四半期報告書-第39期第2四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年6月30日)におけるわが国経済は、輸出や生産の弱さが続いているものの、雇用や所得環境の改善が続き、緩やかに回復しました。一方、海外においては、米中の貿易摩擦問題による世界経済への影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループでは、2016年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し取り組んでおりますが、業績が当初の計画から大きくかい離する見通しとなったため、最終年度の業績計画や取り組み内容を見直し、2018年8月8日に「中期経営計画(2016年度~2020年度)の見直しに関するお知らせ」を公表いたしました。具体的には、最終年度までを新たな成長ステージに向けた転換期と位置付け、事業ポートフォリオの転換と事業運営力の強化に注力し、「成長分野の拡大」、「サイン市場向けプリンターの下げ止め」、「収益性の改善」を重点課題として取り組んでおります。なかでも「成長分野の拡大」においては、注力分野を見直して「DP(デジタルプリンティング)事業」、「COTO(コト)事業」、「DGSHAPE(ディージーシェイプ)事業」の3事業へと再設定し、事業運営を開始しました。注力分野と経営資源の配分をより一層明確にし、市場の変化を的確に捉えた迅速な意思決定によりスピード感あふれる事業運営で、成長分野の拡大と新たな市場の創造に取り組んでおります。
当第2四半期は、成長分野と位置付けているデンタル(歯科医療)市場とリテイル(小売業)市場の拡大に注力しました。デンタル市場では、歯科技工所に加えて歯科医院もターゲットに入れ、グローバル No.1メーカーを目指して販売代理店の拡充やCAD/CAMソフトウェアベンダーとの協業によるソリューション提案等、地域展開の加速とシェア拡大に向けた活動に取り組みました。リテイル市場では、小規模工場でのノベルティやオリジナルグッズ製作用途に加え、小売店の店頭でスマートフォンケースや家電製品等へ加飾するサービス用途に向けて、UVプリンターの提案を進めております。個々人の興味や関心、イベントに合わせて商品を最適化するパーソナライズへのニーズにフォーカスするCOTO事業では、小売業に向けて店頭でのパーソナライズグッズ製作や加飾サービスの提案活動に注力しました。また、市販車両を用いてUVプリンター等の当社デジタルツールを載せ、どこでもオリジナルグッズ製作サービスを提供できるクルマCOTOVAN(コトバン)を製作しました。このCOTOVANで日本各地の小売店舗やイベントに赴き、店舗の店頭やイベント会場でお客様自身が作成したデザインがカタチになる楽しさや喜びを体験していただく等、COTO事業の市場開発を目的とした活動を強化いたしました。コンパクトサイズでオンデマンドに製作できる当社の製品ラインナップの強みを活かし、商品に付加価値を与え、お客様に魅力的な購買体験を提供する新しいビジネスを提案してまいります。
一方、これまでの主力市場であるサイン市場では、競争が厳しい成熟した状況に対応するため、最新技術により表現力と信頼性を高めた新製品を投入しました。加えて、新たなデジタルプリンティング市場を開拓するため、地域パートナーとの協業(Co-Creation)によりサインの周辺市場の開拓に繋がる製品開発に取り組みました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、主にサイン市場向けを中心としたプリンターの売上が減少し、売上高は前年同期比4.8%減の199億58百万円となりました。売上原価率は前年同期並みとなり、販売費及び一般管理費は、主に人件費が減少したことで前年同期を下回りました。これにより、営業利益は前年同期比12.0%減の15億67百万円となり、経常利益は前年同期比8.9%減の14億83百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等調整額の減少や、前年同期にソフトウェア資産の除却等の固定資産除売却損による特別損失を計上したことにより、前年同期比2.6%増の10億70百万円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間における主要通貨の為替レート(2019年1月~2019年6月の平均レート)は、110.06円/米ドル(前年同期108.69円)、124.35円/ユーロ(前年同期131.67円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
| 品目 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 7,061 | 33.7 | 6,388 | 32.0 | △673 | △1.7 | 90.5 |
| プロッタ | 684 | 3.2 | 558 | 2.8 | △125 | △0.5 | 81.6 |
| 工作機器 | 2,657 | 12.7 | 2,645 | 13.3 | △11 | 0.6 | 99.6 |
| サプライ | 6,802 | 32.4 | 6,694 | 33.5 | △107 | 1.1 | 98.4 |
| その他 | 3,768 | 18.0 | 3,671 | 18.4 | △96 | 0.4 | 97.4 |
| 合計 | 20,973 | 100.0 | 19,958 | 100.0 | △1,014 | ― | 95.2 |
[プリンター]
サイン市場では、市場の成熟化に加えて大手メーカーの参入により競争が激化している状況に対応すべく、製品競争力を強化して同市場での顧客の維持に努める一方、地域パートナーとの協業(Co-Creation)により特定用途のニーズを満たす製品を開発し、新たなデジタルプリンティング市場の開拓に取り組んでおります。今年3月には、新色のオレンジを含む新開発のTR2インクを採用したサイン市場向け低溶剤プリンターTrueVIS(トゥルービズ)「VG2シリーズ」を発表しました。広い色域による滑らかな階調表現や、優れた色再現性、進化したプリント&カット機能等の特長が高く評価され、4月には米国最大規模のサイングラフィックス業界の展示会ISA International Sign Expoで「イノベーションアワード」をプリンター部門で受賞し、さらに5月には欧州のデジタル印刷業界で最も権威ある「EDPアワード」を受賞しました。当社史上最高の表現力を実現したVG2シリーズで、サイン市場の活性化と既存顧客の買い替え需要の喚起を図ってまいります。
