百万円の支出と比べ4,192百万円の支出の増加となった主な要因は、配当金の支払額の増加によります。
③資産、負債および資本
当連結会計年度末の資産は、前年度末に比べ51,197百万円増加し、355,777百万円となりました。この主な要因は、子会社の取得によるのれんおよび無形資産の24,906百万円の増加、使用権資産の11,184百万円の増加、現金および現金同等物の7,760百万円の増加によります。
負債は、前年度末に比べ18,476百万円増加し、124,325百万円となりました。この主な要因は、リース負債が11,288百万円増加したことによります。
資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末に比べ32,721百万円増加し、231,452百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加と自己株式の処分によります。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末に比べ0.1ポイント減少の65.1%となりました。
(3)中期経営計画の進捗
当連結会計年度は、中期経営計画の2年目となり、ここ2年はテスタ市場拡大と市場シェア上昇により、ベース・シナリオで掲げたすべての経営指標で、目標値を超過しています。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大については、見積りおよび仮定に重要な影響はないと判断しております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
重要な会計方針および見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。)の注3、注4に記載しております。
①業績
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| 売上高 | 282,456 | 275,894 | △6,562 | △2.3 |
| 売上原価 販売費および一般管理費 その他の損益 | △128,417 △93,100 3,723 | △119,397 △97,751 △38 | 9,020 △4,651 △3,761 | △7.0 5.0 - |
| 営業利益 | 64,662 | 58,708 | △5,954 | △9.2 |
| 営業利益率 | 22.9% | 21.3% | △1.6% | - |
| 金融損益 | 1,549 | △134 | △1,683 | - |
| 税引前利益 | 66,211 | 58,574 | △7,637 | △11.5 |
| 法人所得税費用 | △9,218 | △5,042 | 4,176 | △45.3 |
| 当期利益 | 56,993 | 53,532 | △3,461 | △6.1 |
| 当期利益の帰属: 親会社の所有者 | 56,993 | 53,532 | △3,461 | △6.1 |
当連結会計年度における世界経済は、保護主義的な通商政策を背景とした貿易摩擦の拡大懸念が長期化したことに加え、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの世界的流行により、その先行き不透明感が一段と強まりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国でのレベルは違いますが、移動制限や都市封鎖が行われており、当社における生産体制についても大きく制約を受けました。また、エンジニアを自由に移動させられないことによるサポート能力の低下、世界中のサプライチェーンが寸断されることによる部材確保問題も発生しました。
この不確実な経済情勢のもと、エレクトロニクス、自動車、産業機器など、広範な領域で最終製品需要や設備投資が減衰し、その影響が半導体需要にも波及しました。2019年の半導体市場は好調だった2018年から一転してマイナス成長となり、その結果、在庫過剰感が強まったメモリ半導体業界を中心に、多くの半導体メーカーで生産調整や製造装置の投資計画の見直しが進められました。
一方で、半導体試験装置の需要は、被測定デバイスの生産量の増減だけではなく、半導体の技術進化にも影響されます。先端プロセスを用い半導体の集積度を高めるほど、半導体の性能は向上し、信頼性担保の重要度も上昇します。その結果、機能試験の複雑化と半導体試験時間の増大が進行し、より多くの試験装置需要へと結びつきます。
当連結会計年度においても、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことにより、半導体試験装置の需要が喚起され、とりわけ先端プロセス用いた5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで高水準な試験装置需要が通年継続しました。
新型コロナウイルスによる今後の影響については、移動制限の影響により生産面で一部の国の制約を受けていますが、操業低下を各国で補うことで、現時点では大きな支障になると見込んでおりません。しかし供給側での問題だけではなく、コロナウイルスによる世界経済の急激な悪化は、やがては半導体市場と半導体製造装置市場にも影響すると考えられます。需要側での影響は現時点では推測困難であり、注意深くモニターし、顧客との情報交換を密に行うことで機動的に対応できるようにします。
当連結会計年度の平均為替レートは、米ドルが109円(前期110円)、ユーロが121円(前期129円)となりました。
(売上高)
5G、4Gスマートフォン用の半導体向けで、高水準な試験装置需要が通年継続した一方で、メモリ半導体の在庫過剰感から、メモリ・テスタ市場は大きく縮小しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前年度に比べ6,562百万円(2.3%)減少の275,894百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前年度に比べ売上高の減少により、9,020百万円(7.0%)減少の119,397百万円となりました。売上原価率は、採算性の良い製品の売上高占め率が上昇したため、前年度に比べ2.2ポイント減少の43.3%となりました。
(販売費および一般管理費)
当連結会計年度の販売費および一般管理費は、前年度に比べ売上高の減少に対し、将来の成長基盤強化として研究開発やサポート人員のリソース強化を行ったため、前年度に比べ4,651百万円(5.0%)増加の97,751百万円となりました。
