有価証券報告書-第38期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)業績等の概要
①業績
当期における世界経済は、欧米では堅調な成長が持続し、日本でも経済政策により雇用情勢の改善や設備投資の増加等、緩やかな景気拡大が続きました。しかしながら、米国の保護主義的な政策動向による貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響等で先行き不透明な状況が続きました。
当社グループでは、平成28年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し取り組んでおりますが、業績が当初の計画から大きくかい離する見通しとなったため、最終年度の業績計画や取り組み内容を見直し、平成30年8月8日に「中期経営計画(2016年度~2020年度)の見直しに関するお知らせ」を公表いたしました。具体的には、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した2020年度の業績計画の達成に向けて、最終年度までを新たな成長ステージに向けた転換期と位置づけ、事業ポートフォリオの転換と事業運営力の強化に注力し、「成長分野の拡大」、「サイン市場向けプリンターの下げ止め」、「収益性の改善」を重点課題として取り組んでまいります。なかでも「成長分野の拡大」においては、注力分野を見直し、サイン(広告・看板製作)・リテイル(小売業)・多用途印刷・テキスタイルの4つの市場が対象の「DP(デジタルプリンティング)事業」、リテイルから発展させ、パーソナライズグッズ製作のニーズを捉えたソリューションを小売業やサービス業へ提供する「COTO(コト)事業」、3Dものづくりとデンタル(歯科医療)市場を対象とする「DGSHAPE(ディージーシェイプ)事業」の3事業へと再設定し、平成30年9月1日より新体制での事業運営を開始しました。注力分野と経営資源の配分をより一層明確にし、市場の変化を的確に捉えた迅速な意思決定によりスピード感あふれる事業運営で、成長分野の拡大と新たな市場の創造に取り組んでおります。
当期は、成長分野と位置付けているデンタル市場とリテイル市場の拡大に注力しました。デンタル市場においては、販売代理店の拡充や、CAD/CAMソフトウェアベンダーとの協業によるソリューション提案等、地域展開の加速とシェア拡大に向けた活動に取り組みました。また、販売代理店へ修理・メンテナンスサービスのトレーニングを積極的に実施する等、お客様が安心して製品を購入していただけるサービスサポートの充実にも取り組みました。リテイル市場では、小規模工場でのノベルティやオリジナルグッズ製作用途に加え、小売店の店頭でスマートフォンケースや家電製品等へ加飾するサービス用途に向けて、UVプリンターの提案を進めてまいりました。これらリテイル市場の開拓により、店頭でサービスを提供する小売業やサービス業等の業種には多様なパーソナライズグッズの製作ニーズがあると見えてきたことから、当期の9月よりCOTO事業を立ち上げ、12月には、当社プリンターや各種工作機器等の製品と接続し、店頭でお客様好みのオリジナルグッズ製作ビジネスをトータルでサポートするソフトウェア「cotodesign(コトデザイン)」を発表しました。設置場所を選ばないコンパクトサイズで、多様なアプリケーションをオンデマンドに製作できる当社の製品ラインナップの強みを活かし、お客様自身のデザインを店頭でプリントするサービスで、商品に付加価値を与え、お客様に魅力的な購買体験を提供するリテイル市場での新しいビジネスとして提案してまいります。
一方、これまでの主力市場であるサイン市場では、引き続き競争環境は厳しいものの、グローバルな顧客基盤を維持すべく各地域で販売促進キャンペーンを展開しました。また、現地パートナーとの協業(Co-Creation)により特定用途のニーズを満たす製品をラインナップに加えてプリンターの販売回復に取り組みました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は、デンタル市場の拡大により工作機器の売上が増加したものの、サイン市場向けを中心としたプリンターの売上が減少し、前期比1.8%減の427億74百万円とわずかに前期を下回りました。売上原価率は、前期に比べ0.2ポイント改善し、販売費及び一般管理費は、主に人件費や広告宣伝費が減少したことで前期を下回りました。これにより、営業利益は前期比10.3%増の42億50百万円となり、経常利益は前期比4.5%増の39億76百万円となりました。当期は、ソフトウェア資産の除却等の固定資産除売却損による特別損失を計上しましたが、前期に米国特許権侵害訴訟の和解金を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比50.2%増の28億81百万円となりました。
なお、当連結会計年度における主要通貨の為替レート(平成30年1月~平成30年12月の平均レート)は、110.44円/米ドル(前期112.20円)、130.45円/ユーロ(前期126.70円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
| 品目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 16,110 | 37.0 | 14,246 | 33.3 | △1,864 | △3.7 | 88.4 |
| プロッタ | 1,491 | 3.4 | 1,336 | 3.1 | △154 | △0.3 | 89.7 |
| 工作機器 | 5,005 | 11.5 | 5,619 | 13.2 | 614 | 1.7 | 112.3 |
| サプライ | 13,676 | 31.4 | 13,652 | 31.9 | △24 | 0.5 | 99.8 |
| その他 | 7,288 | 16.7 | 7,919 | 18.5 | 630 | 1.8 | 108.6 |
