四半期報告書-第42期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第1四半期累計期間(2022年1月1日~2022年3月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症変異株の再拡大、半導体等の部品不足、エネルギー価格の高騰等の影響により成長鈍化を見せながらも、感染対策と経済活動の両立が進みました。一方、ロシアのウクライナ侵攻により先行きの不透明感が強まり、予断を許さない状況が続きました。
このような経営環境下、当社グループでは、「筋肉質な企業体質への変革」と「事業ポートフォリオの転換」を基本戦略にした3ヶ年の中期経営計画(2021年~2023年)に取り組んでおります。初年度である2021年度は、主に構造改革に取り組み、「筋肉質な企業体質への変革」に向けて大きく前進いたしました。事業面では、新型コロナウイルス感染症の影響により変化した市場ニーズを取り込むことができました。その結果、中期経営計画の最終年度となる2023年度の業績目標である連結営業利益を2年前倒しで達成したことから、連結業績目標を再設定しました。あわせて、「既存事業」のなかでも今後の成長を見込める市場や新たに成長可能性が見えてきた分野があることから、これら分野に積極的に経営資源を配分していくことを目的に、戦略区分を「Visual Communication(ビジュアルコミュニケーション)」「Digital Fabrication(デジタルファブリケーション)」「Dental(デンタル)」「Service, Software & Others(サービス・ソフトウェア&その他)」の4つに見直しました。製品別ではなくビジネス分野毎に区分することで、各分野の動向を“見える化”するとともに、当社の「成長領域」と「安定領域」を明確化します。また、当期より売上高の開示区分につきましても、新区分に変更いたします。
戦略区分
| 区分名称 | 用途・主要製品群 | 戦略の概要 |
| Visual Communication (VC) ビジュアルコミュニケ―ション ![]() | 広告看板やディスプレイ装飾物製作用大判インクジェットプリンター及びインク | 広告看板製作分野は成熟傾向にあるものの、屋内外装飾、店舗内装など消費者への視覚的訴求(=Visual Communication)ニーズは拡大しており、インク種類の多様化によるソリューション拡充で対象用途を広げるとともに、顧客基盤の維持拡大を目指します。 |
| Digital Fabrication (DF) デジタルファブリケーション ![]() | オンデマンドでパーソナライズ、カスタマイズを実現する製品群 | 当社製品のコンセプトである「多品種少量、小型コンパクト、オンデマンド、簡単操作、高品位」が活きる分野。パーソナライズ需要やニッチなニーズに応えるためのカスタマイズ需要など多品種少量をオンデマンド生産するためのプリンターやカッティングマシン、3Dものづくり製品群を小規模事業者(スモールビジネス)やインターネット通販事業者、小売事業者等に向けて提供します。これにより、新たな用途・市場を創出します。 |
| Dental デンタル ![]() | 歯科補綴物(歯のかぶせもの・詰めもの)製作用デンタル加工機 | 2010年のデンタル加工機の発売以来、欧米や日本など先進国を中心に市場の拡大を推進してまいりました。今後においても、ASEANや中南米、東ヨーロッパ、中東、アフリカなどの「新興国地域」では歯科補綴物製作のワークフローのデジタル化進展が見込まれます。さらには歯科技工所のみならず歯科クリニック(歯科医院)への展開も視野に入れ、先進国・新興国を問わず当社のビジネスの柱として育成してまいります。 |
| Service, Software & Others(SSO) サービス・ソフトウェア&その他 ![]() | サービスパーツ及び保守費用、コネクテッドサービス関連 | サービスパーツの供給及び保守サービスの提供に加えて、ソフトウエアによるコネクテッド関連サービスの提供によりSaaSビジネスの確立を目指します。 |
当第1四半期は、需要面では感染症の感染予防と経済活動の両立に向けて展示会やイベントのリアル開催と人数制限等の規制緩和が進んだことから、設備投資需要と出力需要が高い水準で推移しました。一方で、供給面においては、半導体を中心とする電子部品等の供給不足や海上輸送の長納期化が続いておりますが、フレキシブルに生産計画を見直すなどの生産調整を実施し、業績への影響を最小限に留めました。しかしながら、一部機種では引き続き受注残を抱えております。また、ウクライナ情勢を受けて、ロシアの連結子会社の事業を停止するとともに、ロシア向けの製商品の出荷を停止しております。ロシア及び周辺地域の売上高は、総売上高に占める比率が小さいことから、事業停止に伴う業績への直接的な影響は軽微であります。
これらの結果、当第1四半期の経営成績は、売上高は前年同期比9.9%増の113億16百万円となりました。売上原価率は、部品価格や海上輸送費の高騰など悪化要因があったものの、タイへの生産拠点の集約効果により前年同期に比べて0.9ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、広告宣伝費や人件費が増加したことで前年同期を上回りましたが、売上高に対する比率は前年同期から0.5ポイント低下しました。これにより、営業利益は前年同期比25.4%増の12億93百万円、経常利益は前年同期比32.4%増の14億67百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億25百万円(前年同期は早期希望退職者の募集に伴う費用を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失2億15百万円)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
当第1四半期連結会計年度における主要通貨の為替レート(2022年1月~2022年3月の平均レート)は、116.20円/米ドル(前年同期105.91円)、130.43円/ユーロ(前年同期127.72円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。