(その他の損益)
当連結会計年度のその他の損益は、前年度に比べ3,761百万円減少の38百万円の損失となりました。これは主に、前年度において当社および国内子会社従業員の年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う清算益2,530百万円など一過性の利益約35億円が含まれていること、当連結会計年度において固定資産売却により損失が発生したことによります。
(営業利益)
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前年度に比べ5,954百万円(9.2%)減少の58,708百万円となり、売上高に対する営業利益の比率は、前年度比1.6ポイント減少の21.3%となりました。
(金融損益)
当連結会計年度の金融収益と金融費用を合わせた金融損益は、前年度に比べ1,683百万円減少の134百万円の損失となりました。これは主に、事業譲受に含まれていた条件付対価の公正価値の変動により費用が発生したこと、ユーロ安ドル安により為替差益が前年度に比べ減少したことによります。
(税引前利益)
以上の結果、当連結会計年度の税引前利益は、前年度に比べ7,637百万円(11.5%)減少の58,574百万円となりました。
(法人所得税費用)
当社グループの法人所得税費用の実際負担税率は、当連結会計年度は8.6%、前年度は13.9%でありました。当社グループの当連結会計年度および前年度の法人所得税に関しては、連結財務諸表の注記16に記載しております。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べ3,461百万円(6.1%)減少の53,532百万円となり、売上高に対する親会社の所有者に帰属する当期利益の比率は、前年度比0.8ポイント減少の19.4%となりました。
②生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当社グループは、原則として受注に基づいた生産を行っており、生産実績は販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体・部品テストシステム事業部門 | 192,592 | △6.9 | 40,702 | △10.1 |
| メカトロニクス関連事業部門 | 36,240 | △4.0 | 12,713 | △0.4 |
| サービス他部門 | 59,087 | 92.6 | 37,585 | 123.3 |
| 内部取引消去 | △79 | - | - | - |
| 合計 | 287,840 | 4.6 | 91,000 | 21.6 |
(注)1.金額表示は販売価格(消費税等抜き)によっており、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.「サービス他部門」セグメントの受注の主な増加理由につきましては、「③セグメントの業績」に記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体・部品テストシステム事業部門 | 197,154 | △6.9 |
| メカトロニクス関連事業部門 | 36,293 | △7.5 |
| サービス他部門 | 42,526 | 34.9 |
| 内部取引消去 | △79 | - |
| 合計 | 275,894 | △2.3 |
(注)1.金額表示は消費税等抜きであり、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しております。
2.販売先が総販売額の10%以上におよぶ販売先は前年度、当年度ともにありません。
③セグメントの業績
(半導体・部品テストシステム事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の71.5%を占めております。
当部門では、最終需要が低調に推移した影響で、全体としては受注高、売上高ともに伸び悩みました。とりわけディスプレイ関連の試験装置の受注が大きく減少しました。一方、スマートフォンの基幹半導体であるアプリケーション・プロセッサやベースバンド・プロセッサを手掛ける大手半導体メーカー複数社が、5G向け次世代品の開発・量産準備を積極的に展開したことで、スマートフォン用SoC向けの試験装置に対する需要は好調でした。またデータセンター投資が回復に転じたことで、ロジック半導体を中心とするHPC(High-Performance Computing)向けのSoCテストシステム受注が伸びたほか、年度後半にはメモリ・テストシステムに対する顧客の投資意欲も回復しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて14,563百万円(6.9%)減少の197,154百万円、セグメント利益は前年度に比べて97百万円(0.1%)増加の65,155百万円となりました。
(メカトロニクス関連事業部門)
当部門は、当連結会計年度において売上高の13.2%を占めております。
当部門では、顧客の投資スケジュールの兼ね合いから、ナノテクノロジー製品の受注が伸び悩みました。またメモリ半導体市況の悪化が長期化している影響を受け、メモリ・テストと事業関連性の高い試験装置周辺機器の売上が振るいませんでした。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて2,936百万円(7.5%)減少の36,293百万円、セグメント利益は前年度712百万円の損失から215百万円改善し497百万円の損失となりました。
(サービス他部門)
当部門は当連結会計年度において売上高の15.4%を占めております。
当部門では、サービス事業の需要が安定的に推移したことに加え、2019年2月に米Astronics社より譲り受けたシステムレベルテスト事業の受注が好調だったことと、2020年1月に買収した米Essai社が連結業績に加わったことにより、業容が大きく拡大しております。さらにSSD(Solid State Drive)の普及が進展する中、SSDテストシステムの需要も拡大しました。一方で事業譲受や買収に伴う一時的費用として、当部門の無形資産償却費が増加しました。
以上の結果、当部門の当連結会計年度の売上高は、前年度に比べて11,012百万円(34.9%)増加の42,526百万円、セグメント利益は前年度に比べて1,276百万円(30.1%)減少の2,966百万円となりました。