| 合計 | 43,573 | 100.0 | 42,774 | 100.0 | △798 | - | 98.2 |
[プリンター]
サイン市場では、市場の成熟化に加えて大手メーカーの参入により競争が激化している状況に対応して、各地域で販売促進キャンペーンを展開して同市場での顧客の維持に努めました。欧州では、現地パートナーとの協業(Co-Creation)により特定用途のニーズを捉えた製品をラインナップに加えて、プリンターの販売回復に取り組みました。具体的には、第4四半期にサイン市場向けに広色域が特長の低溶剤プリント専用機と、布地への直接印刷も可能なテキスタイル市場向けプリンターを投入し、用途拡大に努めました。また、当期の10月には、オフィス機器等を評価する独立調査機関として多くの企業から高い信頼を得ている米国キーポイントインテリジェンス社BLI事業部から、大判インクジェットプリンターTrueVIS (トゥルービズ)VGシリーズが最高評価を受け、「Pick Awards 2019」を印刷品質部門(7色モデル)、生産性部門(4色モデル)の2部門で受賞しました。今後も、デジタル印刷に関わるお客様からの信頼に応える製品の開発に努めてまいります。
リテイル市場では、ノベルティ等のオリジナルグッズ製作を行う小規模工場に加えて、スマートフォンケースや家電製品等の販売を行う小売店舗へ、店舗が提供するサービスの付加価値を高める、小型UVプリンターを使用した加飾サービスを提案してまいりました。
販売面では、サイン市場においてパネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応する大型UVプリンターの販売が欧米で増加しましたが、主力機種のTrueVIS「VG-640/540」及び「SG-540/300」の販売は減少しました。リテイル市場では、小型UVプリンターの「LEF-12i」と、高い生産性が特長の「LEF-300」の販売が前期を上回ったものの、「LEF-200」の販売が減少し、リテイル市場向け小型UVプリンターの販売は前期を下回りました。
これらの結果、大型UVプリンターの販売が増加したものの、サイン市場向けプリンターの販売が減少し、売上高は142億46百万円(前期比88.4%)となりました。
[プロッタ]
サイン市場向けの大型カッティングマシンの販売が減少し、プロッタの売上高は13億36百万円(前期比89.7%)となりました。
[工作機器]
3D事業を担うDGSHAPE株式会社は、製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、成長分野のデンタル市場の拡大を加速させると共に、より広い領域で新たな価値を創出し提案することで事業の拡大を図っております。デンタル市場では、当期の2月にはデンタル加工機の「DWX-52DCi」と「DWX-52D」を、10月にはウェット方式のデンタル加工機「DWX-42W」等の3製品を発売しました。各地で開催されているデンタル業界の展示会へ出展する等、セールスプロモーション活動を推進しました。また、販売代理店向けの勉強会や修理・メンテナンスサービスのトレーニングを積極的に実施する等、お客様が安心して製品を購入していただけるサービスサポートの充実にも取り組みました。
3Dものづくり市場では、3次元加工機と彫刻機の販売が伸び悩みました。当期の3月に発表した世界初の半導体レーザー箔転写機「LD-80」は、化粧品や文房具に箔転写することで、高級感のあるギフトやノベルティが製作できます。店舗で使いやすいようにコンパクトサイズ、安全性、簡単な操作性を兼ね備えており、オリジナルグッズ製作をサポートするソフトウェア「cotodesign」と組み合わせて店舗サービスの付加価値を高めるソリューションとしても積極的に提案してまいります。
当期の11月には、手術器具管理ソリューション「Eirthemis(エルテミス)」を発表しました。これまで紙媒体だったメスや鉗子といった手術器具管理の作業指示書をデジタル化し、作業内容の詳細が一目で把握できるようにすると共に、世界的に広がるUDI(Unique Device Identification)規制に対応するため、当社マーキング装置「MPX-95」を使用して固有の2次元バーコードをマーキングすることで器具の固有識別管理が可能となりました。手術器具のセット組等の作業をデジタル技術で支援することにより、作業習熟度に依存しない作業環境を構築します。これにより、全国の病院が直面している手術器具の使用履歴管理や保全作業品質の向上、効率化といった課題を解決し、手術器具の保全・管理を包括的に支援するソリューションとして国内の病院へ提案を進めてまいります。
これらの結果、デンタル加工機の販売が好調に推移したことにより、工作機器の売上高は56億19百万円(前期比112.3%)となりました。
[サプライ]
UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターのインクの販売が前期を下回り、サプライの売上高は前期並みの136億52百万円(前期比99.8%)となりました。
[その他]
保守やサービスパーツ等の販売が堅調に推移し、その他の売上高は79億19百万円(前期比108.6%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 5,043 | 11.6 | 4,633 | 10.8 | △410 | △0.7 | 91.9 |
| 北米 | 11,930 | 27.4 | 12,267 | 28.7 | 336 | 1.3 | 102.8 |
| 欧州 | 15,878 | 36.4 | 16,203 | 37.9 | 324 | 1.4 | 102.0 |
| アジア | 3,681 | 8.4 | 3,517 | 8.2 | △163 | △0.2 | 95.6 |
| その他 | 7,039 | 16.2 | 6,153 | 14.4 | △885 | △1.8 | 87.4 |
