四半期報告書-第43期第3四半期(2023/07/01-2023/09/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当社グループでは、「筋肉質な企業体質への変革」と「事業ポートフォリオの転換」を基本戦略にした3ヶ年の中期経営計画(2021年~2023年)を策定し、従来のサイン(広告・看板)市場向けの低溶剤プリンターに依存するビジネスモデルからの変革に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)は、事業ポートフォリオの転換の完遂を目指すべく、積極的な新製品投入とグローバルなプロモーション活動を展開してまいりました。需要面ではウィズコロナへの移行にともない経済活動の正常化が進み、設備投資需要や出力需要が堅調に推移しました。供給面では、年初から第2四半期にかけて部材の一部で調達難な状況が続いたためフレキシブルに生産計画を見直したほか、代替部品の採用などの対策を講じ、生産・供給への影響の低減に努めましたが、受注残が増加しました。第3四半期以降は、部材調達難の状況が改善したことから増産体制を整備し、受注残の解消を進めました。
これらの結果、当第3四半期の経営成績は、売上高は前年同期比7.2%増の396億14百万円となりました。売上原価率は、海上輸送費が前年同期に比べて減少したこと、また、前期に実施した販売価格の見直しにより、前年同期に比べて1.3ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、積極的なプロモーション活動を展開したことなどにより、人件費や広告宣伝費、旅費交通費、運搬保管料などが増加し、前年同期を上回りました。これにより、営業利益は前年同期比7.2%減の40億2百万円、経常利益は前年同期比4.0%減の42億55百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比2.2%増の30億82百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における主要通貨の為替レート(2023年1月~2023年9月の平均レート)は、138.11円/米ドル(前年同期128.06円)、149.67円/ユーロ(前年同期136.00円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。
市場別売上高
| 市場 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (ポイント) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| Visual Communication | 17,324 | 46.9 | 19,905 | 50.3 | 2,580 | 3.4 | 114.9 |
| Digital Fabrication | 8,036 | 21.8 | 7,930 | 20.0 | △ 105 | △ 1.8 | 98.7 |
| Dental | 5,030 | 13.6 | 5,086 | 12.8 | 55 | △ 0.8 | 101.1 |
| Service, Software & Others | 6,548 | 17.7 | 6,692 | 16.9 | 143 | △ 0.8 | 102.2 |
| 合計 | 36,939 | 100.0 | 39,614 | 100.0 | 2,674 | - | 107.2 |
品目別売上高
| 品目 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (ポイント) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| ハードウエア | 18,454 | 50.0 | 19,322 | 48.8 | 867 | △ 1.2 | 104.7 |
| サプライ | 12,150 | 32.9 | 13,842 | 34.9 | 1,692 | 2.0 | 113.9 |
| サービスパーツ・その他 | 6,335 | 17.1 | 6,450 | 16.3 | 115 | △ 0.8 | 101.8 |
| 合計 | 36,939 | 100.0 | 39,614 | 100.0 | 2,674 | - | 107.2 |
[Visual Communication(VC)]
VCは、低溶剤プリンター(VC-Solvent:ブイシーソルベント)及びUVやテキスタイルプリンターなどの非溶剤系プリンター(VC-Other:ブイシーアザー)で構成され、インクの多様化とソリューション拡充により新市場の開拓と顧客基盤の強化を図ることで収益確保を目指しています。当第3四半期は、サイン(広告・看板)製作における消費者ニーズの変化と活用の場の多様化を背景に、大判インクジェットプリンターの主力機種「TrueVIS(トゥルービズ)シリーズ」のブランドコンセプトを低溶剤プリンターから先進国市場に向けたラインナップへと見直し、インクタイプの拡充を図りました。1月には環境に配慮した当社初となるレジンインク搭載の「AP-640」、UVインクの高生産モデル「LG-640/540/300」、同タイプの普及モデル「MG-640/300」の計6モデルを世界同時発売し、2022年3月発売の低溶剤インクの4モデルと合わせて、全10モデルをラインナップしました。