四半期報告書-第40期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2020年1月1日~2020年9月30日)における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により極めて厳しい状況となりましたが、段階的に経済活動の再開が進み、持ち直しの動きが見られました。しかしながら新型コロナウイルスの収束時期は依然として不透明で、予断を許さない状況が続いております。
当社グループでは、当期を最終年度とする中期経営計画に取り組んでおります。新たな成長ステージに向けた転換期として、「成長分野の拡大」、「サイン市場向けプリンターの下げ止め」、「収益性の改善」を重点課題に設定し、事業ポートフォリオの転換と事業運営力の強化に注力しております。
当第3四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い事業活動が制限されたため、代替方法としてSNSやウェブサイト、ウェビナーを通じた情報発信や、AR(拡張現実)技術を用いたリモートによるサービスサポート等、オンラインの活用に取り組みました。各国でロックダウンや緊急事態宣言解除後は、オンラインを活用したセールスプロモーション、サービスサポートの強化に努めました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、サイン市場向けプリンター及びインク、並びにデンタル加工機の販売が減少したことに加えて、為替の円高によるマイナス影響があったことで、売上高は前年同期比16.5%減の249億62百万円となりました。売上原価率は、売上高の減少と生産調整による影響で前年同期から7.7ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費は、経費抑制により人件費や広告宣伝費が減少し前年同期を下回りましたが、売上高に対する比率は前年同期から1.4ポイント上昇しました。これにより、営業損失は3億42百万円、経常損失は4億42百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億89百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における主要通貨の為替レート(2020年1月~2020年9月の平均レート)は、107.61円/米ドル(前年同期109.16円)、120.95円/ユーロ(前年同期122.69円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
| 品目 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 9,545 | 31.9 | 7,209 | 28.9 | △2,335 | △3.0 | 75.5 |
| プロッタ | 820 | 2.8 | 736 | 2.9 | △84 | 0.1 | 89.8 |
| 工作機器 | 4,027 | 13.5 | 3,183 | 12.7 | △843 | △0.8 | 79.0 |
| サプライ | 10,016 | 33.5 | 8,876 | 35.6 | △1,139 | 2.1 | 88.6 |
| その他 | 5,476 | 18.3 | 4,956 | 19.9 | △520 | 1.6 | 90.5 |
| 合計 | 29,885 | 100.0 | 24,962 | 100.0 | △4,922 | ― | 83.5 |
[プリンター]
新型コロナウイルスの影響を受け対面による営業活動に制限が掛かったものの、オンラインを活用し、販売代理店向けの新製品勉強会やサービストレーニングの実施のほか、ユーザー向けの情報発信等、対面以外のコミュニケーションを継続して行うことで、顧客基盤の維持に努めました。3月には、ノベルティ等のオリジナルグッズ製作を行う小規模工場向けに、多様な材料にオンデマンドで付加価値の高い特殊印刷を実現する小型UVプリンターVersaUV(バーサユーブイ)「LEF2-300D」を発表しました。6月には、サイン市場向けプリンターの主力製品群であるTrueVIS(トゥルービズ)シリーズのラインナップ拡充としてプリント専用モデル「VF2-640」と、表現力向上を目指してシリーズ専用インクの新色「グリーンインク」を発売しました。
サイン市場では、コロナ禍において、各種イベントが中止又は延期となり、屋内・屋外広告の出力需要が急速に減退した反面、新型コロナウイルスの感染対策ステッカーやソーシャルディスタンスの確保を促すフロアサイン等の製作の需要が拡大しました。この新たな出力需要は、当社のプリント&カット機能とオンデマンド印刷の強みが活きる用途として、販売の下支えとなりました。経済活動の再開により出力需要も回復に向かっております。リテイル市場では、経済活動の再開以降もノベルティやギフトの需要回復の動きは鈍く、リテイル市場向けUVプリンターの販売が前年同期と比べ大きく減少しております。
