有価証券報告書-第155期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 9:31
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各国でロックダウンの実施や緊急事態宣言の発出がなされ、世界経済が急速に悪化するなど、厳しい状況が続きました。一方で、下期においては、経済活動の再開や各国政府による景気刺激策等により、米国などを中心に需要が回復傾向を示すなど、一部の国で持ち直しの動きも見られました。しかしながら、第4四半期においては、半導体の供給不足懸念が生じるなど、依然として先行き不透明な事業環境が継続しております。
このような状況の中、当社は、昨年2月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により経営環境が大きく変化したことを受け、同年11月に中期経営計画の見直しを公表いたしました。この中で、コロナ禍での学びと反省、グローバルでの環境規制強化と加速、並びにCASE時代の新しい価値創造競争を踏まえ、構造的な課題解決のため具体的な施策を公表しております。足場固め期間の2年間で、その先の本格成長に向けた準備を全ての領域で完了させ、その後、電動化、IT、カーボンニュートラル実現に向け、投資の質の転換を進めるべく、中期経営計画の推進に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、新世代商品群の第三弾として、昨年9月に新型コンパクトSUV「MAZDA MX-30」のEVモデルを欧州市場に導入し、日本市場でも、同年10月にマイルドハイブリッドモデル、続いて本年1月にEVモデルの販売を開始いたしました。「MX-30」のEVモデルは、2050年時点のカーボンニュートラル実現に向けて企画した、マツダ初の量産電気自動車です。また、他の新世代商品についても、「MAZDA CX-3」、「MAZDA3」、「MAZDA CX-5」、「MAZDA CX-8」等の主要モデルの商品改良を実施し、エンジン出力の向上や新世代マツダコネクトの導入など、走行性能と安全性の向上による「走る歓び」の進化を図りました。当社は、今後もクルマ本来の魅力である「走る歓び」によって、美しい「地球」と心豊かな「人」・「社会」を実現し、人の心を元気にすることにより、お客様との間に特別な絆を持ったブランドになることを目指してまいります。
[グローバル販売]
当連結会計年度のグローバル販売台数は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、日本や欧州、ASEAN等で販売が減少したことから、前期比9.3%減の1,287千台となりました。一方で、販売が好調な米国やオーストラリア等では、需要の回復を上回る販売を達成し、前期を上回る販売台数となりました。
市場別の販売台数は、次のとおりであります。
<日本>商品改良モデルを導入した「CX-5」や「CX-8」の販売は好調であったものの、他社との競合激化の影響等による販売減少により、前期比12.9%減の176千台となりました。
<北米>米国は、総需要減少の厳しい市場環境の中、新規導入の「MAZDA CX-30」や「CX-5」などのクロスオーバーSUVが販売を牽引したことにより、前期比7.0%増の295千台となりました。また、北米全体では、カナダやメキシコにおいて販売が減少したものの、前期比1.6%増の403千台となりました。
<欧州>新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが想定以上に長期化し、主要市場であるドイツや英国などで販売が大きく減少したこと等により、前期比32.3%減の178千台となりました。
<中国>「MAZDA CX-4」や「CX-5」などのクロスオーバーSUVの販売が増加したことに加え、新規導入した「CX-30」が台数増加に寄与したことから、前期比7.8%増の228千台となりました。また、セダン系車種の需要が高い中国市場において、最量販車種である「MAZDA3」も好調な販売を継続しております。
<その他の市場>主要市場のオーストラリアは、総需要の回復を上回る販売台数を達成し、前期比2.8%増の93千台となりました。特に、クロスオーバーSUVは好調な販売を継続しております。一方、その他の市場全体では、タイなどASEAN市場の販売減少もあり、前期比12.7%減の301千台となりました。
[財政状態及び経営成績]
a. 経営成績
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、次のとおりです。
(単位:億円)
当連結会計年度前期比
上期下期通期上期下期通期
増減額増減額増減額増減率
売上高11,15817,66328,821△5,908+426△5,482△16.0%
営業利益△52961788△787+439△348△79.8%
経常利益△533816283△873+625△248△46.8%
親会社株主に帰属する
当期純利益
△930613△317△1,096+658△438-%

b. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、主として現金及び現金同等物(現金及び預金と有価証券の合計)の増加等により、前連結会計年度末より1,298億円増加し、2兆9,174億円となりました。負債合計は、新型コロナウイルス感染症による事業資金リスクに備えた資金調達等により、前連結会計年度末より1,398億円増加し、1兆7,216億円となりました。有利子負債は、長期借入金の増加等により、7,559億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失317億円、配当金の支払い126億円に対し、株価上昇等に伴うその他包括利益累計額の増加により、前連結会計年度末より100億円減少し、1兆1,958億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より1.6ポイント減少し、40.5%(劣後特約付ローンの資本性考慮後41.7%)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績
当連結会計年度のセグメント別の連結業績は、次のとおりです。
(単位:億円)
当連結会計年度前期比
上期下期通期上期下期通期
増減額増減額増減額増減率
売上高日本8,94214,37423,316△4,982+588△4,393△15.9%
北米4,8527,95312,805△1,430+592△838△6.1%
欧州2,0083,0895,097△1,787△459△2,246△30.6%
その他の地域2,0563,4925,548△981+467△514△8.5%
営業利益日本△749102△647△720+326△394-%
北米△11416405△28+124+96+31.3%
欧州4852100+21△23△3△2.5%
その他の地域55123178△86△1△87△32.8%

