有価証券報告書-第154期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度の期首より、米国会計基準を適用している在外連結子会社において、ASU第2014-09号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度は遡及適用後の数値となっており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において、当社は昨年11月に中期経営計画を公表いたしました。自動車業界は今、100年に一度の変革期の中にあります。CASE(コネクティビティ技術/自動運転技術/シェアード・サービス/電動化技術といった新技術の総称)に代表される時代の要請に応えていくために、クルマの企画、開発、製造、販売、サービスなど多くの領域で変革が求められます。中期経営計画で定めた今後6年間に取り組むべき3つの領域「独自の商品・顧客体験への投資」「ブランド価値を低下させる支出の抑制」「遅れている領域への投資」について、その施策と目標を具体化し、CASE等への対応を含む将来への投資を行いながら、計画の推進に取り組んでおります。
中期経営計画の初年度である当期におきましては、コネクテッドサービスの導入に加え、電動化技術のマイルドハイブリッドシステムや自動運転技術につながる先進安全技術などCASEに対応した技術を商品化いたしました。新技術による現行世代商品群の進化と共に、昨年導入の「MAZDA3」に続き、グローバルに成長を続けるSUV市場を見据えた新世代商品第二弾となる「MAZDA CX-30」の販売を計画通り開始しております。なお、「MAZDA3」と「CX-30」には、ガソリンエンジンにおける圧縮着火を初めて実用化した新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」を搭載しています。また、昨年10月の第46回東京モーターショーにおいて、マツダ初の量産EVとなる「MAZDA MX-30」を世界初公開し、来年度に導入する予定です。
当連結事業年度の当社グループを取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦による中国での景気減速や英国のEU離脱問題等により、世界的に需要が前年比悪化するなど、厳しい状況が続きました。加えて、第4四半期における新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的に経済の先行きに対する不透明感が急速に高まりました。この感染症は、まず中国などの生産・サプライチェーンに影響を及ぼし、その後、世界的に感染が拡大し、各国での経済活動の停止や金融市場の混乱等に伴い、全市場での販売活動に大きな影響が出ています。
[グローバル販売]
当連結会計年度のグローバル販売台数は、主要市場での需要縮小に加え、新型コロナウイルス感染症の影響等により、前期比9.1%減の1,419千台となりました。
市場別の販売台数は、次のとおりであります。
<日本>新世代商品の「MAZDA3」と「CX-30」の販売は導入以来好調に推移しましたが、需要縮小に伴う他社との競合激化の影響等により「MAZDA CX-5」等の販売が減少したことから、前期比5.7%減の202千台となりました。
<北米>米国は、商品改良モデルを導入した「CX-5」や「MAZDA CX-9」が前年を上回る販売となりましたが、セダン系車種の需要縮小の影響等により、前期比4.1%減の275千台となりました。北米全体では、カナダ等での販売減少もあり、前期比5.8%減の397千台となりました。
<欧州>主要市場であるドイツや英国などで販売が減少したこと等により、前期比2.3%減の264千台となりました。昨年9月導入の「CX-30」は、「SKYACTIV-X」搭載モデルが好評をいただくなど、販売は順調に推移しております。
<中国>通商問題による景気減速に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で需要が急激に縮小したことから、前期比14.4%減の212千台となりました。
<その他の市場>主要市場であるオーストラリアは、市場環境の悪化による総需要の縮小が継続し、加えて、大規模な森林火災の影響等もあり、前期比18.1%減の90千台となりました。その他の市場全体では、タイの金融市場引き締め影響による販売減少や、ベトナムなど他のアセアン市場の販売減少もあり、前期比15.6%減の345千台となりました。
[財政状態及び経営成績]
a. 経営成績
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は、3兆4,303億円(前期比1,339億円減、3.8%減)となり、営業利益は436億円(前期比387億円減、47.0%減)、経常利益は531億円(前期比630億円減、54.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億円(前期比511億円減、80.8%減)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加に対し、現金及び現金同等物(現金及び預金と有価証券の合計)や売掛金の減少等により、前連結会計年度末より900億円減少し、2兆7,876億円となりました。
負債合計は、買掛金の減少等により、前連結会計年度末より624億円減少し、1兆5,818億円となりました。有利子負債は、設備投資等を目的とした長期借入金の調達等により、前連結会計年度末より128億円増加し、6,199億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益121億円に対し、配当金の支払い220億円等により、前連結会計年度末より276億円減少し、1兆2,058億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より0.3ポイント増加し、42.1%(劣後特約付ローンの資本性考慮後43.4%)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績