また、サイン需要が旺盛な新興国向けに優れた表現力と信頼性はそのままに、生産性とコストパフォーマンスを重視した地域限定ブランド「DGXPRESS(ディージーエクスプレス)」を立ち上げ、その第一弾として、2023年3月にはUVプリンターの「UG-642/641」を、9月には低溶剤プリンター「ER-642」の発売を開始しました。VC-Solvent は、TrueVISシリーズの低溶剤プリンターが堅調に推移するとともにサプライのインクが前年同期を大きく上回りました。VC-Otherは、UVやレジンなどの非溶剤プリンター及びサプライのインクの販売が増加しました。これらの結果、VCの売上高は199億5百万円(前年同期比114.9%)と前年同期を上回りました。
[Digital Fabrication(DF)]
DFは、近年急拡大する1人ひとりの顧客ニーズに合わせたパーソナライズ需要や、ニッチなニーズに応えるためのカスタマイズ需要などに対応する製品群を、小規模事業者やインターネット通販事業者、小売事業者などに向けて提案することで、新たな市場・用途の創出を目指しております。当第3四半期は、卓上型製品群「VersaSTUDIO(バーサスタジオ)」のラインナップ強化として、1月には当社初となるDTF(Direct To Film)転写方式のアパレル向け小型プリンター「BN-20D」を発売し、販売が順調に進みました。9月には発売以来累計25,000台以上の販売実績のある、同シリーズの卓上型低溶剤プリンターを12年ぶりにフルモデルチェンジした「BN2-20/20A」を発売しました。また、地域限定モデルのCo-CreationモデルUVプリンター「LEC2 Sシリーズ」の提案を通じて、立体物への直接印刷に一定の需要が見えてきたことから、グローバル展開モデルとして3月に新ブランド「VersaOBJECT(バーサオブジェクト)」を立ち上げました。このような新市場創出のための積極的な施策の一方で、3次元切削加工機及び小型カッティングマシンの販売が前年同期から減少したことから、DFの売上高は79億30百万円(前年同期比98.7%)となりました。
[Dental]
Dentalは、デンタル(歯科医療)市場向けに歯科補綴物製作フローのデジタル化を促進するデンタル加工機を提案しています。当第3四半期は、高品質、高生産のニーズが高い先進国において、既存モデル「DWX-52D」、「DWX-4」、「DWX-42W」の販売が減少したものの、2022年9月発売の高生産モデル「DWX-53DC」の販売が進みました。また、デジタル化の機運が高まる新興国においては販路整備が奏功し、価格競争力を高めた専用モデル「DWX-52Di」が中東、中米、アジア、東欧において販売を大きく伸ばしました。これらの結果、Dentalの売上高は50億86百万円(前年同期比101.1%)と前年同期並みとなりました。
[Service, Software & Others(SSO)]
当第3四半期は、業務用インクジェットプリンターのコネクテッドサービス「Roland DG Connect(ローランドディージー・コネクト)」のサブスクリプションサービスを開始しました。お客様のビジネスの効率向上と収益力強化に貢献することで、新たな価値やビジネスの共創を目指しています。これらの結果、売上に含む配送料及びサービスパーツやその他サービス売上が増加したことから、SSOの売上高は66億92百万円(前年同期比102.2%)となりました。
地域別売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (ポイント) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 3,575 | 9.7 | 3,280 | 8.3 | △ 295 | △ 1.4 | 91.7 |
| 北米 | 13,256 | 35.9 | 14,075 | 35.5 | 819 | △ 0.4 | 106.2 |
| 欧州 | 12,751 | 34.5 | 13,838 | 34.9 | 1,086 | 0.4 | 108.5 |
| アジア | 2,237 | 6.0 | 2,461 | 6.2 | 224 | 0.2 | 110.0 |
| その他 | 5,119 | 13.9 | 5,958 | 15.1 | 839 | 1.2 | 116.4 |
| 合計 | 36,939 | 100.0 | 39,614 | 100.0 | 2,674 | - | 107.2 |
[日 本]
VCは、サイン市場向け低溶剤プリンターの販売が前年同期を下回ったものの、UVなど非溶剤プリンターとサプライのインクの販売が増加しました。DFは、3次元加工機の販売が減少しました。Dentalは、高生産モデル「DWX-53DC」の販売が増加しましたが、「DWX-52D」や前年同期に保険適用範囲の拡大を受けて販売が進んだ「DWX-4」など既存機種の販売が減少しました。これらの結果、日本の売上高は32億80百万円(前年同期比91.7%)となり、前年同期を下回りました。
[北 米]