| 合計 | 43,573 | 100.0 | 42,774 | 100.0 | △798 | - | 98.2 |
[日 本]
工作機器では、デンタル加工機の新製品「DWX-52D」の販売が好調に推移しました。プリンターでは、店頭やイベント会場でオリジナルグッズを製作するサービスを小売店舗やイベントオーナーへ向けて提案を行い、店頭設置に適した小型UVプリンター「LEF-12i」の販売が大きく増加しました。一方で、サイン市場においては競合他社との競争は厳しさを増しており、サイン市場向けプリンターとインクの販売が減少しました。
これらの結果、日本の売上高は46億33百万円(前期比91.9%)となりました。
[北 米]
工作機器では、デンタル市場において、当期の2月に発売したオートディスクチェンジャー機能を搭載したデンタル加工機「DWX-52DCi」は、主に生産性を求める中規模クラスの歯科技工所に受け入れられ、好調な販売となりました。プリンターでは、リテイル市場での販売力強化のため、専任チームを編成して販売代理店の拡充に注力しました。設置スペースに制約のあるお客様に対しては、シリーズで最もコンパクトなUVプリンター「LEF-12i」を、出力量の多いお客様へは高い生産性が特長の「LEF-300」を提案する等、お客様のニーズに適した提案活動が成果を上げております。
これらの結果、北米の売上高は122億67百万円(前期比102.8%)となりました。
[欧 州]
プリンターでは、パネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応するサイン市場向けのUVプリンターの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターと小型UVプリンターの販売は伸び悩みました。工作機器では、3Dものづくり市場の販売が伸び悩んだものの、デンタル市場では、オートディスクチェンジャー機能を搭載したデンタル加工機を中心にDWXシリーズの販売が好調に推移したことと、新規販売網を開拓した成果により東欧諸国への販売が好調に推移したことで、工作機器の販売が前期と比べて増加しました。
これらの結果、為替の円安効果もあり、欧州の売上高は162億3百万円(前期比102.0%)となりました。
[ア ジ ア]
ASEAN地域では、低価格のプリント専用機とサービスパーツの販売が増加しました。中国では、デンタル加工機とサービスパーツの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターを中心としたプリンターの販売が大幅に減少しました。
これらの結果、アジアの売上高は35億17百万円(前期比95.6%)となりました。
[そ の 他]
オーストラリアでは、リテイル市場向けのUVプリンターやデンタル加工機の販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターの販売が低調に推移しました。南米と中東地域においては、サイン市場向けプリンターの販売が減少しました。
これらの結果、その他地域の売上高は61億53百万円(前期比87.4%)となりました。
②キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フロー計算書の要約
| 科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減 (百万円) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,446 | 4,347 | 1,900 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △827 | △755 | 71 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,005 | △2,339 | △333 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 189 | 127 | △61 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △197 | 1,380 | 1,577 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 10 | 40 | 30 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 9,748 | 11,169 | 1,420 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、43億47百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ19億円の増加となりました。主な増加要因としましては、税金等調整前当期純利益が増加したことや未収入金等のその他の流動資産が減少したこと等によります。主な減少要因としましては、売上債権が増加したことや未払金等のその他の流動負債が減少したこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が8億27百万円の支出であったのに対し、当連結会計年度は7億55百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ71百万円の支出額の減少となりました。有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が減少したこと等によります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が20億5百万円の支出であったのに対し、当連結会計年度は23億39百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ3億33百万円の支出額の増加となりました。短期借入金の返済額や配当金支払額が増加したこと等によります。
(2)生産、受注及び販売の状況