<日本>売上高は、2兆3,316億円(前期比4,393億円減、15.9%減)、営業損失は647億円(前期は253億円の損失)となりました。これは、主に新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う上半期での出荷台数の減少等によるものです。セグメント資産は、前期比1,695億円増加の2兆3,435億円となりました。
<北米>売上高は1兆2,805億円(前期比838億円減、6.1%減)、営業利益は405億円(前期比96億円増、31.3%増)となりました。これは、主に米国での販売金融の強化など、販売の質的改善が進んだことに加え、宣伝費等の固定費抑制の取り組み等によるものです。セグメント資産は、前期比76億円減少の4,493億円となりました。
<欧州>売上高は5,097億円(前期比2,246億円減、30.6%減)、営業利益は100億円(前期比3億円減、2.5%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの影響等により、出荷台数が減少したことによるものです。セグメント資産は、前期比70億円減少の1,981億円となりました。
<その他の地域>売上高が5,548億円(前期比514億円減、8.5%減)、営業利益は178億円(前期比87億円減、32.8%減)となりました。これは、主要市場であるオーストラリアが好調な一方で、特に上半期において、ASEAN市場等での出荷台数が減少したことによるものです。セグメント資産は、前期比287億円増加の3,548億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,708億円増加の7,388億円、有利子負債は、前連結会計年度末より1,361億円増加の7,559億円となりました。この結果、有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は171億円となっております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益22億円に加え、たな卸資産の減少等により、1,201億円の増加(前期は348億円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出718億円等により、789億円の減少(前期は1,276億円の減少)となりました。
以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、412億円の増加(前期は927億円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の影響による事業資金リスクに備え、資金調達を実行したこと等により、993億円の増加(前期は243億円の減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称台数(千台)前期比(%)
日本748△23.1
北米1330.9
合計880△20.2

b. 受注実績
当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画を立て、見込生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本866,977△16.3
北米1,027,856△11.9
欧州490,134△30.5
その他の地域497,099△4.9
合計2,882,066△16.0

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載しております。
<売上高>当連結会計年度における売上高は、特に上半期での出荷台数の減少等により、2兆8,821億円(前期比5,482億円減、16.0%減)となりました。
仕向地別では、国内は、他社との競合激化の影響による販売減少等により、5,945億円(前期比354億円減、5.6%減)となり、海外は、主として欧州やASEAN市場向けの出荷台数の減少等により、2兆2,876億円(前期比5,128億円減、18.3%減)となりました。
製品別では、主として新型コロナウイルス感染症の影響による出荷台数の減少により、車両売上高は2兆3,402億円(前期比4,989億円減、17.6%減)となり、海外生産用部品売上高は681億円(前期比147億円減、17.7%減)となりました。そのほか、部品売上高は2,290億円(前期比334億円減、12.7%減)、その他売上高は2,448億円(前期比12億円減、0.5%減)となりました。
<営業利益>上期においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う出荷台数の減少等により、529億円の営業損失(前期比787億円減)となりましたが、販売回復、固定費抑制、変動利益向上を通じた損益分岐点台数の引き下げについて、全社をあげて重点的かつ継続的に取り組んだ結果、下期の営業利益は617億円(前期比439億円増)となり、大幅な改善を達成いたしました。
この結果、通期の営業利益は88億円(前期比348億円減、79.8%減)、連結売上高営業利益率は0.3%(前期比1.0ポイント減)となりました。また、損益分岐点台数の引き下げについても、下期で50万台弱となっており、中期経営計画目標である100万台の目標達成に向けて、着実に進捗しております。
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
(単位:億円)
上期下期通期
台数・構成△1,440+129△1,311
為替△39△54△93
コスト改善△7+95+88
固定費他+494+269+763
操業停止に伴う特別損失振替+205-+205
△787+439△348

<経常利益>主に為替差益161億円や持分法による投資利益66億円を計上したことから、283億円(前期比248億円減、46.8%減)となりました。
<親会社株主に帰属する当期純損失>新型コロナウイルス感染症の影響で工場の操業を停止した期間の固定費等205億円を特別損失に計上したことや税金費用343億円等により、317億円(前期は121億円の利益)となりました。
当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② 資本の財源、資金の流動性
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。
当社グループの資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどによりリスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としております。また、当社はグループ全体の資金を一元管理し、グループ内での相互貸借機能を保有することで、流動性リスクに対し機動的に対応できる体制を構築しております。加えて、当社は国内金融機関とのコミットメントライン契約の締結により、十分な流動性を確保する手段を保有しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物7,388億円に未使用のコミットメントライン2,000億円を加えた流動性は、月商比3.9ヶ月に相当する9,388億円となっております。
株主還元につきましては、当期の業績及び経営環境並びに財務状況等を勘案して決定することを方針とし、安定的な配当の実現と着実な向上に努めることとしております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであり、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検証し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなど支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b. 退職給付関係
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
c. 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) 1. 固定資産の減損」に記載しております。
d. 繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) 2. 繰延税金資産の回収可能性」に記載しております。
e. 製品保証引当金
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) 3. 製品保証引当金」に記載しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、昨年11月に中期経営計画の見直し(2020年3月期~2026年3月期)を公表いたしました。本経営計画に係る経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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