有価証券報告書-第59期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まりなどにより不透明な見通しの中で推移いたしました。一方、国内の景況については、雇用情勢、所得環境及びインバウンド需要の改善などによって国内の消費は緩やかながら回復基調で推移しましたが、為替変動や資源価格の高騰などが景況感への下方圧力となっております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、中国の景気低迷の影響などによる民生用機器向けや産業用機器向けの在庫調整が長期化しており、需要回復の顕著化は2025年の後半以降になるものと見込まれます。また、自動車向けは海外のEV市場の減速から、成長は一時的に鈍化しております。
このような状況下、当社グループは従前よりメッキ工程における内製化や生産能力の強化、製造工程の自動化及び効率化に注力し、収益力の改善を推進して参りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億6千3百万円増加し、328億3千4百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億6千1百万円減少し、109億3千2百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億2千4百万円増加し、219億2百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は268億8千万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は6億1千8百万円(同285.9%増)、経常利益は6億6千9百万円(同129.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億4千7百万円(同269.3%増)となりました。
製品群別の経営成績は次のとおりであります。
パワー半導体用リードフレーム
当製品群は自動車向けや民生用機器向け及び産業用機器向けが主なものであります。前期より続く民生用機器向け及び産業用機器向けの在庫調整や世界的なEV市場の成長鈍化の影響を強く受け、需要の回復は遅れております。その結果、当製品群の売上高は107億7千1百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。市場は依然として海外の交通インフラ向けや大型ディスプレイ向けなどが在庫調整局面にありますが、民生用機器向けハイエンド品の量産により増加いたしました。その結果、当製品群の売上高は33億7千1百万円(同27.3%増)となりました。
コネクタ用部品
当製品群は、自動車向け、モバイル端末向けが主なものであります。スマートフォン向けは前年同期と同等の水準でありましたが、ウェアラブル端末向けの需要が好調に推移しました。その結果、当製品群の売上高は120億8千5百万円(同9.9%増)となりました。
その他
その他の製品群は、金型用部品、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は6億5千1百万円(同31.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億8千6百万円減少し、当連結会計年度末には44億4千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7億3千2百万円(前年同期は30億9千6百万円)となりました。これは主に減価償却費21億8千2百万円及び売上債権の回収5億6千4百万円による資金の増加であります。前年同期に比べ減少した要因は、棚卸資産12億6千9百万円の増加及び一部の支払いサイトの短縮による仕入債務14億2千2百万円の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億4千5百万円(前年同期は17億5千7百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出16億3千7百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9千8百万円(前年同期は5億1千1百万円)となりました。これは主に自己株式の取得のための短期借入金4億5千万円による増加と、自己株式の取得による支出5億4百万円及び配当金の支払4億7千2百万円による資金の減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| パワー半導体用リードフレーム(千円) | 11,376,571 | 5.2 |
| オプト用リードフレーム(千円) | 3,472,810 | 36.7 |
| コネクタ用部品(千円) | 12,083,847 | 11.5 |
| その他(千円) | 641,037 | 25.2 |
| 合計(千円) | 27,574,266 | 11.6 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| パワー半導体用リードフレーム | 10,806,142 | △2.7 | 1,024,662 | 3.4 |
| オプト用リードフレーム | 3,404,371 | 22.8 | 446,669 | 8.0 |
| コネクタ用部品 | 12,568,739 | 13.6 | 1,146,563 | 72.7 |
| その他 | 618,721 | 17.5 | 18,026 | △64.4 |
| 合計 | 27,397,974 | 7.5 | 2,635,921 | 24.4 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| パワー半導体用リードフレーム(千円) | 10,771,931 | △3.0 |
| オプト用リードフレーム(千円) | 3,371,116 | 27.3 |
| コネクタ用部品(千円) | 12,085,887 | 9.9 |
| その他(千円) | 651,459 | 31.5 |
| 合計(千円) | 26,880,395 | 6.4 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| DDK(THAILAND)Ltd. | 3,262,822 | 12.9 | 3,266,399 | 12.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は268億8千万円(前年同期比6.4%増)となりました。これは主にオプト用リードフレームとコネクタ用部品の増加によるものです。営業利益は6億1千8百万円(同285.9%増となりました。これは主に付加価値の高いマイクロコネクタ用部品や、クリップボンディングタイプのリードフレームの比率が増加したことによるものです。また、経常利益は6億6千9百万円(同129.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億4千7百万円(同269.3%増)となりました。
売上高については、パワー半導体用リードフレームでは民生用機器向け及び産業用機器向けでは在庫調整が続いております。オプト用リードフレームでは、市場環境は調整局面から完全には脱していないものの、当社受注は民生向けハイエンド品の量産により増加しました。また、今後は自動車向けの増加も見込まれております。コネクタ用部品は、スマートフォン向けは大きな成長はなかったものの、ウェアラブル端末向けが調整局面を脱し、顕著に回復いたしました。
利益面では、状況はまだら模様ではあるものの、一部製品で底打ちして稼働率が上昇したことから、利益率は前年同期と比較して改善いたしました。
b.財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、総資産は前連結会計年度に比べ4億6千3百万円増加し、328億3千4百万円となりました。
流動資産は、電子記録債権は減少しましたが、売掛金及び棚卸資産の増加により、前連結会計年度に比べ4億7千6百万円増加の176億1千万円となりました。
固定資産は、減価償却費計上等により、前連結会計年度に比べ1千3百万円減少の152億2千4百万円となりました。
一方、負債合計は、前連結会計年度に比べ4億6千1百万円減少し、109億3千2百万円となりました。これは、主に仕入債務減少によるものです。
また、純資産は為替換算調整勘定の増加等により219億2百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転資金及び設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。