④地域別売上高
当連結会計年度の海外売上比率は94.6%(前連結会計年度94.7%)となりました。
(日本)
当連結会計年度の日本における売上高は、前年度に比べ92百万円(0.6%)減少の14,789百万円となりました。
(日本以外のアジア)
当連結会計年度の日本以外のアジアにおける売上高は、前年度に比べ10,352百万円(4.2%)減少の236,520百万円となりました。これは主に、台湾において、ディスプレイ・ドライバIC用テストシステム等のSoC半導体用テストシステムおよびDRAM向けメモリ半導体用テストシステムが低調だったことによります。一方で、中国においてはスマートフォンの基幹部品であるアプリケーション・プロセッサ向けSoC半導体用テストシステムが好調に推移しました。
(米州)
当連結会計年度の米州における売上高は、前年度に比べ4,942百万円(36.4%)増加の、18,521百万円となりました。
(欧州)
当連結会計年度の欧州における売上高は、前年度に比べ1,060百万円(14.9%)減少の、6,064百万円となりました。
(2)財政状態およびキャッシュ・フローの状況の分析
①流動性および資金源
当社グループの資金・財務政策は、当社の経理部門が所管しております。当社は資金需要に関して、営業活動により稼得した現預金ならびに手許の現金および現金同等物から充当するほか、必要に応じて債券の発行および株式等の発行ならびに金融機関からの借入により資金を調達することが可能であります。
また、中期的に半導体業界および半導体・部品テストシステム業界の状況が低迷する場合、当社は将来の設備投資またはその他の運転資金需要のために債券の発行または希薄化効果を伴う株式等の発行等を行う可能性があります。
当社は2012年5月25日に、総額25,000百万円の国内無担保社債を発行し、このうち、10,000百万円は、2015年5月に、残りの15,000百万円は、2017年5月に償還しました。
また、当社は2014年3月14日に、総額30,000百万円のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しました。本新株予約権付社債はゼロ・クーポンで発行され、2019年2月28日までに、その全額について新株予約権の行使請求が行われ、普通株式への転換が完了しました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金および現金同等物は前年度末より7,760百万円増加の127,703百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税引前利益58,574百万円、営業債権およびその他の債権の減少(6,125百万円)、棚卸資産の増加(△1,907百万円)の他、減価償却費などの非資金項目等の損益を調整した結果、66,475百万円の収入となりました。前連結会計年度の44,792百万円の収入と比べ21,683百万円の増加となった主な要因は、営業債権およびその他の債権の減少によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、子会社の取得による支出(△29,665百万円)、有形固定資産の取得(△8,141百万円)等により、38,819百万円の支出となりました。前連結会計年度の15,915百万円の支出と比べ22,904百万円の支出の増加となった主な要因は、子会社の取得による支出によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(△16,427百万円)等により、17,916百万円の支出となりました。前連結会計年度の13,724百万円の支出と比べ4,192百万円の支出の増加となった主な要因は、配当金の支払額の増加によります。
③資産、負債および資本
当連結会計年度末の資産は、前年度末に比べ51,197百万円増加し、355,777百万円となりました。この主な要因は、子会社の取得によるのれんおよび無形資産の24,906百万円の増加、使用権資産の11,184百万円の増加、現金および現金同等物の7,760百万円の増加によります。
負債は、前年度末に比べ18,476百万円増加し、124,325百万円となりました。この主な要因は、リース負債が11,288百万円増加したことによります。
資本または親会社の所有者に帰属する持分は、前年度末に比べ32,721百万円増加し、231,452百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加と自己株式の処分によります。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末に比べ0.1ポイント減少の65.1%となりました。
(3)中期経営計画の進捗
当連結会計年度は、中期経営計画の2年目となり、ここ2年はテスタ市場拡大と市場シェア上昇により、ベース・シナリオで掲げたすべての経営指標で、目標値を超過しています。
| 前連結会計年度 (2018年度) | 当連結会計年度 (2019年度) | 中期経営計画 (2018年度~2020年度平均) | ||
| 保守的シナリオ | ベース・シナリオ | |||
| 売上高 | 2,825億円 | 2,759億円 | 2,300億円 | 2,500億円 |
| 営業利益率 | 22.9% | 21.3% | 15% | 17% |
| 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE) | 35.3% | 24.9% | 15% | 18% |
| 基本的1株当たり当期利益(EPS) | 302円 | 270円 | 135円 | 170円 |
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しております。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす会計上の判断、見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大については、見積りおよび仮定に重要な影響はないと判断しております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
重要な会計方針および見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」(以下、「連結財務諸表の注記」という。)の注3、注4に記載しております。