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため単一セグメントとなっており、セグメントに関連付けては記載しておりません。
①生産実績
| 品目 | 前連結会計年度(千円) | 当連結会計年度(千円) | 前期比(%) |
| プリンター | 12,358,690 | 10,543,516 | 85.3 |
| プロッタ | 1,315,428 | 995,647 | 75.7 |
| 工作機器 | 3,201,973 | 2,523,099 | 78.8 |
| サプライ | 4,939,656 | 4,961,853 | 100.4 |
| 合計 | 21,815,748 | 19,024,116 | 87.2 |
(注) 生産金額は当社の標準販売価格によっております。
②受注状況
当社は、主に需要予測による見込生産方式を採っております。
③販売実績
| 品目 | 前連結会計年度(千円) | 当連結会計年度(千円) | 前期比(%) |
| プリンター | 16,110,843 | 14,246,492 | 88.4 |
| プロッタ | 1,491,147 | 1,336,872 | 89.7 |
| 工作機器 | 5,005,703 | 5,619,982 | 112.3 |
| サプライ | 13,676,541 | 13,652,348 | 99.8 |
| その他 | 7,288,979 | 7,919,211 | 108.6 |
| 合計 | 43,573,215 | 42,774,908 | 98.2 |
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者は重要な会計方針の選択や適用に当たり、見積りや判断を行い、定期的に見直しを行っております。経営者が行う見積りや判断のうち、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある項目は以下の通りです。
[貸倒引当金]
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。一般債権は、貸倒実績率法により、貸倒懸念債権及び破産更生債権は、債権額から回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積額を算定する財務内容評価法に基づきそれぞれ引当金を計上しております。
なお、相手先の財政状態の悪化により支払能力が低下した場合、引当金の追加計上が必要になる場合があります。
[有価証券の減損]
当社グループは、取引上の観点から公開会社及び非公開会社の株式を保有しております。
時価のある有価証券の場合、原則として時価が取得原価に比して著しく下落し、かつ回復する見込みがあるとする合理的な根拠が得られないときは減損処理を行っております。また、時価の取得原価に対する下落率が概ね30%以上50%以下の場合、過去の時価の推移及び将来の回復可能性を勘案して減損処理を実施しております。時価のない有価証券の場合、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、回復の見込み等を判断し、相当の減額を実施しております。
なお、将来の株式市況や投資先の業績不振により、評価損が発生する可能性があります。
[繰延税金資産]
当社グループは、繰延税金資産の算定に当たって、将来の業績予測やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。経営環境等の悪化により、その見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産が取崩されることにより税金費用が計上される可能性があります。
[固定資産の減損]
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討し、固定資産に減損が見込まれる場合は、将来キャッシュ・フローの現在価値又は正味売却価額に基づいて減損損失を計上しております。
将来の事業計画の変更や経営環境等の悪化により将来キャッシュ・フローの見積りが著しく減少する場合は、減損損失を計上する可能性があります。
[製品保証引当金]
当社グループは、製品販売後に発生する製品保証費用に備えるため、過去の実績に基づく見込額を計上しております。
したがって、実際の製品不良率又は修理費用が見込みと異なる場合、製品保証費用の追加計上が必要になる場合があります。
[退職給付に係る負債]
当社は確定給付企業年金制度(キャッシュバランスプラン)を採用しており、従業員の退職給付費用及び退職給付債務について、数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率、年金選択率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。特に損益に重要な影響を与える割引率については、当期末直近において発行された日本の長期国債の市場利回りの変動を考慮して、長期期待運用収益率については、年金資産の過去の運用実績、運用方針及び将来の運用見込み等を考慮してそれぞれ決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は累計され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来の会計期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②経営成績
[売上高]
当連結会計年度の売上高は、前期より7億98百万円減少し、427億74百万円(前期比98.2%)となりました。