これらの結果、プリンターの売上高は72億9百万円(前年同期比75.5%)となりました。
[プロッタ]
低価格でオフィスや店舗で簡単にカッティングステッカーの作成が可能なカッティングマシンSTIKA(ステカ)シリーズの販売が増加しましたが、サイン市場向けの大型カッティングマシンの販売が減少し、プロッタの売上高は7億36百万円(前年同期比89.8%)となりました。
[工作機器]
3D事業を担う100%子会社のDGSHAPE株式会社は、製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、成長分野のデンタル市場ではグローバルNo.1メーカーを目指して販売地域展開とシェア拡大に取り組んでおります。新型コロナウイルスの影響を受け対面による営業活動に制限が掛かったものの、オンラインを活用し、販売代理店向けの新製品勉強会やサービストレーニングの実施のほか、ユーザー向けの情報発信等、対面以外のコミュニケーションを継続して行うことで、顧客基盤の維持に努めました。3Dものづくり市場では、顧客の設備投資需要が減退したことにより、3次元切削加工機や彫刻機の販売が減少しました。デンタル市場では、コロナ禍において歯科クリニックの営業が制限された影響で販売が大きく減少しました。ロックダウンや緊急事態宣言の解除後、感染拡大が続く地域において、感染防止のため治療人数を制限する等の対処により一部のクリニックは低稼働の状態ではあるものの、営業再開により需要も回復しつつあります。
これらの結果、工作機器の売上高は31億83百万円(前年同期比79.0%)となりました。
[サプライ]
新型コロナウイルスの影響によりイベントが中止又は延期になる等、顧客の設備稼働率が低下してインクの販売が低迷しました。経済活動の再開に伴い顧客の設備稼働率が回復し、インクの販売も回復に向かっておりますが、前年同期を下回りました。
これらの結果、サプライの売上高は88億76百万円(前年同期比88.6%)となりました。
[その他]
リモートによるサービスサポート等、顧客サポートの充実により保守・メンテナンスの販売が増加しましたが、新型コロナウイルスの影響による製品の稼働率の低下に伴いサービスパーツの販売が減少しました。
これらの結果、その他の売上高は49億56百万円(前年同期比90.5%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 3,610 | 12.1 | 3,058 | 12.2 | △552 | 0.1 | 84.7 |
| 北米 | 8,422 | 28.2 | 7,830 | 31.4 | △591 | 3.2 | 93.0 |
| 欧州 | 11,102 | 37.2 | 9,100 | 36.5 | △2,001 | △0.7 | 82.0 |
| アジア | 2,402 | 8.0 | 1,654 | 6.6 | △748 | △1.4 | 68.9 |
| その他 | 4,347 | 14.5 | 3,319 | 13.3 | △1,028 | △1.2 | 76.3 |
| 合計 | 29,885 | 100.0 | 24,962 | 100.0 | △4,922 | ― | 83.5 |
[日 本]
プリンターでは、主にサイン市場向けとリテイル市場向けプリンターの販売が減少しました。また、新型コロナウイルスの影響により各種イベントが中止となり、出力需要が急速に減退したことで、インクを中心とするサプライの売上が減少しました。工作機器では、設備投資の減退により3Dものづくり市場とデンタル市場の販売が低調に推移し、前年同期に比べ減少しました。
これらの結果、日本の売上高は30億58百万円(前年同期比84.7%)となりました。
[北 米]
工作機器では、3Dものづくり市場において3次元切削加工機の販売が低迷しました。デンタル市場においては、新型コロナウイルスの感染拡大で歯科クリニックの営業が制限された第2四半期会計期間(4月~6月)の販売が前年同期から大きく減少しました。しかしながら、2月のデンタル業界の展示会「LMT Chicago」への出展や買い替えキャンペーンをはじめとする積極的なセールスプロモーションを展開したことに加え、経済活動の再開以降もオンラインを活用した非対面の営業活動へリソースを集中した結果、当第3四半期は、デンタル加工機の販売が前年同期を上回りました。プリンターでは、サイン市場向けプリンターの主力機種であるTrueVISシリーズの販売が前年同期並みに推移しました。また、コロナ禍においてインハウスやスモールビジネスで需要が高まり、オンデマンドでオリジナルTシャツやユニフォーム製作、小ロットのステッカー製作が可能なプリント&カット機能を搭載した卓上型インクジェットプリンター「BN-20」の販売が大きく増加しました。しかしながら、サイン市場全体では顧客の出力需要が減退したため、インクの販売が減少しました。
これらの活動の結果、北米の売上高は78億30百万円(前年同期比93.0%)となりました。
[欧 州]
