有価証券報告書-第53期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業活動は内外情勢の影響を受けつつも成長基調で推移しました。また、雇用情勢も顕著に改善しているものの将来への不透明感は根強く、個人消費の回復は緩慢なものとなっています。
海外におきましては、全体として政情や地政学的なリスクの顕在化などによる一時的な減速もありましたが、概して底堅く推移しました。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、年明けに北米メーカー製スマートフォンの減産も報じられましたが業界全体として大きな混乱はなく、自動運転技術を中心とする自動車向け部品や、IoTを支えるセンサー関連部品の需要も拡大していることから、市場は堅調な成長基調を維持しております。
このような状況下、当社グループは更なる品質の改善と製造工程の自動化・効率化による製造コスト低減を組織的に推進し、売上及び収益力の向上に努めて参りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1千8百万円増加し、234億9千7百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億8千9百万円減少し、84億2千8百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億8百万円増加し、150億6千9百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は210億4千7百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は11億3千1百万円(同32.4%減)、経常利益は12億6千万円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千2百万円(同26.7%減)となりました。
製品群別の経営成績は次のとおりであります。
IC・トランジスタ用リードフレーム
当製品群は、自動車向け、民生用機器向けが主なものであります。自動車向け部品の受注は変わらず堅調でありましたが、海外における民生用機器向け部品では一部において受注が減少しました。その結果、当製品群の売上高は75億1千3百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。前半は自動車向け部品や、大型ディスプレイ及びアドバタイズメント等の設備向け需要が好調でありましたが、年度末以降は在庫調整局面に転じました。その結果、当製品群の売上高は29億2千6百万円(同4.0%減)となりました。
コネクタ用部品
当製品群は、モバイル端末向け、自動車向けが主なものであります。自動車向け部品は堅調に推移し、ウェアラブル端末向け等の新たな需要の増加が見られたものの、5Gへの移行期であるモバイル端末向けの需要減による影響は大きく、全体として受注は減少しました。その結果、当製品群の売上高は97億5千3百万円(同6.9%減)となりました。
その他
その他の製品群としては、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は8億5千4百万円(同21.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億2千7百万円減少し、当連結会計年度末には28億5千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5億9千2百万円(前年同期は20億1千2百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益12億8千万円の計上及び減価償却費11億4千5百万円による資金の増加、一方、資金効率化による売上債権の増加6億8千7百万円及び協力会社への支払サイトの短縮による仕入債務6億3千万円の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12億3千8百万円(前年同期は15億5千7百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出17億2千7百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5億3千6百万円(前年同期は11億7千5百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済1億9千4百万円及び配当金の支払2億3千7百万円による資金の減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| IC・トランジスタ用リードフレーム(千円) | 7,590,346 | △4.0 | |
| オプト用リードフレーム(千円) | 3,010,006 | 0.8 | |
| コネクタ用部品(千円) | 9,752,092 | △7.2 | |
| その他(千円) | 854,472 | 20.9 | |
| 合計(千円) | 21,206,917 | △4.1 | |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 受注高 | 受注残高 | |||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) | ||
| IC・トランジスタ用リードフレーム | 7,559,844 | △5.1 | 817,891 | 6.0 | |
| オプト用リードフレーム | 2,875,118 | △7.0 | 212,812 | △19.4 | |
| コネクタ用部品 | 10,025,282 | △2.3 | 1,104,363 | 32.7 | |
| その他 | 848,252 | 15.1 | 53,276 | △10.9 | |
| 合計 | 21,308,497 | △3.4 | 2,188,344 | 13.5 | |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| IC・トランジスタ用リードフレーム(千円) | 7,513,430 | △4.5 | |
| オプト用リードフレーム(千円) | 2,926,615 | △4.0 | |
| コネクタ用部品(千円) | 9,753,038 | △6.9 | |
| その他(千円) | 854,801 | 21.4 | |
| 合計(千円) | 21,047,885 | △4.7 | |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
(1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ1千8百万円増加し、234億9千7百万円となりました。
流動資産は、売上債権及び棚卸資産の増加及び現預金の減少により前連結会計年度に比べ5千万円増加の124億8千4百万円となりました。固定資産は、新規設備投資による増加及び減価償却による減少のほか投資有価証券売却等により前連結会計年度に比べ3千2百万円減少の110億1千3百万円となりました。
一方、負債合計は、前連結会計年度に比べ2億8千9百万円減少し、84億2千8百万円となりました。これは、主に仕入債務の減少によるものです。また、純資産は利益剰余金の増加により150億6千9百万円となりました。
(2)経営成績
当連結会計年度の売上高は210億4千7百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は11億3千1百万円(同32.4%減)、経常利益は12億6千万円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千2百万円(同26.7%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済は概して成長基調にありますが経済的、政治的または地政学的なリスクは各地に潜在または一部顕在化しており、情勢は非常に不安定であります。国内では企業業績の向上により当面は緩やかな成長基調が維持されるものと考えられますが、前述の国際情勢による影響が大きな変動要因となる可能性があります。
現在、当社の主力となっているスマートフォン及びタブレット型端末向けのコネクタ用部品の需要は、当面は一定以上の水準を維持できるものと見込んでおり、LED用リードフレームの受注環境は緩やかながらも回復の兆しが見られております。IC・トランジスタ用リードフレームにつきましては、自動車向け部品も安定的な需要が見込まれることから、引き続き堅調な受注量を維持できるものと見込んでおります。
このような環境下、当社グループは品質改善と製造コスト低減を目的とした製造工程の自動化・効率化を組織的に推進し、当社の強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースとして過去の枠組みにとらわれない新たな顧客の開拓を積極的に行い、全社一丸となって売上及び収益力の向上に努めて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。
財政政策
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。
d.製品群別ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
IC・トランジスタ用リードフレームは自動車向け、民生用機器向けともに需要は一年を通して堅調に推移いたしました。また、オプト用リードフレームも自動車向け、照明向けの需要がともに回復基調にあります。
コネクタ部品では、スマートフォン向け部品では中国メーカー向けの需要は概ね堅調に推移し、北米メーカー向けの需要は減産が報じられたものの、影響は想定の範囲内に収まりました。また、自動車向け部品の受注についても、変わらず堅調な推移を見せました。
利益面につきましては、製造工程の自動化・効率化により製造コストは低減しておりますが、主力であるIC・トランジスタ用リードフレームやコネクタ部品の売上高減少により営業利益率は前期に比べ減少いたしました。
また、為替差益の計上により営業外損益は改善しております。特別損益につきましては投資有価証券売却益を計上した一方、固定資産の減損損失、投資有価証券評価損を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度と比較して減少いたしました。