リテイル市場では、小規模工場でのノベルティやオリジナルグッズ製作用途や、小売店の店頭でスマートフォンケースや家電製品等へ加飾するサービス用途に向けて、UVプリンター等の提案を進めております。今年3月には、小型UVプリンターVersaUV(バーサユーブイ)「LEF2-200」を発表しました。多様な材料にオンデマンドで付加価値の高い特殊印刷を実現することに加え、操作性や信頼性を高める機能を搭載し、小規模工場でノベルティ等のオリジナルグッズ製作を行う顧客のビジネスに貢献します。
また、今年1月には当社初のガーメントプリンターVersaSTUDIO(バーサスタジオ)「BT-12」を発表しました。A4サイズの卓上型プリンターで、Tシャツやポロシャツ、トートバッグ等の綿素材へ写真やイラストを直接印刷してオリジナルグッズが製作できます。昨年12月に発表したソフトウェア「cotodesign(コトデザイン)」と接続することで、小売店舗におけるデザインデータの作成・注文から商品への印刷、販売までのオペレーションをトータルにサポートします。これにより、ショッピングモールやキオスク、アパレルショップといった商業施設でも、手軽に店頭でのオリジナルプリントサービスが導入いただけます。お客様へ新たなサービスを提供したい、他店との差別化を図りたい、とお考えの小売店舗へ最適なソリューションとして提案してまいります。
これらの結果、当第2四半期は新製品の投入や用途拡大、市場開拓に取り組みましたが、看板・ディスプレイ製作用途の低溶剤プリンターに加え、パネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応するUVプリンター等のサイン市場向けプリンターの販売が減少し、プリンターの売上高は63億88百万円(前年同期比90.5%)となりました。
[プロッタ]
サイン市場向けの大型カッティングマシンの販売が減少し、プロッタの売上高は5億58百万円(前年同期比81.6%)となりました。
[工作機器]
3D事業を担うDGSHAPE株式会社は、製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、成長分野のデンタル市場ではグローバル No.1 メーカーを目指して地域展開とシェア拡大に取り組んでおります。デンタル市場では、今年3月にドイツで開催された世界最大のデンタル展示会「IDS2019」をはじめとする世界各地の主要展示会に積極的に出展する等、セールスプロモーション活動に注力しました。一部地域では展示会を前にした買い控えや、前年同期に主力機種の新製品を発売した効果があったことにより、販売の伸び悩みがあったものの、新規販売網の開拓等の成果により販売が増加する地域も見られました。
3Dものづくり市場では、今年1月にDGSHAPE株式会社として初の小型彫刻機「DE-3」を発表しました。既存モデルの基本構造をベースに、インターフェース、ソフトウェアを見直し、新規導入の顧客にもすぐに使えるユーザビリティを実現しました。ネームプレート等の銘板や工業製品の操作パネルの製作、ノベルティグッズの名入れ等、多様な彫刻ニーズに対応しております。既存顧客の買い替え需要はもとより、彫刻のニーズがある全ての業界に向けて提案してまいります。
これらの結果、為替の円高の影響もあり、工作機器の売上高は前年同期並みの26億45百万円(前年同期比99.6%)となりました。
[サプライ]
サイン市場向けプリンターのインクの販売が前年同期を下回ったものの、UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクの販売が増加しました。しかしながら、為替の円高の影響もあり、サプライの売上高は66億94百万円(前年同期比98.4%)と前年同期を下回りました。
[その他]
保守やサービスパーツ等、その他の売上高は、為替の円高の影響もあり、36億71百万円(前年同期比97.4%)と前年同期を下回りました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 2,165 | 10.3 | 2,271 | 11.4 | 106 | 1.1 | 104.9 |
| 北米 | 5,839 | 27.8 | 5,487 | 27.5 | △352 | △0.4 | 94.0 |
| 欧州 | 8,284 | 39.5 | 7,701 | 38.6 | △582 | △0.9 | 93.0 |
| アジア | 1,610 | 7.7 | 1,628 | 8.1 | 17 | 0.5 | 101.1 |
| その他 | 3,074 | 14.7 | 2,870 | 14.4 | △203 | △0.3 | 93.4 |
| 合計 | 20,973 | 100.0 | 19,958 | 100.0 | △1,014 | ― | 95.2 |
[日 本]
工作機器では、デンタル市場において、オートチェンジャー機能を搭載したデンタル加工機「DWX-52DCi」の販売が好調に推移したものの、前年同期は主力製品の新製品を投入した効果があったことから前年同期を下回りました。プリンターでは、サイン市場向けプリンターの新製品「VG2シリーズ」が順調に販売を伸ばしたことに加え、パッケージ試作用途において印刷幅30インチから54インチのUVプリンターの販売が増加したことで前年同期を上回りました。
これらの結果、日本の売上高は22億71百万円(前年同期比104.9%)となりました。
[北 米]
プリンターでは、サイン市場向けプリンターが前年同期を上回りましたが、主に高い生産性が特長である「LEF-300」を中心にリテイル市場向けUVプリンターの販売が減少しました。また、パネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応するサイン市場向けUVプリンターの販売が減少しました。工作機器では、デンタル市場において、今年3月にドイツで開催された世界最大のデンタル展示会「IDS2019」を前にした買い控え等の影響により、前年同期を下回りました。
これらの結果、北米の売上高は54億87百万円(前年同期比94.0%)となりました。
[欧 州]
工作機器では、デンタル市場において、今年3月に開催された世界最大のデンタル展示会「IDS2019」の開催を前に商談の停滞や買い控えが見られましたが、これまで開拓した新規販売代理店の販売が増加したことにより前年同期を上回りました。プリンターにおいては、サイン市場向けプリンターの新製品「VG2シリーズ」の販売が順調に進んだものの、既存機種の販売が低調でした。また、パネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応するサイン市場向けUVプリンターの販売が減少しました。