新型コロナウイルスの感染拡大により停滞していた経済活動が再開し、設備稼働が回復しつつあります。しかしながら、第2四半期会計期間(4~6月)における、新型コロナウイルスの影響が顕著で、売上構成比が大きいイタリアやスペインでの販売が低迷したことで、前年同期と比べ減少しました。プリンターでは、サイン市場向けプリンター及び低溶剤インクの販売が減少しました。工作機器では、設備投資意欲の減退により、3Dものづくり市場及びデンタル市場の販売が低迷しました。
これらの結果、欧州の売上高は91億円(前年同期比82.0%)となりました。
[アジア]
新型コロナウイルスの感染拡大により、2月上旬から中国を中心に、韓国、台湾、ASEAN地域の周辺地域においては大きな影響を受け、売上が減少しました。中国では、主にサイン市場向けプリンターとサービスパーツの販売が減少しました。新型コロナウイルスの影響により景気低迷が続く韓国では、サイン市場向けプリンターとデンタル加工機の販売が減少しました。ASEAN地域では、主にサービスパーツの販売が減少しました。
これらの結果、アジアの売上高は16億54百万円(前年同期比68.9%)となりました。
[その他]
オーストラリアでは、デンタル加工機とサービスパーツの販売が前年同期並みとなりましたが、サイン市場向けプリンターの販売が大きく減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大が続くブラジルを含む中南米では、経済活動の停滞から出力需要が低迷しており、プリンターとサプライの販売が減少しました。アフリカ地域では、サイン市場向けプリンターの販売が減少しました。
これらの結果、その他地域の売上高は33億19百万円(前年同期比76.3%)となりました。
②財政状態の分析
[資産の部]
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ36億2百万円減少し、348億43百万円(前連結会計年度末比90.6%)となりました。流動資産では、現金及び預金が6億15百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が8億70百万円、棚卸資産が21億79百万円それぞれ減少いたしました。固定資産では、使用権資産が1億38百万円、繰延税金資産が1億90百万円それぞれ減少したことに加え、償却等により建物及び構築物が1億29百万円、ソフトウエアが1億38百万円それぞれ減少いたしました。
[負債の部]
当第3四半期末の負債は、21億78百万円減少し、112億20百万円(前連結会計年度末比83.7%)となりました。流動負債では、支払手形及び買掛金が3億18百万円、未払法人税等が2億55百万円、未払金等のその他が3億95百万円それぞれ減少いたしました。固定負債では、長期借入金が10億80百万円減少いたしました。
[純資産の部]
当第3四半期末の純資産は、14億23百万円減少し、236億23百万円(前連結会計年度末比94.3%)となりました。前連結会計年度末に対し、当期の業績等により利益剰余金が11億6百万円、円高の影響等により為替換算調整勘定が2億94百万円それぞれ減少いたしました。
③新型コロナウイルスの感染拡大に関する現況
当社グループでは、新型コロナウイルスの感染拡大による業績への影響を最小限に留めるべく、以下の対策を実施してまいります。
・販管費を中心とした経費削減
・役員賞与をカット
・事業環境の急変時の資金需要に備え、コミットメントラインを追加
・需要動向に合わせた生産調整を実施
また、事態が長期化又は深刻化した場合においても、取引先や従業員等のステークホルダーの安全を最優先としたうえで、事業活動を継続できるよう努めてまいります。
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2,284百万円であります。
(4)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当社はセル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は比較的変動いたします。当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により生産実績及び販売実績が減少しております。なお、当第3四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。
生産実績
| 品目 | 当第3四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| プリンター | 4,628,711 | 58.0 |
| プロッタ | 482,169 | 73.4 |
| 工作機器 | 1,357,833 | 81.0 |
| サプライ | 3,006,255 | 73.9 |
| 合計 | 9,474,970 | 65.9 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格によっております。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。