VCは、サイン市場向け低溶剤プリンターの販売が前年同期並みにとどまったものの、低溶剤インクと新製品のUVプリンター及びUVインクの販売が大きく増加しました。DFは、Co-Creationモデルのフラットベッド型UVプリンター「LEC2 Sシリーズ」のほか、4月に発売開始した「VesrsaOBJECT COシリーズ」の販売が増加しました。一方、新製品のアパレル向けDTF方式の小型プリンター「BN-20D」が好調に推移しましたが、同シリーズの既存製品が大きく減少しました。Dentalは、高生産モデル「DWX-53DC」の販売が進んだものの、既存製品が伸び悩んだことで、販売は前年同期を下回りました。これらの結果、為替の円安効果もあり、北米の売上高は140億75百万円(前年同期比106.2%)となり、前年同期を上回りました。
[欧 州]
VCは、サイン市場向けの低溶剤プリンターとサプライのインクの販売が堅調に推移したほか、UVプリンターの新製品「MGシリーズ」、「LGシリーズ」とサプライのUVインクが増収に寄与しました。DFは、卓上型UVプリンターの販売が前年同期を上回りました。Dentalは、「DWX-53DC」の新製品効果に加え、東欧において「DWX-52Di」の販売が増加したことで、前年同期を上回りました。これらの結果、為替の円安効果もあり、欧州の売上高は138億38百万円(前年同期比108.5%)となりました。
[アジア]
韓国の販売は前年同期をやや下回りましたが、中国、ASEAN地域を中心にVC及びDentalの新興国モデル「DWX-52Di」の販売が増加しました。これらの結果、アジアの売上高は24億61百万円(前年同期比110.0%)となり、前年同期を上回りました。
[その他]
オーストラリアでは、デンタル加工機の販売が低調だったものの、UVプリンターを中心にVCの販売が増加しました。ブラジルでは、「DGXPRESS」のUVプリンターとデンタル加工機「DWX-53DC」が好調に推移しました。中東、中部アメリカ地域では新興国モデル「DWX-52Di」がDentalの売上を牽引し、前年同期を上回りました。これらの結果、その他の売上高は59億58百万円(前年同期比116.4%)となりました。
②財政状態の分析
[資産の部]
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ81億11百万円増加し、541億38百万円(前連結会計年度末比117.6%)となりました。流動資産では、現金及び預金が5億17百万円、受取手形及び売掛金が13億57百万円、棚卸資産が23億10百万円それぞれ増加いたしました。固定資産では、本社新社屋の建設が完了したこと等により建設仮勘定が9億円減少し、建物及び構築物が32億38百万円増加したことに加え、工具、器具及び備品が4億9百万円増加いたしました。
[負債の部]
当第3四半期末の負債は、前連結会計年度末と比べ58億32百万円増加し、195億69百万円(前連結会計年度末比142.5%)となりました。コミットメントライン契約に基づく借入を実行したこと等により短期借入金が9億94百万円、設備投資を目的とした長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が30億円増加したことに加え、未払法人税等が6億16百万円、短期デリバティブ債務等のその他流動負債が6億44百万円それぞれ増加いたしました。
[純資産の部]
当第3四半期末の純資産は、前連結会計年度末と比べ22億79百万円増加し、345億69百万円(前連結会計年度末比107.1%)となりました。自己株式の取得及び自己株式の消却により資本剰余金が9億99百万円、自己株式が4億55百万円それぞれ減少し、配当の支払いによる減少があったものの、当期の業績により利益剰余金が14億4百万円増加いたしました。また、円安の影響等により為替換算調整勘定が13億89百万円増加いたしました。
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は、主に当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は2,434百万円であります。
(4)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当社は、セル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は変動いたします。当第3四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
| 品目 | 当第3四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| Visual Communication | 14,617,710 | 133.7 |
| Digital Fabrication | 3,971,211 | 88.6 |
| Dental | 1,253,185 | 65.9 |
| Service, Software & Others | 14,040 | 111.1 |
| 合計 | 19,856,147 | 114.6 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格を基準に算出しております。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であったタイ子会社の生産設備の増強は、2023年4月に完了いたしました。
また、前連結会計年度末において計画中であった本社社屋の建設は2023年9月に完了いたしました。