当期より従来の品目別売上高の開示区分を、下記の通り新区分の市場別と品目別へ変更いたします。前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後の市場別売上高及び品目別売上高に組み替えた数値で比較しております。なお、地域別売上高の開示区分に変更はありません。
⦅新区分⦆市場別売上高
| 市場 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| Visual Communication | 4,680 | 45.5 | 5,186 | 45.8 | 505 | 0.3 | 110.8 |
| Digital Fabrication | 2,198 | 21.3 | 2,509 | 22.2 | 311 | 0.9 | 114.2 |
| Dental | 1,373 | 13.3 | 1,529 | 13.5 | 156 | 0.2 | 111.4 |
| Service, Software & Others | 2,046 | 19.9 | 2,090 | 18.5 | 43 | △1.4 | 102.1 |
| 合計 | 10,298 | 100.0 | 11,316 | 100.0 | 1,018 | - | 109.9 |
⦅新区分⦆品目別売上高
| 品目 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| ハードウエア | 5,063 | 49.2 | 5,843 | 51.6 | 780 | 2.4 | 115.4 |
| サプライ | 3,247 | 31.5 | 3,485 | 30.8 | 238 | △0.7 | 107.3 |
| サービスパーツ・その他 | 1,987 | 19.3 | 1,987 | 17.6 | 0 | △1.7 | 100.0 |
| 合計 | 10,298 | 100.0 | 11,316 | 100.0 | 1,018 | - | 109.9 |
[Visual Communication(VC)]
VCでは、インクの多様化とソリューション拡充により新市場の開拓と顧客基盤の強化及び維持拡大を目指しており、従来の低溶剤プリンター(VC-Solvent:ブイシーソルベント)及びその他プリンター(VC-Other:ブイシーアザー)で構成されています。当第1四半期は、VC-Solvent では、低溶剤プリンター及びインクの販売が前年同期を上回りました。また、3月にはサイン(広告・看板)製作用途向けでVC-Solventの主力機種である「TrueVIS(トゥルービズ)シリーズ」の最新モデルを投入しました。新プラットフォームを採用し、最高画質のプリントを追究するとともに、今後の製品開発の効率化と開発コストの削減を目指します。VC-Otherでは、UVプリンターLEC2シリーズ及びUVインクの販売が売上に貢献しました。これらの結果、VCの売上高は51億86百万円(前年同期比110.8%)と前年同期を上回りました。
[Digital Fabrication(DF)]
DFでは、近年急拡大する1人ひとりの顧客ニーズに合わせたパーソナライズ需要や、ニッチなニーズに応えるためのカスタマイズ需要などに対応する製品群を、小規模事業者やインターネット通販事業者、小売事業者などに向けて提案することで、新たな市場・用途の創出を目指しております。当第1四半期は、卓上型の低溶剤インクジェットプリンター「BN-20/20A」の販売が好調に進みました。また、カスタマイズ用途として欧州を中心に展開してきたCo-Creation製品のUVプリンター「LEC2 Sシリーズ」を北米やアジアなどへの横展開を進めました。これらの結果、DFの売上高は25億9百万円(前年同期比114.2%)と前年同期を上回りました。
[Dental]
従来、品目別区分の「工作機器」に含まれていたデンタル市場向けの販売を独立して区分いたします。Dentalでは、先進国においては安全かつ迅速な治療の提供に向けて、歯科技工の内製化ニーズが高まったことから、歯科技工所及び院内ラボを有する歯科クリニックにおいてウェット式のデンタル加工機「DWX-42W」の導入が進みました。新興国においては、歯科補綴物製作のワークフローのデジタル化の機運を背景に2021年に新興国モデル「DWX-52Di」を発売し、中東、ASEAN、中南米において販売が進みました。これらの結果、Dentalの売上高は15億29百万円(前年同期比111.4%)と前年同期を上回りました。
[Service, Software & Others(SSO)]
サービスパーツの販売が前年同期を下回りましたが、その他保守費用等が増加したことから、SSOの売上高は20億90百万円(前年同期比102.1%)となりました。
(ご参考)
以下の前年同期比較につきましては、当第1四半期連結累計期間の数値を旧区分の品目別売上高に組み替えた数値で比較しております。
⦅旧区分⦆品目別売上高
| 品目 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減額(百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比(%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 3,232 | 31.4 | 3,840 | 33.9 | 608 | 2.5 | 118.8 |
| プロッタ | 336 | 3.3 | 305 | 2.7 | △30 | △0.6 | 90.8 |
| 工作機器 | 1,494 | 14.5 | 1,697 | 15.0 | 203 | 0.5 | 113.6 |
| サプライ | 3,247 | 31.5 | 3,485 | 30.8 | 238 | △0.7 | 107.3 |
| その他 | 1,987 | 19.3 | 1,987 | 17.6 | 0 | △1.7 | 100.0 |
| 合計 | 10,298 | 100.0 | 11,316 | 100.0 | 1,018 | - | 109.9 |