<日本>売上高は、2兆7,709億円(前期比1,132億円減、3.9%減)、営業損失は253億円(前期は225億円の営業利益)となりました。これは、出荷台数の減少に加え、為替の円高影響等によるものです。セグメント資産は、前期比848億円減少の2兆1,740億円となりました。
<北米>売上高は1兆3,643億円(前期比186億円増、1.4%増)、営業利益は308億円(前期比98億円増、46.8%増)となりました。これは、主に米国での販売費用の抑制など、販売の質的改善効果によるものです。セグメント資産は、前期比243億円増加の4,569億円となりました。
<欧州>売上高は7,343億円(前期比112億円増、1.5%増)、営業利益は103億円(前期比26億円減、20.3%減)となりました。これは、出荷台数は前年並みであった一方で、為替の円高が進行した影響によるものです。セグメント資産は、前期比332億円減少の2,051億円となりました。
<その他の地域>売上高が6,061億円(前期比880億円減、12.7%減)、営業利益は264億円(前期比22億円増、9.1%増)となりました。これは、オーストラリア等での販売台数の減少や為替の円高影響に対し、固定費等の抑制・低減活動を推し進めたことによるものです。セグメント資産は、前期比130億円増加の3,261億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,336億円減少の5,680億円、有利子負債は、前連結会計年度末より128億円増加の6,199億円となり、この結果、有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は519億円となっております。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益493億円に対し、たな卸資産の増加等により、348億円の増加(前期は1,467億円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,075億円等により、1,276億円の減少(前期は1,316億円の減少)となりました。
以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、927億円の減少(前期は151億円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等を目的とした社債及び長期借入金の調達に対し、配当金の支払いや長期借入金の返済等により、243億円の減少(前期は834億円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画を立て、見込生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載しております。
<売上高>当連結会計年度における売上高は、為替の円高影響や出荷台数の減少等により、3兆4,303億円(前期比1,339億円減、3.8%減)となりました。
仕向地別では、国内は、需要縮小に伴う他社との競合激化の影響による販売減少等により、6,299億円(前期比637億円減、9.2%減)となり、海外は、主としてオーストラリアやアセアン市場向けの出荷台数の減少や為替の円高影響等により、2兆8,004億円(前期比702億円減、2.4%減)となりました。
製品別では、車両売上高は、主要市場向けの出荷台数の減少や為替の円高影響により、2兆8,390億円(前期比1,054億円減、3.6%減)となり、海外生産用部品売上高は、景気減速や新型コロナウイルス感染症の影響で需要が急激に縮小した中国向けの減少により、828億円(前期比51億円減、5.8%減)となりました。部品売上高は2,624億円(前期比99億円減、3.6%減)、その他売上高は2,460億円(前期比135億円減、5.2%減)となりました。
<営業利益>継続的なコスト改善活動の推進や販売費用の抑制・単価改善の取り組みが増益要因となった一方で、ほぼ全ての通貨において円高が進んだことにより、営業利益は436億円(前期比387億円減、47.0%減)となりました。この結果、連結売上高営業利益率は、1.3%(前期比1.0ポイント減)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
<経常利益>主に持分法による投資利益197億円を計上したことから、531億円(前期比630億円減、54.3%減)となりました。
<親会社株主に帰属する当期純利益>繰延税金資産の一部取崩し影響を含む税金費用352億円等により、121億円(前期比511億円減、80.8%減)となりました。
当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② 資本の財源、資金の流動性
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。
資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどにより、リスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保することを方針としております。
なお、当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う事業資金リスクに備え、2020年4月30日から2020年6月22日にかけて取引金融機関から、総額 2,900億円の借入による資金調達を実行しております。
株主還元につきましては、当期の業績及び経営環境並びに財務状況等を勘案して決定することを方針とし、安定的な配当の実現と着実な向上に努めることとしております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであります。