製品別では、当期の3月に発売したデンタル加工機の新製品の販売が好調に推移し、工作機器は前期を上回りました。一方、従来からの主力市場であるサイン(広告・看板)市場においては、市場の成熟化に加えて大手参入により競争環境が激化しており、サイン市場向けプリンターの販売が減少したことで、製品売上高は7億74百万円減の291億22百万円(前期比97.4%)となりました。商品売上高は、UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターのインクの販売が減少し、24百万円減の136億52百万円(前期比99.8%)となりました。
地域別では、日本においては、主にサイン市場向けプリンターの減少により4億10百万円減の46億33百万円(前期比91.9%)となりました。北米においては、デンタル加工機の新製品の販売が順調に進み3億36百万円増の122億67百万円(前期比102.8%)となりました。欧州においては、サイン市場向けプリンターが低調でしたが、デンタル加工機の販売が好調だったことに加え、ユーロに対する円安の効果もあり、3億24百万円増の162億3百万円(前期比102.0%)となりました。アジアでは、デンタル加工機の販売が好調でしたが、サイン市場向けプリンターの販売が低迷したため、1億63百万円減の35億17百万円(前期比95.6%)となりました。その他地域では、サイン市場向けプリンターの販売が減少したことで8億85百万円減の61億53百万円(前期比87.4%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前期を下回る結果となりました。
[売上原価、販売費及び一般管理費]
当連結会計年度の売上原価は、5億45百万円減少し、236億80百万円(前期比97.7%)となりました。売上原価率は、前連結会計年度の55.6%に対し、当連結会計年度は55.4%と0.2ポイント低下しました。また、販売費及び一般管理費は、人件費が3億73百万円減の81億27百万円(前期比95.6%)と減少したこと等から、6億49百万円減の148億44百万円(前期比95.8%)となりました。
③財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1億40百万円増加し、367億10百万円(前期比100.4%)となりました。
流動資産は8億14百万円増加し、271億85百万円(前期比103.1%)、固定資産は6億73百万円減少し、95億25百万円(前期比93.4%)となりました。流動資産では、商品及び製品が2億42百万円減少した一方で、現金及び預金が14億
3百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債は、15億20百万円減少し、125億28百万円(前期比89.2%)となりました。流動負債は12億6百万円減少し、71億38百万円(前期比85.5%)、固定負債は3億13百万円減少し、53億90百万円(前期比94.5%)となりました。固定負債では、退職給付に係る負債が2億16百万円増加した一方で、長期借入金が返済により14億40百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産は、16億60百万円増加し、241億82百万円(前期比107.4%)となりました。当期の業績等に伴う増加で、利益剰余金が21億22百万円増加し、一方で為替換算調整勘定は、円高等で4億58百万円減少いたしました。
④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より19億円増加して43億47百万円の収入となりました。
前連結会計年度は税金等調整前当期純利益が23億59百万円となりました。また、減価償却費を11億50百万円計上し、売上債権が5億15百万円減少しました。一方で、和解金の支払額が13億41百万円あり、以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローは24億46百万円の収入となりました。
当連結会計年度は税金等調整前当期純利益が増加し、38億61百万円となりました。また、減価償却費を11億26百万円計上し、仕入債務が1億18百万円増加しました。一方で、売上債権が5億66百万円増加し、法人税等の支払額が5億8百万円あり、以上の結果、営業キャッシュ・フローは43億47百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より71百万円支出額が減少し、7億55百万円の支出となりました。
前連結会計年度は有形固定資産の取得5億47百万円や無形固定資産の取得3億56百万円が主な支出となりました。
当連結会計年度も有形固定資産の取得5億8百万円や無形固定資産の取得2億70百万円が主な支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ3億33百万円の支出額の増加となり、当連結会計年度は23億39百万円の支出となりました。
前連結会計年度は長期借入金の返済14億40百万円や当社の配当金の支払額6億98百万円が主な支出となりました。
当連結会計年度は短期借入金の減少1億36百万円、長期借入金の返済14億40百万円や当社の配当金の支払額7億59百万円が主な支出となりました。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料等の購入、製造費用、商品等の仕入・調達費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、設備投資や新製品等の研究開発投資等であります。
運転資金需要及び投資資金需要の財源につきましては、現在保有する現預金に加え、営業キャッシュ・フローを源泉として資金を充当することを基本としておりますが、必要に応じて、金融機関からの借入、資本市場からの調達を行うことがあります。
資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末時点で現預金を111億70百万円保有し、月次連結売上高の3.1ヶ月相当の流動性を確保しております。また、コミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。