これらの結果、ユーロに対する円高の影響もあり、欧州の売上高は77億1百万円(前年同期比93.0%)となりました。
[アジア]
中国では、サイン市場向けプリンターの販売が減少しました。韓国とASEAN地域では、サイン市場向けプリンターとデンタル加工機の販売が増加しました。
これらの結果、アジアの売上高は16億28百万円(前年同期比101.1%)となりました。
[その他]
オーストラリアでは、サイン市場向けプリンターの販売は堅調に推移しましたが、デンタル加工機の販売が減少しました。ブラジルを含む南米地域では、サイン市場向けプリンターの販売が減少しました。
これらの結果、その他地域の売上高は28億70百万円(前年同期比93.4%)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ5億68百万円増加し、372億79百万円(前連結会計年度末比101.5%)となりました。流動資産では、受取手形及び売掛金が3億52百万円、未収入金等のその他が5億68百万円それぞれ減少した一方で、棚卸資産が8億60百万円増加いたしました。固定資産では、償却等によりソフトウエアが1億13百万円減少した一方で、IFRS第16号を適用したことにより使用権資産が6億88百万円増加いたしました。
当第2四半期末の負債は、4億30百万円増加し、129億58百万円(前連結会計年度末比103.4%)となりました。流動負債では、賞与引当金が支払による取り崩しにより1億47百万円減少しました。一方で、1年内返済予定の長期借入金が3億60百万円、未払法人税等が1億98百万円それぞれ増加したことに加え、IFRS第16号を適用したことによりリース債務が2億95百万円増加いたしました。固定負債では、長期借入金が返済等により7億20百万円減少した一方で、IFRS第16号を適用したことにより長期リース債務が4億9百万円増加いたしました。
当第2四半期末の純資産は、1億38百万円増加し、243億20百万円(前連結会計年度末比100.6%)となりました。前連結会計年度末に対し、当期の業績等により利益剰余金が4億87百万円、自己株式の取得等により自己株式が1億68百万円増加した一方で、円高の影響等により為替換算調整勘定が2億7百万円の減少となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
四半期連結キャッシュ・フロー計算書の要約
| 科目 | 前第2四半期連結累計期間 (百万円) | 当第2四半期連結累計期間 (百万円) | 増減 (百万円) |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,567 | 1,843 | △724 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △366 | △518 | △152 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,293 | △1,264 | 29 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 162 | 67 | △94 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 1,070 | 128 | △941 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 40 | - | △40 |
| 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 10,859 | 11,297 | 438 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、18億43百万円の収入となり、前年同期と比べ7億24百万円の減少となりました。主な増加要因としましては、IFRS第16号を適用したことにより減価償却費が増加したことや、売上債権が減少したこと等によります。主な減少要因としましては、たな卸資産が増加したこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期が3億66百万円の支出であったのに対し、当第2四半期連結累計期間は5億18百万円の支出となり、前年同期と比べ1億52百万円の支出額の増加となりました。有形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期が12億93百万円の支出であったのに対し、当第2四半期連結累計期間は12億64百万円の支出となり、前年同期と比べ29百万円の支出額の減少となりました。主な増加要因としましては、IFRS第16号を適用したことによりリース債務の返済による支出が増加したことや、自己株式の取得による支出が増加したこと等によります。主な減少要因としましては、長期借入金の返済による支出が減少したこと等によります。
(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は17億71百万円であります。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当社はセル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産は比較的変動いたします。因みに当第2四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
| 品目 | 当第2四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| プリンター | 4,466,641 | 93.5 |
| プロッタ | 426,449 | 83.3 |
| 工作機器 | 1,102,732 | 85.8 |
| サプライ | 2,640,786 | 116.3 |
| 合計 | 8,636,610 | 97.7 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格によっております。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。