なお、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検証し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなど支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b. 製品保証引当金
製品のアフターサービスの費用に備えるため、主として保証書の約款及び法令等に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込や求償見込を加味して計上しております。しかしながら、実際の保証費用や求償額が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
c. 退職給付関係
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
d. 固定資産の減損
当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、原則として事業会社毎を1つの資産グループとし、遊休資産、賃貸用資産及び売却予定資産は、個々の物件ごとに資産グループとして、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っておりますが、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上が必要になる可能性があります。
e. 繰延税金資産
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されていますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、税金費用が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、当連結会計年度末時点での入手可能な情報等を踏まえ、2021年3月期の一定期間にわたり、当該影響が継続するとの仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。
しかしながら、今後の感染状況や各国の規制措置等の動向によって、グローバルでの事業活動に更なる悪影響を及ぼした場合には、繰延税金資産の額が減額され、追加の税金費用が発生する可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、昨年11月に中期経営計画(2020年3月期~2025年3月期)を公表いたしました。本経営計画に係る経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において、当社は昨年11月に中期経営計画を公表いたしました。自動車業界は今、100年に一度の変革期の中にあります。CASE(コネクティビティ技術/自動運転技術/シェアード・サービス/電動化技術といった新技術の総称)に代表される時代の要請に応えていくために、クルマの企画、開発、製造、販売、サービスなど多くの領域で変革が求められます。中期経営計画で定めた今後6年間に取り組むべき3つの領域「独自の商品・顧客体験への投資」「ブランド価値を低下させる支出の抑制」「遅れている領域への投資」について、その施策と目標を具体化し、CASE等への対応を含む将来への投資を行いながら、計画の推進に取り組んでおります。
中期経営計画の初年度である当期におきましては、コネクテッドサービスの導入に加え、電動化技術のマイルドハイブリッドシステムや自動運転技術につながる先進安全技術などCASEに対応した技術を商品化いたしました。新技術による現行世代商品群の進化と共に、昨年導入の「MAZDA3」に続き、グローバルに成長を続けるSUV市場を見据えた新世代商品第二弾となる「MAZDA CX-30」の販売を計画通り開始しております。なお、「MAZDA3」と「CX-30」には、ガソリンエンジンにおける圧縮着火を初めて実用化した新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」を搭載しています。また、昨年10月の第46回東京モーターショーにおいて、マツダ初の量産EVとなる「MAZDA MX-30」を世界初公開し、来年度に導入する予定です。
当連結事業年度の当社グループを取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦による中国での景気減速や英国のEU離脱問題等により、世界的に需要が前年比悪化するなど、厳しい状況が続きました。加えて、第4四半期における新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的に経済の先行きに対する不透明感が急速に高まりました。この感染症は、まず中国などの生産・サプライチェーンに影響を及ぼし、その後、世界的に感染が拡大し、各国での経済活動の停止や金融市場の混乱等に伴い、全市場での販売活動に大きな影響が出ています。
[グローバル販売]
当連結会計年度のグローバル販売台数は、主要市場での需要縮小に加え、新型コロナウイルス感染症の影響等により、前期比9.1%減の1,419千台となりました。
市場別の販売台数は、次のとおりであります。
<日本>新世代商品の「MAZDA3」と「CX-30」の販売は導入以来好調に推移しましたが、需要縮小に伴う他社との競合激化の影響等により「MAZDA CX-5」等の販売が減少したことから、前期比5.7%減の202千台となりました。
<北米>米国は、商品改良モデルを導入した「CX-5」や「MAZDA CX-9」が前年を上回る販売となりましたが、セダン系車種の需要縮小の影響等により、前期比4.1%減の275千台となりました。北米全体では、カナダ等での販売減少もあり、前期比5.8%減の397千台となりました。