地域別売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 1,167 | 11.4 | 1,347 | 11.9 | 180 | 0.5 | 115.4 |
| 北米 | 3,103 | 30.1 | 3,859 | 34.1 | 756 | 4.0 | 124.4 |
| 欧州 | 3,739 | 36.3 | 3,880 | 34.3 | 141 | △2.0 | 103.8 |
| アジア | 723 | 7.0 | 772 | 6.8 | 49 | △0.2 | 106.8 |
| その他 | 1,564 | 15.2 | 1,455 | 12.9 | △109 | △2.3 | 93.0 |
| 合計 | 10,298 | 100.0 | 11,316 | 100.0 | 1,018 | - | 109.9 |
[日 本]
新型コロナウイルス感染症変異株の再拡大により、まん延防止等重点措置が実施されるなど経済活動の制限がありましたが、DFでは、3次元工作機器MDXシリーズ及び卓上型UVプリンターの販売が増加しました。また、VCでは、各種イベント向けに出力需要が回復し、サイン市場向け低溶剤プリンターの販売が増加しました。これらの結果、日本の売上高は13億47百万円(前年同期比115.4%)となりました。
[北 米]
新型コロナウイルス感染症変異株の再拡大の影響を受けたものの、経済活動の再開による設備投資需要が急速に回復しています。当第1四半期は、DFではEC市場の成長を背景に、卓上型の低溶剤インクジェットプリンター「BN-20/20A」の販売が大幅に増加しました。Dentalでは、高生産モデル「DWX-52DCi」を中心に販売が増加しました。これらの結果、為替の円安効果もあり、北米の売上高は38億59百万円(前年同期比124.4%)と好調に推移しました。
[欧 州]
新型コロナウイルス感染症変異株の再拡大の影響を受けたものの、経済活動の正常化に向けて設備投資需要が堅調に推移しました。VCでは、サイン市場向けの低溶剤プリンターは前年同期並みとなりましたが、DFでは、外部パートナーとの協業によるCo-Creationモデルのフラットベッド型のUVプリンター「LEC2 Sシリーズ」の販売が増加しました。Dentalでは、イタリア、スペイン、イギリスを中心に販売が増加しました。これらの結果、為替の円安効果もあり、欧州の売上高は38億80百万円(前年同期比103.8%)となりました。
[アジア]
中国では販売が伸び悩みましたが、デンタル市場のデジタル化が進むインドでは、販売チャネルの開拓が奏功し、デンタル加工機の販売が大きく増加しました。これらの結果、アジアの売上高は7億72百万円(前年同期比106.8%)となりました。
[その他]
ブラジルを含む中南米地域の販売が前年同期を上回りましたが、オーストラリアでは、デンタル加工機の販売が増加したものの、サイン市場向け低溶剤プリンターの販売が減少しました。これらの結果、その他の売上高は14億55百万円(前年同期比93.0%)となりました。
②財政状態の分析
[資産の部]
当第1四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2億62百万円減少し、427億6百万円(前連結会計年度末比99.4%)となりました。流動資産では、現金及び預金が23億13百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が9億44百万円、棚卸資産が8億92百万円それぞれ増加いたしました。固定資産では、タイ子会社の工場の増築が完了したこと等により、建設仮勘定が2億13百万円減少した一方で、建物及び構築物が3億51百万円増加いたしました。
[負債の部]
当第1四半期末の負債は、11億39百万円減少し、130億32百万円(前連結会計年度末比92.0%)となりました。流動負債では、早期希望退職の実施に伴う特別退職金の支払い等により未払金が9億35百万円減少したことに加え、未払法人税等が11億53百万円減少した一方で、賞与引当金が2億80百万円、預り金等のその他が5億99百万円それぞれ増加いたしました。固定負債では、特に大きな変動はありませんでした。
[純資産の部]
当第1四半期末の純資産は、8億77百万円増加し、296億74百万円(前連結会計年度末比103.0%)となりました。前連結会計年度末に対し、配当の支払による減少があったものの、当期の業績により利益剰余金が1億65百万円増加したことに加え、円安の影響等により為替換算調整勘定が7億13百万円増加いたしました。
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は、主に当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は785百万円であります。
(4)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、早期希望退職を実施したことなどにより、当社グループの従業員数は前連結会計年度末に比べ71名減少し、1,071名となりました。
(5)生産、受注及び販売の実績
当社は、セル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は比較的変動いたします。当第1四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
| 品目 | 当第1四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| Visual Communication | 3,065,440 | 85.5 |
| Digital Fabrication | 1,419,143 | 95.8 |
| Dental | 483,575 | 117.6 |
| Service, Software & Others | - | - |
| 合計 | 4,968,158 | 90.7 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格によっております。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であったタイ子会社の工場の増築は、2022年1月に完了いたしました。