<欧州>主要市場であるドイツや英国などで販売が減少したこと等により、前期比2.3%減の264千台となりました。昨年9月導入の「CX-30」は、「SKYACTIV-X」搭載モデルが好評をいただくなど、販売は順調に推移しております。
<中国>通商問題による景気減速に加え、新型コロナウイルス感染症の影響で需要が急激に縮小したことから、前期比14.4%減の212千台となりました。
<その他の市場>主要市場であるオーストラリアは、市場環境の悪化による総需要の縮小が継続し、加えて、大規模な森林火災の影響等もあり、前期比18.1%減の90千台となりました。その他の市場全体では、タイの金融市場引き締め影響による販売減少や、ベトナムなど他のアセアン市場の販売減少もあり、前期比15.6%減の345千台となりました。
[財政状態及び経営成績]
a. 経営成績
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は、3兆4,303億円(前期比1,339億円減、3.8%減)となり、営業利益は436億円(前期比387億円減、47.0%減)、経常利益は531億円(前期比630億円減、54.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億円(前期比511億円減、80.8%減)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加に対し、現金及び現金同等物(現金及び預金と有価証券の合計)や売掛金の減少等により、前連結会計年度末より900億円減少し、2兆7,876億円となりました。
負債合計は、買掛金の減少等により、前連結会計年度末より624億円減少し、1兆5,818億円となりました。有利子負債は、設備投資等を目的とした長期借入金の調達等により、前連結会計年度末より128億円増加し、6,199億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益121億円に対し、配当金の支払い220億円等により、前連結会計年度末より276億円減少し、1兆2,058億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より0.3ポイント増加し、42.1%(劣後特約付ローンの資本性考慮後43.4%)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績
<日本>売上高は、2兆7,709億円(前期比1,132億円減、3.9%減)、営業損失は253億円(前期は225億円の営業利益)となりました。これは、出荷台数の減少に加え、為替の円高影響等によるものです。セグメント資産は、前期比848億円減少の2兆1,740億円となりました。
<北米>売上高は1兆3,643億円(前期比186億円増、1.4%増)、営業利益は308億円(前期比98億円増、46.8%増)となりました。これは、主に米国での販売費用の抑制など、販売の質的改善効果によるものです。セグメント資産は、前期比243億円増加の4,569億円となりました。
<欧州>売上高は7,343億円(前期比112億円増、1.5%増)、営業利益は103億円(前期比26億円減、20.3%減)となりました。これは、出荷台数は前年並みであった一方で、為替の円高が進行した影響によるものです。セグメント資産は、前期比332億円減少の2,051億円となりました。
<その他の地域>売上高が6,061億円(前期比880億円減、12.7%減)、営業利益は264億円(前期比22億円増、9.1%増)となりました。これは、オーストラリア等での販売台数の減少や為替の円高影響に対し、固定費等の抑制・低減活動を推し進めたことによるものです。セグメント資産は、前期比130億円増加の3,261億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,336億円減少の5,680億円、有利子負債は、前連結会計年度末より128億円増加の6,199億円となり、この結果、有利子負債から現金及び現金同等物の期末残高を除いた純有利子負債は519億円となっております。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益493億円に対し、たな卸資産の増加等により、348億円の増加(前期は1,467億円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,075億円等により、1,276億円の減少(前期は1,316億円の減少)となりました。
以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、927億円の減少(前期は151億円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等を目的とした社債及び長期借入金の調達に対し、配当金の支払いや長期借入金の返済等により、243億円の減少(前期は834億円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 台数(千台) | 前期比(%) |
| 日本 | 972 | △3.8 |
| 北米 | 131 | △22.1 |
| 合計 | 1,103 | △6.4 |
b. 受注実績
当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画を立て、見込生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 日本 | 1,035,277 | △6.5 |
| 北米 | 1,166,712 | 2.8 |
| 欧州 | 705,492 | 0.9 |
| その他の地域 | 522,804 | △16.2 |
| 合計 | 3,430,285 | △3.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載しております。
<売上高>当連結会計年度における売上高は、為替の円高影響や出荷台数の減少等により、3兆4,303億円(前期比1,339億円減、3.8%減)となりました。
仕向地別では、国内は、需要縮小に伴う他社との競合激化の影響による販売減少等により、6,299億円(前期比637億円減、9.2%減)となり、海外は、主としてオーストラリアやアセアン市場向けの出荷台数の減少や為替の円高影響等により、2兆8,004億円(前期比702億円減、2.4%減)となりました。
製品別では、車両売上高は、主要市場向けの出荷台数の減少や為替の円高影響により、2兆8,390億円(前期比1,054億円減、3.6%減)となり、海外生産用部品売上高は、景気減速や新型コロナウイルス感染症の影響で需要が急激に縮小した中国向けの減少により、828億円(前期比51億円減、5.8%減)となりました。部品売上高は2,624億円(前期比99億円減、3.6%減)、その他売上高は2,460億円(前期比135億円減、5.2%減)となりました。
<営業利益>継続的なコスト改善活動の推進や販売費用の抑制・単価改善の取り組みが増益要因となった一方で、ほぼ全ての通貨において円高が進んだことにより、営業利益は436億円(前期比387億円減、47.0%減)となりました。この結果、連結売上高営業利益率は、1.3%(前期比1.0ポイント減)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
| 台数・構成 | 183億円 | |
| 為替 | △683億円 | |
| コスト改善 | 260億円 | |
| 研究開発費 | △3億円 | |
| その他 | △144億円 | |
| 計 | △387億円 |
<経常利益>主に持分法による投資利益197億円を計上したことから、531億円(前期比630億円減、54.3%減)となりました。
<親会社株主に帰属する当期純利益>繰延税金資産の一部取崩し影響を含む税金費用352億円等により、121億円(前期比511億円減、80.8%減)となりました。
当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② 資本の財源、資金の流動性
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。
資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどにより、リスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保することを方針としております。
なお、当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う事業資金リスクに備え、2020年4月30日から2020年6月22日にかけて取引金融機関から、総額 2,900億円の借入による資金調達を実行しております。
株主還元につきましては、当期の業績及び経営環境並びに財務状況等を勘案して決定することを方針とし、安定的な配当の実現と着実な向上に努めることとしております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであります。
なお、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検証し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなど支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b. 製品保証引当金
製品のアフターサービスの費用に備えるため、主として保証書の約款及び法令等に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込や求償見込を加味して計上しております。しかしながら、実際の保証費用や求償額が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
c. 退職給付関係
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
d. 固定資産の減損
当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、原則として事業会社毎を1つの資産グループとし、遊休資産、賃貸用資産及び売却予定資産は、個々の物件ごとに資産グループとして、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っておりますが、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上が必要になる可能性があります。
e. 繰延税金資産
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されていますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、税金費用が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響については、当連結会計年度末時点での入手可能な情報等を踏まえ、2021年3月期の一定期間にわたり、当該影響が継続するとの仮定のもと、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。
しかしながら、今後の感染状況や各国の規制措置等の動向によって、グローバルでの事業活動に更なる悪影響を及ぼした場合には、繰延税金資産の額が減額され、追加の税金費用が発生する可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、昨年11月に中期経営計画(2020年3月期~2025年3月期)を公表いたしました。本経営計画に係る経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。